舞台「『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」のゲネプロをレポート！山姥切国広ら刀剣男士の本質に迫る深いストーリーに注目

「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」は、実在した刀剣が刀剣男士として擬人化、歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」から過去を守るため歴史上の戦場を駆けるブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の舞台化作品だ。

2015年には「阿津賀志山」を舞台としたミュージカルも公開されたが、今回はあの「本能寺の変」をテーマに刀剣男士たちの内面に迫る本格的なストーリーと、ステージを縦横無尽に駆ける激しい殺陣が展開される。今回はそのゲネプロの模様をお届けする。

「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」のあらすじ

「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」の物語は燃えさかる炎に包まれた本能寺を舞台に森蘭丸と明智光秀が刀を交える、宗三左文字の悪夢から始まる。

織田信長の刀であった宗三左文字は、刻印を刻まれたことにより天下人の象徴とされ、刀として振るわれなかったことから織田信長に負の感情を抱いている。だが、悪夢の中で森蘭丸と明智光秀が互いの忠義と大義、そして「織田信長とはなにか」を問答していたことが宗三の心に影を落とした。

時を同じくして、山姥切国広が本丸の近侍および不動行光の世話係に任命される。山姥切国広は、“写し”として足利城主・長尾顕長の依頼で打たれた刀で、自らを国広の傑作としながらもオリジナルではないことへのコンプレックスを抱えている。一方、不動行光は森蘭丸に下げ渡された織田信長の愛刀で、敬愛する織田信長を本能寺で守れなかったことから自身を“ダメ刀”と称している。どこか似通った部分もある2人だが、甘酒を片手に自由な振る舞いをする不動に、山姥切は振り回されることに。

さらに不動は、同じく織田信長を主としながらも良い感情を抱いていない、へし切り長谷部、宗三左文字ともぶつかり、本丸に不和が生じてしまう。これを受け近侍として奔走する山姥切に、審神者から「本能寺の変」への出陣の命が下る。

血の通った刀剣男士たちが生きる“本丸”

ここまで物語の導入に簡単に触れたが、本作では刀剣男士たちのアイデンティティーが確立されていく様が実に熱く描かれている。冒頭で投げかけられた「織田信長とは何か」という問は、まさにこの作品のテーマで、不動行光、宗三左文字、山姥切国広をはじめとする刀剣男士たちは、自らを形成しているものが何かを、仲間との交流、そして戦いの中で明らかにしていく。

織田信長を元主とした宗三左文字、へし切り長谷部、薬研藤四郎は不動行光が登場したことで、これまで触れてこなかった互いの、そして自身の織田信長への感情に向き合うことに。負の感情に捕らわれる宗三左文字に、同じ織田の刀の薬研が相手を認識・理解することが必要ではないかと諭したり、ゲームの“回想”でも描かれた織田信長を巡るへし切りと不動のエピソードが再現されるシーンもあった。

また小夜左文字が負傷した際は、兄の宗三左文字、江雪左文字がつきっきりで看病をし「刀剣は元の持ち主の物語を受け継いでいる」と復讐の念に捕らわれた小夜を案じる場面も。江雪、宗三も同様に持ち主の物語を受け心の傷を抱えているが、小夜の前では隠そうという兄弟の絆も感じられた。

中でも、近侍としての役割を果たせず自信を失くした山姥切に、月を見ながら三日月が語りかける場面では、「“もの”であるが故に心がある、月が美しいのは見るものの思いが宿るから」「山姥切は美しい」と主が山姥切にこめた思いを、己を信じろと鼓舞した。自己認識だけでなく、他者からの認識も自分を形成していることを同じ刀剣男士の立場で三日月が語る、本作の核となるシーンだった。

極められた剣殺陣

本作では刀剣男士の熱く深い物語が展開されるが、そのストーリーをさらに盛り上げるのが全編にわたって繰り広げられる刀の殺陣とアクションの数々だ。脇差の鯰尾藤四郎や短刀の小夜左文字、薬研藤四郎に不動行光が派手な跳躍や小回りの利いたアクロバティックな攻撃で敵を倒すと、打刀の宗三左文字、山姥切国広、へし切り長谷部は流れるような剣さばきと時にトリッキーな動きで敵を翻弄、そして太刀の三日月宗近、一期一振、江雪左文字、鶴丸国永、燭台切光忠の力強さと華のある立ちまわりが舞台上で所狭しと展開されていく様は、圧巻の一言に尽きる。

物語の結末は

「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」では、森蘭丸と明智光秀が「本能寺の変」前日に会話を交わすなど、史実にはない“もしも”のシーンも。明智光秀が「本能寺の変」を起こした心情や、森蘭丸の最期など、刀剣男士が介入したことによる本作ならではの解釈は見どころの一つだ。

また、鶴丸国永が刀剣男士の仲を取り持つために発案した本丸内の“ある催し”や、「自分が本丸からいなくなっても―」という三日月宗近の“次”を思わせる意味深な台詞など、語りきれない魅力や見どころが満載だ。本能寺を巡る戦いで描かれる「織田信長とは何か」という問いが明らかになった時、刀剣男士たちはどのような変化を遂げるのか。また、刀剣男士らを形成するものは何なのか。その答えは是非舞台で確認してほしい。

ゲネプロ終了後のキャストコメントを公開

――「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」への意気込みをお願いします。

鈴木拡樹さん（三日月宗近役）：「刀剣乱舞」は、PCゲームから始まり、携帯アプリ、アニメの制作発表などの展開がされていますが、本日から始まった舞台「刀剣乱舞」もさらなるコンテンツの1つとして、皆さんに楽しんで頂けるよう頑張って参ります。

荒牧慶彦さん（山姥切国広役）：12振の魅力ある刀剣男士が織りなす舞台「刀剣乱舞」の世界観を沢山の人たちに愛してほしいと思います。

佐々木喜英さん（宗三左文字役）：この舞台の出演が決まってから、ゲームをやりこんできました。舞台上では宗三左文字として精一杯やりたいと思います。

輝馬さん（江雪左文字役）：ゲネプロを終えてたくさんの発見があったので、これを糧に初日公演も楽しんで頂けるよう頑張ります。

納谷健さん（小夜左文字役）：こういった大きな舞台は初めてなので、キャストの皆さんと「刀剣乱舞」の舞台を盛り上げていけるよう頑張ります。

北村諒さん（薬研藤四郎役）：薬研藤四郎として戦場を駆け抜け、大将の皆さんの期待に応えられるような舞台にしたいです。

和田雅成さん（へし切長谷部役）：最良の結果を主にお届けできるよう、しっかり努めて参ります。

椎名鯛造さん（不動行光役）：「刀剣乱舞」という作品の可能性を感じて頂き、今後に繋がるような作品にしたいです。

廣瀬大介さん（一期一振役）：12人12色のアクションシーンを是非最後まで楽しんで下さい。

杉江大志さん（鯰尾藤四郎役）：たくさんのスタッフの皆さんが最後までこだわって作りあげた作品です。たくさんの方の思いを背負って、素晴らしい作品にできるように頑張ります。

東啓介さん（燭台切光忠役）：剣殺陣をするのは初めてですが、燭台切光忠として、かっこよく決めていきたいと思っています。

染谷俊之さん（鶴丸国永役）：楽しみにして頂いている皆様に驚きの結果をもたらせるように、ステージ上で精一杯刀剣男士として生き抜きたいと思います。

――三日月宗近役の鈴木拡樹さん、最後に挨拶をお願いします。

今回の作品の顔合わせの時に「戦ってください」という強い言葉を頂きました。我々一同すべての物事において戦い続け、来て下さる皆様、ご観劇頂ける皆様に、最高に楽しんで頂けるステージを用意して、この作品を届けたいと思います。次を目指し止まらぬよう戦い続け、この作品を終えたいと思っています。

刀剣乱舞ONLINE

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• 配信日：2016年3月1日
• 価格：基本無料

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