レゴのゲームと言えば、シナリオに沿って進行していくアクションゲームのイメージが強い中、ちょっと毛色の違うレゴのゲームが発売されていましたので、「LEGOワールド 目指せマスタービルダー」のインプレッションをお届けします。
目次
このゲームで目指すべきは、タイトルにもある「マスタービルダー」。「マスタービルダー」といえば、「LEGOムービー ザ・ゲーム」でもその言葉が出てくるように、レゴブロックを使用して思い通りにオブジェクトを組み立てることのできる人、のこと。素早く巧みにいろんなオブジェクトを作り出せるとしたら、これはとんでもないことですよ。
ということで、今回はダウンロード版をお借りしてプレイを開始。メーカー表記のジャンルは「アドベンチャー/サンドボックス/フリースタイルビルド」ということで、ちょっと欲張りな感じがしますが、この辺りは遊びながら一つずつ紹介していきましょう。
ツールの使い方を学べる「アドベンチャーモード」
「アドベンチャーモード」を始めるといきなり宇宙空間。突然の隕石の登場によって宇宙船は破壊され、宇宙服を着た人が星へと落下していきます。宇宙服を着た一人の男……いや、この時点でいきなりキャラクターのカスタマイズが始まり、「銀河を旅する女の子」と「宇宙ひこうし」の各部位のパーツを選んで組み合わせるとプレイヤー自身の分身となるキャラクターが完成します。
最初に到着したワールドは「海賊の遊び場」。今作では、全てのオブジェクトがブロックで作られているため、このワールドも当然ながらブロックで作られています。土も草も壊れたロケットも……そう、この壊れたロケットを直すのが急務。ロケットを修理するためには「ゴールドブロック」がいくつか必要なため、このワールドを探索していきます。
左スティックで移動、右スティックでカメラ回転、×ボタンでジャンプ、適当に操作をしているだけでワールドにある様々なオブジェクトを見つけることが出来ます。□ボタンはアクションに対応しているため、木や草を攻撃すると壊すことが出来、スタッドを貯めることが出来ます。しばらくアクションを繰り返していくと、先ほどロケットに衝突した隕石が降ってきました。
隕石の堕ちた場所を調べると「発見ツール」をゲットできます。「発見ツール」を使えば、ワールドにある様々なオブジェクトを集めていくことができます。「発見ツール」を構えてターゲットとなるオブジェクトを狙うと、そのオブジェクトを「発見」することができます。「発見」を選べばそのモノを使うためのリストに登録され、スタッドを使って「解除」をすれば、すぐにそのオブジェクトを配置することができます。
目指すべきは「マスタービルダー」なので、何でもかんでも作り出せるようになることが大事なのですが、最初から何でもできるわけではなく、適度にスタッドを稼がないと新しいオブジェクトを発生させられないようになっているのですよ。
そこで、最初にやるべきは「発見ツール」で次々と新しいオブジェクトを「発見」してリストに登録していき、本当に使いたいオブジェクトに関してはリストからそのオブジェクトを選んでスタッドを使って「解除」していくような遊び方になります。最初から「解除」をすることもできますが、必ずしも無理に解除する必要はありません。すでに「発見」したオブジェクトと同じオブジェクトを再び「発見ツール」で狙うと、今度は「発見」の選択肢がなく「解除」だけが出てくるようになるので、この辺りは若干の慣れが必要のようです。
……と文章で書くとちょっと複雑そうに感じるかもしれませんけど、とりあえず2、3個くらいのオブジェクトをポコポコと置いていくだけで楽しいですし、自由自在にいろいろなオブジェクトを配置して楽しむにはもう少しいろいろな要素を覚えてからのほうがいいので、この段階ではとりあえず「発見」だけを心がけましょう。「発見ツール」をいろいろなオブジェクトに向けて「発見」していくのはプライスレス。リストにどんどんいろんなオブジェクトが増えていくのが楽しいのです。
というわけで、最初のワールドではこんな感じの依頼があり、それぞれ「発見ツール」を使ってこなしていきます。
「発見」と「解除」をしたオブジェクトは「コピー」でマップ内に配置することが出来ます。このワールドの依頼はすべて要望されたオブジェクトの配置なので、それぞれ目的を果たしてしまいましょう。
目的を果たすごとに「ゴールドブロック」をゲットでき、目標の数だけ揃え終えるとロケットが直り、次のワールドに行くことが出来るようになります。これでもか、と思うほど島を探索してあらゆるオブジェクトを発見したら、次のワールドに向かいましょう。
2つ目のワールドは「古代の脅威」。先ほどのワールドとは全然違う雰囲気で、存在するオブジェクトも違うので、「発見ツール」でどんどん発見していきましょう。すると再び隕石が落ちてきて、隕石の落下地点を調べてみると今度は「地形ツール」をゲット。「地形ツール」を使えば周囲の土地の地形を隆起させたり平らにしたりと作り直すことができます。
ワールドをあちらこちらに向かうと、いろいろと依頼されてしまいます。
依頼をこなすと「ゴールドブロック」をゲットでき、既定の数の「ゴールドブロック」をロケットに持っていくと、次のワールドへと向かいます。
もう気付きましたか? 「アドベンチャーモード」では、序盤は常に遊びながらツールの使い方を学べるようになっているのです。
3つ目のワールド「キャンディー建設ケイパー」では「コピーツール」をゲット。「コピーツール」があれば、その場にあるオブジェクトをコピーして複製を作ることができます。大きな建物をまるごとコピーして複製することもできるので、時間をかけた力作はコピーしておくと後々役立つかもしれません。
さらに「ペイントツール」をゲットすると、色を塗れるようになります。ただし、きれいだからと色を変えてしまうと、オブジェクトの属性も変わってしまうことがあるので、むやみやたらと色を変えてしまうと大変なことになるので注意が必要。
このワールドではさらに「ビルドツール」をゲット。「ビルドツール」を使えば、ブロックを1つずつ配置することができ、いくらでもこだわった形や好きなものを作り上げることができます。
そして、このワールドの攻略が終わると「フリービルド」がオープン。「フリービルド」モードにすると常に画面にツールバーが表示され、ツールバーからすべてのツールを使用することができ、より精密にいろいろなことができるようになります。
と、ここまでですべてのツールを使えるようになり、このゲームの第1段階は無事終了。ゲームはまだまだ続きますけど、ゲーム側から提示される目的をただただ達成する流れは終わり、プレイヤーは自由へと解き放たれます。
ワールドをまるごとレゴブロックで作って壊せる「サンドボックス」
「アドベンチャーモード」の序盤は用意されているストーリーに沿ってプレイしてきましたけど、単純に依頼をこなさないとツールがオープンにならないだけで、オープンされたツールはいつでも自由に使うことができます。それにワールドには目的を達成するために行かないといけない場所はありますけど、それ以外の場所に行ってはいけないわけではありません。
だからこそ、指定されていないオブジェクトを「発見ツール」で発見しまくって、そこら中に配置し続けることだってできるので、プレイヤーのセンス次第でワールド全体が天国にも地獄にも変貌します。
また、ワールドと言えば丸いイメージがありますけど、このゲームの中のワールドは平面になっています。そのため、舟をこいでマップの端まで行くと落ちてしまうのですが……
すぐに空から降ってくるので大丈夫。無茶せず島の中で行動しましょう。
さて、3つ目のワールドの攻略が終わるとプレイヤーは自由な宇宙に解き放たれ……たりはしないで、まだ行ける場所は限られています。宇宙を示すマップにはたくさんのワールドが表示されていますが、「ゴールドブロック」の個数が規定に達成しないといけない場所ばかり。自由に移動できるのはこれまでに行けるようになったワールドだけなんですね。
それでも、それは開発者の親心。新規に発生するワールドはどんどん大きくなっていくので、足慣らしのつもりでプレイしていると思えば問題ありません。ワールドによって置いてあるオブジェクトが違うし、住んでいる生物も違うので、広いワールドの一部を全く違うワールドのオブジェクトに完全に置き換えてしまうのも面白いし、植物を育てたり、育てた食べ物を動物に与えたり、動物に乗って自由に動き回ったりと作ったり変化させたりする以外のことを自由にできるのも楽しい。
それより、あまり同じワールドに長居しているととんでもないことが起こるんですよ。それは、夜。
夜になると凶悪なヤツラが現れて襲ってきます。戦うこともできますが、何も持たずに戦うのは危険なので、どうにかして生き残るすべを考えなくてはいけません。カッチリとした時間があるわけではありませんが、時間の流れがあり、生命があり、生活を感じられるようになっていきます。
実は最初から何でも作って壊せる「サンドボックスモード」
「アドベンチャーモード」でも、ゲームをある程度進めていくと、全てのツールを使いこなして、十分にフリースタイルなビルドができるのですが、実は「サンドボックスモード」でゲームを始めれば、いきなりすべてのツールを使い、特殊なものを除く全てのオブジェクトを使って自由な世界を構築することができます。
この際、「サンドボックスモード」でプレイするワールドは、「アドベンチャーモード」でプレイするワールドと同じ宇宙に存在するのですが、お互いのモードの星を行き来できないようになっています。
3Dアクションの操作感覚で簡単に
ここ数年、いわゆるサンドボックスと呼ばれ、オープンワールドを自分の思い通りに変化させられるゲームはたくさん登場していますが、これほど普通のアクション操作で手軽にプレイできるゲームは初めてでした。細かく緻密なものを作ろうとするとまだまだ戸惑うことはありますが、この世界に長く浸っていれば、いつかいろいろなものを作れるんだろうなぁ、と思いながら楽しめるのがいいですね。
どうやら現在「チーム対抗 LEGOワールド選手権大会」がエントリー受付中のようなので、時間のある方は「アドベンチャーモード」でじっくりとゲーム内容を把握し、時間のない方は「サンドボックスモード」でショートカットしつつ、オリジナルの世界を作り上げてください。大会には一人でもエントリーできるようになったようなので、今からでもまだまだ間に合いますよ。
この原稿で使用している画面写真は普通にプレイすれば4時間程度のプレイで見れる範囲、「アドベンチャーモード」の3つ目のワールドまでの攻略は1時間半くらいのプレイ時間で到達できるので、まずは気軽にプレイしてみることをおすすめしますよ。なんせ、コレクター的には新しいオブジェクトを発見するたびに「発見ツール」を使ってリストが溜まっていくのを見るだけでも楽しかったので……ついついパッケージ版を購入してしまいました!
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」「ゲームラボ×仮面女子 ゲーム実況」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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