欧米で2016年8月に発売が予定されている(日本での発売時期は未定)アクション・アドベンチャー「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」について、エグゼクティブ・ナラティブ・ディレクターのMary DeMarle氏に話を伺った。
「デウスエクス」と言えば、近未来を舞台したハードなストーリーが魅力だが、今作「マンカインド・ディバイデッド」はどのような内容になっているのだろうか。メインストーリーは? サブミッションは? そんな疑問を解消するべく、Mary氏に色々と話を訊いてきたので、興味のある方はぜひ一読してほしい。
――「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」の概要を教えてください。
Mary氏:本作はプレイヤーの行動次第で展開が変わっていくタイトルです。今作「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」(以下、マンカインド・ディバイデッド)は、コンバット、ステルス、ハッキング、ソーシャルという4つの要素が柱となっています。
プレイヤーの選択次第で、ゲームプレイはもちろんですが、ストーリーもそれに応じてどんどん変化していくのが特徴ですね。
――ストーリーについても教えて下さい。
Mary氏:物語の舞台は2029年です。その時代の背景として、オーグメンテーションと呼ばれる、人体の機械化が進んできたことにより、機械化された人と、生身の肉体の人との対立が激化するんですね。理由は、機械化を経て進化していきたいと思っている人と、機械化を嫌悪している人の間で確執が起こってくるからです。
「マンカインド・ディバイデッド」の主人公は、前作に引き続き、アダム・ジェンセンです。前作で彼は、テロリストに怪我を負わされ、その後、強制的に機械化されてしまいます。前作は、なぜ自分が攻撃されたのか、機械化されたのか、その理由を探す旅でした。
今作でジェンセンは、インターポールのカウンターテロリスト組織に属しています。ただ、そこに属していながらも、前作の悲劇を誰が引き起こしたのか、誰に責任があるのかを追求しつづけています。
――本作はゲームプレイによってストーリーが変化していくとのことですが、分岐の数は多岐に渡るのですか?
Mary氏:どのミッションを選んだかによって、ストーリーの方向性もガラリと変わってきます。もちろん本筋のストーリーだけを追ってクリアすることもできるんですけど、サイドミッションをプレイしていくことで、より深いストーリーを知ることができます。
また、選択次第では、とある登場人物が出てこなくなってしまうのですが、その後の選択次第では、ある程度時間が経ったあとで、再びその登場人物が物語に介入してくることもあります。加えて、選択次第では、敵の拠点が安全地帯に変わっていたりすることもあります。ただ、どちらの選択を選んだとしても、ゲームプレイはまったく損なわれません。あくまでも、一つのストーリーで成り立つようになっています。
――今作のストーリーは、前作をまったくプレイしていなくても楽しめるものになっているのですか? また、前作をプレイしていたらニヤリとできる要素もありますか?
Mary氏:もちろん、前作をプレイしていなくても十分に楽しめます。前提として知っておいてほしい情報はゲームに用意されているので、普通にプレイする分にはまったく問題ありません。また、本作には、前作「デウスエクス ヒューマンレボリューション」の概要映像が入っているので、序盤にそれを見ていただくのもいいかもしれません。
逆に初代を含め、前作をプレイされていれば、前作から引き継いでいる要素にピンとくると思います。ジェンセンを含め、過去からの登場人物もいるので、彼らを知っていることで気がつくこともあるかと思います。
――本作はプレイスタイルによって物語が大きく変化するゲームなので、繰り返しプレイする人もいるかと思います。そういう人に向けて、何か分かりやすい要素やアピールしたい部分はありますか?
Mary氏:一度クリアした時に手に入れた装備品は、二周目以降に引き継げます。ただ、周回プレイをするうえでの明確なヘルプ要素はないですね。選択肢も、初めからの選びなおすことになります。
――今作では、無料のゲームモードとして「Breach」が実装されますが、本編との関係性は?
Mary氏:「Breach」は、「デウスエクス」からゲームプレイの部分を切り取ってアーケードスタイルにリフォームしたものです。特定のアイテムを使ってハッキングするなど、本編と同じ要素も入っています。
あと、「Breach」で潜入する施設は本編にも登場するので、そういう部分での繋がりはありますね。また「Breach」はハッキングが一つのテーマになっているのですが、本編に登場する様々な会社の秘密をハッキングすることができるので、やり方次第では、本編では語られていない秘密を明らかにすることもできます。ただ、本編への直接的な影響はありません。
――Maryさんとしては、もともと根本に描きたい物語があって分岐の仕組みを作っていったのか、それとも仕組みが先にあって、物語に組み込んでいったのか、どちらですか?
Mary氏:メインの物語を最初に書き上げました。その中で、「もしこっちを選択したらどうなるんだろう」というアイデアが後から湧いてきたので、選択肢として組み込むことにしました。
例えば、ジェンセンと上司が話をしているシーンなどで、ジェンセンがそれまでに取った行動によって、上司の態度も変わってきます。そういう細かい部分にも、ぜひ注目してほしいですね。
――それでは日本の読者に向けて、メッセージをお願いします。
Mary氏:本筋のストーリーはもちろんあるのですが、私としては、世界観を通して物語を知ってほしいと思っています。居住区など、ジェンセンが赴く場所から色々な細かいストーリーが出てくるので、それらを楽しんでいただきたいですね。日本の皆さん、どうぞ「マンカインド・ディバイデッド」をよろしくお願いします。
――どうもありがとうございました。