本日8月17日よりドイツ・ケルンにて開催されている「gamescom 2016」にて披露された、「バイオハザード7 レジデント イービル」の新たな体験版“ランタン”のプレイレポートを掲載。
6月に行われた「E3 2016」にて、そのベールを脱いだシリーズ最新作「バイオハザード7」。発表と同時にPS4向けの体験版「ビギニングアワー」が配信され、わずか2週間足らずで全世界200万ダウンロードを突破した。
そして本日、ドイツのケルンにて開幕したゲーム見本市「gamescom 2016」で、本作の新たな体験版“ランタン”がクローズド出展された。会場で限られたメディアにのみ公開されたこの体験版を特別にプレイする機会を得たので、その内容を紹介する。
暗い森に囲まれた細い路地で、女性が声を震わせながら必死に誰かにメッセージを伝えようとしている。その声を遮るように、木々の向こうから怒気をはらんだ謎の女の声が聞こえる。どうやら、この声の主の女性=主人公を操作し、謎の女から逃げるのが目的のようだ。
「ビギニングアワー」と同じく、この“ランタン”もアイソレートビュー(一人称視点)でゲームが進む。主人公に武器は与えられておらず、ただ逃げるしかない。
目の前に伸びる一本道を無我夢中で駆け、廃墟と化した屋敷に逃げ込む。入り組んだ間取りと開かないドアに四苦八苦し、息を切らしながら歩みを進めるが、その間も後ろから、ランタンを片手に老婆が怒鳴りながらゆっくりと近づいてくる。
やがて行き止まりにぶつかってしまい、家具の陰に隠れて老婆をやり過ごすしかなくなった。隠れている際、家具と壁のわずかな間から老婆のやってくる姿が見えるのだが、アイソレートビューも相まって、近づいてくるランタンの光がとにかく恐ろしい。見つけないでくれ、そのまま通りすぎてくれと強く願うばかりに、やたらと口が渇く。
こうして主人公はランタンを持つ女からひたすら逃げ続けるのだが、その間も女はひっきりなしに怒鳴り声を上げながら追いかけてくる。どうやらプレイヤーキャラクターである女性に恩を仇で返されたと思っているようだが、その様子は明らかにおかしく、正気だとは思えない。BGMがまったくないせいでその声がダイレクトに耳に入り、とにかく逃げなきゃと思わされる。
強い攻撃性を露わにしながら追いかけてくる女と、対抗する手段もなくただ逃げ惑うのみの女性。見つかったら最後というこの構図が、さらに恐怖を増幅させる。
道中、「バイオハザード」らしく仕掛けを解いて新たな道を見つけるシーンもある。しかし進めばまた女がやってくると思うと、つい躊躇してしまう。追われる恐怖が、終わらないのだ。
なぜ主人公の女性があそこにいたのか? なぜランタンの女はあれだけ怒気を発するほど様子がおかしくなってしまったのか? 理由はわからないまま。しかし、それゆえに追われる恐怖にしっかりとフォーカスされているのが“ランタン”だ。
それでいて、なぜ女がああなってしまったのかはやはり気になるところ。また女が持っていたのはランタンだが、この体験版のタイトルとなっている。
実は今回、筆者がプレイできたのは通常版でのプレイだ。PS VRを装着せずにモニター越しにプレイしたのだが、いきなり放り込まれた緊迫のシチュエーションについていくのに必死で、むしろ必死についていこうとするからこそ、いとも簡単に没入してしまった。これでPS VRとヘッドホンを装着してプレイするとなれば、それどころではないだろう。
しかしあの希望の欠片もない廃屋の空気と、後ろから絶え間なく浴びせられる怒声、目の前をランタンの女が通り過ぎる緊迫感を、自分がそこにいるかのように味わうのならばVRでプレイしない手はない。そして当の筆者も、VRで一度プレイしてみたいと思ってしまった。それほどの魅力を発するまで緻密に作りこまれた「バイオハザード7」の恐怖の片鱗を、この「ランタン」は見せてくれたのだ。