アソビモからリリース予定の「BTOOOM!オンライン」は、人気コミック「BTOOOM!」をゲーム向けに再構築した対戦型アクションゲーム。極限の緊張感と駆け引きが楽しめる本作の魅力を紹介したい。
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アソビモからリリース予定のiOS/Android向けアプリ「BTOOOM!オンライン」は、コミックバンチで連載中の人気コミック「BTOOOM!」をベースに、対戦型ゲームとして再構築したもの。
「BTOOOM!」といえば南海の孤島に集められた登場人物たちが、生き残りをかけて爆弾で殺し合うというサバイバル&デスゲームを描いている。この「爆弾で殺し合う」という設定は、コミック中に登場する同名ネットゲーム「BTOOOM!」から来ているため、そもそもゲームと高い親和性を持っていた。コミックのファンやアニメのファンの中には「はやく対戦ゲームにしてほしい!」と願っていた人も少なくないはず。筆者もその一人だ。
今回の「BTOOOM!オンライン」はそうした願いが結実したといっていい作品。そんな作品の期間限定テストが2016年12月21日~2016年12月27日に行われため、喜び勇んでプレイしてみた。今回はこの期間限定テストでわかった「BTOOOM!オンライン」の魅力について紹介したい。
「BTOOOM!オンライン」は、ゲームジャンルを「ステルスボンバーアクション(SBA)」としている。原作コミックにおいても、敵から見つからないよう隠れつつ、いかに爆弾で倒すか…というところが肝になっていたため、まさしく最適なゲームジャンル。
ゲームの目的は3分という時間制限の中、指定枚数のチップを集めること。チップは自分で作り出すこともできるが、敵を殺して奪うことも可能。このため、勝利するためには敵から殺されないよう隠れて(=ステルス)移動しつつ、爆弾で敵を殺しチップを奪い取るか、自分でチップを作る必要がある。
コミック版「BTOOOM!」通り!多彩なBIMを使用してバトル
「BTOOOM!」で使用する特殊な爆弾「BIM」。原作コミックではさまざまなバリエーションの「BIM」が登場していた。この要素はもちろん本作でも再現。即座に爆発する「クラッカータイプ」、一定時間経過後に広範囲に爆発する「タイマータイプ」、起爆すると十字状に燃え上がる「フレイムタイプ」、ロックオンした敵を追尾して爆発する「ホーミングタイプ」、地面にしかけて敵の気配によって爆発する「設置タイプ」など、多彩な「BIM」が用意されている。
対戦スタート時にプレイヤーが所有している「BIM」は一種類だが、素材を合成したり敵プレイヤーを殺して奪ったりすることで異なる種類の「BIM」も所持可能。より多くのBIMが使用可能になれば、より幅広い戦略を取ることが可能になる。
隠れて自分の気配を消しつつソナーで敵の気配を察知!
爆弾(=BIM)と並んで本作を特徴づけているのが、「レーダー」の存在だ。マップをタップすることでいつでもソナーを発射することができる。この時、ソナーに反応してしまうかどうかを左右するのが「気配」という要素。プレイヤーキャラクターが激しく動くことによって「気配」が発生し、ソナーに反応してしまう。
逆に動かないでじっとしていると「気配」は発生せず「レーダー」には反応しない。さらに長時間動かないでいれば半透明の「ハイド」状態となって他プレイヤーから見つかりにくくなる。何かアクションを起こせばそれだけ他プレイヤーに見つかってしまう確率をアップさせるため、やみくもに行動をとるのではなく、いつ何のためにアクションを起こすのか、しっかり戦略を考える必要がある。
会敵状況を作り出す物資とチップ生成
「レーダー」と「気配」という要素によって、行動を起こすリスクが非常に高い本作。そんな状況にあって、プレイヤーにアクションを起こさせるきっかけとなるのが、「物資」の存在だ。
原作コミックにおいても食料などの補給物資が投下されるシーンがあったが、本作でも一定時間毎に「物資」が投下される。「物資」を回収すると、「BIM」が補給できたり体力が回復できたりといった他、チップ生成に必要なCデータが入手できる。Cデータさえ貯まってしまえば敵から奪い取らなくてもチップを生成可能だ。このため、「レーダー」に反応したくないからといっていつまでも行動を起こさないでいると、いつの間にか負けてしまた…ということになってしまいかねない。
一方で「物資」を回収するためには「物資」の前で「ACTION」ボタンをタップし、一定時間待機する必要がある。一定時間無防備な状態になってしまうため、これはこれでリスクが高い。このことは「物資」回収時だけでなく、チップ生成時にも言える。チップを生成したい場合、生成ユニットまで接近し、「ACTION」ボタンをタップして一定時間待機する必要があるのだ。
そのためこの設定を活用して、「物資」が投下されてもあえて手を出さず、見通しのよい場所に待ち伏せしておいて接近してきたプレイヤーを叩くという戦術も可能だ。敵プレイヤーを倒せば、仮にチップを持っていなかったとしてもCデータが手に入るので、これはなかなか有効な戦術となっている。
ちなみに、物資以外にもフィールド上には「素材」が散らばっている。「素材」は接近することで即座にゲットできるため、「物資」と比較すると少ないリスクで獲得可能。ただ「物資」よりもゲットできるCデータの量が少ないため、「素材」だけでチップを生成しようと思うと、広範囲に歩き回ることになる。結果として敵と遭遇する確率はアップ。敵と遭遇せざるを得ない状況を上手に作り出しており、ゲームシステムが非常によく練り込まれていると感じた。
戦略性を奥深くしているスタイルとスキル
なんらかのアクションを取るにせよ、あるいはまったくアクションを起こすにせよ、常にリスクとリターンがつきまとう。そんな本作だからこそ、自然とプレイヤーの行動には個性が出る。あるプレイヤーは積極的に他プレイヤーを倒そうとするし、あるプレイヤーは待ち伏せをしようとする。
…そんな個性を強める働きを持っているのが、「スタイル」と「スキル」だ。「スタイル」はFPSにおける兵種のようなもので、移動能力に優れた「ウォーカー」、索敵能力に優れた「ファインダー」、ステルス能力に優れた「トラッカー」の3種類が存在する。
それぞれのスタイルごとにスキルユニットを組み合わせて装備することができる。スキルユニットによって、移動速度をアップしたりレーダーの範囲をアップしたりといった強化が可能なので、スタイルとスキル構成によって、自分の個性をより特化させていくことが可能だ。
緊張感と駆け引きで充実した対戦が楽しめる!
ここまで見てきたそれぞれの要素の組み合わせによって、本作の対戦は「ただ敵を倒すだけ」「ただ物資を集めるだけ」といった単調なものにはなっていない。何をするにしても戦略が必要で考える必要があり、同時にリスクを冒す必要もあるため並々ならぬ緊張感を味わうことができる。そして、戦略を必死で考えるからこそ、勝利した時の達成感も強い。対戦が終了した時に感じる、集中力が切れてどこかホッとしたような虚脱感と、勝ったことによる喜びは、本作ならではの体験といえる。
こうした対戦が楽しいゲームだと、アバターなどで自分の個性をアピールしたくなるもの。この点もしっかり本作はカバーしていて、自分のキャラクターの外見を細かくカスタマイズすることが可能だ。筆者は性格がセコいため「あまり派手な格好すると見つかりやすくなって負けやすくなるのでは…」と心配してしまったが、対戦プレイでは派手で個性的な外見にしているプレイヤーも多かった(そして強かった…)。
設定だけじゃない!ファンをニヤリとさせてくれる原作ネタ
最後に、ゲームシステム以外の原作ネタについて触れておきたい。本作のプレイヤーキャラクターは、コミック「BTOOOM!」で行われている孤島での殺し合いに、追加の参加者として投入されるという設定。ゲーム冒頭のシーンでは、コミック「BTOOOM!」の主人公である竜太やヒミコの姿が描かれている。
実はこの冒頭シーン、コミック1巻で描かれた飛行機内のブリーフィングシーンをなぞらえており、当然“あのプランナー”も登場。ブラックだがユーモアに満ちた語りを聞かせてくれる。このシーンがあることで「BTOOOM!」を知らずとも、自然と世界観に入り込むことができる。もちろん「BTOOOM!」ファンであれば、自分が参加者になったような感覚が味わえてたまらない!ゲームシステムとしておもしろいだけでなく、原作の世界観を大事にしていることが伝わってくる演出だ。
「BTOOOM!」ファンであれば、「コレを待ってた!」と思えるゲームである本作。ただ、対戦ゲームとして味わえる緊張感や戦略性は「BTOOOM!」ファンじゃなくともバッチリ堪能できる! 対戦型FPSや対戦型アクションなどのゲームが好きな人は、本リリースされたら、是非一度プレイしてみてほしい。その際1巻~2巻まででいいのでコミックを読んでおくと、より本作の世界を楽しめるハズだ。