コーエーテクモゲームスが8月23日よりPS4向けに配信した「仁王」β体験版。4月に配信されたα体験版からどんな変化があったのかを中心に、実際にプレイしてみてのレポートをお届けする。

目次
  1. 物議を醸した気力、武器耐久度が大幅に刷新
  2. 新たなミッション「枯尾花とあやかし」「闇の奥」にチャレンジ

「仁王」はコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが手掛けるダーク戦国アクションRPG。2016年の発売に向けて本作は、期待するファンがプレイする機会を積極的に作っており、4月23日にα体験版を配信。α体験版が全世界ダウンロード数85万を記録し、多くの人から期待されていることを示したと同時に、寄せられた意見を元にさまざまな修正も行われている。

そして約4ヶ月が経過した8月、満を持して配信されたのがβ体験版だ。今回のバージョンでは修正された箇所をいち早く体験できるだけでなく、新たなミッションやアイテムも追加。より製品版に近い形で楽しめた。筆者もα体験版に続き、今回もプレイしてみたので、そこで感じたことを紹介していく。

物議を醸した気力、武器耐久度が大幅に刷新

α体験版が配信されたときに賛否両論を巻き起こしたのが気力の存在だ。気力とは敵味方の両者に存在するステータスで、武器で攻撃したり、回避行動を取ることで減少していく。α体験版ではこの存在が多くのプレイヤーを悩ませた。というのも、気力が尽きるとその瞬間に息切れを起こして、しばらく行動不能になってしまうのだ。もちろん気力の管理に気をつければ充分攻略は可能なのだが、敵の動きだけでなく、自身の気力にも気を使うのが大変だったことも事実だ。

それがβ体験版では気力が少なくなった状態で敵の攻撃を受けたときのみ息切れを起こす。こちらの行動では息切れしなくなったのは大きな変更点といえるだろう。このおかげで以前はなかなか踏み込めなかった“とどめの一撃”が勇気を持って繰り出せるようになった。戦国死にゲーと称される難しさが魅力の本作だが、多彩なアクションもポイントのひとつ。そのアクションを存分に味わえるようになった。

そしてもうひとつの大きな変更点として、武器・防具の耐久度の廃止が挙げられる。耐久度もα体験版では多くのプレイヤーを悩ませた要素だが、その一方でさまざまな武器を試す動機にもなっていたため、筆者自身廃止したことには驚いた。とはいえ、高難度のミッションに挑戦するときに慣れた武器を使い続けたいのは当然のこと。適度にユーザーフレンドリーになったといえる。

ちなみに落ちた耐久度を回復するアイテムとして砥石があったが、これ自体はなくなっていない。新たな要素として導入された、装備品の愛用度を上げるアイテムとして登場する。愛用度はその装備品を使い込んだ度合いのことで、蓄積するごとに性能が強化されていく。使い続けるだけでも自然と溜まっていくが、砥石はそれを早めるアイテムとして生まれ変わっている。

また装備品に関しては、今回から新たに鍛冶屋が登場しており、ここで強化することも可能になった。強化は2つのアイテムを融合させる「魂合わせ」と、特殊効果をランダムで変更できる「打ち直し」がある。さまざまな武器を交換していた前回と比較して、β体験版ではひとつの武器を丹精込めて強化していく作品になった印象だ。

新たなミッション「枯尾花とあやかし」「闇の奥」にチャレンジ

β体験版では前回のα体験版にもあったミッション「鬼が棲む島」に加え、「枯尾花のあやかし」「闇の奥」という新たな内容のミッションも楽しむことができた。まず「枯尾花のあやかし」だが、こちらはエリア自体かなり短め。その代わりとして、出現する敵をすべて倒さないと先に進めない仕組みになっている。

どこから敵が出てくるのか分からない緊張感、広いフィールドの探索要素はないものの、強力な敵と連戦を重ねるのは新たな面白さを生み出している。また敵の攻撃も多彩で、ときには複数の敵が同時に襲ってくることも。フィールド上に生えるすすきが視界の邪魔になったりと、良い意味でのいやらしさはここでも健在だ。

続いて「闇の奥」は、暗い洞窟と崖のエリアで構成されたフィールドが特徴だ。崖は言うまでもなく落ちたらその時点で落命となるが、一方で敵を突き落とすことも可能。単なるプレイスキルだけでなく、位置取り、立ち回りにも気を使う必要があった。

しばらくプレイを続けていると、いつの間にか新武器である二刀や銃が手に入っていた。これも早速試してみると、二刀は一撃で与えるダメージは小さいが連続攻撃が可能で、手数の多さで攻める武器になっていた。銃は弓矢と同じ感覚で扱える遠距離攻撃用の武器。全体的に弓矢より攻撃力が高めだが、発射音が大きき的に気付かれやすいデメリットも。適材適所で使い分けたほうがよさそうだ。

オンライン周りにも新要素として、拠点から選択可能な「常世同行」が追加されている。これは2人のプレイヤーが協力してミッションクリアを目指すモードで、合言葉を利用すれば特定の人物とプレイすることも可能。ミッション中に他プレイヤーとマッチングをするときは「お猪口」が必要だったが、常世同行ではノーリスクで何度も利用できる。

もちろん常世同行は万能というわけでもなく、かならずミッションのスタート地点から開始すること、途中の祠が使えず休憩できないことは、本モードのリスクと言えるだろう。とはいえ、せっかくの新モードということで「闇の奥」は常世同行で協力しながらプレイしてみることに。

当然ながら協力プレイだとソロとは比べ物にならないほど簡単に攻略することができる。また熟練者と一緒にプレイすると見たことのないスキルやアイテムで敵を倒す姿が見受けられた。使う武器も人によって変わってくるので、自身との違いを比較し、後の攻略に活かすことだってできる。仮にどちらかが落命しても、残ったもう1人の救援により復活できる嬉しいシステムまで用意されている。思いがけない事故で落命してしまっても、スムーズな復帰が可能だ。

こんな具合で奥へ奥へと進んでいくと、やがてミッションのボス・飛縁魔が登場した。飛縁魔は素早さと攻撃力を兼ね備えた敵で、ときには空を飛び、麻痺状態でこちらの動きを止めてくる。「協力プレイだし楽勝だろ」と高をくくって挑戦した筆者だったが、それが油断になったのか、いとも簡単に敗れてしまった…。

「これじゃあダメだ!」と気を引き締め直し、同じプレイヤーをもう一度挑戦してなんとか飛縁魔を撃破することに成功した。少しでも油断すれば、協力プレイであっても苦汁を味わう結果になる。これこそが「仁王」最大の魅力と考えれば、バランス調整も上手くいっているとみてよさそうだ。

ボスを倒すとイベントシーンが挿し込まれる。陰鬱な世界観の中でどんなストーリーが描かれるかにも注目したい。

α体験版のときはまだ不完全だったり、未実装だった要素も多かった。それがβ体験版では押さえるべき要素が一通り揃い、不自由なく楽しめた。その一方でプレイできる期間が限られており、より高難度のミッションに挑戦したい欲求は製品版に持ち越しとなってしまった。明確な発売日こそまだ明かされていないが、思う存分挑戦できる日々を楽しみに待ちたい。

仁王

コーエーテクモゲームス

PS4パッケージ

  • 発売日:2017年2月9日
  • 17歳以上対象
仁王

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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