8月3日に発売を控えるニンテンドー3DS用ソフト「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」第2話のプレイレポートを掲載。パワーアップした共同推理の魅力は“整える気持ちよさ”にあった。

発売までちょうど2ヶ月となった「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」。Gamerでは、現在公開中のWeb体験版のプレイレポートを掲載したが、今回は第2話「吾輩と霧の夜の回想」の探偵パート、法廷パートの冒頭をプレイした上でのインプレッションをお届けする。

サブタイトルで気づいた人もいるかもしれないが、この第2話は前作「大逆転裁判」の第4話「吾輩と霧の夜の冒險」から続く物語だ。

ブライヤーロードで起きた刺傷事件の被疑者となったのは、日本からこの倫敦にやってきた留学生・夏目漱石であった。成歩堂龍ノ介の手によって晴れて無罪となった漱石だったが、身の潔白が証明された翌日、彼の身にさらなる悲劇が降り注ぐ。漱石の下宿先で、事件が起きてしまったのだ。

現場に駆けつけた龍ノ介と御琴羽寿沙都、シャーロック・ホームズが目にしたのは、テーブルに突っ伏して倒れる被害者、ウイリアム・ペテンシー。彼の右手にはフォークが握られ、テーブルの上には倒れた空っぽのティーカップ、そして皿の上に置かれた、半分に割れた石けん。なぜ石けんが皿の上に置かれているのか? 実に奇妙な状況だ。

この部屋を一通り調査したホームズは、得意の“名推理”を披露。類まれなる観察眼と推理力、そして自身の体験をもって、ペテンシーは石けんを食べて死んだと結論づける。

だが、いくらなんでも石けんを食す人はそういない。この、ホームズの推理のおかしなところに突っ込んで真実へと導いていくのが、「大逆転裁判」ならではのシステム「共同推理」だ。

共同推理での龍ノ介は、言わば“調整役”だ。超展開を見せながらも着眼点は確かなホームズの推理を整えていく様子には、他の「逆転」シリーズにはない気持ちよさを感じることができる。ホームズの推理が基礎となってくれるので、「逆転」シリーズに慣れていない人もプレイしやすいだろう。

また、今作の推理パートの演出は非常に凝った作りになっている。アドベンチャーゲームというジャンルは、ともすれば画面が単調になりがちではあるが、ホームズが推理を披露するシーンはカメラアングルがグリグリとテンポよく動き、“聞かせる”シーンながら飽きさせない演出が施されている。

動くのはカメラアングルだけではない。キャラクターのいきいきとした挙動も本作の大きなポイントだ。法廷パートでは、龍ノ介が机を叩いた際、いつもと違う感触に一瞬手に視線を落とすなど、人間らしい細かな反応が楽しめた。うるさいくらいに動く漱石や、寿沙都のしとやかな仕草にも注目だ。

確かに興味深い

今作からプレイしてもゲームとして十分楽しめるのはもちろんだが、前作からの伏線を回収したり、キャラクターが引き続き登場したりと、「1」をプレイしたほうがより堪能できるのは間違いない。今から前作を購入して準備するもよし、8月3日に発売される「大逆転裁判1&2限定版」を購入して一気に楽しむのもよし。記憶が薄れてしまった人は、6月9日より公開予定の動画「大逆転裁判ダイジェスト劇場」をチェックしよう。

振り返り動画のカット。この動画のために書き下ろされたシナリオが、ボイスつきで楽しめる

「大逆転裁判2」江城元秀プロデューサーに訊く

自信をもってお届けできますと胸を張った江城元秀氏

――共同推理のシーンでは演出がかなりパワーアップしましたね。

江城氏:共同推理は「1」で初めて搭載されたシステムだったので、開発も手探りな部分がありました。今回はテンポ感を良くしつつ、カメラワークを工夫して、リズムよく見られてかつ遊びやすいところを目指しました。

――「1」で担当されたスタッフさんが引き続き担当されているのでしょうか?

江城氏:そうです。最終的には巧舟がすべて見て調整を入れています。

――前作のエピソードやキャラクターを引き継いでいる部分が多くありましたが、前作をプレイしておいたほうが良いですか?

江城氏:「2」からスタートしてもゲームとして楽しめるようには作っていますが、できれば「1」をプレイしたほうがより深く世界観を理解できます。「1」をプレイされていない方には、「大逆転裁判1&2 限定版」がおすすめです。

――アニメムービーは入りますか?

江城氏:今回は、いわゆるセル画のアニメを採用せず、できるかぎりゲーム中のキャラクターを使って物語を描いています。「逆転裁判6」と同じく、モーションキャプチャーを使っていますね。先日公開しましたタップダンスのモーションキャプチャーも、ゲーム中の誰かが披露してくれますよ。

――メッセージスキップ(Bボタン押しっぱなし)時に、キャラクターのモーションも速くなるようになりましたね。

江城氏:「大逆転裁判」でもメッセージスキップはありましたが、モーションを途中でカットしていました。ただ、それはキレイではなかったんですよね。「大逆転裁判」はモーションの滑らかなつながりを意識して作っているので、内部的に処理を速くすることによって、滑らかに早送りができるように改良しました。

――ムービーシーン以外はすべてスキップできるのでしょうか?

江城氏:場所によってはスキップが入らない部分があるかもしれません。ただ尋問シーンなどはBボタンを押しっぱなしにすれば速くなりますし、早送り機能をONにすれば、自分のテンポ感で遊べるように調整しています。

――新曲BGMは収録されていますか?

江城氏:もちろん入れています。PVで使われているものなどの新曲を収録しつつ、前回からご好評いただいている部分は受け継いでいます。前作の事件と同じ舞台を使っているところなどは、お話のつながりがおかしくならないよう、敢えて前作の曲を使っていたりします。

――前作から引き続き登場している陪審員と新しく登場している陪審員がいますね。

江城氏:新しい陪審員は結構出てきますよ。既視感のあるキャラクターばかりという印象にはならないと思いますね。

2話は、漱石が無罪になったにもかかわらずまた捕まってしまうという、いわゆる“天丼”をやりたかったんです。ですので一部の陪審員は同じ人にしつつ、キーとなる陪審員だけは違う人にしています。そういう点は前作をプレイしておくと楽しめますね。

――発売後のDLC配信は予定されていますか?

江城氏:数量限定特典として「遊べる! 大逆転物語」は用意していますが、前作の「ランドストマガジン」のようなものは想定しておらず、この一本でしっかり遊んでいただこうと思っています。前回は読み物を定期的に配信するイメージでしたが、「逆転裁判6」の「遊べる! 逆転劇場」が好評だったので、「大逆転裁判」でもやりたいと考えました。それ以外のDLCコンテンツは基本的に考えていません。

――今回は謎などをあまり残さずに、「1」の謎を回収して終わるのでしょうか?

江城氏:すっきりします! もし残していたら巧をやっつけます(笑)。

大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-

カプコン

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  • 発売日:2017年8月3日
  • 12歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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