「わざわざ自ら入り込んだ世界なのに絶望しながら外に出たがるゲームってなーんだ」というクイズがあったら間違いなく答えになりそうなゲームでおなじみ(?)の「脱出アドベンチャー 絶望要塞」のインプレッションをお届けします。

もし、ゲーム開発の終盤に差し掛かっていて今にでも逃げたい気持ちでいっぱいの状況があったとしたら、あなたはどうやって状況を回避しますか?

もし、の話ですよ、もし……の……。

本当にもしもの話なんですけど、そんな状況があったとしたら、どこでもいいからバカンスに行きたいもんですよ。記憶を無くしてノー天気にバカンスに行ければいいですよね。そんなときにすぐバカンスできるのがゲームの良いところ。なので、すぐに「脱出アドベンチャー 絶望要塞」をプレイしてみることにしました。

ゲームを起動すると上画面には大きく「絶望要塞」の文字。とめどなく絶望感が襲ってきます。きっと今開発の終盤に掛かっていて、絶望的な要塞に缶詰め状態になってお仕事をしているからでしょうか。いや、それはもしの話。本当にそんなことなら、このインプレッションを書いているはずがないのですからね。

さて、タイトル画面には「CONTINUE」「NEW GAME」「SEASON SELECT」の3つの項目があるので、迷わず「NEW GAME」を選びましょう。まぁ、最初は「NEW GAME」しか選べないんですけど。

さて、上画面には「SEASON 1 デスバレー要塞」の文字。“SEASON 1”の文字を見て、海外ドラマのシリーズ展開のようにこれから幾多の絶望が襲ってくることを容易に想像できました。それではその1歩を踏み出してみましょう。

いきなり目の前に現れたのは丸坊主で眼帯に髭、葉巻、杖とどっから触れればいいのかわからないほど濃いキャラクターのスタンリーというおっさん。その背後には牢屋が見えます。いかにも怪しい場所です。何があったのでしょう。なぜこんなところにいるのでしょう……ところでボクは誰?

どうやらボクは自分が誰か、これまで何をやってきたのか、全ての記憶を失ってしまっているようです。記憶を無くしてバカンス、確かに願いが叶っているようです。

スタンリーがボクの名前を言おうとするので、その前に名前を名乗ってやろうと思って、記憶を辿ってみました。きむらたくや? ふくやままさはる? いや、ゲームの世界だからもっと若くてもいいかも。おかだまさき? ふくしそうた? ……いろいろな名前が浮かびますが、記憶の奥底に残っている何かが許してくれません。そして、やっとのことで入力した名前は「さけかん」でした。

このスタンリーはデスバレー要塞の所長で、どうやらデスバレー要塞とは収容所のようです。この収容所のルールは「ここを出ようとしないこと」。つまりは脱獄するなと言うことですね。

これは悪夢なのでしょうか? 現実逃避という意味ではいい夢のような気がしますし、このまま収容所に留まり続けるのなら、ちょっとしたバカンスとして有効ですよね。そんな気持ちが少し芽生えてきました。

いやいやいや、このままではいけない。どんな困難にでも立ち向かわなくてはならない。だってこの個室だとゲームソフトを15000本置いたら部屋が埋まっちゃうし、KINECTをやるにはちょっと狭いし、もうちょっと広い部屋がいいですよね……などと無駄な葛藤を繰り返した後に、もうちょっと広い個室を……いや、この悪夢から脱出する方法を模索し始めました。

今いるところは普通の独房のようです。この独房からの脱出を試みましょう。いきなりどうしよう、と思う方もいるかもしれませんけど、とにかく安心してください。入ってますよ。チュートリアルが。

一般的な脱出ゲームを期待している人は、この時点でいきなり驚くことでしょう。このゲーム、脱出ゲームなのにプレイヤー自身が自由に移動できるんです。移動の操作はスライドパッドの上下で前進・後退、左右で旋回、LRボタンで平行移動。なので、今は狭い独房の中ですけど、自由に移動をすることができます。但し、本当に狭いので、床とかしっかりと見えません。

床を見たいなぁ、と思ってみたところ、見渡しの操作もありました。LボタンとRボタンを同時に押しながらスライドパッドを操作するとその場に立ち止って見渡すことができます。スライドパッドを上に倒せば天井を、下に倒せば床を見ることができます。そして、LボタンとRボタンだけを押していれば、自動的に視点が正面に戻ります。視点を正面に戻さないで移動するなんてこともできますよ。

続いてモードの切替。このゲームには警戒モードと調査モードの2つのモードがあります。警戒モードでは上画面に3D空間が広がり、下画面にマップが表示されます。下画面には看守の向きや状態も表示されるため、周りを警戒しながら移動するときは警戒モードを使用します。調査モードでは下画面に3D空間が広がり、会話などのテキストが上画面に表示されます。

調査モードでは、画面をタッチしたときにその場所に何か反応がある場合は調べることができます。

そして、持っているアイテムを使いたいときにはアイテムを使いたい位置にスライド操作で持っていくと使うことができます。

というわけで、アイテムを拾ってゴニョゴニョとすると扉の鍵を開けることができました。さて、収容所内を探索していきましょうか。

……と、ここでチュートリアルを兼ねた独房からの脱出は終了。ストーリーはSEASONという大枠の他にEPISODEという小さな区分けがあり、その中の一つのエピソードをクリアした状態になります。結果画面では、エピソードの評価が☆で評価され、エピソードクリアタイム、クリアしたジョブの数、見つかった回数が評価のポイントとして表示されています。

今回はチュートリアルで指示通りにジョブを達成したため、6/6という結果になりましたけど、今後は脱出にストレートには関わらないジョブもしっかりとクリアしないといい評価を得られないということになります。見つかった回数は、看守に見つかったら減点されるということなので、ここから先のプレイは気が抜けないことになりそうです。

ここまでのプレイ状況を知っただけでも、普通の脱出ゲームと違うことがわかると思います。実はこの「脱出アドベンチャー 絶望要塞」は、富士急ハイランドの大人気アトラクション、「絶望要塞」の世界観をモチーフにした脱出ゲームなので、テレビゲームでこれまでに接してきた脱出ゲームよりもリアル脱出ゲームのテイストの影響を受けているゲームなのです。なので、そのことを踏まえてこれからの脱出に挑んでいきましょう。

っと、気持ちを入れ換えて挑もうと思った矢先、看守に捕まってしまいました。

問答無用の懲罰房行きです。脱出するにしてもただ脱出すればいいってわけじゃないってことですね。今回は強制的に懲罰房に入りましたけど、今後は捕まった時点でゲームオーバーを覚悟しろということですね。今後は看守の目を盗んで脱出することにします。普段はなかなか文章化できないことなので、もう一度書いておきます。今後は看守の目を盗んで脱出することにします。

一時はこの絶望的な要塞で個室に籠ってバカンスを楽しもうと思っていたのがうそのように、今では脱出するモチベーションが高まっていました。この自分の心境の変化に驚いています。というか、より厳重な部屋に閉じ込められてしまいましたけど、これってゲーマー的には縛りプレイなのでより燃える環境に放り込まれたということですね。

外から何やらわずかに声がしてくるのですが、聞き取ることもできません。ひとまず声の発生源を見つけてみましょうか。

Lボタン+Rボタンにスライドパッドで周りを見渡して声が聞こえてきそうなところを辿って、調査モードで気になるところを調べてみると、声がはっきりと聞こえてきました。

アレックスとかいうお隣さんのようです。このアレックスとかいう人を信じていいのかわかりませんけど、アレックス自身がもうすぐここよりもっと厳しいところに送られてしまうから脱出を手伝ってほしいとのこと。しかも、まずボクに脱出をしてくれって??

いきなりの提案を受けて、判断が必要となります。リアルにこんな提案を受けたとしたら、脱出をするリスクとここで安閑と暮らすことのどちらを選ぶだろうか? 実際に安閑と暮らせるかどうかは別にしても、現実逃避をできることは確かだし、今度捕まった時にどんなことをされるか考えたら、安易にはこんな提案を受けられないですよね。

でも、記憶を失っている画面の中のボクの判断は違いました。早速脱出を試みます。まぁ、操作をしているのはボク自身なんですけど。

怪しいところをテキパキ調べて、手に入るモノは貪欲に手に入れていき、少ないヒントから解答を導き出し、無事脱出。いろいろ端折りましたけど、そんな感じで脱出するのですが、外は看守が歩き回っているので、外に出るタイミングが大事になってきます。というか、懲罰房で探索している際に、画面の端に線のようなモノが出ている時は看守が懲罰房の近くを歩いていて警戒状態にあることを示しているので、このあたりの情報を大事にしながら、慎重に行動をとる必要があるのです。

但し、看守が動き回っているからといって、リアルな人の同じ動きをしてくるわけではありません。看守は極めてゲーム的な動きをしています。普通だと変だと思うような場面でも、ゲームの中の人たちにとっては変ではない状態があることを覚えておきましょう。例えばこんな感じ。

懲罰房の扉が開いていて囚人(というかボク)が棒立ちをしていても、看守が怪しいと思わなければ、お構いなしにスルーしていくのです。

懲罰房を出て隣の部屋のアレックスの話を聞くと、ボクの冒険が始まりました。

アレックスの話によると隠し扉がこのエリアのどこかにあるようなので、探してみましょう。今回は看守がいるので注意が必要。看守の状況を確認しつつ先に進みましょう。

奥まで進むと怪しい部屋に辿りつきました。

ダンボールをかき分けると怪しい扉を発見。

6桁のナンバーが解ればこの扉を開く事ができそうです。

ここでナンバーキーに何か入力してみようと思いましたけど、実行することはできませんでした。どうやら、ヒントをしっかりと手に入れてからではないとナンバーキーに挑戦できないようです。勘でクリアするとか、誰かに答えを聞いたから扉を開けた、ということは許されません。では、ヒントを捜しに行きましょう。

看守に気を付けながら行ける範囲の所をうろうろしているといろいろと怪しいものがありました。

ナンバーキーのヒントは手に入れましたけど、漠然としたヒントではなくてメモとしてアイテム化されるのはうまいと思いました。これならアイテムを手に入れないとナンバーキーを使えないことをしっかりと認識してプレイできますからね。

さらに、収容エリアに入れるようになったので、こちらも調べていきましょう。


収容エリアには看守がいますけど、正面に立たなければ気付かれないので、こんな風に近付くこともできます。

ここでリスクを冒しても無駄なので、さっさと上に逃げましょう。

収容エリア内では囚人から話を聞くことができるので、大事なことは聞いておきましょう。

そして、怪しいところは看守を避けつつ調べていきます。

看守は独房が開いていても、中に不審人物がいても気にしないので、独房内では安心して探索活動が出来ます。そして、ある程度アイテムが揃ってきたら、アイテムを合成して新しいアイテムを作り出すこともできます。

ギミックによっては、タッチスクリーンを使った操作が発生することもあります。

無事ナンバーキーのヒントをすべて集めたので、数字を入力できるようになりました。

扉を開くとまたエピソードを1つクリア。脱出へと1歩近付いた感じがします。ここから先はさーっと書いていきますが、怪しいところを調べ、アイテムを集め、謎を解けば、先に進むことができます。漠然としていますが、謎を隠しながら進行具合を書くとこんな感じになるんですよ。

更に進みましょう。

危うく捕まりそうになるも、緊急回避。

そして……。

と思ったのも束の間……。

というわけで、脱出したと思ったら、もっと厳しい警備のネオアルカトラス要塞に送られてしまうのでした。一応、ここまででSEASON 1は終了。

SEASON 2のネオアルカトラス要塞での出来事はざっくりと書きますが、さらに難しい展開を迎えます。

まだまだ脱出の楽しみは尽きませんね。

ここまでプレイして思ったことを書いてみます。まず、看守の動きの説明を読めばわかると思うのですが、リアルタイムな動きはあるけど、決してキャラクターの動きはリアルではないので、ゲーム内のキャラクターの動きだと把握しておけば攻略が楽になります。ネオアルカトラス要塞にはシャッターのギミックがあるのですが、看守に見えそうなタイミングでシャッターを閉じても怪しがられることはありません。ちょっとした足止めや時間稼ぎができるのでシャッターは有効に使いましょう。

また、怪しいと思った場所は探査モードでタッチして調べるのですが、思ったよりも調べられる場所は少ない印象です。そのため、タッチして反応した場所を覚えておけば、攻略はかなり楽になりそうです。持っていけるアイテムはキラキラ光っているので、迷わずタッチして問題ないと思います。

ということで、色々な脱出ゲームをプレイしている中で今作は独特な存在だと思いましたけど、攻略するのにはそれなりにこれまでの知識が役に立ちそうだと思えました。ネオアルカトラス要塞を攻略してもまだまだ脱出すべき場所が現れるので、しばらくは要塞内のバカンスが楽しめそうです。

しばらく仕事を忘れて要塞の探索を続けようかと……あっ、捕まった。

では、おとなしく開発の仕事に戻りますね。もし、の話……ですよ?

プロフィール

酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/

■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DI3T160/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション4」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00IXLHLVE/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション5」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00KA6CZWU/

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※画面は開発中のものです。

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この記事のゲーム情報

脱出アドベンチャー 絶望要塞

脱出アドベンチャー
機種
3DS
プラットフォーム
パッケージ
OS
会社
ロケットカンパニー
シリーズ
脱出アドベンチャー
ジャンル
アドベンチャー
公式サイト
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