千葉・幕張メッセにて9月17日より4日間にわたって開催された「東京ゲームショウ2015」。コーエーテクモブースでプレイアブル出展されていたニンテンドー3DS用ソフト「ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ」を試遊することができたので、そのプレイレポートをお届けしよう。
「ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ」は2014年にWii Uで発売された「ゼルダ無双」の3DS版だ。とはいえ、単なる移植作ではなく、これまでに配信されたDLCをほぼすべて収録。さらに、新たなプレイヤーキャラクターをはじめ、さまざまな新要素も追加されており、決定版というべき大ボリュームの内容になっている。
今回出展された試遊版では、新たに追加された「ゼルダの伝説 風のタクト」のトゥーンリンクとテトラ、前作にも登場した3Dリンクの3人の中からふたりを選んでプレイできるようになっていた。当然、筆者は新キャラクターであるトゥーンリンクとテトラを選んでバトルスタート。ステージは「風のタクト」に登場した島のひとつ「魔獣島」をモチーフにしたもので、今作ではこのような「風のタクト」をベースにした新たなシナリオを楽しむことができる。
プレイ時には上画面に戦闘画面、下画面にステージのマップが表示される。下画面のマップには敵や味方のいる位置が表示されていて、味方キャラクターのアイコンにタッチすることで操作キャラを切り替えることが可能。「戦国無双Chronicle(クロニクル)」シリーズなどで使用されているシステムと同じもので、状況に応じて操作キャラクターをチェンジしながら進めていく戦略的なバトルを楽しめる。
プレイしてみて、まず感心したのが画面中に出現する敵キャラクターの多さだ。一度に表示される敵の数はWii U版にほとんどヒケを取っておらず、迫りくる敵を次々になぎ倒していく「無双」シリーズならではの爽快感を味わうことができた。Wii U版ではアドベンチャーモードが、撃破数によってクリア時のランクが変動するようになっていたため、出現する敵の数が減ると高ランク獲得の条件が変わるなどして、やり込みプレイの面白さが半減してしまう恐れがあったのだが、これなら心配する必要はなさそうである。
新キャラクターであるトゥーンリンク、テトラのアクションにも簡単に触れておこう。トゥーンリンクの使用する武器は通常のリンクと同じ片手剣。大きく振り回したり、跳び上がって空中から振り下ろしたりと、やはり通常のリンクと似た攻撃が多いが、動きはかなりダイナミックで、スピード感も申し分なし。必殺技の回転斬りを決めたあと、ちょっとフラつくのもかわいらしく、通常のリンクとしっかり差別化されていた。
テトラの武器はカトラスという短剣と水鉄砲。短剣を振り回してダメージを与え、水鉄砲を撃ち込んで大ダメージを与えるといった感じだろうか。トゥーンリンクと同じく体は小さいが、こちらも動きが軽快で爽快感のあるアクションを楽しめる。また、必殺技がテトラの正体をほうふつとさせるものになっていて、思わず「おお!」と思ってしまった。このあたりはWii U版もそうだったが、「ゼルダ」ファンの心をくすぐる憎い演出と言えるだろう。
ステージのほうだが、プレイを進めていくと顔のある巨大な岩が出現。「風のタクト」にも登場したブサイク岩だ。先に進むにはこの岩を破壊しなければならないのだが、そのためには島に停泊している船の仕掛けを作動させて大砲を発射しなければならない。しかも、バクダン岩は全部で3個あり、対応する船もそれぞれ異なっているため、必然的に前述の操作キャラクターの切り替えが必要になってくるわけだ。
例えば、トゥーンリンクでひとつめのブサイク岩を破壊している間に、ふたつめの岩の付近にテトラを向かわせておき、ひとつめを壊したらすかさず操作キャラクターをテトラにチェンジ。同時にトゥーンリンクを3つめの岩のほうに向かわせるといったように、効率よくキャラクターを切り替えることで、クリアにかかる時間大幅に短縮できる。逆に、ひとりで走り回っていたら、別の目的地に向かっている間にせっかく占拠した砦が敵に奪い返されたりして、引き返すハメになる恐れがあるわけだ。
もうひとつ見逃せないのが、新アイテムのオカリナを使ったワープだ。ステージ内のあちこちに置かれている、鳥の像がある地点に瞬間移動するというもので、オカリナを使用したあと、下画面で移動したい像のある地点をタッチすれば自動的に移動できる。ちなみに、今回のステージでは自軍の拠点の近くに像が置かれていたので、本拠地に敵が攻め込んできた際、ワープを利用してすぐに蹴散らすことができた。どうやら今作は、キャラクターの操作切り替えとワープの使い方が攻略のポイントになりそうだ。特にアドベンチャーモードでは、これらをうまく使いこなさなければSランククリアは望めないだろう。
3つのブサイク岩の先にはそれぞれ砦があり、すべて占拠すると、さらに奥に進めるようになるのだが、筆者は船を探すのに手間取ったこともあって、ここでプレイ終了。残念ながらどんなボスキャラクターが登場するのか、見ることはできなかった。製品版はもっと余裕を持って戦えるだろうが、それでもWii U版よりもタクティカルなプレイが求められることは間違いないだろう。Wii U版とはまったく異なる戦い方をする必要があるので、前作をやり込んだ人も大いに楽しめそうだ。さらなるパワーアップを遂げた「ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ」。発売は2016年1月21日の予定だ。