本日9月15日より千葉・幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ2016」で実施された、PS4用ソフト「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」のメディアセッションの様子を紹介する。
「コール オブ デューティ」シリーズ最新作となる「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」では、戦争の舞台が宇宙へと発展し、SFチックな世界観を楽しみながら従来通りの堅実かつ爽快感のある銃撃戦を楽しむことができる。
今回は、本作の開発を務めるTaylor Kurosaki氏が登壇し、キャンペーンモードの壮大なストーリー、マルチプレイ、そしてゾンビモードについて説明してくれた。
まず本作についてTaylor氏は、従来の作品よりも“環境の変化”が激しいと語った。それはつまり、宇宙という無重力空間での戦闘はもちろん、グラップリングワイヤーによる3次元的な動きが強くなったことにより、立体的な戦闘が多くなったということだ。「コール オブ デューティ」のコアとなるゲーム部分は変わっていないものの、例えばマップを見渡した時に、従来であればまず左右を見て隠れられるポイントを探す。しかし、本作では建物の2階や屋根など、立体的にマップを見る必要があるのだとか。平面での戦闘から立体的な戦闘へ…これが本作における環境の変化になっている。
続いて、Taylor氏はストーリーの変化について触れた。今まででのストーリーでは、一人の歩兵から見た戦争というものが描かれることが多かった。しかし本作では、主人公が戦艦を指揮するキャプテンとなって戦争に臨んでいく。この視点の違いが、プレイヤーに新たなゲーム体験をもたらすという。
本作では、地球の資源が枯渇している問題から、人類が広大な宇宙へとすでに進出している、という時代背景がある。宇宙へと飛び出し、生活に地球の環境を必要としなくなったSDFと呼ばれる軍事組織が、地球へと反旗を翻すというのが大まかなストーリーとなっている。宇宙進出を果たしたからとはいえ、SDFは地球に住む人々と同じ人間で組織されている。宇宙人vs地球人というわけではなく、あくまで人と人の戦争というわけだ。
こうした情勢は、実際に現実でも起こりうるものなのではないかとTaylor氏は語る。「資源が枯渇しなくとも、宇宙から新しい資源が発見されれば、それを巡って争いは起こる。資源を巡る戦争は、歴史の中でも幾度となく繰り返されてきた。争う場所が地球から宇宙へと変化したんだ」と、この奇妙なリアリティを孕んだ世界観設定も、本作の魅力の一つのようだ。
また、従来とは異なる要素として、キャンペーンモードの自由度についても触れた。本作では、先述した通り主人公が戦艦のキャプテンを務める。プレイヤーは目標とする艦隊などを自由に選択することができ、それによって起こるさまざまなシチュエーションを楽しめるとのことだ。
続いてマルチモードでは、ユーザーのさまざまなプレイスタイルをサポートする「コンバット・リグス」と呼ばれるシステムが採用されている。マークスマンやスナイパーなど、6つのスタイルに大別化されているリグスは、1つの武器と2つのアビリティのようなものを装備することができる。あわせて、3つの特性と武器にはガンパークと呼ばれるものが用意されているので、これらを組み合わせて自分のプレイスタイルに合った遊びにより没頭できるとTaylor氏は説明した。
またミッションチームと呼ばれるものも新たに実装されるとのことで、こちらでは特定のプレイスタイルが好きな人同士が集まるクランのようなものだという。共通のプレイスタイルを持った人々が集まり、さまざまなミッションに挑戦していくということで、本作ではより個性的な戦闘が楽しめそうだ。
シリーズおなじみとなった人気モードの「ゾンビモード」では、それぞれ個性を持った4人のキャラクターから1人を選んでプレイすることになる。舞台が1980年代の遊園地ということで、フィールドには多彩なアトラクションが存在している。しかも、これらは単なるフィールドの背景というわけではなく、多くがゾンビたちに有効な罠やギミックになっているのだとか。
年代を意識したものはほかにもあり、例えばBOOMBOXと呼ばれる大きなラジカセのような物を使用すると陽気な音楽が流れだし、ゾンビたちを集めてくれる。その後、BOOMBOX自体が爆発し、周囲のゾンビを一掃してくれるという、ハードなストーリーのキャンペーンとは打って変わったコミカルな要素がたくさん盛り込まれているのも本モードの特徴だろう。
また、本作に同梱され、オンラインマルチプレイの対応も発表された「コール オブ デューティ 4: モダン・ウォーフェア」についてもTaylor氏は言及した。本作は単なるリメイク作品ではなく、今後続々と出現するであろう多彩なリマスタータイトルを牽引するような、ハイレベルな作品として製作されているという。ライティングはもちろん、地形やキャラクターまですべてが作り直されている。昔の質感はそのままに、現代の技術を基準とした映像美が追求されている。
最後に、Taylor氏へのインタビューを行うことができた。ゲームの仕様に関する質問もいくつかされているので、シリーズプレイヤーはぜひ一読してほしい。
Taylor Kurosaki氏インタビュー
――マルチプレイは最大何人対何人戦闘になりますか?
Taylor氏:最大で8対8の戦闘になります。
――同梱される「コール オブ デューティ 4: モダン・ウォーフェア」ですが、元々のモデリングを再利用して作成されているのですか?
Taylor氏:そうですね。元々のライティングなどをベースに、粗い部分などを現代機向けにクリーンに作り直しています。なので、なるべく昔の雰囲気が残るように意図して製作しています。
――キャンペーンでは、月面の地表付近などでは重力が軽くなったりするといった変化がありますが、こういった変化はマルチプレイでも適応されますか。
Taylor氏:マルチプレイでは、こうした重力の調整が難しく、実装に至っていません。なので、従来通りの1Gを元にした戦闘になります。
――「PlayStation4 Pro」が発表されましたが、現行機とProとのマシンスペックの差によってフレームレートの優劣が発生してしまうことはありますか?
Taylor氏:「PlayStation4 Pro」の最終的なスペックが発表されていないので完璧な回答をお返しすることは難しいですが、Proのハイエンドスペックを用いて、皆さまにより良いゲームプレイを提供したいとは考えています。こちらについては別途説明できる機会を設けられたらと思っています。
――キャンペーンモードでは人類が宇宙へと進出していますが、西暦はどれくらいの設定なのでしょうか。また、人類の生活圏は火星くらいまで広がっているのですか?
Taylor氏:特定の西暦や年号を言ってしまうと、皆さんは数字だけがイメージできてそこに描かれる世界観はバラバラになってしまいます。なので、正確にいつというの設定していません。また、人類がどこまで宇宙に進出しているかということより、本作の世界観では人類の資源が枯渇しているということが根幹にあります。この問題に対する回答が、宇宙空間になっているのです。
実際に、現在巨額の富を築いている人を超えるお金持ちが現れる可能性があるとすれば、それは宇宙から新たな資源を持ち帰ることができた人であると言われています。土星の惑星のタイタンに大量のメタンがあったりとか、エウロペに水があったりとか、こうした資源の奪い合いが戦争の引き金になる…というシミュレーションから、本作のストーリーを制作しています。
範囲でいえば、あくまで我々の住む太陽系の中の話になります。ただ、その中でもさまざまな惑星から鉱石だったり、あるいは隕石などから資源を求めたりしている、という話になっています。
――ありがとうございました。