「Fate/Grand Order」のリアルイベントとして開催された「FGO冬祭り2016-2017 ~ダ・ヴィンチちゃん・コード~」。2月4日にサッポロファクトリーホールにて行われた、北海道会場のクリエイタートークステージと、展覧会の模様をお届けてしていく。
3つのコラボイベントに関する驚きの裏話の数々が明かされる
「FGO冬祭り2016-2017 ~ダ・ヴィンチちゃん・コード~」は、幾多の時代を駆け抜けた英霊達が集結する「Fate」シリーズ初のスマートフォンアプリ「Fate/Grand Order」(以下、FGO)のリアルイベント。福岡・大阪・愛知・北海道の4か所で開催されたが、最後の開催地となる北海道では、司会を務めるアニプレックスの金沢利幸氏、「FGO PROJECT」クリエイティブディレクター塩川洋介氏、「FGO PROJECT」マーケティングディレクターの石倉正啓氏らが登壇するクリエイタートークステージが実施された。
今回のトークテーマである「FGO三大裏話」として両氏が振り返ることになったのは、過去に開催された3つのコラボイベント。
まず「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」とのコラボレーションイベント「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」では、当初から魔法少女をたくさん出すというアイディアは定まっていたものの、そこからいかに魔法少女らしさを盛り込むかに苦心することになったという。実は魔法中年としてイベント中に活躍した(?)エドワード・ティーチにも、当初は専用のグラフィックを用意する予定だったのが、スケジュールの都合によって断念せざるを得なかったという、ファンにとってはすこし残念な(?)エピソードも。
石倉氏がもっとも思い入れが深い作品だという「Fate/Zero」とのコラボレーション。「Fate/Accel Zero Order」では、ユーザーが喜んでくれるものとして、原作者の虚淵玄氏によって描かれる「もう一つの第4次聖杯戦争」というテーマは真っ先に決まっていたことが明かされた。
一方で悩ましい要素となったのが、報酬サーヴァントとなったアイリスフィールの扱いで、アイリスフィールを前面に押し出す場合、本来のテーマであった「もう一つの第4次聖杯戦争」の印象が薄れてしまうと考えた結果、サプライズ的な登場を果たすことになったのだという。
同時に、制作で苦労したポイントとして挙げていたのが、イベントのロゴ作成で、元となった「Fate/zero」のロゴが完成されすぎていたため、そこに単語を増やしていくのはかなり大変だった様子。
最後に明かされたのが、塩川氏の思い入れがもっとも深いという「空の境界」とのコラボイベント「空の境界/the Garden of Order」にまつわる裏話。当初、「FGO」には多数のオファーが届いており、さまざまな可能性を模索していた時期もあったそうなのだが、初めてのコラボとなるのは奈須きのこ氏にとっても聖域とも言える「空の境界」以外にはないだろうと、満場一致で決まったのだという。
また「空の境界」とのコラボといえば、アニメ版の制作を担当したufotableによるハイクオリティな映像も大きな話題を呼んだが、その中でも印象的なシーンとして描かれていたのが、両儀式とアルトリアの戦闘シーン。これは「FGO」のイベントの中でも再現可能となっていたのだが、そのバトルにシナリオが用意されていなかったことに不満の声も少なくはなかった。
それもそのはず、実は元々「空の境界」イベントにはアルトリアの出演予定はなく、実装間近に完成したCM映像を目の当たりにし急遽用意されたのが、あの屋上でのアルトリアのバトルだったのだという。塩川氏らは「それくらいギリギリまでやっているんです」と、今だからこそ話せる裏事情を明かし、会場を驚かせていた。
「空の境界」とのコラボイベントは、ガチャにキャラクターを追加するというだけではなく、 「FGO」の大きな魅力であるシナリオを前面に押し出すという、 その後の「FGO」のコラボイベントの方針を定める結果にもなった。 |
今後のコラボイベントに関して、どんな作品とコラボして欲しいか会場に問いかける一幕もあり、 やはり他のTYPE-MOON作品とのコラボを希望する声が多数を占めていた様子。 |
事前にユーザーから寄せられた質問に塩川氏が回答していく「教えて塩川さん FGO一問一答」のコーナーでは、興味深い新情報が続出することに。
まず先日の名古屋会場にて発表が行われた、「Fate/Grand Order VR feat.マシュ・キリエライト」に関するさらなる情報を求める質問には、「まだ開発が始まったばかりなので、答えられることはほとんどない」と前置きしつつ、実は本作のゲームコンセプトは「FGO」のゲーム内にも実装されている概念礼装「パーソナルトレーニング」のイラストから着想を得たものとなっており、普段のマスターとマシュがどのような訓練をしているのかが分かるような内容になっているのだという。
また、最近ではクー・フーリンやメデューサといった、星3レアリティのサーヴァントにも固有の戦闘モーションへの変更が行われているが、「星1・2サーヴァントに関しては、モーション改善の予定はないのか」という気になる質問も。塩川氏によると、なんと既に星1・2の中にもモーションの改善が決定しているサーヴァントがいるとのこと。レアリティは選定の条件には一切関係していないそうだが、具体的な時期に関する言及は避けられ、「本当に気長に待ってもらいたい」とも念押ししていた。
最終章で多くのプレイヤーの感動を生んだ本作の主題歌「色彩」の歌詞についての誕生秘話も明かされることに。ゲームのサービスが開始する1年ほど前となる2014年頃に、奈須きのこ氏からの大まかなストーリーラインを聞かされた坂本真綾さんが作り上げたという経緯があり、塩川氏も石倉氏も、その時点で最終的な着地点を明確に見据えていた奈須氏と、それに見事にこたえた坂本さんの凄さを改めて強調。最終章での使用については、「FGO」はサウンド面にも拘りをもって作っているため、ゲームのBGMをオフにして遊んでほしくないという思いがあったという。
また次なるメインストーリーとなる1.5部のそれぞれの章には、個別にテーマソングが用意されることになるという、驚きの新情報も飛び出していた。
塩川氏・石倉氏・金沢氏らのリアルな編成を公開!最後にはサーヴァントの戦闘モーションリニューアル情報も
続いて、“日曜日のランダム種火周回”、“「監獄塔に復讐鬼は哭く」の最高難易度クエスト「虚の扉・七罪来たりて」クリア時”という2つの項目に沿って、塩川氏・石倉氏・金沢氏らが普段使用しているパーティ編成が公開されるというコーナーも。
まず種火周回用の編成で会場からの高い支持を集めていたのは、アーラシュ・エイリーク・清姫(バーサーカー)、といった編成の塩川氏のパーティ。相性を選ばないバーサーカークラスで、かつ全体宝具をもつエイリークは納得のチョイスだったのだが、さらに塩川氏は「宝具演出の短さ」という、公式サイトで連載されている「もっとマンガで分かる!Fate/Grand Order」の読者が思わず反応してしまうような理由を付けたし、客席の爆笑を誘っていた。
一方の「虚の扉・七罪来たりて」のクリアパーティでは、三方ともマーリンを編成に組み込み込んだ上で、耐久向けのマシュか、ジャンヌ・ダルク・オルタや坂田金時といったアタッカーを中心とした攻撃寄りのPTといった方向性で分かれることに。塩川氏・石倉氏が50ターン程度でクリアしたのに対し、会場には20ターンを切るというとんでもない凄腕プレイヤーの姿も見られた。
なおこの高難易度イベントは、「報酬なしでいいので、高難易度クエストに何度も挑戦したい」というユーザーの意見にあわせた仕様となっていたのだが、実際のところはそれほど周回されていないのだとか。ただし参加率は非常に高く、最終章をクリアしたほとんどのプレイヤーが、最高難易度のクエストをクリアしていることも明かされていた。
さらにその後には、会場限定の映像としてリニューアルされたヘラクレスの宝具「射殺す百頭」のアニメーションが公開。同時に戦闘モーションの改修も行われることも判明し、客席からは一際大きな歓声と拍手喝采が上がり、ステージは締めくくられていた。
最後に、同会場にて開催されていた展示会の模様をお届けしていこう。