スクウェア・エニックスが3月24日に配信を予定しているiOS/Android/PS Vita版「ロマンシング サガ2」。ここでは、本作のプレイレポートをお届けする。
「ロマンシング サガ2」は、1993年にスーパーファミコン向けに発売されたRPG。プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝となり、代を継いでいきながら帝国の繁栄と、そして因縁の敵である“七英雄”との戦いに身を置くこととなる。
本作では、かつてのイメージをそのままに、グラフィックや操作性を対応ハード向けに改善。“フリーシナリオシステム”や“皇位継承システム”、そして戦闘中に新たな技を覚える“閃きシステム”など、懐かしくも完成された要素を再び楽しむことができる。
「ロマンシング サガ2」といえば、作り込まれた世界観に自由度の高い探索要素、そしてプレイヤーの選択肢や行動によって多岐に分岐するストーリーに魅了された人も多くいるはずだ。
今回は筆者が本作初プレイということで、歴代の皇帝がどうして英雄として人々に語り継がれてきたはずの“七英雄”と戦うことになったのか、その発端となる序盤のストーリーを追いながら、本作の魅力を紹介していく。
自由度とストーリー性の高い魅力的なシナリオ
本作の物語は、武勇に長けることで知られるレオン皇帝の時代から幕を開ける。今は小国と成り下がってしまったバレンヌ帝国にかつての栄光を取り戻すため、レオン皇帝は周辺の魔物を討伐しながら領土の回復を図っていたのだ。
本作では、フィールドにいる表示されている敵と接触することで戦闘に突入するシンボルエンカウント方式が採用されている。
戦闘ではHPのほかにLP(ライフポイント)というものが設定されており、HPが0になることで戦闘不能になる。そして戦闘不能のまま敵に追撃されると、今度はLPが1ずつ減少していき、0になるとキャラクターが消滅、つまり本当に死んでしまうのだ。
HP自体は戦闘が終われば全回復するのだが、その分道中の雑魚モンスターでさえかなり痛い攻撃を仕掛けてくることも。“まだプロローグだし”、と高を括っていると情け容赦なくLPを削られることがあるので十分に注意して戦闘に臨もう。
仲間が死亡すると新たなパーティーを迎えることができるが、一度減ってしまったLPは回復させる手段が乏しいので、LPが危ない時は敵と接触しないように立ち回るのも戦略のひとつだ。
また、本作の戦闘における重要な要素として、“陣形”がある。陣形を組むことで「先手を取れる」「味方1人に攻撃を集中させる」など、さまざまな効果が得られるので有効に活用していこう。
陣形は背後から攻撃されたり、ダッシュで移動している最中に敵と接触してしまうと崩されてしまう。陣形が崩されると、強制的に何の効果も発揮しないフリーファイト形態で戦うことになるので注意が必要だ。
洞窟内を粗方探索し、町へ戻るとイベントが発生する。この会話では、レオン皇帝にはヴィクトールとジェラールという2人の息子がおり、兄のヴィクトールは父譲りの武勇を誇っているが、弟のジェラールは争いを好まない大人しい性格であることが伺える。しかしながら、皇帝はジェラールにも武芸を学ばせたいと思っているようで、物語の最初の主人公でもある彼ら3人の関係がよく分かる貴重なイベントだ。
イベントが終わると、再びレオンとジェラールは周辺の魔物の討伐へと向かうことに。ここではさらっと行先などを説明しているが、実際は序盤から明確に“どこへ行け!”というようなフローチャートが明示されることはなく、自分で考えて各所を探索してイベントを進めなくてはならない。
まだまだ行ける場所が少ないのでそこまで迷うことはないが、ゲームが進むにつれてプレイヤーの選択がストーリーに大きな影響を及ぼすことだろう。こういった自由度の高さも本作の魅力の一つだ。
七英雄との邂逅、そして…
本作では、戦闘中に攻撃を行おうとした際、キャラクターの頭上に突然豆電球のアイコンが表示されることがある。これが現れると元々入力していた行動は行わず、代わりに新たに覚えた(閃いた)技や術などを実践する。
覚える技は剣や大剣などの系統毎に分かれている。また、キャラクターごとに得意とする武器があり、使用する武器とキャラクターとの適性も、新たな技を閃くのに関係しているようだ。
基本的に技を閃くタイミングは分からないため、「ここで閃きが起きなければ…」と間の悪い時もあれば、「強力な技が閃いたおかげで倒すことができた」と、唐突な閃きに助けられる場面もあるだろう。
さて、2回目の討伐遠征も無事に終了し、一同は再び町に戻ることになるのだが…何やら様子がおかしい。町の正門を見張っていた守衛たちは倒され、道端にはヴィクトールの姿が…。
無事だった王城の人間たちから話を聞くと、なんと数多くの悪しき魔物を倒し、世界を救ったとされる七英雄の一人“クジンシー”が突然攻めてきたのだという。
人々を救ったはずの七英雄が、何故町を急襲したのか。理由は分からないものの、レオン皇帝は息子であるヴィクトールが殺害された事実に怒り、クジンシーを討つべく奴が根城にしているソーモンにジェラールと共に向かうことに。
“七英雄”というくらいなので、高貴な見た目や騎士っぽい風情を想像する人も多いはず。実際、筆者も“七英雄”というワードくらいは知っていたので、なんとなく貴族っぽい“人間”を想像していたのだが…。
高貴さどころか、見た目はまるっきり魔物である。実はこのような見た目にもちゃんとした理由があり、それは伝説として語り継がれてきた“七英雄”の秘密や謎といった部分に深く関わってくるので、ぜひ実際にゲームをプレイして真相を確かめてほしい。かなり骨太な世界観設定があるので、こうした部分を読み解いていくのも本作ならではの楽しさといえるだろう。
さて、この段階でのクジンシーとの戦闘はいわゆるイベント戦となっているので勝利することはできない。一定までダメージを与えると、LPを吸収する“ソウルスティール”という強力な技を繰り出してくるからだ。
一同は町へと敗走を余儀なくされ、また“ソウルスティール”を受けたレオン皇帝はヴィクトールの後を追うことに。圧倒的な七英雄の力の前に成す術もないかと思われたが、レオン皇帝は自身の死を覚悟の上である秘策を講じていた。
自らの命と引き換えにクジンシーの技である“ソウルスティール”を見切ったレオン皇帝は、“伝承法”と呼ばれる秘術を用いてそれをジェラールへと託したのだ。
これが、本作の最も特徴的なシステムである“皇位継承”だ。本作には「世代交代」があり、イベントをこなすことでゲーム内の年月が大きく経過していく。すると現在のパーティメンバーは寿命を迎え、皇帝も次の世代の人物へと受け継がれることとなる。
皇位継承が行われると、前皇帝が覚えていた技などが引き継がれる。次期皇帝の選出は、年月の経過や、戦闘でパーティーが全滅した場合、ランダムで選抜された4人の候補者からプレイヤーが1人を選択する。皇帝のLPが0になり死亡してしまった場合は、その時に残っているパーティメンバーの中から次期皇帝を選ぶことになる。
こうして、レオンから必殺の“ソウルスティール”を見切る術を教わったジェラールは、父と兄の仇を取るべく再びクジンシーに戦いを挑むことになる。そして、この時から“七英雄”との長い戦いの歴史が始まることとなるのだ。
モバイル版からの追加要素もプレイ可能!
早足気味ではあるものの、本作の主なシステムと七英雄との因縁の始まりとなる冒頭ストーリーを紹介してきたが、筆者と同じように初めて本作をプレイする人もまずは軽い気持ちでプレイしてみることをオススメする。
10年以上も名作として評価され続けてきた作品なので、現在主流のゲームシステムと比べて違和感を覚えたり分かりづらい部分も当然出てくると思うが、それらも本作の“味”としてしっかり楽しめるはずだ。
また前述した通り、とにかくバックボーンがしっかりと組み立てられているので、登場人物たちの行動理由や因果関係などを知ることでより本作の魅力に気付けるはず。かくいう筆者は、あらかじめ“七英雄”の秘密なんかを含めたネタバレや設定などを調べ尽くした上で“面白い!”と思いプレイしたクチなので、興味のある人はぜひ詳細な設定などを調べてみてほしい。
なお、本作では2010年に発売されたモバイル版「ロマンシング サガ2」にて追加された新要素もプレイ可能となっているので、最後にそれらを紹介しておこう。
追加コンテンツ
オリジナルダンジョン「追憶の迷宮」
本編では知らされていなかった「七英雄」の謎に迫る4つのダンジョンです。黒の迷宮、赤の迷宮、青の迷宮、緑の迷宮…。
それぞれのダンジョンには、新しい仲間や陣形が。そして、4つのダンジョンのその先には…。長き戦いの結末に古の時代の謎がいま明かされます。
※追加クラス…忍者、陰陽師
アバロンの園
領土内の庭園に生えるひときわ目立つ一本の樹。成長し、果実を実らせることで、帝国の収入も増加します。お金(クラウン)を貯えて冒険資金にあてましょう。
ヴィクトールの亡霊
ある条件が満たされると、ヴィクトールの亡霊が現れて…
つよくてニューゲーム
自分のセーブデータから、キャラクターの強さや所持アイテムを引き継いで、ゲームを最初から遊ぶことができます。初めてプレイした時よりもストーリーを楽に進めることができるので、取りそこねたアイテムの収集や、消滅してしまった地域・仲間にできなかったクラスを救うことが可能です。
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