本日5月27日から、東京を皮切りに大阪、京都と3都市で公開される「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」のゲネプロ公演が、東京・AiiA Theater Tokyoにて実施された。
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本日からPCブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を題材にした「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」が公開。本公演は2015年10月30日から11月8日まで上映された「ミュージカル『刀剣乱舞』」トライアル公演の完全版だ。
刀剣男士たちを演じるキャスト陣やストーリー、ミュージカルパート・ライブパートの舞台構成はそのままに、トライアル公演での気付きや、観客からの意見を受けブラッシュアップ。
新たな曲や演出がふんだんに盛り込まれ、より深みをました歌やダンス、激しい殺陣のパフォーマンスと完全版と呼ぶに相応しい熱を帯びた「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」が完成した。今回は5月27日に行われたゲネプロおよびキャストインタビューの模様をお届けする。
なお、物語などのネタバレを含むので、これから見に行く人は注意してほしい。
あらすじ
岩融を迎え三条派が揃った本丸で、「三条派を束ね1189年の阿津賀志山に行け」という主命が加州清光に下る。阿津賀志山とは、岩融の主・武蔵坊弁慶と、今剣の主・源義経がこの世を去った後、頼朝が奥州制圧の激戦を繰り広げた地だが、歴史修正主義者の手によって生き延びた弁慶・義経・藤原泰衡が源頼朝を追い詰め、歴史が改変されてしまったのだ。
刀剣男士として歴史を正さんと戦う一行だったが、圧倒的な力で立ち塞がる弁慶の前に撤退を余儀なくされる。さらに義経の生を無邪気に感動する今剣と、それを案じつつも弁慶との邂逅に内心穏やかではない岩融、そして審神者の期待に応えたいと焦り仲間を危険に晒してしまった加州清光――刀剣男士の間に生まれた不和の根本にある問題に向き合い、阿津賀志山の戦いの歴史を正すことができるのか。
刀剣男士が抱える矛盾
「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」では「モノ」である刀と人間のドラマが描かれている。義経と弁慶の主従関係と人生の幕引きを間近で目にした今剣と岩融が、肉体を得て刀剣男士となった時に何を思い、行動するのか。この2人の心の機微が「きらきら」「名残月」のソロナンバーで切なく、そして物語の終盤に歌われる新たな楽曲「おぼえている」で痛いほど感じられるのはミュージカル作品ならではだ。
また、本公演ではトライアル公演でもキーとなった加州清光のドラマに加え、石切丸のエピソードも追加。石切丸は、本丸で加持祈祷をし歴史修正主義者の気配をいち早く察知するなど、神社のご神体である刀らしい振る舞いを見せ、三条派の中では三日月宗近に次いで読めないキャラクター。それ故か加州清光も苦手視し、本公演中ではぶつかることも度々あった。
しかし石切丸は命を奪う刀でありながら、腫れ物や病気に苦しむ人間の治癒の願いをその身に受けてきたことに矛盾と憂いを感じていた。この矛盾は「モノ」として存在していた刀が人の身と心を得たことで生まれたもので、刀剣男士全員が抱える葛藤として本公演では深いテーマとなっている。もちろん加州清光も新撰組の刀として、主のために戦いで折れるなら本望としていたが、三条派とのやり取りの中で「仲間」という人間の持つ概念と感情を理解することができた。
本公演のミュージカルパートでは、加州清光と石切丸が理解し合うナンバー「矛盾という名の蕾」や、石切丸と小狐丸と石切丸が歌う「うたかたの子守唄」、そして終盤に全員で歌い上げる「おぼえている」が新たに追加。いずれも刀剣男士たちの想いが表現されており、本公演が「ミュージカル『刀剣乱舞』」の完全版であるということを改めて実感。そして、トライアル公演から走り続けてきたキャスト陣だからこそ表現できるキャラクターの深みを、十分に堪能することができた。
2部のライブが始まると、1部とは打って変わった洋装でメインキャストの6人が登場。刀剣男士が現代で歌って踊って主を癒すというコンセプトの下「mistake」「解けない魔法」「漢道」など全7曲が披露された。そしてこちらでも新たに3曲が追加。全員歌唱の「描いていた未来へ」や、プロジェクションマッピングで演出された無数の星が輝く夜空の中、三日月宗近がロマンチックなラブソングを歌い上げる「Endless Night」。そして小狐丸・石切丸・岩融・今剣が歌う「えおえおあ」では、簡単な振付も用意されており、キャストと観客が一体となって楽しむことができる。最後は刀剣男士の衣装に戻り「刀剣乱舞」を全員で熱唱、喝采の拍手で幕を閉じた。
なお、刀剣男士 team三条 with加州清光の1stアルバムとして「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」が8月10日に発売。このCDには初回限定盤2種と通常版が用意されており、初回限定盤Aには1部ミュージカルの生歌が収録されたCDが付属する。さらに新撰組の刀を中心とした「ミュージカル『刀剣乱舞』」の新作公演も2016年秋に上演が決定している。今後も多方面で展開される「ミュージカル『刀剣乱舞』」の情報に注目だ。
キャストインタビュー
――キャストの皆さんの自己紹介と意気込みをお願いします。
黒羽麻璃央さん:今回、顔合わせの時に茅野さんに「お前らは、ずっと俺の第1部隊だから」という嬉しい言葉を頂きました。観に来て下さる審神者の皆さんにも同じことを思っていただけたら、刀剣男士として幸せだなと思います。いいパフォーマンスができるよう日々頑張ります。
北園涼さん:トライアル公演では、芝居、歌、ダンスすべてで悔しい思いをしてきました。今回の本公演では2回目の「刀剣男士」として舞台に立てるので、トライアル公演以上の小狐丸を舞台上で表現できたらと思います。
崎山つばささん:世の中は伊勢志摩サミットです。オバマ大統領が今日は広島を訪問するということで、世界が日本に注目している瞬間かなと思います。ミュージカル『刀剣乱舞』も日本の刀を扱った作品なので、日本人の誇りとして世界に発信できるような舞台にしたいと思っています。全身全霊で励んでいきますのでよろしくお願いします。
佐伯大地さん:トライアル公演から約半年間を経て、カンパニー全体で楽しみにしてきた本公演を迎えることができて嬉しく思っています。皆で力を合わせて、チームワークを見せつけたいと思っているので楽しみにしていてください。
大平峻也さん:本公演に向けて義経を調べたり、実際に鞍馬寺に行ったりしました。歌、ダンス、殺陣を深め、前回より良い作品にできたらと思っています。チームワークも良くなっているので、全力で皆で突き進んでいけたらと思います。
佐藤流司さん:隊長として責任を感じながらトライアル公演からやってきました。本公演は、キャストそれぞれが半年間で成長し、三条らしい自由なところも出てきたので、トライアル公演以上に楽しい作品になると思います。
また、「刀剣」という人ならざるものが繰り広げる美しい人間ドラマを見せていきたいです。2部のライブに関しても「戦」意外のアプローチでどれだけ戦えるようになったか、この半年間の成長を見せたいと思います。
――トライアル公演より、ここがパワーアップしているなど本公演の見どころをお願いします。
茅野イサムさん:トライアル公演を経て本公演をやるにあたり、一度オーバーホールというか、全部分解して磨き直してきました。舞台セットや映像などの美術が違うと一目で感じてもらえると思いますし、1部はミュージカルシーンを増やし、2部は新曲も追加しています。
色々なところをブラッシュアップし、スケールアップしましたが、一番自信を持って良くなったと思うのは、彼らの戦闘力――演技やダンス、殺陣、歌、すべてです。前回もお客様に喜んで頂きましたが、彼らはもっとできるはずだということで、この半年間稽古が始まる前にそれぞれがレッスンをしてスキルアップしてきています。前回がレベルが50だとしたら今回は80くらいの仕上がりになっているので、公演中にカンストしてもらいたいと思います。
――ご自身が演じるキャラクターの魅力を教えて下さい。
佐伯大地さん:岩融は武蔵坊弁慶が持っていたとされる薙刀ですが、彼の豪快さの中にも品があるという違った部分を共存させている所が魅力です。僕は彼の真っ直ぐな男らしさが好きですね。
大平峻也さん:短刀で戦う子供らしく天真爛漫な今剣は、その純粋さから周りを振り回してしまうこともありますが、とりあえず可愛いので思わず欲しくなってしまいます。誰よりも素早く飛んだり跳ねたりできる所も魅力です。
佐藤流司さん:加州清光は沖田総司が使っていた刀で、新撰組の刀の中でもポピュラーな存在の刀です。ミュージカルの中でも誰からも愛されるキャラクターになっているので、1回見ていただければ解けない魔法にかかってしまうと思います。愛されたいという欲求が強くて、着飾るのが好きなキャラクターなので、自分に似たものを感じて共感できます。
黒羽麻璃央さん:三日月宗近は天下五剣のひとつであり国宝にもなっている刀です。長い歴史を生きていて、ゲームの中では自分を「爺」と読んでしまうユニークさと、知識を兼ね備えています。でも、それを表に出さない掴みどころのない部分が個人的にとても好きです。
崎山つばささん:刀自体が御神体というモチーフの石切丸は、石切劔箭神社に奉納されている刀です。彼の参拝者の気持ちがわかったり、温かく芯のあるところが好きですね。
北園涼さん:ある伝説の神がかった刀の小狐丸は、すべてを悟っているような余裕があります。その余裕をもって加州清光や今剣と一緒に遊んであげるところが好きです。
――2部において注目して欲しいポイントや演出があれば教えて下さい。
佐藤流司さん:個々のスキルアップした部分に注目してほしいです。既存の曲もアレンジが加わったりして楽しめますが、新曲にも、ぜひ注目してください。
茅野イサムさん:新曲では、意外な人が意外な曲を歌ったりと、皆さんを驚かせる事ができると思います。観客が楽しめるコーナーもあり、前回よりもっともっと楽しんでいただけると思います。
待望の1stアルバム「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」が発売決定!
デビューシングル「刀剣乱舞」、2ndシングル「キミの詩」、2部LIVEのオープニングを華々しく飾ったファン待望の楽曲「mistake」を含む計24曲を2枚組CDに収録。初回限定盤Aには、1部ミュージカルの歌唱曲が収録されたソングトラック、初回限定盤Bには、1部ミュージカルのBGMが収録されたサウンドトラック付きで発売が決定!
発売日
2016年8月10日(水)
概要
初回限定盤A(CD2枚組24曲+ソングトラック1枚)※計CD3枚組
EMPC-0028
価格:3,800円(税抜)
初回限定盤B(CD2枚組24曲+サウンドトラック1枚)※計CD3枚組
EMPC-0029
価格:3,800円(税抜)
通常盤(CD2枚組24曲)
EMPC-0030
3,000円(税抜)
ミュージカル「刀剣乱舞」公式ファンサイト プレミアム会員限定LIVEの開催が決定!
公式ファンサイトのプレミアム会員様だけがご参加いただける、限定ライブの開催が決定!プレミアムライブ(45分)+刀剣男士によるお見送り会(限定グッズ付)を行います!
タイトル
“刀剣男士 team三条 with加州清光”によるプレミアムLIVE
原案
「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMMゲームズ/Nitroplus)
公演期間
2016年7月16日~7月18日
場所
赤坂ACTシアター
キャスト
三日月宗近役 黒羽麻璃央
小狐丸役 北園涼
石切丸役 崎山つばさ
岩融役 佐伯 大地
今剣役 大平峻也
加州清光役 佐藤流司
ほか
公式ホームページ
https://musical-toukenranbu.jp/