スクウェア・エニックスは本日9月19日、東京ゲームショウ2015にて「ファイナルファンタジーXV アクティブ・タイム・レポート TGS 2015出張版」を実施。今回はFFXVの最新情報公開に加え、鈴木達央さんのサプライズ出演、新作「ファイナルファンタジー零式オンライン」の制作発表も行われた。
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一般公開初日となる本日の東京ゲームショウ2015では、ディレクター・田畑端氏から「ファイナルファンタジー」シリーズの最新情報が届けられるアクティブ・タイム・レポート(ATR)TGS出張版が実施された。
会場では、今年のgamescomで2016年発売が発表された「ファイナルファンタジーXV」の最新情報として、世界観の背景、登場人物の内「ルーナ」「レギス」の掘り下げ情報、さらにチョコボと釣りに関するプレイ動画、そして国内外からのユーザーから届けられた30問30答のQ&Aが公開された。
「FFアギト」のサービス終了&「零式オンライン」の発表
まずは始めに、iOS/Android向けにサービス中の「ファイナルファンタジー アギト」が、2015年11月いっぱいでサービスを終了することが明らかにされた。これに伴い、既に発表されていたPS Vita版も正式に開発を中止するとのことだ。
今回のサービスおよび開発中止の背景には、マルチプレイに対応するための技術的な障壁が高く、当初予定していたオンライン化の拡張が見込めないこと、何より期待して待つユーザーに満足してもらえないと考えたために、決断に踏み切ったという。
しかしここで、“アギトに変わるゲーム”として、新作タイトル「ファイナルファンタジー零式オンライン」が2016年春にサービス予定であることが発表。本作は中国・北京に拠点を構えるゲーム開発会社・完美世界(パーフェクトワールド)との共同開発となり、Windowsならびにスマートフォン向けアプリとして提供されるという。
なお、ゲームコンセプトについては、アギトが国内向けソーシャルゲームであったことに対し、零式オンラインはグローバル向けに展開するオンラインRPGとして開発が進められている。さらに、サービス開始時にはアギトを遊んでいた人へのお礼として、何らかの形で特典を付与していくとのことだ。
前回のATRは
ここでは、今回のATRまでに発表されてきた最新情報がスライドで取りまとめられた。以降の最新情報の前に、予習・復習として目を通しておくといいだろう。
夜明けトレーラー2.0から見る最新情報
本トレーラーは、8月5日に公開された「夜明け」トレーラーの完結版に位置するもので、東京ゲームショウ2015の開幕とともに公開された最新映像だ。ver2.0では主人公・ノクトと父・レギスの絆、ルーナの姿が過去と現在にわたって描かれていた。この後の情報を確認する前に目を通しておこう。
まず語られたのは、本作の世界に存在する2つの国とそれを取り巻く情勢だ。ゲームでは、多くの国を併合している強大なニフルハイム帝国と、クリスタルの加護という恩恵を受け、たった1国で帝国と渡り合うルシス王国の国勢が語られる。
ルシスの国王はノクトの父・レギス。彼は若き頃は自ら前線に立ち、コルやシドといった戦友たちと帝国相手に戦い抜いていた。だが、それでも帝国にジリジリと戦線を押され、ルシスの最終防衛ラインは首都を残すのみに。首都の外壁は魔力の障壁が張られ、外敵の侵入を許さぬ堅牢なものとなっているが、障壁の維持には多大な魔力を要するという。
そして、レギスは障壁の魔力を補うため、魔力を大量に消費し続けた。これはルシスの歴代の王たちにも言えることだが、障壁の維持には大量の魔力が必要になることから、レギスを含むルシスの王たちは設定的に老いやすいのだとか。なお、レギスのビジュアルが発表当初から若干変更が加えられているのは、この設定を反映するよう調整をかけたからだとしていた。
若くして母を亡くしたノクトを、王と父の立場から男手一つで育て上げたレギスからは、ノクトに次期王として、大切な息子として、並々ならぬ思いが読み取れる。
続いては物語のヒロインと予想されてる少女「ルーナ」だが、彼女は全ての人々から敬愛される「神凪(巫女のような存在)」であり、国々や国境を越えて敬われる立場にあるとのこと。また、ルーナは歴代最年少で神凪についたことから、民衆からの知名度が非常に高いらしい。
現在公開されているキービジュアルでは、ルーナは帝国兵に囲まれながらも、毅然とした態度で銃を跳ね除ける、精神的な強さ、そして恐怖に屈しない強さをもって表現されている。
また、ルーナとノクトは幼少のみぎりに、短い時間ながらも共に過ごした過去がある。そこで子供ながらに交わされた約束が、現在の2人にも影響を与えているというので、これは益々ストーリーの気になるポイントとなってきた。
また、ここで大藤氏より「キービジュアルに写っている黒髪ぱっつんの女性は誰?」という質問が飛び出す。この女性は既に高い人気を誇っているようで、田端氏は「見えない部分は想像で(衣装を)作り上げました!」というコスプレイヤーを何人も見たのだとか。
ちなみに彼女は開発メンバーからも“黒髪ぱっつん”の愛称で親しまれている「ゲンティアナ」という人物で、その外見のとおりにミステリアスな言動で、ノクトやルーマと関わってくるとしていた。
鈴木達央さんを招いて実機プレイ映像を紹介!
ここでゲストとして、ノクト役の鈴木達央さんがサプライズで登場した。
ちなみに鈴木さんはイベントに先立って開発環境で実際にゲームをプレイし、「この映像、イベントで使ってくださいよ!」と発言していたようだが、あまりにバージョンが古かったこと、そして田端氏いわく「下手だったから」とのことで、今回は最新バージョンでのプレイ映像を皆で鑑賞することに。
まず最初は、ゲーム中に重要な役目を担っているというシリーズお馴染み「チョコボ」の映像が披露。尾のワサワサ感が派手でカッコカワイイのはもとより、本作では速度を上げて走るダッシュアクション、障害物を避けるジャンプに加え、「ズザザー!」とカッコ良く滑るドリフト能力までもが与えられている。
従来のシリーズよりもさらにスピーディな挙動で、止まることなく動けるようになっているため、単なる移動手段としてではない、乗り物としての面白さに磨きがかかっているようだ。
次は指定のポイントで遊べるフィッシングの映像。一目見ただけでいわゆる“ミニゲーム的な釣り”とは一線を画した、本格的な作りこみを見せているこの釣り要素。ゲーム的にもアクティビティ(リゾート地などでの遊び・活動)として導入される。
釣りはルアーフィッシングとなり、このルアーはゲーム中の収集要素としても盛り込まれるという。操作はシンプルで、釣りポイントでルアーを投げ、魚がかかるのを待つだけ。魚影はレーダーから確認できるようだ。
しかも、魚が近くに来ると物々しい戦闘風テーマが流れ、一気に白熱のバトルへと突入する。ルールも至ってシンプルで、ラインのテンションゲージを切らさないよう、魚の体力を0にするというもの。
見事魚が釣れると、男衆が集まって皆で喜ぶ様子が見られる。その後、キャンプでは釣った魚をプロンプトが料理し、相変わらずの美味しそうな品々に仕上げてくれる。
ステージに戻り、鈴木さんの口から、これまで公開されたATRには全て目を通しているということが語られた。というのも、収録の状況によってはビジュアルがない場合もあり、偶々検索で出てきたATRを見てみると「ノクトが俺の知らない笑顔を浮かべている!」という自体に出くわしたようで、いち視聴者として、また役作りの一環として、情報収集を重ねているとか。
鈴木さんは役作りについては「僕はノクトを演じていますが、ノクトはユーザーが自身を投影する主人公であることを大事にしたいので、意見があればドンドン教えて下さい」という旨のコメントをあげる。また同時に、チョコボや釣りの動画を見ながら「出演者一同は『(ストーリーは別の話として)いつファンタジーするんだろうね』というくらいキャンプ生活を満喫しています」と述べ、来場者の笑いを誘った。
さらに裏話は続き、鈴木さんは元々FFシリーズが大好きなプレイヤーであることから、FFXVで主人公のキャストであることを活かし、これまで外側からしか見えなかった開発現場を、関係者として見てみたという。その最たるは「開発スタッフは何故か体が出来てる!」という話題で、なんでもスクウェア・エニックス社内に設置されているトレーングマシンが関係しているらしい。
トレーニング機器の数々は、同社が社員の健康を考えて設置している機材とのことで、空き時間にさまざまなスタッフが利用しているという。そこで皆が楽しそうにトレーニングをしている姿を見て、「FFXVは少数の精鋭たちが顔を並べて、肩を組んで作っている」という感想を得たようだ。中々興味深い話である。
最後にプロデューサーからのサプライズプレゼント
現在FFXVは、夏前から年末にかけて開発に集中する時期をとっており、年末を目処に落ち着いたら、デモなどを設けていくと田端氏は語る。また、それまでもユーザーを放置することはなく、なるべくさまざまな形でコミュニケーションを取っていけるよう、話す&プレイする機会は随時用意していきたいとしていた。
加えて大藤氏からは、次は敵に情報をフォーカスしてほしいという意見が出た。今後は敵キャラクターをはじめ、こちらも既に人気の傾向が見られるという“女竜騎士”や、もう一人しっかりと紹介したいキャラクターについて言及していきたいと田端氏は語ってくれた。
そしてイベントの最後になると、本作のプロデューサーを務める橋本真司氏が緊急出演。米国のゲームショウ「PAX Prime 2015」で配布された「FFXV 特製リストバンド」を確保したことから、イベント観覧者にサプライズでプレゼントされることとなった。
なお、会場で行われた大ボリュームQ&A「30問30答」については、別の記事で掲載しているので、引き続きチェックしてもらいたい。