7月15日に東京・六本木で行われたモバイルカンファレンス「GMIC東京2016」にて、ミクシィ取締役 兼 XFLAGスタジオ総監督 木村弘毅氏のセッションが行われた。

ミクシィ取締役 兼 XFLAGスタジオ総監督である木村弘毅氏によって行われたセッションのテーマは、「XFLAGスタジオが描くビジョンと中国市場の捉え方」。XFLAGスタジオが思い描くビジョンや、「モンスターストライク」の進出を計画する中国市場での戦略が語られた。セッション終了後には木村氏にインタビューすることもできたので、あわせてお届けしよう。

木村弘毅氏
木村弘毅氏

ヘルメットに作業着という姿で登壇した木村氏は、「友達や家族とワイワイ楽しめる“アドレナリン全開”のバトルエンターテインメントを創出し続ける」をスタジオミッションに掲げていることを紹介し、友達と集まって楽しむプレイヤーの様子を見せながら、このようにみんなが集まって遊ぶ空間を作ることを目的としていると語った。最近、北米などで話題となっている「ポケモンGO」にも触れ、「モンスターストライク」と同じように、みんながリアルで集まり遊んでいる姿が印象的だと話していた。

「モンスターストライク」は、対面式のコミュニケーションとして、協力プレイや直感的なアクションを採用。2013年10月10日に日本でリリースされ、北米、韓国、台湾、香港、マカオなどで配信中だ。全世界で3,500万人のプレイヤーが楽しむタイトルとなった。

ゲーム以外にも、動画プロモーションやe-Sports、アニメなどのメディアミックス展開も行っている。これらの取り組みについて、自社でリスクを負いながら展開している点が強みだと語った。

YouTubeで配信中のアニメについて、1話7分という見やすい時間、そして11言語での世界同時配信を行っているほか、アニメで登場したモンスターが同時にゲームでも登場するといった連動要素なども組み込まれていると紹介した。

続いて披露したGoogleトレンドのデータからは、他社タイトルに比べ強いトレンドを作り出していると話し、トレンドを支配できたことが世界一になった理由だと語っていた。

このようにみんなが楽しむことのできるテーマパークを作っているという自負から、今日のヘルメットに作業着という格好をしたのだという。

本作は、以前テンセントと共同で中国本土に向けてリリースされ、その後サービスを終了した経緯がある。中国本土でのリリースを改めて行う計画があると明かし、オンライン要素を強化していた前回とは異なり、日本と同様にFace to Faceを重視した展開を行っていくのだという。

Face to Faceで遊ぶ文化が中国で受け入れられるのかについては、麻雀で遊んだり、家族で食事する様子を紹介しながら、必ずFace to Faceの遊び方が受け入れられると自信を見せた。

木村弘毅氏にインタビュー

セッションの終了後、木村弘毅氏に今後展開していく中国市場に関してインタビューを行った。

――GMICへ登壇した理由は?

木村氏:中国でビジネスをする上で、外国企業だけだと難しいと考えています。今後、中国市場での展開で協力してくれる中国企業に少しでもアピールしたいと考え、登壇しました。

――テンセントでのサービスを閉じた理由は?

木村氏:僕らのコアバリューはFace to Faceで集まり遊ぶことを追求する点です。テンセントさんは、メディアパワーがとても強いプラットフォームだったので、メディアからの流入が多く、1人で遊ぶユーザーが一気に増えてしまいました。SNSのmixiもそうですが、バイラルで友達から友達や、家族から家族へ徐々に浸透していくことが、マーケティングで一番大切にしている戦略で、そこができなかったことが大きかったです。

――次の中国展開での提携先は決まっているのですか?

木村氏:今の時点では答えられませんが、僕らの勝ちパターンに共感いただけるようなパートナーさんであれば良いと考えています。

――中国市場に進出するにあたってどのようなメリットがあるのか、これから発生する問題に対してどのように考えていますか?

木村氏:エンターテインメントとしてモバイルゲームがより一般層に浸透しているという意味で言うと、中国よりも日本が進んでいると思っています。ライトやミッドコアなどの一般層の方に遊んでもらい、遊びだすとハマってしまうという点です。それを中国にもっていき一般の方に遊んでもらえるのではないかというところに魅力を感じています。

僕らだけで展開していくのは難しいので、共感してくれる良いパートナーを見つけることがとても重要な事だと思います。

――中国市場の特徴はどのように見ていますか?

木村氏:カルチャライズについては、それほど行う必要はないと考えています。日本だとポータブルゲーム機を持ち寄って遊ぶ文化が形成されていますが、中国にはあまり浸透していないため、ゲームを集まって遊ぶことをわかりやすく伝えていく必要があるかなと思っています。お茶の間で自然と遊んでもらえるようにUIを工夫していく必要があると思っています。

――台湾では現地のゲームアプリ「神魔之塔」とタイアップしていましたが、中国でタイアップしたいゲームはありますか?

木村氏:今のところ考えてはいませんが、集まって遊んでもらう上で、話題を作っていくことは戦略上とても重要だと考えています。ゲームにかぎらずさまざまな面で仕掛けていきたいです。台湾であればケンタッキーさんとタイアップしました。

――カードゲームのように小さなショップで大会を開くといった草の根的な活動の計画は?

木村氏:今のところは具体的な案はありませんが、メディアミックス戦略やPR戦略をしていくうえで、そういった活動は非常に重要だと考えています。

――「ポケモン GO」が人気ですが、どのように見ていますか?

木村氏:新しいことをすることで、新たな市場が形成されれていくのを見て、ああいうことが待っているんだなと勇気をもらいました。

――ライバルになりそうな注目タイトルは?

木村氏:「ポケモン GO」には注目していて、生活様式自体を変えてしまうようなアプローチなので、僕らとしてもそのようなアプローチを行っていきたいです。

――XFRAGならではの強みは?

木村氏:ゲームだけでなく、アニメや動画といった世界観を作るものを、すべて垂直統合で行っています。通常のアニメであればさまざまな企業が関わっているので、インターネットで無料で一斉配信するようなことをやりづらいと思います。我々は、それらの意思決定をすべて自分たちでできるので、それが強みだと思います。

――本作のアニメの中国での反応や手応えは?

木村氏:まだ何も訴求していない割には見てもらえている印象です。

――Cygamesさんなどもアニメの展開を行っていますが、ゲームメーカーがアニメを展開することをどのように見ていますか?

木村氏:正当な進化だと思っています。以前だとアニメの原作は漫画が多かったですが、週刊雑誌で連載して、人気の作品をアニメ化してマーチャンダイジングしていました。我々は、すでにとても多くの人とゲームで接触していて、漫画よりも接触回数が多いと思っています。それを原作としてアニメ展開し、モンスト物産展やイベント展開につなげており、非常に自然な流れだと思います。

――国内2,800万ユーザーを突破しましたが、今後の日本市場での伸びはどの程度でしょうか?

木村氏:日本の人口に対してリーチしている割合はまだ高くないので、まだまだ伸びると思います。すでにリリースした当時とはだいぶ異なる形になっていますが、あっと驚くような変革を行っていこうと考えています。

モンスターストライク

MIXI

iOSアプリiOS

  • 配信日:2013年10月10日
  • 価格:基本無料

    モンスターストライク

    MIXI

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2013年12月15日
    • 価格:基本無料

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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