マーベラスより2017年3月16日に発売されたPS4用ソフト「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH」。同作の企画・原作・爆乳プロデューサーである高木謙一郎氏へのインタビューを掲載する。

目次
  1. TPSを遊ばないユーザーでも楽しめるタイトルに
  2. “可愛く水をかけ合う”ことをいかに実現していくか
  3. ウォーターガンに2つのモードが生まれたのは“ホース”がきっかけ
  4. この先の展開に向けた合流地点としてのストーリー
  5. 新スタジオのロゴはこれから意味を作っていく

5周年を迎えた「閃乱カグラ」シリーズは、今作「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH(以下、PBS)」で新たに“爆乳ウォーターバトル”、つまりはTPS(=サードパーソンシューティング:三人称視点でのシューティングゲーム)という従来のアクションゲームとは大きく異なるジャンルに挑戦。すでにプレイレポートでも触れたとおり、TPSとしての遊びごたえと「閃乱カグラ」らしいスピード感のある応酬が魅力的なタイトルに仕上がっている。

これまでも数多くのチャレンジを盛り込み、タイトルごとにユーザーを楽しませてきたのは、ひとえに企画・原作・爆乳プロデューサーである高木謙一郎氏や開発のタムソフトをはじめとした、スタッフたちのゲームを楽しんでもらいたいという思いの賜物ではないかと思う。

今回、Gamerでは高木氏にインタビューを実施し、「PBS」に対するこだわりの数々を聞くとともに、本作の発売に伴って設立された新スタジオ「HONEY∞PARADE GAMES」に関してもその意図を伺った。高木氏のゲーム作りにおける価値観が改めて見える内容になっているので、ぜひチェックしてみてほしい。

高木謙一郎氏

TPSを遊ばないユーザーでも楽しめるタイトルに

――前作「閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS(以下、EV)」の発売からはちょうど2年が経ちましたが、今作の企画が立ち上がるまでの経緯をお聞かせください。

高木氏:ずっとタムソフトと一緒に「閃乱カグラ」をアクションとして作ってきて、「EV」は当時の僕やタムソフトのチームにとってはある程度やりきったというか、僕らが最初からずっとここまで行けたらいいなと想像していたところにまで行けたような感覚がすごくありました。

さらにここからシリーズを続けていくために、もう1ランク、2ランク上をゲームとして目指していこうと考えた時に、スタートしてから5年にわたって「閃乱カグラ」を続けてきて、このままだと流れで進めてマンネリ化してしまうかなという懸念もあったので、PS4というハードでできる新しい方向性を探っていきました。そのひとつとして、今回の「PBS」のベースとなる、水鉄砲を使って「閃乱カグラ」でTPSをやるというアイデアを膨らませていきました。

アイデア自体は以前からあったものの、実際にTPSを開発した経験がチーム内になかったので、どのタイミングでやるかは決めかねていました。ただ自分にとっては、PS4、Xbox Oneというハードが出てきて、特にPS4に関しては日本では必ず広がっていき、また据え置き機が盛り上がっていくだろうなという感覚があったので、いいチャンスかなと思っていました。結果的に今、PS4は盛り上がっているハードだと思いますしね。

――前作はPS4、PS Vitaの2機種での発売で、今作はPS4のみの発売となりましたが、そこにも仰られた意図が反映されているのでしょうか?

高木氏:そうですね。なるべく多くの人に遊んでもらいたいと思いつつ、僕らはすごく巨大なチームではないので、マルチタイトルは本当にしんどかったんですよね(笑)。時間もないですし、人もいるわけではないので。「EV」は結果としては良かったんですけど、大変でしたしできなかったこともたくさんあったので、今回はジャンルも変わるというところで、PS4という据え置き機オンリーに絞ってみて、PS4でしかできない濡れ透けのようなグラフィック表現を強化してみたいなと思い、開発を進めました。

――PS4での開発に注力できたことで、恩恵を受けたことはあるのでしょうか?

高木氏:それはもう単純に絵を綺麗にできたということが大きいですね。今まではなんとなくできなかったり、誤魔化してきた部分をより普通に再現できていることで、見た目の可愛さや綺麗さ、柔らかさなどは良くなっていると思います。また見た目だけではなく、マルチプレイの部分では前作がPS4版は10人対戦、PS Vita版は4人対戦だったので、そういうパワーを使うところもスムーズにいけたと思います。

――日本国内で、TPSというジャンルでゲームを出されている会社は限られていますが、その中で開発に取り組まれてみて面白かった点、逆に難しかった点はありましたか?

高木氏:キャラクターやカメラの動きといった基本的なところから、本当に手探りで一つ一つ進めていきました。僕はTPSやFPS(=ファーストパーソンシューティングゲーム:一人称視点でのシューティングゲーム)がメチャクチャ好きなんですけど、日本においてはまだまだ難しいゲームという印象があると思うので、いかにそのジャンルをプレイしたことのない人やゲームが得意ではない人でも遊べるようにするかというところの工夫は意識しました。

ロックオンをできるようにしていることなどが代表的なところですが、逆に言うとロックオンだけでは成り立たない、TPSとして遊べるゲームにするためのバランス取りはみんなで話し合いながら決めていきました。

“可愛く水をかけ合う”ことをいかに実現していくか

――私は普段からTPSやFPSを遊ばない人間なので触ってみるまでは不安を抱えていましたが、実際にプレイしてみると、スピード感のあるバトルなどに馴染みを感じました。そうした「閃乱カグラ」らしさを盛り込む上で、どういった点を意識されましたか?

高木氏:「閃乱カグラ」らしさはもしかしたらみんな持っているところかもしれないですが、いわゆる目立ちがちなHな部分が、単なるスケベなシーンになるのではなく、ゲームデザインとして自然に組み込むことは意識しています。

また、対戦したとしてもなるべくみんなでワイワイガヤガヤ遊んでほしいという気持ちがあるので、負けて悔しくても笑っちゃうような要素として「くねくねフィニッシュ」を入れました。あれっていわゆる“死体撃ち”なので本来はNG行為なんですが、それすらも楽しく見ていられるようにカバーするということは常に注力しています。勝とうが負けようが、とにかく楽しく遊んでいられるようにしたいと思っています。

あとは賛否両論あるかもしれないですが、僕は細かいことを細かくするのは好きじゃないので、ざっくりと面白ければいいじゃん、という大らかな気持ちで気軽に遊べるゲームにするよう意識しています。

――ゲームシステムについては、水鉄砲で対戦するという基本的な要素から、徐々に肉付けしていったような感じでしょうか?

高木氏:とにかく可愛く水をかけ合うというところをいかに実現していくかということで、全ての要素は決めていきました。“水鉄砲いらないじゃん?”みたいになるようなアイデアはどんどん落としていって、今の感じにはしていますね。今回はとにかくシューティングゲームというところを基本にしています。

――ダッシュやジャンプに水を使うのも、タンクの水を管理するという意味で面白かったです。

高木氏:背中に背負ったタンクのみで対戦しているという意味合いもありつつ、水を使うという行為を一緒にすることによって、操作は難しくなってしまうかもしれないですが、“どこまで近づこう”とか“ここまで使っちゃうと逃げられなくなるから…”といった戦略性という点で面白くなる要素だと思っています。

――マルチで遊んだ時に特に楽しくなりそうだと思いました。一人で遊ぶ時は力押しでもある程度は楽しめると思うのですが、「Vロードチャレンジ」では5対5のバトルになって駆け引きが生まれていたので、水の管理は重要になってくるなと。

高木氏:適当にやっていると一瞬でやられてしまいますからね(笑)。

――水というところで、今作ではグラフィックの表現もすごくこだわられているように感じました。

高木氏:キービジュアルをはじめとして、今作では虹をキーフィーチャーで入れていて、カラフルさやキラキラ感をイラストやゲーム内でどう表現していくのかが大きな方針としてありました。その上でみんなが撃っている水をどう見せていくかを考える中で、普通に水のエフェクトやサウンドを作ってしまうと意外と綺麗じゃない、重苦しい感じが出るだろうなと思っていました。

全体的に水は水なんですけど、音や見た目は炭酸水みたいなイメージでやってほしいとエフェクトやサウンドの担当者には伝えました。某炭酸飲料のCMみたいな“シュワッ!”といった感じを出すと、すごくキラキラして楽しくなるのではないかと思い、そこはこだわっています。よくよく聞くと実は水の音ではないんですけど(笑)、スカッと爽快なところは非常に生きていると思います。

濡れるという表現についても、実際ほとんどのものって濡れると色が黒くなっていくんですよね。デザイナーは最初普通にそうしていたんですが、濡れれば濡れるほどに汚くなっていくのは良くないなということで、透明度を上げたり明るくするなどの工夫で上手くファンタジーとして落とし込んで、綺麗に可愛く見えるようにしています。

――シューティングゲームについては初心者も多くいらっしゃると思うのですが、フォローはどのように考えられたのでしょうか?

高木氏:大きなところでは先ほどお話したロックオンもありますし、もうひとつ大きなところとしては“濡れパワーアップ”というゲームシステムを用意しています。自分が撃たれて、やられればやられるほどビショビショになってピンチになるんですけどチャンスにもなるというシステムで、苦手な人も上手い人が戦っている後ろから適当に撃って、味方にしか当たらなくても濡れゲージは上がっていくので、味方が前線でパワーアップします。いわゆる誤射なんですけど、結果的に味方にとっていい結果をもたらすような、誰もが常に戦いに参加できている状態を意識しているので、初心者に対してのフォローになっているとともに、戦略としても使えると思います。

――私は誤射などでほかのプレイヤーに迷惑をかけてしまうのは忍びないと思うのですが、本作では肩肘はらずに楽しめそうですね。

高木氏:そういう風にやりたいなとは思いました。僕自身がみんなでボイスチャットをしながらプレイするよりは野良でプレイするのが好きで、ワチャワチャと楽しみたいなと(笑)。

ウォーターガンに2つのモードが生まれたのは“ホース”がきっかけ

――本作では10種類のウォーターガンが用意されていますが、高木さん自身が遊んでいてオススメのものはありますか?

高木氏:いわゆる一般的な銃もいいんですけど、新たに作ってみたホース(※ゲーム中の名称はシャワーガン)は面白いと思います。開発中は9個までは銃が決まっていて、10個目だけがなかなか出てこなかったんです。

僕自身は水鉄砲で撃ち合うようなイメージはなくて、あくまでも水をかけて遊んでいるという感覚を持っていて、かけるとなった時にどんなものかなと思った時に、子供の頃ホースを使って遊んでいたのを思い出しました。ホースを手に持っていれば、両奈が体に巻いて縛っちゃうとかいろいろできるかなと思ったので、僕からホースを提案しました。使い勝手としては火炎放射器のような感じではありますが、面白いと思います。

子供の頃にホースの先を摘んで二方向に出すとかアレンジをしていたじゃないですか。そういう撃ち方の切り替えもしたいと提案したらチームも“なるほど!”と言ってくれて、ウォーターガンにそれぞれ2種類のモードを用意しました。

モードを2種類にしたのは、シャワーガンで切り替えをしたいというのが発端なんですよ。当初はウォーターガンを2個持たせて切り替えさせようとかいろいろなアイデアがあったものの、煩雑になってしまうことから1つにしていたのですが、モード切り替えだったらいいかなと思い、開発の後期に追加したところ武器にバリエーションもできて、結果的には良かったなと思います。

――2種類のモードがあることで、どちらかと相性が合えばそのウォーターガンは十分扱えるのは良かったですね。それとシステムの部分では、スキルなどをカードでセットする仕組みにしていますが、そうした理由はあるのでしょうか?

高木氏:カスタマイズ要素を何らかのかたちで入れたいという考えがあったのと、モバイルでサービスしている「閃乱カグラ NewWave Gバースト(以下、NewWave)」でもすごく良いイラストがたくさんあったので、もっと見てほしいなという純粋な気持ちがありました。なので「NewWave」から多くのイラストを持ってきました。

それとTPSというジャンルでハードルが上がっている中で、スマートフォンゲームを遊ぶ時にやっているような馴染みのあるシステムを成長要素として入れることで、そのハードルを少しでも下げたいなと思っていました。イラストも上手く活きたと思います。

――ステージをクリアするごとにカードを入手するというのももうお馴染みの遊び方ですよね。

高木氏:そういうゲームのサイクルとしても活きてくると思いますし、実際カードパックもたくさんのデザインで作っているので、そういうのを見て回るのも楽しいかもしれませんね。

――先ほども話に出た、“くねくねフィニッシュ”の誕生した経緯についてお聞かせください。

高木氏:コスチューム破壊から始まり、全破壊、女体盛り、ぷるぷるフィニッシュとやってきましたが、今回は今までのアクションとはジャンルも違いますし、システムが変わっている中で、マルチプレイの時にも上手く表現できるお色気演出を用意したいなと。普通にやってしまうと周りの人が介入できないスケベ状態になってゲームのテンポが悪くなってしまうので、自然に時の流れが止まっていても大丈夫なものができないかなと考えていました。

最初に言った女の子に水をかけるというコンセプトで考えたとき、僕はやっぱりプールサイドに倒れた女の子にジョボボボーってかけて、それで水着が外れたりしたら楽しいよなというのを企画当初から思っていたら、今のかたちになりました。もう欲望のままです(笑)。

――ビキニの上の部分が外れるというのはイメージしやすいですが、下の部分も狙うと外れるというのは面白かったです(笑)。

高木氏:そうなんです、面白いなと思って(笑)。

――ちなみにスプラッシュチャンスで水をかけるアイテムをアヒルにした理由はあるのですか?

高木氏:お風呂でアヒルを浮かべたりするじゃないですか。最初はそこからスタートしたのですが、どこかのタイミングで僕の中でイメージがひよこになっていて。

かける水の色を変えるようにしたいなと考えた時に、昔に夜店とかで見たカラーひよこを連想して、ひよこの色が変わったら出る水の色も変わるというのが面白いと思っていたので、その時点であれはもうひよこだったんです。水をかける時もピヨピヨって言っていますし(笑)。

この先の展開に向けた合流地点としてのストーリー

――ストーリーについては前作の続きという立ち位置になっているということですが、今作のストーリーにおけるコンセプトをお聞かせいただけますでしょうか?

高木氏:今までは3DSで展開してきたストーリーラインと、PlayStationで展開してきたストーリーラインの2つの大きな軸があって、3DS版に関しては「閃乱カグラ2 -真紅-」でひとつの完結を迎えています。ただPlayStationのラインは続いている中で、神楽や奈楽といった3DS版でしか登場していなかったキャラクターを上手く繋げていきたいなという気持ちがあって、「EV」のダウンロードコンテンツ(以下、DLC)として2人を出したりはしてきました。

そうした理由もあって、今作はこの先のストーリーに向けて、キャラクターたちが合流するポイントになるような位置づけです。これまでと全然ジャンルは違うのですが、ストーリーとしては割と重要なターニングポイントになっています。

神楽 奈楽

――「NewWave」のキャラクターが登場するのはまた違った意図になるのでしょうか?

高木氏:「NewWave」はまた違ったラインでの話になるので無理に合流しようとは思っていないですね。ただ、「NewWave」にはコンシューマ版に出てない魅力的なおっぱいがたくさんありますので、少しずつでも登場させていけたらいいなと思っています。

菖蒲 総司
夕焼 麗王

――3DSで最初に出た「閃乱カグラ -少女達の真影-」から考えると随分人数が増えたので、それぞれにちゃんと表現を加えていくのは大変なことですよね。

高木氏:本当にそうですね。単純に大変です(笑)。

――キャラクターを表現するというところで、今作で新たに手を加えたことはありますか?

高木氏:見た目も少し手を入れて入るのですが、一番は更衣室などでキャラクター固有のリアクションを加えたことですね。やはりキャラクター数が多いので、これまでは共通した動きを使っていたのですが、よりキャラクターの魅力を出していくという意味で、立ちポーズが違ったり、触ったときの反応が違ったりといった要素を増やしたので、キャラクターたちにさらに命が宿ったのではないかと思います。

――これまでの更衣室は確かにキャラクターたちを活かしたオプションという楽しみ方でしたが、確かに今作ではそれぞれにリアクションも変わってじっくり楽しめそうですね。更衣室に関連した要素として、「EV」で搭載されたジオラマモードはファンがスクリーンショットをSNSに投稿するなど大きな反響を得ていましたが、これは当初から狙っていたのでしょうか。

高木氏:「EV」の発売から2年が経ってもまだプレイしてくれているファンがいるのはすごく驚いています。元々更衣室ではキャラクターのカスタマイズの自由度を出していこうという試みをしていて、いろんな人がいろんなキャラクターを作ってくれたのですが、それを活かす場がないということでジオラマモードを新たに作りました。

場所を準備したのでどうぞ使ってみてください、みたいな軽い気持ちだったのですが、ここまでいろいろ盛り上がるとは思っていなかったですし、想像もつかないような作品もたくさん見れているので、こちらも楽しんでいます。

――今作でも少し触っただけで、いろいろ考えられて楽しめるモードだなと思いました。

高木氏:今作でも機能を増やして遊べるようにしています。ゲーム本編とは全然関係のないモードではあるものの、長く遊んでもらいたいという気持ちがあります。未だにチームの中でもどうやって作ってるんだと思うようなものもありますね。

――前作ではジオラマを使ったコンテストが楽しめる「くノ一総選挙」という新モードを実装していましたが、今作ではその予定はあるのでしょうか?

高木氏:今のところ予定はないですね。「EV」の時はずっとゲームが売れ続けていて、DLCもたくさん買ってもらえていたので、売り物を出すだけではなくて、我々としてもゲーム内でやりたかったことをやっちゃおうという感じで機能を増やしていきました。「くノ一総選挙」もその一つではありますので、今回も好評に推移していってやれたらいいなという感じですね。実際、その辺りはあまり計画的にはやってなくてノリなんですよね(笑)。

――あまりにいろいろな機能が追加されていくので、もう2年経ったのかと思いました(笑)。

高木氏:ゲームも発売した瞬間と今では全然違うものになっていると思います。あと据え置き機で発売したことで、海外でもすごく広がったのは大きいです。実は海外版の開発はずっと続いていて、今月ほぼ同じタイミングで「EV」のPC版を出したので(※3月17日にSteam版「SENRAN KAGURA ESTIVAL VERSUS」を配信)、そんなに時間が経った覚えはなかったですね。

新スタジオのロゴはこれから意味を作っていく

――DLC展開も徐々に発表されていますが、発売後にどういったことをされていくかの展望をお聞かせください。

高木氏:現時点で発表されているキャラクターやまだ発表していないキャラクター、あとは衣装などをいつも通り販売物として出していきたいと思っています。それと同時に、すぐには行わないものの、もう少しゲームとしてわかりやすく、遊びやすくなるように、1ヶ月、2ヶ月と経過していく中でバランスを整えていくようなアップデートをなるべく続けていきたいと思っています。

――マルチプレイも含めて、多くのユーザーが遊んで分かる部分が本当に多いと思いますしね。

高木氏:僕らとしてはいいと思っていても、数千人、数万人が遊ぶとちょっと違うと感じるところはあると思います。また、僕も含めチームはみんなマルチに夜な夜な入っていきますが、その中で予想だにしない動きやテクニックを見せてくれるんじゃないかなと思っているので、その点も含めて調整していきたいです。

――ゲーム起動時にロゴが出てくるように、自社内で新たなスタジオ「HONEY∞PARADE GAMES」を立ち上げられたそうですが、その経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

高木氏:僕の部署を「PBS」からブランド化していき、マーベラス内でゲームをプロデュースしていくために「HONEY∞PARADE GAMES」というスタジオを立ち上げました。いろんな意味を込めてロゴや名前を作っているのですが、基本的には僕らも「閃乱カグラ」だけでなく、いろいろなタイトルを出していきたいという気持ちを持っています。僕自身もそうですし、今はアシスタントとして陰ながら支えてくれているスタッフたちによるタイトルも出てくると思います。

これから7つのIPを作っていこうということで、ロゴには7人のキャラクターを入れています。例えば胸の谷間が見える子は「閃乱カグラ」の化身というつもりでいるのですが、他のキャラクターにはまだ何もないんですよ。それはこれからみんなで作っていき、何年後かにこのロゴに意味ができていくような集団になれたらいいなと思っています。

このブランドの元では、「閃乱カグラ」や「VALKYRIE DRIVE」のようなお色気系しか出てこないということはないです。予想だにしない、健全な作品が出てくるかもしれないですね。「閃乱カグラ」も健全なんですけど(笑)。

――高木さんご自身もこの2年間は本当にいろいろなタイトルを出されていて、今おっしゃったようなことを体現されているように思います。

高木氏:やっぱり同じことをやってちゃダメだと思っているので。元々自分自身もそうですし、会社としてもそんなに有名なタイトルが多くあったわけではない中で、「閃乱カグラ」をなんとか立ち上げてきましたが、5年経って「閃乱カグラ」しかやっていないと思われるのは嫌なので、新しいものはどんどん立ち上げてチャレンジしていく気持ちは忘れたくないです。やりたいことはたくさんあるので、失敗を恐れずにどんどん出していきたいと思います。

――今作はコンシューマ版「閃乱カグラ」としては2年ぶりのタイトルということもあり、ファンにとっても注目のタイトルだと思います。最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

高木氏:新たに「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH」としてリリースして、「EV」の続きの物語でありつつ、新しいジャンルの面白いゲームになっていますので、まずは純粋に遊んでほしいです。ストーリーとしては、この後もPS4で続いていきますので、これを機会に本体と一緒にいいかなと思っています。ただ、チャレンジを忘れたくないスピリッツもありますので、面白いハードがあればそこで何かをやっちゃうかもしれないので、引き続きご期待ください。

――ありがとうございました。

閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH

マーベラス

PS4パッケージ

  • 発売日:2017年3月16日
  • 17歳以上対象
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  • 17歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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