元祖ツンデレの「デレ」がすごい―PS Vita/PSP「アンジェリークルトゥール」ゼフェル役・岩田光央さんインタビュー

コーエーテクモゲームスが、2015年10月1日に発売を予定しているPS Vita/PSP用ソフト「アンジェリークルトゥール」に、ゼフェル役として出演する岩田光央さんへのインタビューをお届けする。

本作は、コーエーテクモゲームスの女性向け恋愛ゲーム「ネオロマンス」シリーズ初の作品として、1994年に発売した恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」をリメイクした最新作だ。

女王が宇宙を統べる世界。新たな女王候補に選ばれた主人公はライバルとともに女王試験を受けることになり、守護聖と呼ばれる男性たちと交流していくことに。使命と恋、どちらを選ぶかはプレイヤー次第となる。

ここでは、本作で攻略対象キャラクターのひとり、器用さをもたらす鋼の守護聖であるゼフェル役・岩田光央さんのアフレコ収録後にお話を聞くことができたので紹介しよう。

――アフレコを終えての感想をお願いします。

岩田光央さん

岩田さん：最後にゼフェルとしてのキャラクターをアフレコしてから十年以上ぶりぐらいになりますが、セリフを言っていけば言っていくほど色々なものを思い出していく感じがとても気持ち良くて。素敵な時間だなと思いながら演じていました。すごく楽しかったです。

やはり今の僕の色々な活動があるのも「アンジェリーク」という作品が核になっている部分があるので「ああ、ここから始まったんだな」と、自分の中で懐古するところがあって「やっぱりゼフェル好きだな」って思って。

最初は「ゼフェルというキャラクターのゴールってここなのかな？」という探りはありました。けど、音響監督さんとコミュニケーションを取るうちにすぐ「ここ！」というゴールにすっと乗ることができたので、やっぱり染みついてるものがあるのかなと感じさせてもらいました。

――岩田さんが演じられたゼフェルの魅力を教えてください。

岩田さん：やはり、何といっても「元祖ツンデレ」ですよね（笑）。「こいつ距離近くないとこんなにヒドイやつだったんだ！」って、相変わらず冷たいなと思いました。やっぱりそこですよね、非常にツンデレなキャラだと。とにかくツンがヒドイんですけど、デレになると「ここまでいくか！」と。

まだ言えませんけど、今回はラストにすごいシーンがあって「こういうこともやっちゃうんだ！」っていうのがたまらないですよ。「ええええ！」っていう場面があって…デレの極致ですね。僕もちょっと照れちゃいました。このあたりは是非ゲームでお楽しみください。

――ご自身とゼフェルに共通点はありますか？

岩田さん：僕もまあ、ぶっちゃけツンデレなので…って嘘です！（笑）。嘘ですけど、共通点は…なんでしょうね。昔のまだまだ若かった頃はさておき、今となると…。自分で言うのもおこがましいんですが、ゼフェルってピュアな人ですよね。一本筋の通った真っ直ぐなところがあるので、そういう部分は僕も見習っていきたいと思いますし、持ち続けていけたらなという願いもあり、持っている部分もあるかなという自負もあり…こんなところですね。

――もしご自身が「女王候補」の立場となった場合、恋と使命どちらを選びますか？

岩田さん：僕はたぶん、この作品を始めたころは使命だったと思うんですよ。でもこの年になって、改めて考えると恋かな！！（笑）。

この年までくると、自分の中で培ってきたものや完成してきたものがあるなという実感はあるんです。けれど最後まで恋や恋心、人を想うこと、愛するという気持ちを持ち続けていたいし、そういう自分でいたいと思います。

――もし守護聖になるとしたら、何を司る守護聖になりますか？

岩田さん：僕はもう「鋼」です！　だってここまで付き合ってますし、もう知識も十分にあるわけですから、それをフルに活用しなきゃというのもありますよね。20年分の「鋼」で！

――新しくなったゼフェルのデザインについて感想をお聞かせください。

岩田さん：非常に格好良くなりましたね。あと、髪の毛を下ろすだけでもこんなに印象が変わるんだなと。他のキャラクターは輪郭や顔つきは今風になってますけど、髪型とかパーツは昔のものを踏襲しているので劇的に変わったという印象はなかったんです。唯一ゼフェルが髪の毛を下ろしたことで、こんなに変化するんだなというのがあって「おお～カッコよくなっちゃったなゼフェル！」って。

髪を下ろして、若者というイメージから青年らしさも出てきたかなと思いますし。こうした進化には好意的に「コーエーさんありがとう！」っていう感じですね。

――新しいデザインで、気になるキャラクターはいますか？

岩田さん：オリヴィエも結構髪を下ろしてるんですけど、髪の色とか羽とかが彼らしさを崩さないんだなと思いましたね。あとお子ちゃまチーム3人がどうなるんだろうなっていうのは気になってました。

――ゼフェルにぴったりの女性はどんな方だと思いますか？

岩田さん：王道は気の強い女性でしょうね。自立心のある方はゼフェルに対して「ふざけないで！」って思うでしょうし、逆に男性をとても頼りにする女性にも楽しんでほしいですし、どちらかというとゼフェルには彼より年上の方が似合うんじゃないでしょうか。

――20周年を迎えた「アンジェリーク」ですが、これまでの作品・イベント・歌った曲などで特に印象に残っている思い出があればお聞かせください。

岩田さん：やはり1番最初のイベント「アンジェリークメモワール2000」ですね。僕自身、パシフィコ横浜というあんなに大きな場所でイベントをさせていただいたのがあまりにも衝撃的でした。今でこそ当たり前のように色々なところでイベントを開催するようになりましたけど、当時はほんとうに少なくて、すごく驚きと可能性を感じた瞬間でした。ここに立てる喜びと感謝はすごかったですし、これからも続けていきたいというコーエーさんの思いを受け、絶対に皆で作り上げていかなきゃと思いました。

それで、7月のイベントタイトルが「アンジェリークメモワール2015」と聞いたとき、ちょっと鳥肌が立ちましたね。「ネオロマンス○○」というのではなく、このネーミングを使ってくれるというのに感動しました。

歌でいうと、いっぱい思い入れのある曲を歌ってきましたけど、一番最近の「視界ゼロからの脱出」が好きですね。どこかで歌いたいなという気持ちは非常にあります。

――今後「アンジェリーク」に新たな展開があったら、どんなことをしてみたいですか？

岩田さん：まず出来ないことだと思うんですけど、故郷に帰ってみたいですね。帰ったらそこで終わってしまうんですけど、でも実際に故郷に帰るのか、ガラス越しのような感じで眺めるのか…うんと故郷に近づいたときの彼の心の葛藤とかをやってみたいですね。

友達との別れとか、ゼフェルって故郷に対してわだかまりがありますから。あれだけこだわってきたものがすぐそこにあるような状態になったときのゼフェルの心理を表現してみたいです。

――ここぞという聞きどころ、ポイントについてお聞かせください。

岩田さん：やはり、先ほども言いましたがラストのラストでとんでもないシーンがあるので、気合を入れて演じたのでぜひ聞いてほしいです。あとはアンジェリークに対して告白するところも非常に気合が入りました。段階を踏んで収録していくんですけど、このツンからデレに変わっていくのが自分で表現していてたまらなく面白くて（笑）。「どの辺からデレを入れていこうかな」と作り上げていくのが楽しかったです。

――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

岩田さん：おかげさまで、再び皆様の前で「アンジェリーク」というタイトルを演じる機会が生まれました。本当に嬉しく、感動していますし、コーエーさんの大英断で20年前からキャストも変わってませんので、往年のファンの方に100％楽しんでもらえる作品になってます。

「アンジェリーク」を知らないユーザーさんにも「これぞ恋愛シミュレーションゲーム」という、いわゆる乙女ゲームの元祖を味わっていただいて、ここから始まったんだと感じてほしいですね。今はたくさんのタイトルが世に出ていますけど、改めて遊んでいただいても遜色ない出来栄えですから、コーエーさんの底力を感じて、楽しんでください。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。