「ぎゃる☆がん」シリーズの最新作「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」が2017年2月23日に発売されましたので、インプレッションをお届けします。
「ぎゃる☆がん」は紳士の嗜み
そもそも「ばいりんぎゃる」とは何なのだろうか? とても気になったため、今回はPS4版「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」のプルーフディスクをお借りして、早速プレイをしてみました。
「ぎゃる☆がん」といえば2011年にXbox 360向けに発売され、後にPS3に移植されたガンシューティングゲーム。ガンシューティングゲームといえば、ガンタイプのコントローラを握ってプレイするイメージが強いジャンルですが、今作は左スティックで照準を操作して、標的を撃っていくゲームになります。タイプ的にはプレイヤーが自由に移動するのではなく、途中で分岐は存在するモノの、基本的にはレールに乗って自動で決まった方向に移動しながら、標的を撃っていくつくりになります。
とはいっても、「ぎゃる☆がん」は紳士のゲームですから、無粋に人を殺すようなことはしません。照準はまさに視線を表し、眼力を使ったフェロモンショットで女性たちの心を撃ち抜いていきます。要するに「ガン」は「眼」なのですよ。ざっくりとストーリーを述べると、見習い天使のポカのせいで一日モテモテ学生になった主人公になって、眼力を使って女性たちをメロメロにしていく内容になっています。
一日モテモテと聞くと羨ましくは思うモノの、実際のところ、その日を逃すと一生女性にモテないどころか、同性からも動物からも相手にされないくらいのピンチな状況。それならば、この一日のうちにあの子と仲良くなろうと思うのですが、見境なく女子たちが次々と現れるため、好きな子以外の女子につかまらないように逃げながら、あの子への告白を目指していきます。
最初にターゲットになるのは、幼なじみで同級生の神園しのぶ(CV.上間江望)とその妹の神園真夜(CV.橋本ちなみ)。
主人公と神園姉妹は子どもの頃には仲良くしていたのに、3年前に真夜が突然転校してしまって連絡が取れなくなり、その後、しのぶとも疎遠になってしまっています。主人公がモテモテになる前日に真夜が転校してきて3人の関係性に変化がある中で、プレイヤー自身が望むべく結末へと導いていきます。二人は悪魔ハンターという設定がありますが、ビジュアルを見ながら、そんな設定があるのか、と思っておいていただければ十分です。
続いて、今作で主人公をサポートしてくれる……というか、今回の事件の原因となった自称エリートの見習い天使のえころ(CV.堀江由衣)と、ある側面では今回の一番の被害者なのかもしれない学校中でイタズラをしている悪魔のくろな(CV.藤田彩)。
天使と悪魔なので、自然と人知を超えた混乱状態をもたらせてくれます。
さらに、前作「ぎゃる☆がん」に絡んだキャラクターとして、天使ぱたこ(CV.田村ゆかり)と兎野葵(CV.山本希望)も登場。
彼女たちがどう絡んでくるかは、遊んでみてのお楽しみということで……。
主人公の名前は久時峰大で固定されていますけど、性格は初期状態では4つから選択が可能で、ゲームの進行に合わせて最終的には8つの性格から選べるようになります。どんな性格であってもゲームを進行することは可能ですが、それぞれのパラメータの状態に応じて途中で出てくる5択の中で選べる項目が限られてきてしまうので、あの子を狙うならこの性格がいいのでは? と逆算で初期値を決めるのは、まぁアリです。
実際のところ、ゲーム開始時の性格設定は性格の初期値を決められるだけで、ゲームの進行に応じて変化していくので、気軽に選んで問題ありません。のちほど、ゲームで稼いだモテモテポイントでアイテムを買えばいくらでも変動できますし。
性格を決めて、チュートリアルを含むオープニングが終わると、拠点に移ります。拠点ではデータのセーブやロード、購買部でのアイテムの購入などをすることができ、次に進むべくエピソードを選択する事ができます。
エピソードを選ぶとステージに入りますが、ステージは基本的にはアドベンチャーパートとシューティングパートで構成されています。
アドベンチャーパートでは、キャラクターの会話を中心にストーリーが進行していきます。
シューティングパートでは、次々と現れる女子たちをフェロモンショットでメロメロにしていきます。カーソルを女子に合わせてフェロモンショットを撃てば、女子は昇天します。長押しすればちょっと強力なチャージショットを放つこともできます。何も考えずにフェロモンショットを何発か当てれば、女子を昇天しますが、女子ごとに設定されている弱点を狙えばエクスタシーショットが決まり、一発で昇天させることができます。
カーソル=プレイヤー自身の視線ですから、女子の体をしっかりと捉えましょう。エロさを出して舐めまわすように見てはいけません。我々は紳士なのですから、あくまでも礼節をわきまえて、失礼のないよう視認していきましょう。モテオーラ全開の今なら、主人公の視線に意識した女性が反応を示してくれますので、的確にエクスタシーショットを決めてやりましょう。
ショットを撃って女子を昇天させるだけだと、単なるガンシューティングゲームにすぎません。ここで大事なのはズームをすること。ズームを決めると、いろいろなモノが透けたり、見えないはずのモノが見えるようになるので、紳士的な振る舞いに乗じてゲームを攻略していきます。いつか彼女たちに服をプレゼントしてあげようと思う心があれば、スリーサイズだって判定することができます。
女子はいろいろな手段でアプローチしてくるので、的確にショットしていきましょう。ときには捕まえにくるので、うっかり捕まってしまったらスティックをガチャガチャやって逃れましょう。とても心地よい場面も多々ありますが、そのままにしていると精心力がなくなってゲームオーバーになってしまいます。
さて、女子たちを昇天させると、画面左上にあるハートゲージが溜まっていきます。
ハートゲージは最大3ゲージまで上げることができ、ドキドキモードを発動すると、このゲージの数字の人数を同時に攻めることができます。
ドキドキモードでは、女子たちの体を触って、女子たちのドキドキゲージを溜めていきます。PSVita版ならばタッチスクリーンで直接触れますが、PS4版は□ボタン+左スティックで指カーソルをぐりぐり動かして女子たちに触れていきます。制限時間内にドキドキゲージを溜めていき、無事ゲージを満タンにするとダブルピース昇天でフィニッシュとなり、シューティングパートに戻ったときに周りの女子を一斉に昇天させるドキドキボムが発動します。
次々と現れる女子たちを昇天させ続けて成長しながら、さて無事に意中の女子と無事カップルになれるでしょうか。
……といった感じですかね、「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」のゲーム内容は。
より紳士の高みを目指そう
実のところ、基本的なゲーム内容については「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」と「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」では変化はありません。それなら何が違うのかというと、「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」は価格が安くなった上で、追加要素があります。
「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」では、女性の服装として制服、水着、体操着が用意されていました。これらの服装は更衣室で設定することで、ゲーム内の服装に反映されます。ゲームを進行すると新規の服装をゲットできるので、遊べば遊ぶほどいろんな服装の女子を昇天させることができるということですね。
「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」では、新規に4種類の服装が用意されています。
「セクシーバニー服」
「ギリギリなポリス服」
「寝起きのワイシャツ」
「チアガールの服」
これらの服装はゲーム中に登場するのをゲットするわけではなく、最初から設定することができるので、ファーストプレイからいきなりカオスな状態でプレイができてしまうのです。
さらに言語設定で英語を選択することが可能になっています。まぁ、だからこそ「ばいりんぎゃる」なわけですが……。メニュー回りの一部とセリフテキストが英語になるモノの、ボイス自体は日本語のため、女子たちのセリフが英語になるとどんな感じになるのか勉強しながらゲームを進めることができます。
ボイスのない主人公部分のセリフは全部英語テキストだけになるので、選択肢を選択の際にはガチな英語の勉強になりますよ。英語は紳士の言語なので、ぜひ遊びながら習得していきましょう。
「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」は、新規ユーザーであれば十分にメリットが享受できるゲームだと理解できたと思いますが、果たして「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」をすでに所有している人はどうでしょうか。セーブデータの扱いとか気になりますよね。でも、大丈夫です。「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」と「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」ではデータ共有が可能なのです。
試しにボクのPS Vita版「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」のセーブデータをPlayStation Networkにアップロードしてみると、PS4版「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」で容易にセーブデータをダウンロードできました。
この際、プレイ中のセーブデータが一つ必要ですが、システムデータも上書きされるので、「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」の初回プレイの際、最初にデータ共有をしておくのが無難です。
そんなわけで、「ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる」は、新規ユーザーもすでに「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」を持っている人も十分に楽しめる内容だと思った次第です。
ドキドキモードの発動タイミングを調整すれば、いろんな衣装のコラボも可能ですよ。
それにしても、これはけしからん。
紳士として、これは何とも許しがたい。
さて、もう少し紳士の勉強を……おっと、誰かが来たようだ。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」「ゲームラボ×仮面女子 ゲーム実況」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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