目次
  1. 砂漠のマップは地元と言って差し支えない
  2. 今回はコンクエストの雰囲気をお伝え!
  3. そのほかの巨大兵器は何が出てくるのだろう

第一次世界大戦をモチーフにしたシリーズ最新作「バトルフィールド 1(以下BF1)」では、時代が時代なため、近未来を感じさせる兵器はなりを潜め、それらの原点となる泥臭くアナログな戦いが繰り広げられる。

とはいえ、これは題材の退化を示しているのではない。技術が進化したからこそ描ける、リアリティという名のロマンを体現しているのだ。

この時代、デジタルな大量殺戮兵器が存在するわけではないが、かといって古来よりの人馬一体では、鋼鉄の戦車には太刀打ちできない。技術と叡智のブレイクスルーがもたらしたのは、それこそ銃剣vs戦艦のような歪な姿の戦場だ。これがファンタジーRPGであれば世界観の力でどうにかなるかもしれないが、そうならないゲームであることは皆さんご存知だろう。

だからこそ、この第一次世界大戦の戦争の姿は特筆すべきである。あまりゲームではフィーチャーされてこなかったこの時代の戦争を、最新の技術で、ゲームの中で、これでもかというほど楽しめる、それがBF1なのだ! というわけで今回は、先日行われたオープンβ(以下OBT)に参加し、発売日に先駆けて一足早くゲームを体験してきました。

砂漠のマップは地元と言って差し支えない

さて、冒頭でものすごくレトロ感を煽ったのだが、正直なところ今回のOBTに関しては“パッと見で現代戦”に見えるくらい、あまり違いを見受けられなかった。テクスチャレベルでは第一次世界大戦風になっているが、その実はスポーツ系のシューティングとしてのゲームバランスを取るためか、武装の取り扱いは前作・前々作と比べてもほぼ同等であったからだ。

現状の結論としては、人気の内容を継承しつつ、雰囲気を時代に寄せた、そういった作りが垣間見える。シリーズファンとしては不安を抱えずに済むので嬉しいところだが、未知なるものを求めた身としてはちょっと残念。とはいえ、OBTではマップのデザインに依るところが大きかったので、検品は製品版のコンテンツを確かめてみてからでも遅くはないか。

OBTでプレイできたゲームマップは、アラビア半島とアフリカ大陸北東部の中間に位置するシナイ半島にある「シナイ砂漠」。世界史に明るくない筆者は、第一次世界大戦のこととなるとイギリス、アメリカの動向くらいしかさっぱり知らないが、今の世の中はいろいろと便利なものなので、上澄み程度ならインターネットで適度にお勉強できる。

受験生であれば“ゲームに出てくるあんな事”を調べつつ、ゲームをプレイすれば、罪悪感が薄くなることかもしれないね。でも、まあ、来年まで我慢しよ?

OBTで遊べたのは2つのゲームモード。定番の「コンクエスト」には全64プレイヤーが参加可能で、重要拠点の支配権をめぐるオブジェクトルール(フラッグ戦、占領戦などの総称)が楽しめる。歩兵から機甲部隊(戦車・車輌など)から巨大兵器(OBTでは装甲列車!)までもがごちゃ混ぜになって撃ち合う、エキサイトでドメスティックな戦場がウリだ。

初心者はとりあえず、何も考えずにコンクエストに挑戦してみるといいだろう。

もう一方の「ラッシュ」は、電信施設を守る防衛チームと、施設破壊を行う攻撃チームに分かれて戦う対戦モード(参加可能人数:計24人)。防衛チームは施設に設置された爆弾を解除し、相手の任務を妨害していかなければならない。また、施設が爆破されてしまった際は、防衛チームは次の陣地へと後退し、次の電信施設を守っていくこととなる。

すべて爆破されてしまったら、そういうこと。守りの粘り強さが決め手となる。

今回はコンクエストの雰囲気をお伝え!

コンクエストのマッチングが完了すると、プレイヤーは「イギリス軍」か「オスマントルコ軍」のいずれかに振り分けられる。人数比によっては相手チームに移ることができるし、もちろんフレンドとともに小隊を組んでプレイすることも可能だ。小隊の利便性はあらゆる面で発揮されるので、知らない人とも「チームセットアップ画面」で遠慮なく組んでおくのがよい。

選べる兵科は「アサルト」「メディック」「サポート」「スカウト」の4種。それぞれ武装と衣装が異なり、運用方法に関しても名前通りに活躍させればよい。兵科の武装はアンロック&カスタマイズ(OBTでは不可)することができるが、バトルで活躍し、ランクアップした際に入手できるリソースが必要となる。サポートのライトマシンガン、すき。

また、戦場にドロップしている特殊装備を獲得すると、エリート兵科「火炎放射器兵」「警戒兵」「対戦車ライフル兵」に早変わり。前から近距離、中距離、遠距離と特化型の装備になるが、“取らない選択肢はない”といえるほど強力なので、行軍は目ざとくだ。

なお、BF1ではこん棒やシャベルといった打撃武器がサイドアームに装備できるほか、ダッシュ移動時にR3(※PS4の場合)を押し込むと「銃剣突撃」(※銃剣付きの武器のみ使用可能)が発動。ものすごい速さで突撃をかまし、敵を一撃のもとに屠ることができる。ただし、左右方向への機敏性に欠けるので、相手の背後から突撃し、脇を抜けてあらヤダ、背中を一方的に撃たれることも多い。ほんと注意。

コンクエストの勝利条件は、相手チームよりも多くのチケットを獲得すること。チケットは「敵を倒す」「拠点を確保する」ことで増量していき、対戦中は15vs26、168vs152などなど、リアルタイムで反映されていく。まあ、ルールが良く分からないという人でも、1戦やれば直観的に把握できるはずなので、今の時点では気にしなくてよし。

シナイ砂漠に存在する拠点は、A/B/C/D/E/F/Gの計7ヶ所。拠点はその場に一定時間留まることで確保でき、確保した拠点からはリスポーンが可能となる。ポイントもキルより美味しい。いつも通り。また、リスポーン画面では「馬1/戦車2/飛行機0」とリソースが表示されており、画面上でカーソルを合わせていずれかを選択すると、ビークルに搭乗することができる。

数は少ないが、味方同士で取り合うほどでもない。待っているくらいなら前線でドンパチ、余っていたらとりあえず乗ってみる、それくらいの気持ちで問題なしだ。戦場にリポップしたビークルに直接乗り込んだり、誰かが乗っているビークルの銃座に乗ることもできるので、操縦士のみの戦車をみつけたら、野良・フレンド問わず砲手を務めてあげるといいだろう。

ちなみに、ビークルに直接リスポーンした際は兵科が特殊な工兵となり、ビークルの修理が可能になるが、武装が貧弱になってしまうのを覚えておきたい。ビークルで生きて、ビークルで死ぬべし。それか倒した相手の武器を回収するなど、小技を効かせて対処するべし。

マップ上部には拠点が密集しており、建物も点在している。全体的に遮蔽物は少な目だが、高低差の起伏が付いている箇所も少なくはないので、手軽に相手の頭部にフォーカスできるかというとそうでもない。それでもOBTではスナイパーさん大勝利であったが。素敵なスナイパーさんを見つけたときは敬意を称し、馬で蹴ったり、シャベルで殴ってやろう。

一方、マップ中央にポツンと残されたE地点の周辺は、高低差はあるものの、まっさらな砂漠地帯となるため、スナイプの格好の的になる。まあ、何もない砂漠をジッと見つめていられるスナイパー魂の持ち主が相手にいなければ、基本的にはフリーだけど。E地点で敵を見つけた際はできるかぎりスポット(※相手の位置をマップ上で強調するシステム)を心掛けたい。

なお、E地点からは飛行機が出撃できるため、空戦で有利を取りたいときにはもってこい。総評としては「場所が遠いので気軽に向かうとロスに繋がるが、できることなら常に堅守しておきたいポイント」となる。“E地点奪取のために飛行機で飛んでパラシュート降下”も念頭に入れておくと、奪い合いに有利をつけられる。シナイ砂漠の趨勢はEの奪取にアリだ。

要素を列挙していてはキリがないので、続いては特徴的なビークルの所感を述べよう。まずは馬だが、見かけどおりの移動速度に加え、専用のライフル&サーベルを持ち、中・近距離に対応できる。近付きさえすれば火炎放射器兵だろうと一太刀で斬り伏せられるので、うまくいけば三国武将のごとき活躍も可能。回復力にも優れており、困ったら逃げ回ればよい。

なお、注意すべき点は、簡単に扱えるわけではないということ。TPS視点のアクション風に動かせるのは利点だが、的が大きすぎて「ここにいるぞ!」と喧伝しすぎてしまう。また、馬と人のライフは別々で、人間は脆い。そこかしこで話題になっているが「搭乗者が爆発で死んでも、馬が生きている」と言われるほどにカッチカチな生命体なのだ、この馬。

結論としては、撃たれる前に「吶喊!吶喊!」。撃たれていても「吶喊!吶喊!」。射撃がズームできない仕様なのが難点なので、そこを上手に扱えないとひたすら突撃をかますことになる。しかし、人が馬に勝てる道理などないのだ。吶喊あるのみ。

次は戦車。こちらはこれまでのシリーズと同様「攻めて、突っ込んで、ぶっ放して、爆死!」な運用方法が望めるが、歩兵の対戦車装備が少なめであった今回のOBTでは、より猛威を振るっていた。操作的にも直観的に扱いやすく、仲間と協力して動かすのが楽しいビークルなので、初心者はまず戦車からはじめてみるのがベストかも。

なお、車輌型には装甲車、軽戦車、重戦車と存在するが、リスポーン時に直接選べるのは重戦車のみとなる。後は開幕ダッシュか、己の足で探しましょ。

BF1の目玉はなんといっても飛行機。対地用の爆撃機、対空用の戦闘機、その中間の攻撃機がラインナップされており、いずれも初の航空戦力がお目見えした第一次世界大戦らしく、クラシックな複葉がイカしている。当時は航空戦ドクトリンがまだまだ未発達であり、空は高貴なる騎士たちの舞踏会であったが、BF1ではもちろんそんなもん関係ない。ドッグファイトあり、無慈悲な爆撃あり、空挺部隊的な突撃ありと、好き放題やるべし。

飛行機は地対空迎撃で落とすことは困難……というか時間の無駄になりがちなので、できるかぎり飛行機同士で戦わせたい。フリーにしていると爆撃機から雨あられの空爆を受けてしまうからだ。なお、飛行機の操作はひっじょーーうに難しいので、慣れぬうちはバンバン墜落するので、諦めずに乗り続ける気持ちを持っておこう。たとえ、複座の仲間もろとも爆破炎上に巻き込んでも、だ。

そしてもし、味方チームが劣勢になったら、この公式コメントを思い出せ。曰く――

「すべての希望が失われたとき、追い詰められた部隊のもとには強力な援軍が到着する。それこそが砂漠を疾走し現れる陸の巨大兵器、装甲列車だ」

だってさ。装甲列車は敵味方であまりにもチケット差がついている時(50チケット差? くらい))に出現する最終兵器で、アナウンスとともに、劣勢側に6人乗りの超大型兵器「ベヒモス」がリポップする。ベヒモスは装甲列車らしく、マップ中央を横断する線路上でのみ移動可能。そのプレッシャーは圧巻で、“ロマンの塊である装甲列車”の理想を体現している。

ようするにめっちゃ強い。劣勢のときにこそ笑うのだ。

まあ、かといって、これがあるから逆転できるかというと話は別になる。そもそも彼我の戦力差がいい感じに拮抗している試合だと、出現することすらない。筆者は10回やって1回見れたくらいであった。乗ってみたかったが、乗れずじまい。そんなOBTもあるよね。

そのほかの巨大兵器は何が出てくるのだろう

今回のOBTの率直な感想は、「『Star Wars バトルフロント』な感じだった」です。ルールもディティールもまったく異なる両タイトルではあるが、「バトルフィールド ハードライン」の室内戦に慣れていたこともあり、大規模なフィールドでひっちゃかめっちゃかにドンパチするのが、実に新鮮であったのだ。あくまで個人的な所感だが。

しかし、今回遊べたのは大規模なコンテンツの一部である。これだけで印象付けてしまうのは間違いだろう。超大型兵器にしても「ベヒモス」だけではなく、マップによって陸海空とさまざまな兵器が出てくるようなので、そのラインナップからして楽しみだし。

さまざまな形で現代戦をゲームの中に落とし込んできたBFシリーズの新たな試み、ハロウィンよりも先に予定に入れておきたい。

ごめんなさい、落ちてハマりました。こういう日もある。

バトルフィールド 1

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  • 発売日:2016年10月21日
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バトルフィールド 1 Deluxe Edition

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