発売まであと2週間に迫ったPS4「Horizon Zero Dawn」。メディア向けに開かれた先行体験会でのプレイレポートとインタビューで、本作の醍醐味を紹介する。

目次
  1. 自然に抗い、自然と共存するアクションRPG
  2. 注目すべきは「母」をキーワードにしたストーリー
  3. 機械獣と戦うシステムの深さを味わってほしい

「Horizon Zero Dawn」は、人類の文明が闇に包まれてから1,000年後、生態系の覇権がその手から失われた時代を舞台にしたオープンワールド・アクションRPGだ。

人類に代わって大地を支配するのは、機械の獣たち。人々は豊かな自然が広がる大地で小さな社会を作り、生活を営んでいる。その中でプレイヤーは熟練の女性ハンター・アーロイとなって、未来のハイテク技術と原始的な狩猟を組み合わせて機械獣を狩り、冒険を進めながら世界の隠された秘密と自身の出自を解き明かしていく。

自然に抗い、自然と共存するアクションRPG

「大自然と狩人」という舞台装置の組み合わせはよく見かける。が、そこに「機械の獣」が加わることで、「Horizon Zero Dawn」は他の作品ではなかなかお目にかかれない独特の輝きを放つ。

機械獣たちは我々が目にする動物たちに似ているようで、しかしよく見ると独特のフォルムを持っている。その姿は美しくもあるし、メカメカしさに“男の子ゴコロ”をくすぐられもする。この機械獣に対し、アーロイは弓矢や槍、罠など、さまざまな得物を使ってわたりあうのだ。

と、一言で表現したものの、機械獣たちはとても手ごわい。武士道精神を発揮して「オリャア!」と真正面から挑んでは、返り討ちにあってしまう。ゆえに、アーロイは身をかがめて背の高い草木に隠れながら矢を放ったり、石を投げて機械獣の気を引いたり、誘導して罠にはめたりと、あの手この手で獲物を狩る。

ゲーム的にそう定められている……というより、そうでもしないと人間はたやすく殺されてしまうのだ、という実感が先に立つ。いわゆるボスと位置づけられていない機械獣でも、囲まれると大苦戦。身体も人間より大きいので、体当たりを避けるのも一苦労だ。戦っているのは機械なのだが、プレイヤーが立ち向かっているのは自然そのものなのである。

L2ボタンで狙いを定め、R2ボタンで弓を引き絞り、R2を離して撃つ。
両手で扱う弓の動作が、コントローラーに落とし込まれている。
近接戦闘では短めの槍を使う。機械獣の足元をはらって転ばせることも。
機械獣が罠にかかった! 動きが止まっている間に仕留めろ!

とはいえ、自然は敵対するだけではない。例えば機械獣をハッキングして飼い慣らす「オーバーライド」をすれば、背中に乗って移動することができる。この広大で美しいオープンワールドを駆け巡る手助けになるのだ。

また、ある時には機械獣を追っている際に大雨が降ってくるシーンも。雨音で周囲の音が聞こえない中での狩りは、普段とは一味違う様相を呈する。

自然界で得た材料を使って武器を作る。自然は味方にもなってくれる。
画面中央上部の目のアイコンが、アーロイがいる場所の「見つかりやすさ」。その左右の()は、アーロイが立てている音の大きさを表す。身を隠してくれる豊かな草木もまた、アーロイの味方だ。
機械獣の上に表示されているアイコンは警戒度を表している。

大自然が広がる「Horizon Zero Dawn」の世界だが、ハイテク技術も存在する。アーロイが生き残っていく手助けになるのが、右耳の横に装着している、とある装置だ。さまざまな機械をスキャンできるこの装置を使うと、機械獣の弱点や歩くルートが映し出される。

これらはハイライト表示できるので、ウィークポイントを狙って矢を撃ったり、歩くルートを避けて見つからないようにしたり、罠を仕掛けて待ち伏せたりしよう。見たことのない機械獣に出会ったら、闇雲に近づく前にまずはスキャンだ。

倒した機械獣から得た素材でどの武器を強化するのか、レベルアップで得たスキルポイントを使ってどのスキルを習得するのか、プレイヤーそれぞれのアーロイが形作られていく。

同じ機械獣を相手にしていても、プレイヤーによって倒し方は千差万別だ。それは使う武器でも、天候や昼夜の時間帯でも変わってくる。本作ではそれほどまでに自由度の高い狩猟が味わえるし、同時に多彩な手段を講じなければ生き残ることはできない。自然に挑むことの過酷さを、プレイヤーはアーロイを通じて実感するのだ。

注目すべきは「母」をキーワードにしたストーリー

ここまで狩猟パートにフォーカスしてきたが、このゲームは単なる狩ゲーではない。先月公開された「Cinematic」トレーラーからも感じられるとおり、重厚で濃密なストーリーが展開される。

母がおらず、異端児として男手ひとつで育てられたアーロイが、自身の出生を探し求めるために一流のハンターとなる。そして彼女が旅立つ先には、広大の大地と世界の謎が待ち受ける。PS4 Proにも対応した美しい映像もあいまって、トレーラーの名の通り、まるで映画を観ているかのように感じながらプレイしていた。

大自然と機械獣の美しいコントラスト。そして自然がはらむ脅威を乗り越えた先には、「たくましくなった」と実感できる快感がある。並列するのは、「母」をキーワードにした深みのあるストーリーだ。限られたプレイ時間ながら、これらが「Horizon Zero Dawn」の大きな魅力と感じた。暁の地平線の先に何が待ち受けているのか? 本作の発売日を心待ちにしたい。

さて、ここからは本作を手がけたGuerrilla Games(ゲリラゲームズ)のゲームディレクター・Mathijs de jonge(マタイス・デ・ヨン)氏へのミニインタビューをお届けしよう。

機械獣と戦うシステムの深さを味わってほしい

マタイス・デ・ヨン氏

――国内外で注目を集めている「Horizon Zero Dawn」ですが、どんなふうに見てほしいですか?

マタイス氏:最初は機械と戦うゲームというイメージもあったかと思いますが。今回の体験会や「Cinematic」トレーラーを見ての通り、ストーリーベースのゲームです。日本のプレイヤーにも操作感を味わってもらいながら、機械を倒すだけでなく、ストーリーも楽しんでいただきたいです。

――世の中にはオープンワールドのゲームがたくさんありますが、他のゲームと差別化しようと意識したところ、または参考にしたところはありますか?

マタイス氏:開発スタジオのスタッフ全員がゲーマーということもあり、みんなさまざまなオープンワールドのゲームを遊んでいました。その中で良い部分、悪い部分をインプットして、自分たちの中のオープンワールドが形作られていきました。

他のオープンワールドゲームとの大きな違いは機械ですね。機械獣と戦うシステムの深さを味わってほしいです。ここは特によく練って作られた部分です。

――通常のPS4とPS4 Proのどちらを中心にして開発していったのでしょうか?

マタイス氏:もともと、通常のPS4用のソフトとして開発していて、PS4 Proへのサポートは開発の終盤で行いました。4K・HDR映像に対応し、フレームレートもPS4 Proのほうが安定しています。ただ、ゲリラゲームズとしては通常のPS4で楽しむことを目的に開発しました。

――機械獣という存在がゲームの特色を強く表していると感じました。自然の中に機械の獣を置こうというコンセプトはどこから生まれたのでしょうか?

マタイス氏:美しい自然を描くこと、その中に機械を置くことは、開発当初からあったコンセプトでした。動物の形にしたのは、自然の中に違和感なく溶け込めると思ったからです。レスポンスが分かりやすいというのも動物にした理由のひとつですね。

――ストーリーで「母」を大きなキーポイントにした意図は何ですか?

マタイス氏:世界中の人々が感じられる共通のキーポイントとして、母と子の関係性を描こうと思いました。アーロイは母親のいない異端児として育てられましたが、異端児にも母親の温かみが必要です。母親という存在の大切さは、ストーリーの中でも緻密に描いています。

――「Horizon Zero Dawn」のDECIMAエンジンをベースにして、コジマプロダクションが「DEATH STRANDING」のエンジンを開発するとのことですが、コジマプロダクションが「Horizon Zero Dawn」側に影響を与えた部分はありますか?

マタイス氏:「Horizon Zero Dawn」はもっと前から開発していたので、コジマプロダクションからこのゲームに影響を与えたところは特にありません。ただ、コジマプロダクションにエンジンを使ってもらうことでフィードバックを得て、情報をシェアすることで、それがいつかDECIMAエンジンの発展につながると思っています。

Horizon Zero Dawn

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2017年3月2日
  • 17歳以上対象
  • PS Store ダウンロード版

Horizon Zero Dawn デジタル初回限定版

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2017年3月2日
  • 17歳以上対象
  • PS Store ダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

関連ワード
  • プレイレポート