東京ゲームショウ2016にて、エレクトロニック・アーツから10月28日に発売予定の「タイタンフォール2」の開発を担当する、Respawn EntertainmentのJoel Emslie氏とDusty Welch氏にインタビューを行う機会を得た。セガブースにて行われていたステージイベントの模様や、試遊台のインプレッションと合わせてお届けしていく。

目次
  1. 「バウンティハント」は、FPS初心者にこそ体験してほしい新ルール
  2. 日本の文化へのリスペクトを多数含みながら開発された「タイタンフォール」
  3. まだ発表されていない、タイタンのバッテリーを活用する新モードの存在も……!?

まず9月16日に行われていたステージイベントでは、本作のアートディレクターを務めるJoel Emslie氏と、Respawn EntertainmentのCOOであるDusty Welch氏が登壇。二人はまず前作「タイタンフォール」が成功を収めた理由に関して、日本とアメリカの両方の文化の影響を受けたことで、あのハイスピードなアクションを生み出せたことが大きかったと明かしていた。

Respawn EntertainmentのCOO・Dusty Welch氏(写真左)、「タイタンフォール 2」アートディレクター・Joel Emslie氏(写真右)

また非常に強い期待が集まっているであろうマルチプレイに関して、前作から得られたユーザーの意見に対するフィードバックをもっとも重視したと語るDusty氏。中でももっともユーザーからの要望が高かったというタイタンに関して、より深いカスタマイズができるようになった上で、より遊びやすくなるような改善が加えられているという。

会場では、本作から新たに登場する6種類のタイタンの紹介も行われた。

その中の1つである「Ronin」は、巨大な刀のような武器を使って戦う日本人にも馴染みの深い戦闘スタイルで戦うタイタンとなっているが、これは実際に日本の文化に大きく影響を受けたもの。タイタンのデザインを行う際、すべてのタイタンには性格のような個性があってほしいと考え、他のタイタンを倒せるような巨大な剣をもつ機体として、「Ronin」が生み出されることになったという。

さらにDusty氏は「暗い夜道では絶対に会いたくないロボット」とコメントを付け加え、会場の笑いを誘っていた。

「2」から追加されるシングルプレイヤーのプロモーション映像の上映も行われ、「日本のゲームショウでこの映像をお見せできることが本当に嬉しい」と語るJoel氏。

実はステージが行われていた当日、Joel氏が誕生日を迎えていたという驚きの事実も判明。会場から盛大な拍手が送られる中、開発にも多大な影響を受けたという日本で「タイタンフォール 2」を発売できることの喜びを語り、トークは締めくくられた。

なお、Joel氏とDusty氏のトークの後には、FPSの伝道師として知られるBRZRK氏が登壇。テックテストから本作をかなりやりこんでいるというBRZRK氏が「胸を借りる気持ちで」と語るほどの熟練プレイヤー達を交えてのマルチプレイも行われた。凄腕プレイヤー同士ならではのハイレベルな試合に、会場も大いに盛り上がっていた。

「バウンティハント」は、FPS初心者にこそ体験してほしい新ルール

ステージだけではなく、セガブースでは「タイタンフォール 2」に関する出展も行われており、マルチプレイ用の新ルール「バウンティハント」を試遊することができた。

「バウンティハント」では、プレイヤーは5人1組のチームとなり、敵を倒した際などに得られる賞金のチームでの獲得総額を競うことになる。会場でも実際に10人のプレイヤーがチームを組んで対戦が行われた。

「バウンティハント」はいわゆるBOTと呼ばれるCPUが操作するキャラクターが出現し、それを倒すことでも賞金を獲得できるのがポイントとなっている。BOTは決して強くないため、FPS初心者でも簡単に倒すことができる。またCPUでも敵を倒していくことができれば、前作と同様に誰でも強力なロボットであるタイタンを呼び出すことができるので、初心者もただやられているだけでは終わることはない。

また今作から追加された戦術である、ワイヤーをつかって自在に空中を飛び回れるグラップルがとにかく楽しい。グラップルはタイタンに対して相性がよく、視界外から敵のタイタンにいきなり張り付いてバッテリーを抜き、それを味方のタイタンに移すことでパワーアップさせるというプレイもできるので、撃ち合いが苦手でもしっかりとチームに貢献できるような作りとなっていた。

加えて勝敗は賞金の総額で決まるため、このルールでは何人敵を倒して自分が倒されたかという、いわゆるK/D比はあまり意味をもたない。FPSに興味はあるものの、敷居の高さに尻込みをしているプレイヤーにはうってつけで、是非体験してみてほしいルールだと感じられた。

最後に、今回のステージにも登壇していた、Joel Emslie氏とDusty Welch氏へのインタビューを掲載する。

日本の文化へのリスペクトを多数含みながら開発された「タイタンフォール」

――お会いできて大変光栄です。まずは開発におけるお二人の役職を教えてください。

Joel Emslie氏(以下、Joel氏):Joel Emslideです。「タイタンフォール 2」ではアートディレクターをやっています。

Dusty Welch氏(以下、Dusty氏):Dusty Welchです。Respawn EntertainmentでCOOを勤めています。

――現在、既に開発の方はすべて完了しているのでしょうか?

Dusty氏:10月28日のロンチに向けての主な開発は完了していますが、現在は発売に向け、テックテストから得られたお客様の声を反映させた最終調整を入れている段階です。また、ロンチ後のDLCをどのように提供するかについても話し合っています。

Joel氏:こうしている現在も、本社にはDLCの開発を進めているスタッフがいますので、また新しい情報を近い内にお知らせできるのではないかと思います。

――発売を間近にした現在の心境としてはいかがでしょうか?

Joel氏:本当にワクワクしていて、チームの全員が全力を尽くして開発に挑んだゲームの出来に自信をもっています。特にシングルプレイヤーでは、この15年は見たことがないシーンが見られると思いますので、楽しみにしていてください。

またマルチプレイヤーの方も、前作からより進化した内容となっています。それぞれに強みは違いますが、「Call of Duty」や「Battlefield」のライバルになれるくらいのポテンシャルをもっている作品だと個人的には思っています(笑)。

――前作の開発が終了してから、「2」の開発はすぐにスタートされたのでしょうか?

Joel氏:まず前作の開発が完了してからもDLCの開発期間が9ヶ月ほど続いており、その時に得られたノウハウで「2」を制作しています。なので、正確な期間は定かではないのですが……前作から数えると、およそ6~8ヶ月後くらいには開発がスタートしていたと思います。

――それでも、続編の開発が決まったのは早いですよね。

Joel氏:私自身が仕事し続けるのが大好きですし、この業界は常に自分の技術を向上させていかなければいけませんから、作り続けるということは重要です。

Dusty氏:「タイタンフォール」を作った時、その中の楽しさや強みというのがすぐに分かったんです。それらをより純化した作品を作りたかったのもあり、すぐに「2」の開発を決めました。

――ご存知かと思いますが、日本にはタイタンのような2足歩行の巨大ロボットの人気がすごく高く、前作から注目されていました。日本人にとって馴染みやすい世界観だと思うのですが、日本の作品を意識した部分はあったのでしょうか?

Joel氏:僕はこの質問が大好きで、よく聞かれるんです(笑)。Respawn Entertainmentのデザイナー達全員が、日本のアニメ・マンガの大ファンです。例えばジャック・クーパー(シングルプレイヤーモードの主人公キャラクター)の赤いスーツはアニメ「AKIRA」の赤いスーツをイメージしていますし、ほかにもさまざまな色合いやデザインに日本の作品からの影響をとても強く受けています。それだけに、日本のユーザーの期待に答えなければいけないという意識は強く持っています。

――同じように、日本のユーザー達もあなた方のゲームにすごく期待していると思います。

Joel氏:そうした期待に応えられるよう、日本からの声にも真剣に耳を傾けて頑張りたいと思っています。

まだ発表されていない、タイタンのバッテリーを活用する新モードの存在も……!?

――さっそくゲームの方も試遊させていただいたのですが、新しく追加された「グラップル」がすごく楽しかったです。

Joel氏:グラップルフックの凄いところというのは、物理的な強みが明確で、スパイダーマンのような動きができるところですね。オフィス内の開発スタッフのプレイを見ていると、私自身も信じられないような動きや新しい発見をしていて驚かされます。ただ、グラップル一強というわけではなく、それに対抗できるような能力も用意されているので、楽しみにしていてください。

――そういった武器や戦術の中でお気に入りはありますか?

Joel氏:私はテックテストのために何度もプレイしたのですが、爆弾で攻撃したり、スティムですごく速く動き回るスタイルが特にお気に入りです。あとは不可視クロークを使ってソナーから逃れながら、安全だと気を抜いている敵を攻撃する瞬間はすごく快感ですね。

Dusty氏:タイタンの新しいバッテリーシステムが好きです。これはゲームの状況を一変させる可能性を秘めていて、敵のタイタンからバッテリーパックを盗み出し、味方のタイタンをパワーアップさせるという、これまでになかったゲームプレイを生み出してくれます。あとは、やっぱり僕もグラップルですね(笑)。

――実際にグラップルでタイタンに張り付いて、バッテリーを抜き出すプレイはかなり楽しかったです。

Dusty氏:実はまだ発表していない新モードもあり、そちらでのバッテリーはタイタンに取り付けるだけではなく、別の使い方を用意しています。これは元々「タイタンフォール」の時の問題を解決するために用意したモードだったのですが、結果としてまったく異なる面白さを提供できるようになりました。

チームプレイで面白いのは、バッテリーが必要だという通知を受けた味方が、自分のタイタンのためにバッテリーをもってきてくれることがあるんです。そうした味方が自分をサポートしてくれるとことが視覚的にも分かるようになっているので、よりチームの絆というのを強く実感させてくれると思います。

――新ルールである「バウンティハント」は、BOTを倒すことでもチームに貢献できる、撃ち合いが苦手なライトユーザーにも優しい作りになっていますすね。

Joel氏:ほかにもまだ発表されていない、初心者にも遊び易いルールを用意しています。ここは本作の開発の中でも特にフォーカスを絞ったポイントで、決してプロゲーマー専用にはならない、誰にでも遊べるゲームを作りたかったのです。

また今回から新たに追加されたシングルプレイヤーには、マルチプレイで戦うことになるタイタンがすべて登場するので、マルチプレイヤーのトレーニングの場としても活用できると思います。

――シングルプレイヤーを追加したのは、ユーザーからの要望が強かったからなのでしょうか?

Joel氏:コミュニティからの要望も確かに強かったのですが、どちらかというと、我々自身が作りたくて仕方がなかったという理由が大きいですね。開発チームは「Call of Duty」や「God of War」を手がけていたメンバーが多いのですが、彼らは「タイタンフォール」の世界についての物語を伝えたいと常々思っていました。それには、シングルプレイヤーがもっとも適切でしたから。

――前作をプレイしていなくても理解できるようになっているのでしょうか?

Dusty氏:もちろんです。物語は「2」からのプレイヤーを第一に想定した作りになっており、シングルプレイヤー内で本作の舞台となる宇宙や惑星についてすべて知ることができるようになっています。なので、もしかすると日本のユーザーにとっては「2」というタイトルではない方が良かったのかもしれない(笑)。

――近年注目が集まっているVRへの取り組みには興味を持たれているのでしょうか?

Dusty氏:実は前作がロンチしたあと、「タイタンフォール」をVRにペアリングさせたことがあったのです。私はその時にVRの「タイタンフォール」の世界を体験できたのですが、目の前に存在する20フィート越える巨大ロボットの姿には本当に圧倒されました。将来的にどうなるかはまだ分かりませんが、私自身VRの大ファンで、大変興味をもっています。

Joel氏:ただ、動きが本当に激しいから、乗り物酔い対策のパッチをつけていないと厳しいかも(笑)。

――特にグラップルでプレイした時には、大変なことになりそうですね……。

Joel氏:本当にそう思います(笑)。タイタンから脱出した瞬間などは、本当にクレイジーでした。ただ、ものすごくクールな体験であることは間違いないので、いつかは必ず取り組みたいと思っています。

――それでは最後に、日本のファンに向けたメッセージをお願いします。

Joel氏:ようやくプレイステーションというプラットフォームでも、日本の方々に「タイタンフォール 2」をお届けできることにワクワクしています。実はテックテストには、驚くほどの日本のユーザーに参加していただいており、急遽サーバーを増やして対応したこともあったほど、日本からの注目が集まっているのを実感しています。日本のユーザーの声は我々にとっての基準にもなりますので、できるだけその希望に応えられるよう努力していきます。

――ありがとうございました。

タイタンフォール 2 Deluxe Edition

エレクトロニック・アーツ

PS4パッケージ

  • 発売日:2016年10月28日
  • CERO審査予定

タイタンフォール 2

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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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