千葉・幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2016」。ここでは9月18日にコーエーテクモゲームスのブースで行われた「討鬼伝2」&「討鬼伝 モノノフ」スペシャルステージについてレポートする。
オープンワールドを採用した和風ハンティングアクション「討鬼伝2」。7月28日に発売して以降も、さまざまなアップデートやDLCの配信を続けている。
ステージにはプロデューサーの森中隆氏、ディレクターの関口和敏氏に加え、スペシャルゲストとしてグウェン役やテーマソング「十六夜の月に舞え」を歌う中川翔子さんが登場。天狐が出題するテーマに合わせたトークを展開していく。
もともと「討鬼伝」の熱心なユーザーだった中川さんはグウェンのセリフと共に登場し、今回のイベント前日も遊びこんでいた様子や、「討鬼伝2」のキャラメイクの幅の深さ、自身の演じたグウェンが助けてくれることが不思議な感覚であるといったプレイの感想、演じたグウェンの西洋風デザインについて、また「グウェンだからこそ言える、敵に対して一生に一回は言ってみたいセリフを全部言った」と興奮気味に語る。
テーマ曲「十六夜の月に舞え」やキャラクターについてトーク
最初のテーマは「十六夜の月に舞え」。「討鬼伝」シリーズのメインテーマ「鬼討ツモノ」を原曲とし、人が歌うことは想定していなかったため難易度に高いメロディラインだったという。
中川さんも「今までで一番難しかった」と、メロディを聞いた時点で歌うことを想定していなかったのは感じたそう。森中氏は「完全に新規の楽曲ではなく、ぜひ討鬼伝シリーズでお馴染の曲で歌ってほしかった」とお願いしたと明かし、作曲を担当した坂本英城氏も「こんなに難しいものをよく歌えるな」と感心したそうだ。
一方、中川さんはテンポが速いため自分の舌を「鬼千切」しそうになったそうだが、歌詞に「討鬼伝」の命を懸けた戦いや何度敗れても諦めないこと、倒れても助けてくれる仲間との絆といったものを岩里祐穂さんが見事にはめこんでくれたと絶賛。
収録時はグウェンの声は違うものの、グウェンの意志が出るような真っ直ぐさなどを出したかったと語り、ばっちりと歌いこなせるようになった今では歌っていてとても気持ちが良いと感じるようになったとコメントする。収録時は岩里さんも現場を訪れ、ギリギリのスケジュールの中でも歌を聞きながら歌詞が綺麗に響くようにその場で修正を加えながら仕上げていったという。
話題はキャラクターに移り、AIの優秀さに触れる中川さん。たくさんの鬼を討伐するような任務でも仲間が先に倒してくれたり、状態異常もグウェンが真っ先に解除にきてくれたりするのがとても嬉しい様子。他の仲間キャラクターも誰を連れて行くか迷ってしまい、なかでも山寺宏一さんがボイスを担当した時継の「お嫁に行けなくなっちまう~!」というセリフには「こんなことを言わせるのか!」ととても驚いたそうだ。森中氏も、収録の際に博士役の坂本真綾さんが「嬉しい」という話をしていたのが印象的だったと話す。
大型アップデートで無限に挑める「遺跡」が実装&無料の「共闘版」も配信
「討鬼伝2」の今後については、森中氏が大型アップデートの情報を公開。各領域に点在する「遺跡」へ挑戦可能となり、鬼を倒しながら深部へと進んでいけるようになる。奥に進むほど鬼は強くなり、もちろん負けてしまえば報酬も失ってしまうので、どこで引き返すかを見極めるのもポイントだと関口氏。マルチでも参加でき、タイプとしては指定の階数まで達するとクリアとなるものと、離脱するまで無限に挑めるものが用意されている。
ここで手に入る素材で作る最高クラスの武器・防具や新たな鬼も登場し、すでに「討鬼伝2」を遊びつくしたユーザーでもさらに楽しめる内容になっている。ミタマの構成など準備はそれなりに必要となるので、腕に自信のあるユーザーも今からしっかり備えておこう。
続いて、新たに発表となったのは基本プレイが無料のPS4/PS Vita向け「討鬼伝2 共闘版」。まだ「討鬼伝2」をプレイしたことがないユーザーに向けたもので、製品版と一緒にマルチプレイを楽しめる。マルチプレイの出撃回数は1日3回までとなり、宝玉という有料アイテムを利用することで行動力の回復や制限の解除など、より幅広く遊びやすくなるそうだ。
さっそく中川さんがPS4版で遺跡に挑戦。ミタマは開発スタッフが火力よりも「死ににくさ」を重視し、ゲージが貯まりやすいものを厳選したという。メンバーはグウェンのほか、回復役の真鶴に時継を加えたものでスタート。
1階からいきなりボス戦がスタートするが、中川さんは双刀で見事に応戦。その間、関口氏が遺跡は潜れば潜るほど報酬も良くなる、シングル・マルチ共に任務という形になっているので手早く挑戦できる、ストーリーの一章をクリアすれば「安」の遺跡が解放されて進行に合わせて増えていき、今回の遺跡は後半の「乱」の領域のためやや敵が強くなっていると解説していく。
まだまだ遊び足りないという様子の中川さんだったが、名残惜しくもプレイは終了。なお、この遺跡は防衛機能により鬼が出現しており、PVアニメで描かれているストーリーを見ていると「こういう仕組みなのか!」と楽しめると森中氏。アップデートは9月29日、共闘版は10月6日の配信を予定しており、共闘版は9月27日に事前登録をスタートして登録者に宝玉をプレゼントする。
このほかPS4/PS3用ソフト「BLAZBLUE CENTRALFICTION」とコラボレーションし、発売にあわせて10月6日に描き下ろしデザインのミタマ「ラグナ」(CV:杉田智和)を無料配信。スタイルは「攻」となり、攻撃特化型でかなり強いそう。併せて「BLAZBLUE CENTRALFICTION」でも発売日より「討鬼伝2」のアバターアイテム4種を配信することも決定している。
9月27日発売のコミカライズ「討鬼伝2 “鬼”討つモノ」の単行本にも、ミタマが5体ダウンロードできるシリアルコードが付属。さらに定期配信している追加任務集も順次続いていく。
スマートフォン向け「討鬼伝 モノノフ」を中川さんがプレイ
「討鬼伝 モノノフ」からはプロデューサーの中臺重人氏がステージに登場し、本作がどのようなゲームなのかを解説。
本作は「討鬼伝をそのままスマホで遊べる」というコンセプトのもと、簡単かつ手軽な操作で短時間でも遊べる作品を目指して鋭意制作中。プレイヤーと鬼が円形上に対峙する「サークルハンティングシステム」を搭載し、スワイプ操作で鬼の攻撃を避けながら攻撃を叩きこむというスタイルとなる。
攻撃方法はタップ、長押し、連打などで武器のもつアクションを楽しめ、リリース時は5~6種の武器を用意する予定。アップデートでの追加も検討中だ。
また、本作にはマルチプレイに特化したアクション「鬼千切・廻(かい)」があり、仲間とタイミングを合わせて鬼千切を放つと全部位破壊が可能となる。ストーリーはオオマガドキによって孤立した北方の里「シノノメ」が舞台で、鬼に囲まれながらもかろうじて侵攻を食い止めている状態。新キャラクターのほか、桜花や息吹といったシリーズキャラクターも登場するそうだ。
再び中川さんが配信に先駆けて「討鬼伝 モノノフ」をプレイ。コンシューマに負けないくらい美しいビジュアルを再現し、ゴウエンマも十分な迫力をみせている。鬼の攻撃は赤い範囲で予兆がみえるので、スワイプで前後左右に避けながら攻撃を叩きこんでいく。
画面右には鬼千切のゲージがあり、タップで発動可能。中川さんはコンシューマと同じ爽快感やヒリヒリとした緊張感がスマートフォンでもしっかりと表現されているのに驚いたと感想を述べる。
配信は2016年内を予定し、人数によって報酬がアップする事前登録も9月15日から実施中だ。
最後に中川さんはオープンワールドでの冒険や仲間との絆を描いたストーリーなど「討鬼伝2」のおすすめポイントを熱心に話し、ぜひ一緒に遊んでほしいと来場者に訴えた。
イベント終了後、中川さんにお話しを伺えたのでその模様をお届けする。
――イベントを終えられての感想をお願いします。
中川さん:まず、風邪が治ってなくて、興奮するとむせてしまって申し訳ありませんでした。あと今日まで「鬼千切(おにちぎり)」を「おにせんぎり」と読んでいたので危なかったですね(笑)。
実機プレイがあるので色々な武器を試していて、落ち着いたのが双刀だったんです。ずっとVita版で遊んでいたので、今回のPS4版は鬼の手の操作感やグラフィックがまた違うので、どちらでも遊びたいなと改めて感じました。遺跡の追加にも、果てしなく遊んでいいんだよという懐の広さを感じて嬉しかったです。
用意していただいていたミタマがそうそう死なないということで、ゲージも貯まりやすくてすごくびっくりしました。もっと本腰入れてミタマも集めたいですね。武器は双刀に落ち着いた気がするんですが、まだまだ武器とミタマは迷うと思います。
オープンワールドになってやり込み要素が果てしないので、ひたすら歩いてアイテムを拾っているだけでも楽しくてワクワクして、なかなか進まないんですよ。やめ時が分からなくて。やっぱりグウェンのことは贔屓して連れ回しちゃってるんですけど、仲間が優秀で自分からバンバン殴って鬼祓いもしてくれて積極的に鬼の手も伸ばしてくれて、私が遠慮しちゃうくらいで。1人だけど1人じゃない感覚が味わえるのが面白いですね。マルチプレイももっとやりたくて、今回無料の「討鬼伝2 共闘版」も発表されてびっくりしました。人を誘いやすくなっていいですね。
――ちなみに、本作ではどんなタイプの武器がお好みですか?
中川さん:やっぱり素早く殴ってボコボコにするのが好きなので、1人のときは双刀が気持ちよくていいですね。ただマルチだとビビリになるので、弓とか「癒」のミタマを付けたり。前作を友達と遊ぶときは回復役を努めてました。
――グウェンはもちろんですが、他によく連れていくNPCはいますか?
中川さん:グウェンや時継とか、椿の性格が好きなのでよく連れていきますね。最近、自分自身も髪を切ってボブになっていたので、椿の髪型も好きです。というか山寺さんの演じるキャラをこんなに連れまわせるのが嬉しいですね。「こんなこと言わせるんですか?!」っていうのもありますし。
――本作のストーリーはいかがでしたか?
中川さん:まだクリアは出来ていないんですが、鬼というものにどう立ち向かっていくか、許せないという気持ちだけでなく、椿のお父さんのお話しとか、1人だったら心が折れてしまうようなところも、出会った仲間たちが多くを語らずに支え合っていくというのにぐっときました。時を超えたお話しでもありますけど、1人じゃないというのを強く感じさせてもらえたのが嬉しいですね。「十六夜の月に舞え」の歌詞にもリンクしていて、全部失ったわけじゃなくて、諦めない限りちゃんと助けてくれる仲間が周りにいるんだなと。
今回は歌も歌わせていただいて、グウェンの声も演じさせていただけています。グウェンは純粋で真っ直ぐで、誰しも言いたかったようなカッコイイセリフを全部グウェンが言ってくれたので、思い残すことはないくらいです。男の子っぽい口調なので普段より声も低めに演じたのですが、服装は女の子らしくて可愛いですよね。早く禊がしたいです(笑)。
――グウェンはすんなりと演じられましたか?
中川さん:前作の「討鬼伝」をすごく遊んでいたので、あまり説明いただかなくても大丈夫だったんですけど、グウェンが1人でシリアスに過去の語るシーンはニュアンスがすごく難しくて。1回OKが出たんですけど「もう1度やらせてもらっていいですか!」と頼んで、納得いくまで演じさせていただきました。難しかったです。
ゲームって人生に必要不可欠なもので、辛い時でもゲームのおかげで乗り越えられることってありますよね。私はちょうど2013年の、とても忙しかった時に「討鬼伝」のおかげでひたすら鬼を倒して無心になれたので「助かった」「有り難かった」という思い出が強くて。
オープンワールドって開発もすごく大変だったと思うんですけど、今回初めて遊んだ人も、前作から遊んでいる人にも、それぞれの中にキャラクターやボイスが思い出として残るわけですよね。この世がある限りずっと残り続ける作品の中に、しかも歌手デビュー10周年のタイミングで主題歌も歌わせてもらって、ぜひ生でも歌わせてもらえるチャンスがあったら嬉しいですね。
――ファンとしては念願が叶ったという感じですね。
中川さん:申し訳ないぐらい色々なことをやらせていただいてますよね。今は進めるのが勿体なくて、こつこつ部品集めばかりしているんですよ。でもエンディングで歌が流れるのを自分で見たら感動すると思いますし、早く見たい気持ちもあるけど勿体ない…みたいな。ミタマも集めたいですし、まだまだ遊びつくせてないのですが、大型アップデートも楽しみです。
まだ武器やミタマの使い心地も試せていないんですよ。今からでも多くの人に遊んでいただきたいと心から思います。端から端まで丁寧で、本当に良いゲームなんですよ。「討鬼伝」の時点でも、これが初なのに完成度の高さにびっくりしたんですが、その期待を更に超える完成度で「討鬼伝2」が出てくれたので、まだまだ遊べると思うとすごく楽しいです。
――スマートフォン向け「討鬼伝 モノノフ」の手ごたえはいかがでしたか?
中川さん:びっくりしたのが「これがスマホで動いちゃうのかよ?!」っていうくらい綺麗だったことです。パズルゲームとか全く違うものになっているのかと思ったら、まんま「討鬼伝」で。
連打だけど鬼千切・廻はタイミングを合わせるのがシビアだったり、ミタマの組み合わせも気になりますし、マルチやろうぜって言いやすいのもいいですね。いつもゲームだと真鶴ちゃんが回復してくれるだろうと防御は無視していたんですけど、研究してもっとプレイスタイルを考えながら遊びたいです。
――最後に、ファンへメッセージをお願いします。
中川さん:とにかく丁寧で、大型アップデートも惜しげもなく太っ腹で、命を削りながら愛で作ったゲームなんだなとひしひしと感じます。キャラクター達にも意志があって、まっすぐ同じ方向を向いていて、みんなそれぞれ愛せる個性がたくさんあるんです。生きてるんじゃないかって思うくらいAIが優秀で感動しますし、皆がいるから諦めないで立ち向かっていけるというのを心に宿せる素晴らしい作品を毎日遊ばせてもらっています。ぜひ皆さんもマルチ一緒にやりましょう、お待ちしています。
――ありがとうございました。