イチオシのギャルゲーを大ボリュームで紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。第38回はエンターグラムより2017年3月23日に発売されたPS Vita用ソフト「はつゆきさくら」の魅力をお届け!
三度の飯よりギャルゲーが大好きな私が己の煩悩の赴くまま旬のイチオシゲームを紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。今回はエンターグラムさんより2017年3月23日に発売された「はつゆきさくら」を紹介しますよ!
美少女ゲームブランドとしておなじみのSAGA PLANETSさんとエンターグラムさんとのPS Vita展開第1弾タイトルとして、先日無事に発売を迎えた本作。ほんたにかなえ氏を中心とした3名が原画陣として起用されており、少し謎めいたヒロイン (+うさぎ) や変わり者のヒロインたちと紡ぐ、心温まる学園純愛ストーリーが描かれます。
…という触れ込みではありますが、正直発売前にチェックした情報の限りだと内容をイメージしづらい部分もあったと思います。それはストーリーの進行上、触れるとネタバレにつながりかねない要素が多数紛れ込んでいるからだとは思うのですが、今回はその部分に配慮しつつもより作品の持つ世界観に触れることで、魅力をお伝えしていきます。
まずは物語のプロローグとキャラクターをおさらいしていきます。
プロローグ
ウサギと少女に出会った不思議な冬物語
河野初雪は、白咲学園3年生。 進学校には珍しい不良学生。卒業が危ないと言われ、今日もイヤイヤ授業に顔を出す。
今年最初の雪が降った12月。初雪は旧市街の一画で、真っ白なドレスを着た美しい少女に出会う。雪に降られながら、少女は一匹のウサギを探して街をさまよっていた。
一夜の不思議な出会い。
そして数日後。 学園にドレスの少女・桜 が転校してくる。最後の冬へ、初雪を連れて行くために。
めぐる春夏秋冬。終わる1095日。やがて冬を越えて、春が訪れる頃。ついに積もることのなかった雪の思い出を抱いて、少年は立ち尽くす。
初雪から桜まで 卒業おめでとう
ヒロイン
玉樹 桜 (たまき さくら) CV:山羽みんと
距離感不明のバニー女
誕生日:3月21日
白咲学園3年生。 3年目の冬という半端な時期に転校してくる美しい少女。はぐれの主人公にも物怖じせず積極的に話しかけてくる。天真爛漫で、ちょっと変わっている。ちゃんと学園生活を送ったことがないらしく、友達・授業・放課後……全てが新鮮に感じられるらしい。卒業間近の慌ただしい生活を無邪気に楽しもうとする。
“ネム” というウサギを常に連れている。探しものがあって、この街にやって来たと言うが……。
「う……。もっとこう、さ。偶然の再会を喜ぶとか、ないの?」
小坂井 綾 (こざかい あや) CV:佐本二厘
人形カフェの浪人ウェイター!
誕生日:10月3日
初雪がバイトをしているカフェのウェイター。1つ上の白咲学園の卒業生で、生徒会長を務めていたほどの才媛だが、受験に失敗して浪人をしている。いつでも誰に対しても穏やかな対応を見せるが、どこかとぼけて真意が掴みづらいことがある。
初雪とはクラスメイトたちに比べると、親しい様子が感じられる。過去に何かあったらしい。
「卒業の神様は、きっと訪れるさ。諦めないことだよ」
あずま 夜 (あずま よる) CV:桐谷華
冬の夜に舞う・アイスダンサー
誕生日:3月28日
駅前の屋外スケート場でよく練習をしている少女。 白咲学園2年生。スケートの実力はかなりのもので、噂では昔、世界選手権の候補にもなっていたという。
学園では、気立てが良く友達も多い人気者。ある事件により初雪を警戒しており、玉樹や希におかしなことをしないようにと、おせっかいを焼こうとする。
「改めてください! クリスマスなのに、どうして先輩はそうなんですか!?」
東雲 希(しののめ のぞむ) CV:杏子御津
間違いだらけの不良(自称)委員長
誕生日:5月12日
白咲学園1年生。 一見間が抜けてそうで、実際かなり間が抜けている。進路指導委員長という面倒くさい役職を教師に押しつけられ、ワタワタしつつも、学園のちょい悪学生の進路の相談にのろうとがんばる。
少しやんちゃな男の友情に憧れているらしく、尊敬している初雪に暑苦しい関係を求めてくる。
「この街は、凍てついてる……ぜ」
シロクマ CV:涼屋スイ
ロシア発のお受験お嬢様 ガルガルシロ!
誕生日:1月2日
初雪がバイトをしている喫茶店を訪れ、受験のために合宿を始めるという謎の少女。ロシアからやって来たシロクマだと流暢な日本語で言い張るが、素性は不明。
極端な世間知らずで、なんでも他人に頼らないと出来ない。シロクマというよりウサギみたいな子。
「あまり触ると、かみついちゃうからっ。シロクマだぞ?」
サブキャラクター
ラン CV:七原ことみ
河野初雪と同居している少女。 ランとだけ呼ばれている。本名は不明。歳は初雪より2-3下に見えるが、学校に通うでもなく初雪の保護者を気取り、初雪の幸せと成長のみを純粋に願っている。
初雪の酒癖を直して無事卒業させたいと願っており、暴れて帰ってきた時は容赦なく怒り狂う。得意技はジャイアントスイング。
「もう、何やってるの。進学しても、お寝坊さんだなぁ!」
サクヤ CV:星咲イリア
サクヤと名乗る謎の少女。夜の街で、剣を携えてさまよっているところを目撃されている。思いがけない形で、主人公の前に姿を現すことになる。
「私は、最後まで手は抜かない。あの子のためにも」
竹田 直子(たけだ なおこ) CV:結衣菜
白咲学園3年生。 金崎恵と一緒にいることが多い、不良少女。見た目は軽いが、面倒見が良い姉御肌で男勝り。「メリーゴーランドをぶっ壊せ」という、バンドのボーカルをしていたりする。
実は良いところのお嬢さんらしいが、仲間内ではそのことに触れるのはタブーとされている。とある男子に片思いしていることも、絶対にタブーである。
「何の因縁つけにきたんだよ。シマ荒らしたわけじゃないし」
金崎 恵(かねざき めぐみ) CV:如月葵
白咲学園3年生。 竹田直子とつるんでいる少女。あまり物事を深く考えない自由人。動画サイトに自分の微エロ動画をアップする趣味がある。エッチな話が好きで空気を読まず、しばしば周りのウブな学生を困惑させる。
軽い言動が目立つが、男女のことについては誰よりもまともなアドバイスをしてくれる。
「エロトークの何が軟弱なわけ。それくらいもっと気軽にこなそうよ」
来栖 三木(くるす みき) CV:田中美智
白咲学園の教師。 担当は世界史、進路指導も担当している。ほぼ100%の学生が進学する学園では、ほとんど閑職のようなものだが、彼女なりの信念で学園の問題児を相手にしている。
切って捨てるような物言いばかりなので、とっつきづらい印象が先に立つが、男女ともにファンは密かに多い。
「私の一存で、お前をいつでも退学にすることが出来るんだ」
宮棟 閑(みやとう しずか) CV:美月
内田川邊の柳ストリートで、怪しげな露店を開いている少女。オカルトグッズを並べて、心霊現象などについて相談にのっている。
「この冬に、恋をしていたのは誰でしょう」
久保 完(くぼ たもつ) CV:西野みく
白咲学園3年生。 学園では珍しい不良学生。自ら不良と周りにアピールしているが、華奢な体格で童顔のため、誰も彼を怖がらない。それどころか、たまに女の子と間違えられる。
竹田・金崎たちと「白咲ヤンキース」という不良グループを結成している。つもりだが、竹田たちは恥ずかしいのでやめて欲しい。
「か、河野が俺をあだ名で呼んだだと!? ちゃちゃ、ちゃんづけで」
プレイインプレッションをお届け!
実際にゲーム序盤をプレイをしてみて真っ先に感じたのが、主人公の初雪を始め、登場するキャラクターたちの背景が断片的にしか見えてこないことでした。プレイする私たちはあくまでも彼らの物語を追いかける立場として、作品に触れていくことになりますので、プロローグやキャラクター紹介といった情報は、あくまで参考程度に捉えてもらえればと思います。
主人公である初雪は、目つきと素行の悪さで有名な、いわゆる不良生徒です。進学校である白咲学園ではイレギュラーな存在ですが、とある約束から学園を卒業するために通い続けています。周囲が受験に備える3年の12月、ゴーストの噂が聞こえてくる旧市街で、一匹のウサギとドレス姿の少女・玉樹桜と出会ったところから、物語は始まります。
ストーリーを読み進めていく上で重要になるのは、前段でも触れた“ゴースト”の存在です。女子生徒の噂話から始まったそれは、やがて初雪と桜、そしてその周囲にいる人々へと広がっていき、ただの噂から徐々に現実味を帯びた出来事になっていきます。初雪は語り部ではないので、私たちはそうした展開の中から糸を手繰り寄せるように物語の真実へと迫っていきます。
そして、出会う女の子たちはみな何らかの悩みや問題を抱えていて、初雪はなかばなし崩し的に介入することになりますが、ぶっきらぼうな態度の中に見える優しさで彼女たちの悩みへと向き合い、交流を深めます。
そうして登場するキャラクターの特徴を把握しつつ、断片的に示されていたひとつの事実が明らかになることで、物語のプロローグが幕を閉じ、物語は本編へと移っていきます。
この作品はどう紹介するかによってネタバレ一直線なところもあって難しいのですが、ひとつ言えるのは初雪が口にする“復讐”というキーワードが作品全体のテーマにも大きく繋がってくるということです。それは言葉通りの意味と捉えてもらってもいいですし、立ち位置によってその姿を大きく変えるものでもあります。
本編はキャラクターごとの個別ルートで展開していきますが、それらを通じて明かされていく謎に迫りつつ、初雪という少年が苦しみながらもどのように生きるかを見届けてもらいたいと思います。
第38回、いかがだったでしょうか。事前知識なしで臨んだこともあり、描かれるストーリーに切ない気持ちになっていったのですが、一方でテンポ感のある会話も織り交ぜられていて、時折笑いもこぼれました。初雪自身にフォーカスするのはもちろんですが、いろんな場所でのキャラクター同士のやり取りがあってこそ、この作品の魅力も生まれるのではないかと思いました。
というわけで、今回はここまで。発売後の掲載になってしまった分、次回はまた近いうちに取り上げられればと思っていますので、引き続きご注目いただければと!
(C)SAGA PLANETS/ENTERGRAM
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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