ドラマ×DJ×オーケストラの融合が生み出す独特の世界観―「消滅都市 FUTURE CONCERT」28日公演の模様をレポート

0 2017年1月5日 00:00

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ヒカリエホールホールAで12月28日より全5公演にわたって行われたコンサートイベント「消滅都市 FUTURE CONCERT」。主人公であるタクヤ役の杉田智和さん、ユキ役の花澤香菜さんらが出演した28日公演の模様をお届けする。

「消滅都市」の新たな魅力を生み出すオーケストラとDJの融合
ドラマパートからの「世界の終わりと最後の言葉」は圧巻！アンコールでは“2度目の消滅”の楽曲も
28日出演者（敬称略）
28日公演セットリスト

Wright Flyer Studiosが提供するiOS/Android向けアプリ「消滅都市2」。同作中で物語を彩る音楽の数々は、過去発売されたサウンドトラックが軒並みヒットを記録するなど、ユーザーを惹きつける要素の一つとなっている。

同作初の単独コンサートイベントとして行われた「消滅都市 FUTURE CONCERT」は、“ドラマ×DJ×オーケストラ”という3つの要素を繋ぎ合わせた、新機軸のイベントとして計3日間にわたって行われた。果たしてどのような内容となっていたのか、主人公役の2人も出演した28日公演の模様を通して紹介していこう。

「消滅都市」の新たな魅力を生み出すオーケストラとDJの融合

CMなどでも馴染みのある「Eternity」の旋律とともに始まった本イベント。シンプルな音で奏でられる楽曲に合わせ、出演キャストより花澤香菜さん（ユキ役）、杉田智和さん（タクヤ役）、金元寿子さん（ホシ役）による朗読が終わると、そこからは一転してオーケストラの重厚な音が会場に響き渡る。

恥ずかしながら、元々「消滅都市」の音楽を聴き込んでいるわけではない筆者だが、それでも管弦の音が加わることで明確に感じられる音の厚み、そしてDJサウンドと混じり合うことで生み出される新たな表現の数々を味わうことができた。

その一端を感じることができたのが、会場を巻き込んだステージングだ。観客にクラップを促したり、会場を回ったりする姿はオーケストラではあまり見ることのできない場面だが、このイベントでは妙に様になっている。また、加藤氏が失敗して演奏が止まってしまったものの、再度指揮者と意思疎通をして、そのまま再度演奏をスタートするなど、ライブならではの場面もあった。

公演毎に異なるセットリストが組み上げられていくDJスタイルならではの、楽しげな雰囲気でステージが進行。さらに、SAK.さんが登場して披露された「Stay with me」では、観客がスタンディングしてコールで応えるなど、大きな盛り上がりを見せていた。

ドラマパートからの「世界の終わりと最後の言葉」は圧巻！アンコールでは“2度目の消滅”の楽曲も

続くドラマパートでは、バックに「Nostalgia」の生音を携えながら、花澤さん、杉田さん、金元さん、松岡禎丞さん（ヨシアキ役）、内田雄馬さん（サトル役）による朗読が披露される。“FUTURE CONCERT”というコンサート名が指し示す通り、悲嘆に暮れるユキをタクヤが引っ張っていく、未来を感じさせるエピソードとなっていた。

その最中には、エミ・エヴァンスさんによる「世界の終わりと最後の言葉」がオーケストラの旋律に乗せて披露。「消滅都市」ならではの物語と音楽の融合に、会場は惹き込まれていた。

続く「You and Me」からはコンサートもラストスパートに。観客からのリクエストも受け付けつつ、「Green Light」「Reloaded」「Our Lost Future」の3曲が披露されると、会場もスタンディングで大盛り上がり。締めくくりとして出演者全員が勢揃いすると、イベントへの感想や作品への想いが口々に語られる。リードゲームデザイナーの下田翔大氏、「Nostalgia」の作曲も行うサウンドディレクターの竹内雅樹氏も壇上に姿を表し、それぞれコメントしていた。

全ての出演者が降壇した後も、アンコールとして「消滅都市2」で描かれる“2度目の消滅”より、タイトル未定の2曲をステージ上でお披露目。さらに、エミさんとSAK.さんがそれぞれの個性あふれる歌唱で聴かせた「Start New Things」「Love is the Way」を続けて、これまでに体感することのなかった新感覚のイベントは幕を閉じた。