千葉・幕張メッセにて9月15日より開催中の「東京ゲームショウ2016」。ここでは16日にコーエーテクモゲームスのブースにて行われた「ベルセルク無双」のステージをレポートする。
アニメも好評放映中の人気コミック「ベルセルク」と「無双」シリーズのコラボタイトル「ベルセルク無双」。本ステージでは発売直前情報として、ゲームスタート時の傭兵時代のガッツの姿やプレイアブルキャラクターの1人(?)であるゾッドの実機プレイ映像が初公開された。
まず、鯉沼久史プロデューサーが「ベルセルク」と「無双」シリーズのコラボが実現した経緯について改めて説明を行った。鯉沼氏によると、かねてから「ベルセルク」の「無双」を希望する声は大きく、海外のメディアから「ベルセルク」の「無双」は出ないのかとリクエストされたこともあったと明かした。
そんな「ベルセルク無双」のもっとも注目すべきポイントが大剣を振るう主人公ガッツの斬撃を再現した「斬潰アクション」で、より「ベルセルク」らしくするために、「斬る」のではなく「斬り潰す」というアクションを再現するシステムにこだわったと鯉沼氏は述べた。
もちろん、ストーリーの再現にもこだわっていて、劇場版アニメの映像を交えながら壮大かつ重厚な物語を追体験できるようになっているという。現在、原作は38巻まで刊行されているが、今作では1巻から32巻のアタマくらいまでをフォロー。もちろん、原作自体を知らない人やアニメは見ているけどマンガは読んだことがない人、原作を途中までしか追っていなかったという人も楽しめる内容になっているとのことだ。
ここからは実機を使ってゲームの内容を紹介。使用するロムは製品版相当のもので、このバージョンを使ってストーリーの進め方などの説明が行われた。鯉沼氏によると今回のゲームショウに出展している試遊バージョンはガッツのアクションを楽しむためのもので、製品版とは少し内容が異なっているそうだ。
今回の実機デモでは実際に製品版を始めたとき、最初にプレイすることになるチュートリアルモードからスタート。使用するのは黒い剣士となったガッツで、原作の蝕の舞台に似た異様な空間で妖魔たちを相手に戦いながら基本操作を学んでいくことになる。
必殺技発動までの流れは次の通りで、まず通常戦闘で「狂乱モード」というゲージを上げていく。このゲージがフルになるとガッツが狂乱モードになり、通常よりも強力な攻撃で敵を一網打尽にすることができる。さらに、この状態のときに刀のようなゲージが出現。これをフルにすると必殺技を発動できるようになるという流れだ。
鯉沼氏いわく、狂乱モードが発動中は必殺技ゲージがたまりやすくなっていて、何度も必殺技を撃つことができるので、敵がたくさんいるところで狂乱モードとなり、必殺技で敵を倒してさらに必殺技ゲージをためていくという連鎖狙いが有効とのことだ。
チュートリアルをクリアすると時代が戻って物語の舞台は黄金時代へ。グリフィスやキャスカと出会う以前の傭兵時代のガッツを操作して戦っていくことになる。鯉沼氏によるとグリフィスがガッツを見初めるきっかけとなる敵、バズーソが登場するとのことだが、その前にプレイは終了。残念ながら今回は見ることができなかったが、原作の細部までこだわって再現されているようなので、これはかなり期待してよさそうだ。
続いて、初公開となるゾッドの実機プレイへ。原作ファンはご存知の通り、ゾッドは人間の姿から巨大な猛牛の姿に変身するのだが、この部分がゲーム中でどのように描かれているのかを見ることができた。
特にすごいのが全身に返り血を浴びながら兵士を斬り飛ばしていく血まみれのゾッドの姿。血のりの色やねっとりとした質感、剣を振るうたびに血煙が漂うなど非常に生々しく、これで17歳以上が対象のCERO Dなのかと思わず目を疑ったほどだ。
実際、鯉沼氏もエロスとバイオレンスは「ベルセルク」の魅力のひとつと考えていて、CERO Dで発売するという制約とのはざまでかなり苦労したという。本人としては表現を控えめにしたつもりでもPS4の描画能力の高さから思った以上にリアルになってしまい、泣く泣くカットしたという部分もかなりあったそうだ。
ここでゾッドが本来の姿である巨大な猛牛に変身。上で説明した「狂乱モード」となって必殺技ゲージをフルにすると変身できるそうで、巨大なツメを振るって兵士たちを蹴散らしたり、背中からツバサを生やして空中を滑空したりして、暴れ回るド迫力の姿を見ることができた。ちなみに、この姿のときに必殺技ゲージがフルになると、人間の姿のときとは異なる必殺技が発動するとのことだ。
「ゾッド無双」というべき一騎当千ぶりを見ることができた今回の実機デモ。鯉沼氏いわく「敵に回すとかなりイヤなヤツだが、自分で使うとかなり気持ちいいキャラになっています」とのことなので、原作のゾッドの気分を存分に味わえるだろう。
最後に河合氏と鯉沼氏がファンにメッセージ。河合氏は「このかっこいいアクション、そして気持ちいいゾッド。私たち開発だけでとどめておくのはもったいないと思っています。ぜひみなさんと共有したいので、10月27日を期待してお待ちください」とコメント。鯉沼氏は「原作の最初から今アニメでやっているところの先くらいまで、このソフトで楽しめるようになっています。アニメを見ている方、昔からのファンの方、原作を知らない方の誰でも楽しめるので、ぜひ遊んでいただきたいと思います」と語り、イベントを締めくくった。