2017年8月5、6日の2日間、東京ビッグサイトにて、ファンイベント「ドラゴンクエスト夏祭り2017」が開催された。本稿ではメインステージで行われた、「ドラゴンクエスト」シリーズ スペシャルステージの模様をお伝えする。
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「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」の興奮さめやらぬ中で開催された本イベント。今回紹介する「ドラゴンクエスト」シリーズ スペシャルステージでは、ナンバリング最新作からは一旦離れ、スピンオフとして展開中、あるいは今後リリース予定の作品が立て続けに登場した。
「ドラゴンクエストビルダーズ2」がPS4/Nintendo Switch向けに発売決定!
最初のタイトルは、昨年発売されたPS4/PS3/PS Vita用ソフト「ドラゴンクエストビルダーズ」だ。「ビルダーズスクール夏期講習」と題した本ステージには、プロデューサーの藤本則義氏と、白石琢磨氏が登壇し、かねてより募集が行われていた「あなたの思い出のドラゴンクエスト」の各賞受賞作品が紹介された。
今回は「ドラゴンクエスト」I~XIまでのナンバリングタイトルをテーマにした賞が設けられ、「ドラクエI賞」を受賞したのは、同作に登場した街・メルキドを完全再現したものが選ばれた。ほかにも「ドラクエII賞」ではシリーズ屈指の難易度を誇る「ドンダルキアへの洞窟」、「ドラクエV賞」はサラボナの街を再現したりと、やはりこれまでの舞台をモチーフにした作品が多かった。
一方で「ドラクエIII賞」では色違いのカンダタを表現した作品が選ばれたと思えば、「ドラクエVII賞」は作品の象徴とも言える石板の台座を巨大建築物として作成したものだったりと、個性の光る作品も見受けられた。
ほかにも「『ドラゴンクエストビルダーズ』の世界に町があったら」というテーマをもった作品や、攻略本を再現、さらには「ドラクエ」の音楽を表現した作品など、独創的な投稿が次々に紹介された。そして最優秀賞はPenさんの作品で、1作目でも特に有名な「ゆうべは おたのしみでしたね」のシーンを、ドットのひとつひとつが精巧に表現されていた。
一通りの作品が紹介されたところで、堀井雄二氏とディレクターの新納一哉氏、Vジャンプ編集部のサイトーブイさんが登場。堀井氏も巧みに作られた作品に驚くとともに、「僕も当時はブロックを積み上げていく感覚で作っていました」と振り返っていた。
そんな堀井氏は続けざまに、サプライズとして最新作「ドラゴンクエストビルダーズ2」を発表。これには会場からも大きな拍手が沸き起こっていた。新納氏によるとハードはPS4とNintendo Switch、世界観は「旅の仲間 少年シドー」がテーマになっているという。シドーといえば「ドラゴンクエストII」の重要キャラクターだが、関連性があるのか気になるところだ。
また会場ではプレイ映像も公開され、風のマントを使って空を飛んだり、水中に入ったりとプレイできるエリアが格段に広がっていることが分かった。さらに他プレイヤーと協力プレイしている映像も登場。新納氏いわく、最大4人での同時プレイが可能とのことだ。最後に堀井氏が「来年の夏くらいには…」とポツリと呟く一幕も。具体的な発売時期は不明だが、まずは2018年の夏に期待を寄せるとしよう。
「いただきストリート」新作は10月19日に発売
続いては、昨年最新作として発表されていたPS4/PS Vita用ソフト「いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY」の新情報だ。ステージには白石氏が再び登場すると、まずは本作のオープニングムービを紹介。その中で、本作が10月19日に発売予定であることが明かされた。
さらにPVの中では、新キャラクターとして「ドラゴンクエストX」よりアンルシアとネルゲルの登場が発表、キャストはそれぞれ、早見沙織さんと近藤隆さんが担当する。ステージにはキャストの1人である近藤さんが登場すると、白石氏とともに収録時のエピソードを披露していく。
収録自体は約半年前から行われていたそうで、白石氏は「イメージに齟齬がなく、スムーズに収録ができました」と語る。対する近藤さんは、膨大な量のセリフに苦労していたことも明かす。本作ではどのキャラクターも300~400ワードがあるということで、ボリューム面も期待できそうだ。
また近藤さんは「株」という言葉がセリフの中に入ったり、「いたスト」ならではのワードが出てくるのも魅力だとアピール。加えてアンルシアが顔を真っ青にするなど、表情でも本作独自の特徴が垣間見える。
「ドラゴンクエストX」からはキャラクターだけでなく、すごろく上のマップとして「カミハルムイ」も登場する。カミハルムイは1年中桜が咲いている美しい街で、プレイヤーからの支持も熱いため、今回の収録にいたったという。
ということで、ここからは「ドラゴンクエストX」のプロデューサー・齊藤陽介氏を交えて、カミハルムイのマップで実機プレイに。近藤さんは自身が演じるネルゲルを操作し、白石氏はククール、齊藤氏はフローラ、さらにアンルシアもNPCで参加するという組み合わせでゲームはスタート。
序盤は近藤さんが生アフレコを披露して会場を盛り上げると、それに触発されたのか齊藤氏もフローラに声を当てて楽しんでいた。最初はゲームの紹介を交えながらのプレイとなったが、徐々にどのマスへ行くか、そしてどの店舗を買うかをじっくりと考える本格的な対戦になっていく。残念ながら時間の都合で決着を付けることはできなかったが、思わず熱中してしまう「いたスト」の魅力は健在のようだ。
各作品の名シーンを額縁に入れて飾ることもできる「ミュージアム」機能も発表された。ここではキャラクターが名シーンについてコメントしてくれる。「FF」のキャラクターが「ドラクエ」のシーンにコメントしてくれることもあるという。
最後に斎藤氏は「XIのキャラクターはどうするの?」と白石氏に質問すると、白石氏は困った表情を見せながらも「前向きに検討します」と答えていた。9月6日にはWEB番組「いたストDQ&FF 30th!やろうぜ!ダイス・オン!TV vol.1」も配信される。ここでは本作に関する最新情報のほか、ゲストを交えたプレイも行われるとのこと。
「ドラゴンクエスト」初の対戦デジタルカードゲームは2017年秋配信
本ステージ最後のタイトルとなったのが、6月にβテストが行われ話題を集めたスマートフォン向けの対戦デジタルカードゲーム「ドラゴンクエストライバルズ」だ。本作を紹介するべく、ステージにはプロデューサーの二木達博氏、運営プロデューサーの富田裕介氏が登壇。まずは作品の説明を改めて行った。
「ドラゴンクエストライバルズ」は、歴代のキャラクターやモンスター、魔王などがカードになって登場するカードゲーム。プレイヤーは「バルガドの塔」を舞台に他プレイヤーと戦いながら高みを目指していく。
現在はβテストで得たフィードバックをもとに調整を続けている段階とのことで、配信時期は2017年秋を予定していることも明らかに。二木氏は「『ドラゴンクエストXI』や『いただきストリート』を楽しみながら待ってもらえれば」とコメントした。
また、βテストの段階では収録されていなかった新たなキャラクターとして、「ドラゴンクエストX」からヒューザ、最新作「ドラゴンクエストXI」からカミュとマルティナの参戦が発表。具体的な能力は伏せられたが、ヒューザに関しては「ヒューザらしい能力になる」というコメントがあった。またカミュは宝物を盗んでいるイラストが採用されており、能力もこれに合わせた内容になるとのこと。
二木氏は最後に、スマートフォン版からは遅れるものの「PC版も進めています」と発言、PCでの展開にも期待したいところだ。