“すべてが別格のRPG”と銘打たれた新作アプリ「黒騎士と白の魔王」のプレイレポートを掲載。その別格ぶりは、独自のバトルシステム「ウェイトシステム」にあった。
ヘリコプタークルージング、ミシュラン二つ星のレストランディナー、4K対応ホームシアターなど、豪華すぎる事前登録キャンペーンが印象的な「黒騎士と白の魔王」が、4月末に配信されることが決定した。
4月14日からはクローズドβテストも開催。初めてこのゲームに触れる機会が与えられたわけだが、ここではキャラを作ってからバトルを楽しむに至るまでの流れを、本作最大の特徴「ウェイトシステム」とともに紹介する。
選ぶのは大体魔法系なんです
さて、何はともあれまずはキャラクリエイトである。本作にはそれぞれ得意分野が異なる「ファイター」「ソーサラー」「ハンター」「ヒーラー」という4つのロールが用意されている。選んだロールで役割や使えるスキルが変わるのだが、まずは好きなものを選ぼう。そのほうが楽しくプレイできるはずだ。
こういう時、筆者は決まって魔法系の職業を選択する。味方をサポートしたり、間接的に戦闘に関わるのが好きだ。というわけで、今回は自分が死ぬとみんなが死ぬ、回復のスペシャリスト「ヒーラー」を選択した。
まずはチュートリアルがてら、ストーリーを進めていった。プレイヤーはマンモンによってこの世界に召喚された救世主で、竜人族の生き残りであるセオ、巫女のアリアと出会い、白の魔王を討伐して世界を救うという彼らに協力することになる。
本稿は、ストーリーには触れずに筆を進めている。ただ黒騎士・グラムスと白の魔王・ゼロスの戦いを描いたオープニングアニメの美しさには驚いた。アニメーションはオープニングにとどまらず、道中も都度挿入されている。STUDIO4℃による「黒と白の物語」を堪能しよう。
ウェイトシステムを理解しよう
RPGのストーリーを進める上で、バトルは避けて通れないもの。このバトルのシステムが、そのRPGを特徴づけていると言ってもいいだろう。RPGにとってバトルシステムは“名刺”なのだ。
本作の戦闘は、最大4人のマルチプレイで行われるコマンド選択式リアルタイムバトルだ。プレイヤーは自分のロールに最大10人のキャラクターをセットし、このキャラクターたちの持つスキルで戦う。通常攻撃という概念はなく、回復やバフ・デバフを含め、ロールの行動はすべてこのスキルに集約される。
※本稿では便宜上、自キャラクターを「ロール」、スキルを覚えさせるためロールに装備するものを「キャラクター」と呼びます。
このスキルに設定されているのが、システム名にもなっている「ウェイト」である。敵味方ともにスキルが発動するまでの時間「ウェイト」が設定されており、その長さが□で表示される。1マスにつき1秒かかる計算だ。
ウェイトの長さはスキルごとに異なり、長いほど強力な効果を発揮する。つまり、敵も味方も「このあと大技が来るな」とわかるのである。と、文章で書いても伝わりにくいと思うので、公式のわかりやすいバトルシステム紹介動画をお借りしよう。
お気づきのとおり、このスキルの組み合わせ=デッキの組み方でプレイスタイルが大きく変わってくる。難しいなと感じた人は、まずは自動で編成される「オススメデッキ」を使い続けてみよう。バトルに慣れてくると欲しいスキルも出てきて、だんだん自分で組みたくなってくるはずだ。
筆者はひとまず1章を「オススメデッキ」で攻略。いくつかのクエストをこなしていくと、全体回復と弱体化への対策が欲しくなった。そこで、単体攻撃後に与ダメージの20%分、味方全体を回復する「クリシュナ」と、味方全体の弱体デバフを解除できる「アフロディーテ」を新たにセットした。
ヒーラーに蘇生スキルは欠かせない! ということで、回復と蘇生の双方を行える「ヘルミオネ」も追加。さらに防御役として、スタンバリアを3枚張る「アテナ」を加えた。また、攻撃時に確率で麻痺を付与できる「雷アイアンメイデン」、味方を回復してスタンバリアを2枚張る「光ニンフ」を投入したが、ここは“臨機応変に変える枠”だ。
デッキには「召喚スキル」を持つキャラクターを最大2人セットできる。召喚スキルはウェイトこそ長いものの、普通のスキルを軽く凌駕する強さを誇る。幸いにも召喚スキルを持つキャラクター「メタトロン」「ポセイドン」が手元に来てくれたので、こちらをセット。
最後にジョブスキルをセットして終了だ。ロールの中にはいくつかの「ジョブ」が用意されており、ロールが成長すると上位のジョブに進化できる。ジョブスキルは、選択したジョブだけが使えるスキルだ。今回はヒーラーの初期ジョブ「クレリック」が使える「癒しの手」をセット。
これでオリジナルデッキが完成。実戦で使い勝手を確かめよう。
役割を理解するとマルチプレイがより楽しくなる
まずはソロプレイで“試し打ち”。少々計算外だったのが、アテナのキャラスキル「イージスの盾」のクールタイムが思った以上に長かったことだ。強力なスキルだけあって、乱発はできない。戦闘開始直後に、盾役になれるファイターに付与するようにした。
今回組んだデッキでは攻撃方法が少ないため、「イージスの盾」が再び使えるようになるまでの間、手持ちぶさたになってしまうことも。しかしこの間に、光ニンフの回復スキル「ヒール【光妖精】」を残りHPに関係なくスタンバリアを付与する目的で使ったところ、パーティのスタンアタックに対する安定性がアップ。こういった割り切りも、スキルを有効活用するひとつの手段だろう。
スタンバリアを張る合間に、雷アイアンメイデンの「麻痺撃」、クリシュナの「ドレイン【闇女神】」でダメージを稼ぐ。また必要に応じて弱体デバフを回復するアフロディーテの「ラクリナ【美神】」やジョブスキルを使うという運用で、オススメデッキ使用時よりも対応力が増した。“味方を見るタイプ”のヒーラーの出来上がりである。
こうして自分のデッキの使い方が理解できると、バトルでの振る舞い方もわかってくる。プレイヤー同士でパーティを組むマルチプレイも、俄然楽しくなった。特にヒーラーは、自分が役に立っている感がたっぷりと味わえて気持ちいい。あとは、味方の状況にプラスして敵のウェイトも見てスキルを選べるようになれば一級品のヒーラーだ。
本作では乱入OKのバトルに気軽に参加できるシステム「オススメマッチング」が用意されており、傭兵のごとく他プレイヤーのバトルに参加できる。あまりマルチプレイに参加しない人も、思い切って飛び込んでみよう。
多彩な方法でロールを強化しよう
攻撃力、HP、回復力といったロールのステータスは、デッキに編成されているキャラクターたちのステータスの合算になっている。そこに「ジョブボード」でボーナスを上乗せすることが可能だ。
ジョブボードは、ジョブPを消費してチャート式にステータスを強化できるシステム。このチャートの一番奥までたどり着くと、新たなジョブに進化できる。ジョブPはレベルアップ時などに取得可能だ。
もうひとつの成長要素が「マイタウン」だ。ここでは、ジョブに装備させるアクセサリを作るための素材を採取できる。
タップやフリックでぷちぷちと素材を採取したら、アクセサリを作ろう。アクセサリを作成すると、スロット形式でそのアクセサリのクオリティや追加能力が決まる。同じ名前のアクセサリを作っても、それぞれ違うものができるのだ。
同じ種類のアクセサリを合成すると「ラック」が上がる。ラックが上がるとステータスボーナスが付くほか、良い素材がドロップしやすくなる。アクセサリを付けられる箇所もかなり多く、ここはやりこみ要素のひとつとなりそうだ。
PCオンラインゲームのようなスマートフォンRPG
本作に搭載されているシステムは驚くほど多様だ。その中でも代表的な「ウェイトシステム」は、本作のバトルにおもしろい駆け引きを生み出している。
例えば相手が強いスキルを使ってきそうなときは、よりウェイトの短いスタンスキルで足止めしたり、敵の大技発動直後に回復スキルを“予約”しておいたり、はたまた味方の強力スキルの前に攻撃バフをかけておいたり。うまく組み合わされば、抜群のコンビネーションで強敵を倒すエクスタシーが得られるのである。
そう、このRPGはスマートフォンアプリながら、オンラインMMOのような雰囲気をそこかしこから醸し出している。各々が持つはっきりした役割や、敵味方それぞれの周囲に浮き出るステータス表示、スタンプやグループチャットといったコミュニケーション機能、アクセサリなどの多彩な強化方法、ギルド、そして誰かの役に立つ快感。こういったものが好きな人は、ぜひプレイしてみてほしい。これまでのスマートフォンRPGとは、一風変わったプレイフィールが堪能できるはずだ。