エクスペリエンスは5月1日、秋葉原UDX4F UDXギャラリーにおいて、「エクスペリエンス創設10周年記念イベント」を開催した。

目次
  1. 10周年を迎えてコーポレートロゴを一新!
  2. ユーザーの意見をもとに進化した「新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~」が発表!
  3. 「くろにゅ~」と「クラシックダンジョン 戦国」がまさかのコラボ!
  4. 「デモンゲイズ2」に立花さん、高木さんの出演が決定!
  5. 「黄泉ヲ裂ク華」はXbox Oneのみで展開!「円卓の生徒」の数年後が舞台に

本イベントでは、同社が提供している生放送番組「くろにゅ~」のパーソナリティーを務める声優の立花理香さん、高木友梨香さんをMCに迎え、10周年を迎えた同社が新たに発表するタイトル情報や、今後発売を控えるタイトルの続報、さらに各種プロジェクトの最新情報が一挙公開。盛りだくさんの内容をお伝えしていこう。

進行役を務めた立花理香さん(写真左)、高木友梨香さん

10周年を迎えてコーポレートロゴを一新!

まずは代表取締役の千頭元氏が登壇し、会場に向けて挨拶。10周年を迎えたことに対する感謝を述べるととともに、「この後はいつも通りゆるくいく」という宣言が。その話に呼応するかのように、高木さんが「くろにゅ~」でおなじみの挨拶を行い、場を和ませた。

エクスペリエンス 代表取締役の千頭元氏

今回のイベントでは、過去、現在、未来の3つのパートに分けて、1年後ぐらいまでの展望を話していくという。まずはこれまでの10年で発売してきたタイトルを紹介。移植などなども含めて年に1本ほどのペースで発売してきているが、「思い入れのあるタイトルは?」という質問には、2010年の「迷宮クロスブラッド」の際に交通事故に遭ったり、発売日に急性アルコール中毒で病院に運ばれたというエピソードが。そんな話で会場を笑わせつつ、会社としての分岐点は、多くの人に遊んでもらった「デモンゲイズ」だったと振り返った。

そんな振り返りを経て、10周年を機に新たなロゴを発表。一番最初に会社を立ち上げた際は目の前のことに手一杯で、ロゴに思いを込められなかったことから、10周年という節目に未来に向けたロゴにしようと考えたのがその理由だという。ちなみに、社名の下にあるバーは10年で1メモリの経験値を表現しているそうだ。

ここで、スペシャルゲストとして同社の数々のタイトルに出演する声優・中恵光城さんが登場。これまでに演じたキャラクターの中でも、「東京新世録 オペレーションアビス」「東京新世録 オペレーションバベル」で登場したムーラが、その口の悪さから印象に残っているそう。また、中恵さんとの関係について千頭氏は、「剣の街の異邦人」のステージで一緒に出演した際、多くの人が集まっていたことも印象的だったと話していた。

さらに、中恵さんの書き下ろしによる「ムーラLINEスタンプ」を制作中であることが発表。まだ線画の段階であるということだが、中恵さんが自身でデザインしたキャラクター「たれ子」とのコラボイラストもあるという。

(写真左)中恵光城さん
全作品のディレクターを担当する安宅元也氏が乾杯の音頭をとる場面も。

ユーザーの意見をもとに進化した「新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~」が発表!

続く現在のパートでは、エクスペリエンスとして今年展開していくタイトルの情報が公開。まず最初に、久保田早紀さんの「異邦人」のアレンジにのせて上映されたPVより、10周年第1弾タイトル「新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~」が発表。PS Vitaで7月21日に発売予定、パッケージ版とダウンロード版ともに3,800円(税抜)となっている。

元々、最初の頃からダンジョンRPGを広めたいという意図でライトユーザーでも楽しめるゲームを開発してきたという同社だが、その一方で初期からプレイしているヘビーユーザーからは物足りないという意見があったという。

そういった意見を受け、原点回帰の歯応えのあるゲームとして制作されたのが「剣の街の異邦人」となるが、それでもぬるいという声があったそう。そこで千頭氏らが「ユーザーさんたちがもっと喜ぶゲームはなんだろう」と考え、詳細なユーザーアンケートを元に面白さの本質を解釈して作品に盛り込み、進化させた作品が本作となる。

千頭氏が正直大赤字だと話すほどに、本作では戦闘、拠点、ダンジョンなど25項目70箇所にわたって調整、改良が施されている。また、新ジョブ、新ダンジョンなど10箇所の新要素も入っているほか、「円卓の生徒」で登場したエルサがシナリオに絡んでくるというファン向けの要素も盛り込まれている。

ここからはそれぞれの新要素をより詳しく紹介。まず職業数が8から11に増えているそうで、今回はその中からクロッカーと人形使いが公開。千頭氏は絵はほかにも用意されていると前置きをした上で、これらの職業については戦闘のバフ・デバフに飽きてきたという意見を元に、それらを解消するための新システムのひとつとして追加されたと説明した。

まず、クロッカーはその名前の通り、時間を操る魔法剣士という立ち位置の職業で、身体の一部が機械仕掛けになっているデザインが採用されている。その特徴として速度、回避などの能力が全職業中で最強になっており、時を操っていろんな行動を一度にとることができる。

また人形使いは、戦闘の場を支配する”暗示”のスキルを使うキャラクターとなっている。例えば、リーダーモンスターが隊列の後ろに行ってしまった場合に、暗示をかけて最前列に出すことができるなど、そのほかのスキルとの組み合わせで行動の幅が広がっていくのだとか。

続いて、新システムとなる「討伐チャレンジ」「ガードカウンター」を紹介。討伐チャレンジは、血統種を適正レベルで倒すと報酬が手に入るというもので、よりシビアな戦闘を楽しむためのモード。そして、拮抗した状況下で活かされるのが相手の攻撃を見切って必中の一撃を叩き込み、気絶させることができるのがガードカウンターだ。

ちなみに、ガードカウンターについては先ほど紹介したクロッカーが回避のステータスの高さからより活用できるとのこと。また、今作では一度使った技が通じなくなるスキルを持った強敵も登場するということなので、確実に攻撃を的中させるというガードカウンターの使いみちは重要になってきそうだ。

また、一部のNPCに対して、魂の救済イベントを新たに実装。そして、先述の通り、ダンジョンイベントではエルサなど新たなキャラも登場するとのこと。

ベニー松山氏

ここで、シナリオにまつわるゲストとして、ダンジョンRPGの伝道師ことベニー松山氏が登壇。同氏によるオリジナル書き下ろし小説を同梱した数量限定版を5000セットを、通常版と同価格にて発売することを明らかにした。

文庫版小説と同等のボリュームで提供されるというこの小説、千頭氏から打診を受けた松山氏は「流行りとかいれませんよ?」と念押ししたものの、ゲームへの評価から面白いものが書けるのではと考えて引き受けたという。

「剣の街の異邦人」の世界観をベースに、ゲームとは全く異なるアナザーストーリーが展開されるということだが、松山氏によると、ゲーム内でのエスカリオにやってきた人々は現世より強くなっているという設定を元に、もし現実世界にいる時点で武道を修得しているような人たちがエスカリオに来たら、という独自の展開を用意しているという。

なお、本日オープンした本作の公式サイトではこの小説の一部を継続的に公開していくという。現在公開中の1話は、新幹線の中でもめているシーンでまだ異世界には落ちておらず、ヒロインも登場しないというまさに導入といった内容になっているとのこと。

今回はゲームとセットでの提供となるが、今後小説だけの販売はあるのかという質問に千頭氏は、販売はしたいと考えているものの、限定版を購入してくれる人が優先であるとし、近い発売の可能性はないと話していた。すぐにでも手に入れたいという人は、あらかじめ予約しておくほうがよさそうだ。

なお、今回の「新釈・剣の街の異邦人」発売に伴い、前作「剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~」のダウンロード版を購入したユーザーは、1,800円(税込)で購入可能となるアップデート版を配信するという。

本当はパッチでの無料アップデートを目指していたそうだが、開発の際に前のセーブデータが使えなくなってしまったことから、ダウンロード版としてのリリースという対応しかできないのだとか。また、パッケージ版は対象外となるが、その分先ほどの同梱版を同価格にすることでバランスをとっている。

ゲームに関する情報は以上となり、ここからはコラボレーション情報に。まず、5月26日に発売となる「クラシックダンジョン 戦国」に「剣の街の異邦人」から3キャラクターが登場することが明らかに。なんとドット絵は千頭氏自らが手がけているようなので、発売に向けてチェックしておきたいところ。

同様に、「アリアンロッドRPG 2E」とのコラボレーションとして、TRPGメーカーのF.E.A.R.(ファーイースト・アミューズメント・リサーチ)による「剣の街の異邦人 TRPG」がKADOKAWAより7月20日に発売されることが発表。これについては、制作を行うF.E.A.Rより2名がゲストとして登場し、千頭氏を加えた3人でのTRPG談義が行われた。

TRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)の説明から始まり、ゲーム性の変遷などが語られていく中、今回TRPGを発売することになったのは、エクスペリエンス側からの打診だったことが明かされる。その当時、現実世界の人々を追加した「アリアンロッドRPG 2E」を制作していたF.E.A.R.側としては、似た設定のものから全く別のゲームを作るのは難しいと悩んだそう。そこで「アリアンロッドRPG 2E」のシステムをベースに、世界観とデータを「剣の街の異邦人」に寄せることで、単独でも混ぜても一緒に遊べるようなゲームにしたのだとか。

「アリアンロッドRPG 2E」がもともと2つのクラスを組み合わせるシステムであるのに対し、「剣の街の異邦人 TRPG」では、元のゲームさながらにクラスチェンジができるようにするなど、独自の仕組みも用意。また、神気スキルなどゲームの特徴的な要素も全てではないものの、盛り込んでいるそうだ。

本作の制作を担当する大畑顕氏は、「ジェネレーションエクス」シリーズから遊んでいるという生粋のエクスペリエンスファンという情報も飛び出す中、ルールブックには同梱されるリプレイに、千頭氏がゲスト出演することも発表。そのほか、発売にあわせたゲームソフトとの合同キャンペーンや体験会なども予定しているという。

「くろにゅ~」と「クラシックダンジョン 戦国」がまさかのコラボ!

ここで、MCの2人が出演する「くろにゅ~」に関する情報も公開。6月の放送より放送枠が変更になるほか、新たなMCも加わるなど3年目を迎えてなお、番組を盛り上げていきたいとアピール。その一環として、高木さんの故郷である新潟、立花さんと縁のある京都の2箇所で公開生放送&トークイベントを開催することが発表。このほかにも、エクスペリエンスとして各都道府県を回る体験会なども実施予定だという。

さらに、番組内で2人がデザインしたキャラクターたちが「クラシックダンジョン 戦国」で使用可能なドット絵データとして無料配信されることも明らかに。武器も高木さん、立花さんがそれぞれデザインしているようで、そのこだわりを楽しそうに話していた。

「デモンゲイズ2」に立花さん、高木さんの出演が決定!

続いて、エクスペリエンスが開発、角川ゲームスより発売予定の「デモンゲイズ2」のコーナーとなり、角川ゲームス 代表取締役社長の安田善巳氏がゲストとして登壇。千頭氏とは「迷宮クロスブラッド」以来、7年もの付き合いになるという安田氏は、同作を発表したメディア向けの発表会での様子などを振り返りつつ、“志を高くもった経営者”と千頭氏を評する。また、ディレクターの安宅氏とは「DARK SOUL」の大ファンという意外な共通点を明かし、2人で共にプレイしながら「デモンゲイズ」を作っていったというエピソードも明かしていた。

角川ゲームス 代表取締役社長 安田善巳氏

「デモンゲイズ2」の続報については、2016年6月に開催予定の角川ゲームスのメディアブリーフィングにて発表。ここで発売日を公開するとともに、ゲーム内容についても紹介したいと千頭氏は話す。メディアブリーフィングについては、GW明けに詳細が発表されるということなので、続報に期待しよう。

安田氏の降壇後、千頭氏が作中に登場する舞台背景2点を公開。ひとつは今作の拠点となる「ステラ座」。前作で登場した拠点「竜姫亭」と同様、今作でも屋根についている飾りが特徴的で、さらに入り口にはビールジョッキのマークが施されている。また、建物の周囲にはいろいろな建物が点在していることから、発展した都市が舞台になっているそうだ。

続く街中の場面も華やかな雰囲気を感じとれるが、実は戦闘場面の背景になっているという。このように、今作では街中でも戦闘が行われるなど、いろいろな場所に焦点を置いてスケールアップしているという。

さらに、本作に登場する重要なキャラクターとして立花さん、高木さんが声優として参加することが発表。高木さんは見た目は幼いのにビールが大好きというギャップがり口調が特徴的、立花さんは“フリフリだー”というのが第一印象で、ツンデレで語尾が「~ですわ」になっていると、それぞれの演じるキャラクターの印象を話していた。

「黄泉ヲ裂ク華」はXbox Oneのみで展開!「円卓の生徒」の数年後が舞台に

そしてイベントの最後に、ユーザーとの信頼関係をより深めていくために注力するという意気込みが語られるとともに、タイトル作りにおける方向性を体現したタイトルとして、2017年春に発売を予定しているという「黄泉ヲ裂ク華」が発表となった。

本作は、エクスペリエンスの代名詞ともいえるダンジョンRPG以外のジャンルを作ろうプロジェクトの第1弾にあたり、Xbox One専用のタイトルとして発売される。サードパーティとして最初に認めてもらえたのがマイクロソフトであることから、国内で苦戦する同ハードを盛り上げていきたいというのが、今回のハード選定の理由だという。

「黄泉ヲ裂ク華」については移植などは考えていないということだが、本作以外にもPSプラットフォーム向けに同プロジェクトの第2弾を制作していたり、ダンジョンRPGの新作も発表予定だったりと今後も幅広く展開していく考えのようだ。

ジャンルについては正式なジャンル名はまだ明かせないということだが、RPGではあるという。エクスペリエンスなりに新たなハック&スラッシュを求めたものになっているということなので、こちらの続報にも期待したいところ。

さらに、世界観に関して質問がおよぶと、「円卓の生徒」の数年後、はるか東を舞台としていることが紹介される。日本の戦国時代のような世界観であるものの、黄泉の王という存在に支配されており、人々は夜にしか姿を出すことができない霊になっているそう。そんな中、黄泉の王の影響を受けない存在たちが戦っていくことになるようだ。

パーティマネージメント、キャラクター育成が同社のこれまでのゲームとは全く違う新しいものになっているそうだが、ここでさらに口がなめらかになった千頭氏より、ジョブの概念がなく、プレイヤーが新たなジョブを作るような仕組みになるという情報が飛び出す。さすがに周囲からストップがかかって情報はここまでになったが、最後に千頭氏は10周年の期内に発売できるようにしたいと意気込みを語っていた。

このように盛りだくさんの内容となった本イベントは、一般のユーザー50名も招いて行われた。参加できなかった人も多いかとは思うが、当日の様子は後日アーカイブ配信されるという。気になる人はそちらをチェックしてみてはいかがだろうか。

新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~ 数量限定版

エクスペリエンス

PSVitaパッケージ

  • 発売日:2016年7月21日
  • 15歳以上対象
  • ベニー松山氏書き下ろしオリジナル小説を同梱
新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~ 数量限定版

新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~

エクスペリエンス

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2016年7月21日
  • 15歳以上対象
  • DLアップグレード版は1,800円(税抜)

デモンゲイズ2

角川ゲームス

PSVitaパッケージ

  • 発売日:2016年9月29日
  • 15歳以上対象
デモンゲイズ2

黄泉ヲ裂ク華

エクスペリエンス

XboxOneダウンロード

  • 発売日:2020年6月12日
  • 17歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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