ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントが本日5月12日に実施した「ワーナーゲーム2016 ラインナップ発表会」の模様をレポート。シリーズ最新作「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のデモプレイなど内容盛りだくさん!
「ワーナーゲーム2016 ラインナップ発表会」と題した本発表会では、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントが今年2016年よりリリースしていくゲームの最新作、そして今年度における販売戦略やプロモーション展開の情報が明かされた。
中でも注目は、同社のお得意「LEGO」シリーズより2016年10月13日に発売されることが決定した、PS4/PS3/Wii U/PS Vita/3DS「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」。昨年冬に公開され、興行収入115億円を叩きだし、世界中のファンを魅了した映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を題材にしたゲームの最新作だ。
本稿では初のお披露目となった本作のデモプレイの様子をはじめ、スペシャルゲストを交えてのトークショーの様子などをレポートしていく。
ワーナーの2016年のラインナップが熱い!
まずは開会の挨拶として、同社の営業部長・畠山宏氏が姿を見せる。畠山氏は同社の昨年2015年度の動向について、日本国内におけるコンソールゲームビジネスが前年比の6倍に、海外パブリッシャーとしては第3位のシェアにまで拡大したことを明らかにした。
この成長の背景には、「コアユーザー向けゲームのクオリティ大幅向上」「レゴフランチャイズの成長」があるという。コアユーザー向けゲームに関しては、昨年度にリリースした「ダイイングライト」「シャドウ・オブ・モルドール」が好評を博し、特に「バットマン: アーカム・ナイト」に至っては前作の3倍もの売り上げを記録したとのこと。
一部、PS4版「ダイイングライト」についてはゲーム内の不具合により、“ゾンビの血液が緑色になる”という問題が発生してしまったことで、ユーザーから厳しい意見を受けたと語る。ただし、ゲーム内容については軒並み高評価を受けており、問題についても後のパッチで対処されている。ちなみに、この件は社内では“緑の血事件”と呼ばれているのだとか。
もう一点、レゴフランチャイズに関しては、レゴブロックの訴求力を活かしつつ、「アベンジャーズ」「ジュラシックパーク」シリーズといった強力なIPとのコラボ展開を進めてきたことにより、昨今では安定して6~7万本が売れるシリーズとして成長したという。
なお、今年はさらに多くのユーザーにレゴゲームシリーズの魅力を広めていくため、「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」をはじめとする大型タイトルをもって、“昨年の実績よりも3倍を目指す”という大きなビジョンを掲げているようだ。
続いて、2016年からのリリースラインナップおよびプロモーション展開に関して、同社のマーケティグ本部 ホームエンターテイメント・マーケティング ディレクター・中浜平三氏より説明が行われた。
今年は4月に発売された「ダイイングライト:ザ・フォロイング エンハンスト・エディション」をはじめ、「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を含む3つのレゴゲームが同社よりリリースされていく。
なかでも「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」については、全世界で人気を誇る「スターウォーズ」の作品の力を、レゴブランドの力を使って最大化し、新作映画「ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー」などの展開を鑑みながら、1年を通してイベントなどを行っていくという。
なお、近年のレゴシリーズは映像関連ビジネスによるマーケットの拡大にも注力されており、2016年4月からはTVアニメのシーズン6「レゴ ニンジャゴー 天空の海賊編」が放送されており、2017年には「レゴ バットマン」「レゴ ニンジャゴー」の映画も公開される見通しだ。
さらに2017年春には愛知・名古屋にて、屋外型レゴランドテーマパーク「LEGOLAND JAPAN」が国内初オープンすることも決定。これらのトレンドとあわせてゲームの販売本数を増やす施策を打っていくとしていた。
「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の販売戦略とは?
ここからは「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の紹介として、国内初披露となるゲームプレイ映像、ならびにデモプレイが公開されることに。映像にはC-3PO(CV:岩崎ひろし)のナレーションが当てられており、細かい点からファン心理をくすぐってくる。
本作では、映画の名シーンをそのままゲームにしたかのような迫力を演出しつつ、登場人物たちが可愛らしいレゴキャラクターの姿で現れる。もちろん、ミレニアム・ファルコンをはじめとするビークルなども織り込み済み。また、画面内に散らばっているレゴブロックを使って、バリエーション豊かな建造物を手軽に作り出していくなど、レゴならではの要素も盛り込まれている。
そのほか、「レイたちが出会う前のこと、ハン・ソロとチューバッカがどのようにラスター(作中に登場するタコのようなモンスター)をどうやって捕獲したのか?」など、映画では描かれていなかったシーンも取り込んでいるらしい。しかも、これらは全てルーカスフィルム監修によって収録されているものなので、ファンの期待を裏切ることもなさそうだ。
なお、本作の具体的な指針としては、本格FPS「スターウォーズ バトルフロント」の購入者23万人、映画の観客動員数動員人数である700万人以上、レゴゲームファンやサンドボックスゲームの人気作「マインクラフト」をはじめとするアクションゲームファンを主なターゲットとして、“目標販売本数20万本”を目指していくと中浜氏より述べられた。
今後は、昨年の「バットマン: アーカム・ナイト」のおおよそ2倍以上もの規模でプロモーションを展開していくとのことで、1年を通して全国規模のTVCM、Youtuberなど動画展開の注力、情報サイトおよびSNSでのリリース配信、東京ゲームショウ2016(出展はセガゲームスブースを予定)などのイベントで、「スターウォーズ」ファンの心理にリーチしていくとの考えを示した。
さらに本作では先着購入特典として、映画冒頭でストームトルーパーの衣装を着ていた作中人物「フィン」の限定版ミニフィギュアが付属。加えて、PS4/PS3版では限定ダウンロードコンテンツ「ファントム・リム レベル・パック」「ドロイドキャラクター・パック」の配信も決定している。
発売日は5ヶ月先の10月13日となるが、現時点での予約状況は「レゴ マーベル」と比べて約370%以上の数字を推移しているというのだから、今回語られた販売目標というのは、空論どころか既に射程圏内に収まっているのかもしれない。
ここでプロモーション展開を進めていくうえでのパートナーシップの代表として、夏のラインナップトレーラーでも本作のことを取り上げていたソニー・インタラクティブエンターテインメントより、取締役 SIEJA プレジデント・盛田厚氏が登壇する。
盛田氏は、「スター・ウォーズは世界中で大人気の作品で、子供が必ず通るエンターテインメントの道です。そして、人気IPでありながらこの作品は、時代とともに変化し、また変化しているにも関わらず色褪せない面白さを見せてくれます。『スターウォーズ』と『レゴ』がコラボしたこのタイトルは、子供にとっては夏休みと正月がいっぺんに来たようなものでしょう」と作品の魅力に言及する。
加えて、「どちらも時代を越えて人気を博しているIPなので、現在では親子で一緒に楽しめる作品となっています。我々プレイステーションも“家庭の中心に置かれているプラットフォーム”を目指して展開を進めてきたので、目指すところは同じです。たくさんのユーザーにこのタイトルを遊んでもらうためにも、ファミリー層に向けてのプロモーション、ローカルなイベントなどを通して、本作を全力でサポートしていきます」と語り、拍手の中で壇上を降りた。
足立梨花さんを迎えて、デモプレイが初お披露目!
デモプレイの前に、本作の発売を心待ちにしているという、女優・タレントで活躍中の足立梨花さんがスペシャルゲストとして登場。現在23歳の足立さんは、「スターウォーズ」の映画を観たのはこれが初めてのことだというが、映画の魅力にはドップリとハマってしまった様子。「ピッて押しただけで光るライトセイバーを持ちたい!」とファンならではのコメントを語ってくれる。
実はこの足立さん、父親の影響で幼少の頃から“めちゃくちゃゲームをするほう”とのことで、女の子らしいゲームのみならず、RPG、音ゲー、シューティング、恋愛ADV、対戦格闘と、ジャンルを問わず、コアゲーマー好みのタイトルもバリバリ遊んでいるという。
実家に帰ると、歳が15が離れた弟を相手に一緒にゲームをやり、ゲームの負けず嫌いならではの“本気で負かしてやる姿勢”で弟とガッツリ戦うのだとか。いわく、「オトナの厳しさを教えてあげています」とのことだ。
そしていよいよデモプレイの時間。なお、今回は開発段階につき、ユーザーには正しいゲーム情報を公開していきたいという同社の考えから、写真撮影はNG。かといって、決して不安を感じるような開発状況とは思えなかったので、邪推する必要はないということだけあらかじめ伝えておこう。
デモプレイではまず、映画冒頭で描かれていたレイが廃品集めをするシーンからスタート。映画ではドキドキハラハラの探検のように描かれていたものが、ゲームではジャンクヤードの砂地を舞台にしたスノボーゲームのように落とし込まれている。なお、ゲームとしてより遊びやすくするため、映画と比べて会敵のシーンなどは若干ズラして構成しているとのこと。
見ているだけでも自由度満点なことが分かるアクション要素には、物陰に隠れて敵の攻撃をやり過ごしたりと、本格FPSのような動作も取り入れられている。また、その場のオブジェクトを破壊して、新たな建造物を組み立てていくシステムはままに、新たに“何を組み立てるか”が場面に合わせて選択できるようになった。一度作ったものを壊して、再度違うものを作り上げるなど、ゲーム進行における謎解き要素も膨らんでいる。
また、ゲーム中は場面ごとの戦闘や謎解きをこなした後、次に行くべきところが自動カメラでフォーカスされるようになっている。このガイドがしっかりしているので、ゲームに不慣れな人でも、小さい子供から親子でも、幅広いユーザー層が安心して楽しめることだろう。
ゲーム中は操作キャラクターを切り替えることで、映画のマスコット的存在「BB-8」のハッキング機能を使って閉ざされた道を開放したり、フィン、ハン・ソロ、チューバッカなどの同行キャラクターを自身の手で動かすことが可能。さらにはカイロ・レンといった敵役キャラクターを使用するモードも存在するようだ。
画面上に表示されるインターフェースも“スターウォーズっぽく”、壮大な音楽も映画と同じものが使用されていることで臨場感が抜群。会場のデモプレイでは、レイが自身の家に帰るまでの一連のシーンがそのまま体験できることが伺えた。
さらに今度は、「スターウォーズ」といえば忘れてはいけないビークル要素として、レイとフィンがマーケットで出会い、帝国兵に追われ、2人がミレニアム・ファルコンに搭乗するシーンがピックアップ。ここからはシューティングパートとなり、建造物の隙間を縫って飛んでいくかのような映画さながらのカメラアングルが楽しめるレール進行、広い場所で切り返しなどのテクニックを使って敵のタイ・ファイターと戦うドッグファイト戦を見ることができた。シューティングといえども、その魅力は一つに留まっていない。
もちろん、敵にやられてしまってもそこはレゴゲーム。その場で復活できる安心設計である。一見するとオブジェクトのあまりの作り込み、自由度が高くみえる操作性などによりハードルを感じてしまう人もいるかもしれないが、それらをフォローするためのシステムがキッチリ両立しているので、やらずに不安を持つよりも、映画と同じく“この世界を体験する気概”でプレイしてみれば、楽しさがそれに応えてくれるのだろう。
そしてデモプレイ終了後、最後に足立さんが「今回デモプレイを見させていただきましたが、秋の発売まで待てないくらいに遊びたいゲームになりました。映画そのままのカッコいい部分と、LEGOならではの可愛らしさが魅力のゲームになっていますので、みなさんフォースを持った気持ちで遊んでください」とコメントし、イベントは終了を迎えた。