カプコンが2017年9月21日に発売を予定しているPS4/Xbox One/PC用ソフト「マーベル VS. カプコン:インフィニット」。アメリカ・ロサンゼルスにて開催中の「E3 2017」において実施された、開発者インタビューの模様をお伝えする。
マーベルとカプコンの人気キャラクターが一堂に会する「マーベル VS. カプコン:インフィニット」。登場するキャラクターの種類はもちろん、根幹をなす格闘ゲームの部分にも大きな変化が加えられた本作について、プロデューサーを務めるPeter Rosas氏とMichael Evans氏にその魅力や本作ならではのポイントを訊くことができた。
重要なのは“すべてのキャラクターがしっかりと戦える土台を作ること”
――登場キャラクターの多さが魅力の本作ですが、それを活かした楽しみ方というのはどういったポイントになりますか。
Peter Rosas氏:多彩なキャラクターたちが一堂に会するというのは、これまでのシリーズ同様に本作の大きな魅力だと思います。それぞれ個性を持ったキャラクターたちを動かしていて面白いと感じられるのは大事なことですし、何よりもユーザー個々人が好きな――愛着を持っているキャラクターで勝てるのかどうかという部分は、非常に重要になっていると感じています。
シリーズが長くなるにつれて、どうしても強いキャラクターとそうでないキャラクターというものが生まれてしまいます。なので、本作では“使っていて面白い”ということは大前提として、これまでの培ってきたシリーズのデータを基に、各キャラクターの弱点を分析し、それを解決するためにどうした調整が必要なのかということを考え、実践しています。
――キャラクター間の格差の是正という部分に焦点が当てられているのですね。
Peter氏:例えば前作では、飛び道具を持っていないキャラはそれが弱点になってしまっていました。本作では、インフィニティストーンとの組み合わせによってそれらの弱点をカバーできるのと同時に、ハルクが飛び道具を使うといった、これまでにない動きが可能になっています。そうしたキャラクターとインフィニティストーンの組み合わせによる可能性の広がりも、本作の面白さになります。
――使用可能なインフィニティストーンは何種類になるのでしょうか。
Michael Evans氏:現在公開されているインフィニティストーンは4つですが、今後プレイアブルキャラクターと一緒に追加で公開していく予定です。
――マーベル側の登場キャラクターについて、本作は「マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)」のキャラクターが多い印象を受けたのですが、今後追加されていくキャラクターたちもMCUのキャラクターたちが多いのでしょうか。
Michael氏:一番に考えているのはゲームとの相性なので、キャラクターの選定について、何か特別な意図があるわけではありません。今後の映画の展開などをマーベル側と情報共有していますし、シナジーを持たせたいとも考えてはいますが、マーベル側からこうしてくれといった要請があるわけでもありません。
ただ、私やPeterさんのような年代の人は懐かしいマーベルキャラクターを覚えていますが、今のマーベルキャラクターといえば「アベンジャーズ」の人気が高いですし、選出についてはある程度時代の流れに沿っていると感じますね。
――では、キャラクターのチョイスについてはどちらか一方が要請しているわけではなく、両者で話し合って選定されているわけですね。
Michael氏:一番最初に登場キャラクターを選定する時は、カプコン側から「こんなキャラクターを出したい!」と要望を出しましたね。マーベル側からは、先程お話した通り、そのキャラクターを今後どう展開していくかをよく考えて選出しています。今回登場している「キャプテン・マーベル」も、おそらく日本のユーザーにとっては馴染みの薄いキャラクターだと思います。
しかし、今後はどんどん彼女を押し出していくという方針もありますし、映画なども予定されています。直近で公開された「ブラック・パンサー」についても、そうした連携を考えて協議を重ねて選出しています。当然、そうした目的だけだとゲームとして面白いものにならないので、開発側からの意見も数多く取り入れていますが(笑)。
――今後もキャラクターが追加されていくと思いますが、全部でどのくらいの数になるのでしょうか。
Michael氏:今日まで(インタビュー時の現地時間:6月13日)22体のキャラクターを発表していますが、まだまだ未発表のキャラクターがいます。今はそれしか言えません(笑)。
――インフィニティ・ストーンは、最初からすべて使用可能なのでしょうか。
Michael氏:現在実装されているものは、オンライン対戦時はすべて使用可能です。
――カプコンプロツアーが実施されていますが、本作もその競技タイトルになりますか。
Michael氏:今はまだ決まっていません。ただ、今回の出展した試遊台にはプロゲーマーたちも集まってくれて「面白くなっている!」と言ってくれていますし、e-Sportsでも展開していけるのではないかと期待しています。
――操作のシンプルさも本作の魅力の一つだと思います。難易度自体の敷居は低い方なのでしょうか。
Michael氏:シリーズの特徴であり面白さの一つが空中コンボなのですが、これまでは一連のコンボが出せないと空中コンボまで体験することさえできませんでした。しかし、本作には弱パンチを連打するだけである程度までコンボが繋げられる“シンプルコンボ”というシステムを実装しています。なので、初心者の人でもシリーズの醍醐味となる部分はしっかりと味わえるようになっています。また、強パンチと強キックを同時に押すことで威力の高い“ハイパーコンボ”も繰り出せるようになっています。
格闘ゲームはプレイヤースキルが実力に直結するのでどうしても敷居が高くなりがちですが、こうした格闘ゲーム初心者でも楽しめる、間口を広げるような要素はシステムとして取り入れています。これらを足掛かりに、徐々にシチュエーションに合わせたコンボ選択など、プレイヤースキルのステップアップに繋げていってもらえればと考えています。
――今回のバトルは基本的に2vs2(プレイヤーキャラクター+サポートキャラクター)での対戦になるのでしょうか。
Michael氏:ストーリーモードでは異なるシチュエーションが展開されることもありますが、オンライン対戦などは2vs2のままです。
――キャラクター毎の調整に注力したとのことでしたが、中でも特に苦労したキャラクターはいますか。
Peter氏:クリス・レッドフィールドですね。多彩な銃器を使うので遠距離攻撃が得意なキャラクターですが、そこを強くしすぎると一方的な試合展開になりやすいですし、使っている側も使われている側も面白くなりません。
あと、インフィニティ・ストーンとの兼ね合いもあります。インフィニティ・ストーンの中に“Time”というものがあり、これを装着して“インフィニティ・サージ”を発動すると飛び道具を通り抜けて一定距離を高速で移動することができます。つまり、強力な射撃をくぐり抜けて接近しても、ノーリスクで距離を離されてしまい、また一方的に攻撃されるようになってしまいます。なので、クリスのバランス調整については特に気を使いましたね。
――本作はオリジナルストーリーになりますが、マーベルとカプコン、どちらが主な舞台になりますか。
Michael氏:両方です。ウルトロンΣがインフィニティ・ストーンを使って2つの世界を融合させてしまった世界が本作の舞台となっているので、各ステージがカプコンIPとマーベルIPを使用したものになっています。例えば「バルカンダ」は、マーベルキャラクターであるブラック・パンサーと縁の深い“ワカンダ”と、「モンスターハンター」のバルバレーが組み合わさったステージになっています。そうした背景から、ステージを注意深く見ていると両者の様相を確認することができるようになっています。ぜひいろんなステージに注目してみてください。
――ありがとうございました。
(C) 2017 MARVEL (C)モト企画 (C)CAPCOM CO., LTD. 2017, (C)CAPCOM U.S.A., INC. 2017 ALL RIGHTS RESERVED.
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー