角川ゲームスが2016年9月29日に発売するPS Vita用ソフト「デモンゲイズ2」。ダンジョンRPGとして前作からさらなる進化をとげた、本作のプレイレポートをお届けする。

プレイ中に生じるストレスを排除することでダンジョンRPGとしての敷居を広げたゲームデザイン、そしてキャラクターの魅力を見せることでより幅広いユーザーの関心を集めたファンタジー・ダンジョンRPG「デモンゲイズ」。その続編として9月29日に発売を迎えるのが、今作「デモンゲイズ2」だ。

さまざまなダンジョンを進んでキャラクターを強化しながらストーリーを進めていく流れはそのままに、今作ではデモンの存在によりフューチャーしたシステムの数々が盛り込まれている。そして、数々のダンジョンRPGを世に送り出してきたエクスペリエンスが引き続き開発を手がけており、ゲームシステムにもさらなる改良がほどこされている。

今回はゲーム序盤を通してのプレイレポートをお届けする。筆者は前作については未プレイで、かつダンジョンRPGにも苦手意識を持っているが、だからこそ今作からプレイしても十分に楽しめるかどうかも確認しつつプレイを進めた。

よりプレイのストレスを排除したダンジョンRPGに

筆者はこれまでもダンジョンRPGを遊ぶ度にどうやって先に進めばいいかわからなくなる局面が多く、どうしてもゲームを続けるモチベーションが保てなくなるケースがあった。その点、今作は丁寧に、かつそれ自体が雑多としないかたちでチュートリアルが挟まれており、ゲーム中で使用できるシステムの把握や、ゲーム進行の整理がしやすくなっているように感じた。

ダンジョン探索の進行だが、まずはダンジョン内に点在する「トレジャーハンティングサークル」を見つけだすところから始まる。そこに「ジェム」というアイテムを配置すると発生する戦闘に勝利すると、そのサークルは制圧される。全てのサークルを制圧したところでダンジョン内の特定の場所に「デモンサークル」が出現し、その先に待つデモンを撃破すれば勝利、そのまま仲間となってパーティに加えることができるというのが一連の流れだ。

サークルの解放の際に設置するジェムにはさまざまな種類が用意されており、使ったジェムの種類に応じた効果が発生する。例えば自キャラで剣系の武器を装備したい場合は剣系のアイテムがドロップする「剣のジェム」、少し強い敵と戦うことで良い装備を入手したい場合には「銅のジェム」を設置するなど、所有数と相談しながら目的に応じたジェムを選ぶといいだろう。

またダンジョン内を探索するにあたって、前作にも搭載されていた「オートパイロット機能」が今作でパワーアップ。敵との戦闘はシンボルエンカウント、ランダムエンカウントの両方が存在するのだが、可能な限りシンボルエンカウントによる敵との遭遇を避けてくれるほか、ルート上に存在する罠を避けたり、一度通過した障害をそのまま突破してくれたりと、よりストレスなく進めるようになっている。

戦闘に関してもコマンド選択で同じ行動を繰り返したり、行動した結果だけを表示してくれる高速戦闘が選択できたりと、状況に応じた戦闘の最適化が図られているのは大きなポイント。実際に遊んでみると、敵との実力差にある程度の差があるような局面だと、上記2つのコマンド(ともに△ボタン)を選択してサクサクと敵を倒せるので、快適な探索を楽しめることだろう。

デモンは戦闘にイチャイチャに大活躍!

上記のようなダンジョン探索および戦闘の最適化が図られている一方で、シリーズを通してのセールスポイントともいえるデモンの役割が今作ではより明確になっている。ここでは主に戦闘とコミュニケーションの2面から紹介していく。

まずは前段からのつながりで戦闘面の特徴について。前作ではさまざまな種族、クラスのキャラクターを作成してパーティを編成、デモンはあくまでも戦闘中に使役し、サポートする役割を担っていたが、今作ではデモンとともにパーティを編成してゲームを進めていくかたちになっている。

デモンはストーリー進行に応じて徐々に仲間になっていき、最大5人編成でダンジョンへと繰り出すことになる。デモンはそれぞれに使用できる武器やスキルに違いがあるため、攻略するダンジョンによって編成を変えるなど、より一層デモンにフューチャーした戦闘が楽しめるようになった。

それは戦闘中のコマンドにも表れており、そのひとつがデモンを変体させることでその力を解放する「トランスデモン」の存在だ。デモンの能力が上昇するだけでなく、主人公も「デモンスキル」という強力なスキルが使えるようになるなど、戦闘における大きな助けとなってくれる。ただし、トランスデモンは戦闘を繰り返すことで蓄積される「スターゲージ」を消費するため、強力な敵との戦いなど、使いどころは意識しておきたいところ。

さらに今作では、トランスデモン中、主人公とデモンが合体する「デモンクロス」というコマンドも用意されている。こちらも先ほど紹介した3つのタイプによって合体後の姿や攻撃が変化し、さらに強力なスキルの数々で敵を圧倒する。その代わり、スターゲージが無くなってしまうと解除され、その後は合体相手のデモンが衰弱して一定ターン行動不能になってしまうため、まさに勝負をかけたいタイミングで繰り出す必殺のコマンドといえるだろう。

戦闘部分だけでもこれだけの要素が盛り込まれているが、拠点である「ステラ座」ではデモンとのコミュニケーション要素を兼ね備えたシステム「メンテナンス」を楽しむことができる。メンテナンスでは、ダンジョン内でデモンを撃破した時などに手に入る「メンテクリスタル」を用いてキャラクターとの絆を深めていくのだが、その方法はデモンの体をタッチして、半機械生命体であるデモンの体の調子を探るというものだ。

画面上に表示されたデモンの体のいち部分をタッチで長押し(もしくはカーソルを合わせて◯ボタンで長押し)すると、触った箇所の状態が「PERFECT」「GOOD」「POOR」のいずれかで表示される。最初に行うこの行程はあくまで練習であり、メンテナンス本番は一回勝負。ここでデモンが気持ちいいと感じるポイントを選ぶことで、好感度が上昇するという仕組みだ。

そして好感度がMAXになるとデートイベントが発生し、それぞれのデモンとのイチャイチャ…、もとい交流が楽しめるように。この過程を経て好感度レベルがアップ、それに伴い、デモンスキルの習得やデモンクロスの合体成功率アップ、さらに主人公自身のステータスが上昇するなどの恩恵がある。メンテクリスタルを手に入れたら、すぐさまデモンのメンテナンスを忘れずに!

もちろん、主人公と同様、デモンにもレベルの概念があり、経験値を得てレベルアップしていくごとに応じてステータスを振り分けることができる。また、加入時や一定のレベルに達した時には「リバティスキル」というデモンの特性に応じたスキルを、複数の選択肢からひとつ選ぶことが可能だ。このほか、シャワー室ではデモンの見た目を変えることができるなど、デモンのカスタマイズ性が増しているのも、本作の注目ポイントといえるだろう。

キャラクター同士の関係性にも注目のストーリー

さて、ここまではゲームシステムに注目してきたが、「デモンゲイズ」の数年後を舞台に描かれるストーリーと、特徴豊かなキャラクターについても、本作を彩る大きな要素といえる。

今作では記憶を失う代わりに“魔眼(デモンゲイズ)”と呼ばれる力を手に入れた主人公と、アステリア革命団のリーダー・ミュゼとその妹で歌姫のプリムという、ステラ座で育った3人の幼なじみを中心にストーリーは展開していく。街の統治者であるマグナスターの陰謀に立ち向かうという主軸の部分はもちろんのこと、セリフの端々から見える3人の関係性にも注目してほしい。

革命活動を広げる手段としてラジオ放送を用いているのは、本作ならでは。時には主人公が出演することも…?
ラジオ放送の結果は、革命支持者数で表示される。
増えれば増えるだけ、最大スターゲージが増加するなどのメリットもある。

また、前作にも登場したカッスル、レゼルム、プロメスをはじめとした革命団のメンバーも、まさに目的を同じくする仲間という感覚で、合間合間のコミカルなやり取りを含めて楽しめるポイント。ステラ座では先述のカスタマイズだけでなく、武器・防具などの購入や強化、所持しているアイテムの倉庫への保管などの機能を備えているので、ゲームを進めることで拠点への愛着も湧いてくるのではないだろうか。

デモンと同様、シャワー室では主人公のキャラクターメイクも可能。ちなみに、ゲーム冒頭で選択する
善・中・悪の3タイプについてはゲーム開始時のみ選択できるものなので、自身の育成方針に合わせて選択しておこう。

さらに広がる「デモンゲイズ2」の世界

ゲームそのものはこのように分かりやすく整理されていて、筆者のようなプレイヤーにとっては十分に楽しめる内容となっていたが、その一方でもっとやり応えのあるプレイを楽しみたいという人もいることだろう。そこは数々のダンジョンRPGを手がけてきたエクスペリエンスということで、もちろんやり込める要素も用意してくれている。

そのひとつがプロメスの部屋での「難易度宣託」。ここでは、プレイ難易度を、「ぬるい」「あったかい(デフォルト)」「あつい」「まるこげ」「けしずみ」の5段階から選ぶことができ、ダンジョン探索やストーリーを着実に進めたい人から、高難易度のプレイを求める人まで、幅広いユーザーが本作を楽しめる要素といえるだろう。

さらに、2016年秋に無料での配信が予定されているという「柳生斬魔録-コール・オブ・ザ・グリモダール-」は、ゲームクリア後にプレイできるエクストラコンテンツだ。ベニー松山氏がシナリオ・監修を務め、萩原一至氏がキャラクターデザインに起用された、本編とは一味違ったハードコアなプレイが楽しめる。まずは本編でゲームシステムに慣れて、そこから挑んでみるというのも良さそうだ。

作品の特徴でもある「デモン」に関する要素をより強化しつつ、よりゲームとしての進化を遂げた本作。初めてのダンジョンRPGとして十分に楽しめる、入門編の一本としてもオススメしたい。

デモンゲイズ2

角川ゲームス

PSVitaパッケージ

  • 発売日:2016年9月29日
  • 15歳以上対象
デモンゲイズ2

デモンゲイズ2

角川ゲームス

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2016年9月29日
  • 15歳以上対象

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(C)2016 KADOKAWA GAMES/EXPERIENCE

※画面は開発中のものです。

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この記事のゲーム情報

デモンゲイズ2

ファンタジー・ダンジョンRPG
機種
PS4PSVita
プラットフォーム
パッケージ
OS
会社
角川ゲームスエクスペリエンス
シリーズ
デモンゲイズ
ジャンル
RPG
クリエイター
安田善巳千頭元河野順太郎安宅元也
公式サイト
公式サイト公式サイト
  • Figgy
  • 「黎の軌跡(くろのきせき)」特設サイト
  • セール情報

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