日本一ソフトウェアは、2016年2月25日に発売を予定しているPS Vita用ソフト「勇者死す。」について、作中で登場するヒロインや、5日間のサイクルで進んでいくゲームシステムの情報を公開した。
世界観 ~魔王が倒れたその後の世界~
国を飲み込もうとする魔王の軍勢。これに対し人間と亜人種たちは互いに手をとりあい、共に戦いました。そして、最後は勇者が魔王と刺し違えることで決着がつきました。
しかし、魔王を倒したことで平穏が訪れると思われていた世界は、善と悪では割り切れないさまざまな問題に直面し、未だ混乱の渦中にあるのでした。
森の木をめぐり協調関係から対立関係になってしまった人間と森に住む亜人種。各地で最期の抵抗を続ける魔王軍の残党。目の前の敵がいなくなり、安全が確保された途端にあがる大衆の不満の声…。
そんなナイーブな問題が起こる一方で、混乱を治めるため、ある者は仲間を守るために戦い、ある者は経済の力で復興を目指し、ある者は宗教を用いて民の心をまとめようとし、またある者は自分の研究により問題解決を図ろうとします。
勇者はこうした不安と希望が混ざった世界を5日間という限られた時間のなかで見て周り、“国を救った英雄”として関わっていきます…。
「勇者死す。」におけるヒロイン
「勇者死す。」のヒロインは、“魔王を倒したその後の世界”で起こるさまざまな問題を象徴するような立場にいる。プレイヤーである勇者は、ヒロインたちが直面している問題に向き合い、手を貸すことができる。ただし、各ヒロインの問題を解決するための条件が重なっていることもあり、5日間という限られた時間では解決できず、諦めるという選択が発生することが多々ある。
こうした取捨選択の結果によってヒロインたちの未来、彼女たちが抱えている問題、そして、世界のその後が大きく変わっていく。ここでは、5人のヒロインたちの素性や立場、直面している問題について確認していこう。
リュー CV:加隈亜衣
森人(モリビト)と呼ばれる亜人種の女性。魔王との戦いの際、勇者と共に行動をしていた。その後は、復興資材として森の木を伐採しようとする人間と戦うゲリラのリーダーをしている。クールな性格で弓矢と風の魔法を操るヒロイン。
「森の木は、我ら森人には命も同じ。
切らせるわけにはいかぬ。」
リューは国の中央に広がる森の奥地にある森人の里にいる。彼女の住まう森は森人にとって重要な生活基盤であるのと同時に、近隣の村人にとっては生死をわける資源でもある。こうした両者の対立は必然であり、リューは木を守るため森に結界を張ろうと考える。
サラ CV:五十嵐裕美
「神の前の平等」を教えとするマーナ教会のシスター。魔王との戦いにおいて、神の名のもとに亜人種に参戦を呼びかけた。戦時中に焼失した大聖堂の再建を目指す杖と水の魔法を操るヒロインの一人。
「ああ、神様!
思い切ってお話して本当によかった…。」
サラは魔王の脅威が去っても不安な気持ちを抱える人々のために大聖堂の再建をしようとしている。そして、そのためには、教会に祭るご神体と莫大な建設資金が必要とのこと。ただし、大聖堂の再建にあてる資金で復興のための資材や食料を調達するほうが重要であると考えている人も少なくない。
メリーアン CV:松井恵理子
最も戦争被害が大きかった東の村、トゥーソンに住む、自称天才科学者。非常識な言動から、周りから魔女と呼ばれているが、実は荒れた土壌を洗浄するための研究を行っている。ムチのような武器と全ての属性の魔法を使うヒロイン。
「こんなところに来るくらいだからどーせ暇でしょ。
ウチの仕事、手伝わせてあげよーか?」
メリーアンは、対応の遅い国を当てにせず、自らの研究成果を用いて汚れた土地を洗浄することで、食料や建築資材、燃料などの問題を一度に解決しようとしてる。そのために、種類のことなる希少なアイテムを3つ探すように勇者に依頼するのだが、その中の1つがリューも必要としているアイテムでもある。
ナオミ CV:行成とあ
穴民(アナタミ)と呼ばれる亜人種の女性。穴民は鉱石の採掘と金属加工の技術に秀でており、魔王を倒した勇者の装備は穴民が作ったものであった。現在は坑道に逃げ込んだ魔物の残党に悩まされている。ハンマーと炎の魔法を操る姉御肌系のヒロイン。
「こりゃ、ちょうどいいや。
あんたの腕を見込んで頼みたいことがあるんだよ。」
ナオミ達穴民が仕事場にしている坑道に強暴な魔物が棲みついたため、収入源である鉱石の採掘が困難に。また、鉱石を国に献上する期限もせまっており、ナオミは、納品が滞ることで採掘権を奪われるのではないかと恐れている。勇者は他のヒロインが探している希少なアイテムを報酬として、魔物を退治してほしいと頼まれる。
ビビ CV:福圓美里
幼い外見ながら世界中を飛び回る商人の少女。将来性のある儲け話に次々と投資をしていく大胆な性格も持ちあわせている。廃墟となった町を商業都市としてよみがえらせることを夢見るヒロイン。武器は投げナイフ。2人の用心棒を雇っている。
「ささやかな夢をかなえるために
国中を旅する謎の美少女商人。
それがボク!ビビちゃんで~す。」
ビビは、戦後の混乱で国がまったく機能していないため、経済の力で世界を立て直そうと、町やダンジョンといった世界中で商売をしている。その場でアイテムの売買が行え、他のキャラクターが必要としているレアアイテムを売っていることもある。
PS Vita版では2周目のストーリーを収録!
PS Vita版「勇者死す。」には、ケータイアプリ版のストーリーに加え、各キャラクターごとに2周目の物語が用意されている。いずれも1周目とは異なるストーリーとなっており、これにより「勇者死す。」の物語はより複雑で、より多様な展開をみせる。
英雄の最期を表現したゲームシステムを紹介!
「勇者死す。」は特異なシステムによって、そのゲーム性とタイトルコンセプトを実現している。ここでは、基本的なゲームの流れと代表的なシステムである勇者の衰弱について紹介しよう。
ゲーム全体の流れ
勇者は自らの命と引き換えに魔王を討伐。ゲームはここから始まる。
魔王討伐の功績から、勇者は神様から5日間の命を与えられ、よみがえる。
よみがえった勇者だが、余命が減るにつれ、次第に弱っていく。
そして、6日目に避けられぬ死がやってくる。もし、やり残したことがあれば、再び1日目に戻ることができる。
死に向かい、衰弱する勇者
よみがえった直後の勇者は、魔王を倒した時のステータスをそのまま引き継いでいる。HPやMPを始めとするステータスはカンスト状態、戦闘では敵を圧倒し、便利な移動魔法も使える。しかし、日を追うごとに勇者は衰弱していき、魔法も忘れ、雑魚モンスターにも苦戦するほどまでに弱っていく。つまり、「勇者死す。」は徐々にキャラクターが強くなっていく通常のRPGとは逆のレベル設計となっているのだ。主人公である勇者が次第に弱くなっていく過程を刻々と減っていく寿命とあわせて紹介する。
1日目 勇者の死まで残り5日
1日目の勇者は魔王を倒した直後なので最強の状態。通常攻撃はもちろん、強力な呪文も使いこなし、どんな敵にも苦戦することなく、パーティの中心として戦える。
2日目 勇者の死まで残り4日
2日目の勇者のステータス。衰弱したとはいえ、まだ、戦闘に影響のあるほどではない。だが、この頃から呪文を少しずつ忘れていく。
3日目 勇者の死まで残り3日
3日目になると通常攻撃で敵を倒すことが困難になる。さらに、ほとんどの呪文を忘れてしまい、戦闘では支援役にまわることになる。
4日目 勇者の死まで残り2日
4日目には勇者はボロボロになっており、重い装備は到底扱いきれず、白樫の剣(木刀)と布のような軽い装備で妥協せざるを得なくなる。当然戦闘で役に立つはずも無く…。
5日目 勇者の死まで残り1日
5日目。戦闘は可能な限り避け、逃げ惑いながらもイベントを進める。そこにかつての英雄の姿はなく、最期には避けられない死が訪れる。
そして、繰り返される“5日間”
神様より与えられた5日間が過ぎ、息を引き取った勇者は自身の葬式を見ることになる。そして、やり残したことがあれば、最初の日に戻ることができる。この繰り返しにより、魔王を倒したその後の世界の情勢がだんだんと浮き彫りになってくる。
また、イベントをこなす順番や周回プレイによって、登場人物との関係が変わるので、葬式で勇者に送られる弔辞も変化。この5日間の評価とも言える勇者の葬式については、追って紹介していく。