アークシステムワークスが10月21日にビッグサイトTFTホールで開催した全国大会「ARC REVOLUTION CUP 2017 in 闘神祭(あーくれぼ2017)」。ここでは、各タイトルの決勝戦にフォーカスしてレポートする。
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アークシステムワークスタイトルの頂点を決する全国大会「ARC REVOLUTION CUP」、通称"あーくれぼ"。同社の創立25周年を記念して2013年より開催され、格闘ゲーマーにとっては毎年恒例のイベントとなている。
昨年同様、今年の「あーくれぼ2017」もタイトーが主催する「闘神祭」の中で行われた。
本大会の開催タイトルは「UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st](以下、UNI)」「ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド(以下、P4U2)」「GUILTY GEAR Xrd REV 2(以下、GGxrd REV2)」「ブレイブルー セントラルフィクション(以下、BBCF)」だ。
また、会場には様々なアーケードタイトルや対戦ゲームが試遊出展されており、ゲームを無料でプレイするチャンスとなっていた。中でも注目を集めていたのが2018年に発売を予定している「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」の試遊や、11月21日に稼働を予定している「ミリオンアーサー アルカナブラッド」の試遊だった。「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」のインプレッションは、こちらの記事で紹介しているので併せて確認してもらえると幸いだ。
なお、大会の全模様はTwitchにて視聴可能だ。
「UNI」部門の優勝は新キャラクターを使いこなした、ひしがた選手!
決勝戦は「エルトナム」を使うせなる選手と、家庭用版で追加された新キャラクター「ワーグナー」を使うひしがた選手の戦いとなった。
せなる選手は、本大会のトーナメントをここまで無敗で駆け抜けてきた猛者で、ひしがた選手は「KVO SUMMER」で準優勝した実績を持つプレイヤーだ。
開幕、主導権を握ったのはワーグナーとなった。エルトナムのアサルト攻撃にシールドを合わせて、しっかりと確反を決めていく。コンボで画面端まで運ぶことに成功したワーグナーが、得意のラッシュで相手の体力を残り3割まで減らすことに成功。最後は強化状態の“シュトルムブレハ”で押し込み、ひしがた選手が1ラウンドを先取した。
エルトナム側から展開していく形となった第2ラウンド。牽制攻撃からしっかりコンボに繋いでいき着実にダメージを与えていく。画面端から逃がさない立ち回りで一気に体力を削り、「スライド・エア」のガード不能攻撃で第2ラウンドはせなる選手が勝利した。
最終ラウンドは、お互いに一歩も引かない殴り合いとなった。しかし、相手を画面端まで押し込むことに成功したワーグナーが徐々に有利な形を作っていく。最後は画面端から逃げようとしたところをしっかり咎め、“ヒッツェフォーゲル”でトドメ。ひしがた選手の優勝が決定した。
順位 | 選手名 |
---|---|
優勝 | ひしがた選手【ワーグナー】 |
準優勝 | せなる選手【エルトナム】 |
3位 | Row選手【セト】 |
3位 | 時間切れ選手【リンネ】 |
シャドウキャラの爆発力が光った「P4U」決勝戦!
決勝戦は、「シャドウ天田」を使うレニ選手と、「シャドウ雪子」を使うヒロ選手の戦いとなった。
レニ選手は前大会の優勝者であるしぃた選手に勝利して決勝戦へと駒を進めたプレイヤーで、ヒロ選手は大会などでは中々結果を出しづらい雪子を使ってここまで勝ち進んだプレイヤーだ。どちらもシャドウキャラクターということで、爆発力を活かしたプレイが見どころだ。
第一ラウンドは、雪子の空間制圧力が光る試合となった。遠距離からガードを強要し動けなくなったところを固めていく試合展開で、一方的に雪子が強みを押し付けていく。試合後半は天田がペースを掴み始めるも、時既に遅し。タイムアップとなりヒロ選手が勝利した。
続く第二ラウンド、ハイジャンプで上から攻めを通したのは天田だ。一度捕まえてしまえばこちらのものと言わんばかりの攻めで、一気に雪子の体力を削っていく。コロマルを駆使した立ち回りで常にペースを握り続け、シャドウ暴走からの“アルティメットクロス”で一本取り返すことに成功した。
最終ラウンドは、第一ラウンドと同様に雪子がリーチを活かして試合を動かしていく。しかし試合中盤、雪子の逆ギレアクションを読みきったプレイから逆転の狼煙を上げるレニ選手。そこからはバーストも読み切ったプレイで主導権を渡さず、見事優勝の座を勝ち取った。
順位 | 選手名 |
---|---|
優勝 | レニ選手【S天田】 |
準優勝 | ヒロ選手【S雪子】 |
3位 | ろーりー選手【アイギス】 |
3位 | しぃた選手【ミナヅキ】 |
暴君小川が逆3タテ!新時代の大会実況システムも登場した「GGxrd REV2」決勝戦!
続いてのタイトルは「GGxrd REV2」、追加キャラクターや新要素が含まれた「ギルティギア」シリーズの最新作だ。
前年度は1on1だった本タイトルだが、今回はレギュレーションが3on3に拡大。「ギルティギア」といえば3対3のチーム戦が華ということもあり、大盛り上がりの模様となった。
また本タイトルでは、ゲーム大会実況システム「bi-e-Play」が導入されており、見どころの一つとなっていた。「bi-e-Play」は、ゲームの展開に応じて会場照明がショーアップされたり、プレイヤーのハンドスキルを映すカメラがリモート制御されたり、位置センサーを取り付けたカメラに使ってゲームの世界観に合わせたバーチャルセットが演出されるなど、さまざまなゲーム大会に特化した“魅せる”画面作りが可能なシステムだ。
今回お披露目された機能「Battle Timeline」は、格闘ゲーム大会の実況・解説の支援に特化したものだ。短時間に目まぐるしく試合展開が変化する格闘ゲームをわかりやすく解説するため、ゲームの流れを左右するようなシーンを自動抽出して瞬時にリプレイを再生することができる。またHPや各種ゲージ、バーストを発動したタイミングなどが一元管理されたグラフを表示することも可能となっており、新時代の大会観戦を体験することができた。
そんな舞台で激突するのは、T5M7選手、TAKA選手、勇選手で構成される「ランダムボタン暴れ」チームと、小川選手、るき選手、ダル選手で構成される「天下三分の計」チームだ。
「ランダムボタン暴れ」チームは、前大会優勝者のT5M7選手を筆頭にレオ、スレイヤー、ヴェノムという爆発力がウリのチーム構成。「天下三分の計」チームは、ザトー、ディズィー、イノというセットプレイが協力な構成だ。果たして2017年の壇上にも“サバンナの風”が吹くのか!? というところに注目が集まる。
初戦は勇選手のヴェノム vs ダル選手のイノの戦いとなった。切り返しの少ないヴェノムがイノの攻めをどれだけ捌けるかという部分が鍵となるが、予想に反しヴェノムが一方的に試合展開を作っていく。解説も驚くようなスーパープレイを魅せ、1ラウンドも落とさずに勝利を収めた。
「天下三分の計」チームは中堅として、るき選手のディズィーを選出し巻き返しを図る。開幕から“魚を捕る時に使ってたんです”で強気に攻めるディズィー。1ラウンドを取ることは出来たが、勇選手の圧倒的な空間制圧力と固めの前に敗れ去ってしまった。
後がなくなった「天下三分の計」チーム。満を持して登場するのは、大将の小川選手。しかし小川選手は過去にもこのような逆境を何度もはねのけてきたこともあり、まだまだ何が起こるか分からない場面だ。
勇選手のヴェノム vs 小川選手のザトーは、圧倒的なセットプレイで小川選手の勝利となった。立ち回りは五分といった様子だったが、一度触ってしまえば強力なセットプレイで一気に体力を奪うザトー。最後は相手の動きを完全に読みきった“置きギャラリー”で試合を決めた。
完全に流れを断ち切った小川選手。これを良しとせず中堅として立ち塞がるのは、前年度覇者のT5M7選手だ。試合開始から持ち前の攻めっけで押していくのはT5M7選手のレオ。しかし、その横押しには付き合わず徹底したキャラ対策を魅せる小川選手のザトーといった構図になった。こうなってしまうと、いくら爆発力のあるレオと言えども何もできない。ザトーの圧倒的な力の前に為す術もなく破れてしまった。
大将戦へともつれ込んだ「あーくれぼ2017『GGxrd REV2』部門」。泣いても笑ってもこれが最後の戦いだ。TAKA選手のスレイヤー vs 小川選手のザトーの戦い、ここでも小川選手の完璧なキャラ対策を見ることができた。TAKA選手に何もさせることなく着実な試合運びをみせ、見事逆3タテを成し遂げた。
順位 | 選手名 |
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優勝 | 「天下三分の計」(小川選手【ザトー】、るき選手【ディズィー】、ダル選手【イノ】) |
準優勝 | ランダムボタン暴れ(T5M7選手【レオ】、TAKA選手【スレイヤー】、勇選手【ヴェノム】) |
3位 | ツンゴ教(天道花燐選手【ラムレザル】、りおん選手【カイ】、二代目幻影人選手【ジャック・オー】) |
3位 | 夢弦鳳勇(芭蕉選手【ジャム】、ちゃちゃちゃ選手【クム】、さばみそ選手【ベッドマン】) |
ゴルベーザ―が大会2連覇を達成!「BBCF」決勝戦をレポート!
「あーくれぼ2017」の最後を飾る「BBCF」の決勝戦は、チームゴルベーザ―(イワシ選手、フェンリっち選手)とチームファジーで連絡します。(もけもけ選手、ろにった選手)の対戦となった。
チームゴルベーザ―は、前大会でも圧倒的な強さを見せつけて優勝した兄弟によるチームということもあり、大会連覇に期待がかかる。
先鋒戦はイワシ選手のラグナ vs もけもけ選手のレリウスの戦いとなった。イグニスを絡めた強力な固めで圧倒するのはレリウス。1チャンスからの豊富な攻め手で一気に先鋒戦を制する。
続いての試合はフェンリっち選手のジン vs もけもけ選手のレリウス。チームゴルベーザ―はこれ以上負けることができなず、追い込まれた形となる。お互い譲らずゲームカウント1:1まで進んだ先鋒大将戦。しかし、相手の空振りに5Cをカウンターで叩き込みフェンリっち選手が勝利した。
大将戦までもつれ込んだ決勝戦。全てが決まるこの舞台で相対するのは、フェンリっち選手のジン vs ろにった選手のEsとなった。第一ラウンドはフェンリっち選手が立ち回りの強さを見せて先取するも、クレストアーツを使った細かい固めで1ラウンド取り返すろにった選手。最終ラウンドは、序盤有利に試合を運んでいたのはEs側だったが、ジンも空中戦をきっかけに自分のペースを作っていく。最後はジンの6Aラピッドキャンセル5Bから相手をしっかり倒し切るコンボ選択をみせてフェンリっち選手が勝利。チームゴルベーザ―が見事2連覇を成し遂げた。
順位 | 選手名 |
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優勝 | ゴルベーザ―(イワシ選手【ラグナ】、フェンリっち選手【ジン】) |
準優勝 | ファジーで連絡します。(もけもけ選手【レリウス】、ろにった選手【Es】) |
3位 | 捨てる神あれば拾う神あり(玉井さん選手【ヒビキ】、ヤマシタ選手【イザナミ】) |
3位 | 明鏡止水(コイケ選手【ライチ】、えーすけ選手【カルル】) |
「BLAZBLUE CENTRALFICTION Braver's Revel 2018」の開催も発表された表彰式
表彰式では、各タイトルの優勝者と準優勝者にゲーム内称号と副賞が贈られた。また「ブレイブルー」シリーズのプロデューサーを務める森利道氏より、「BBCF」を種目とした大会「BLAZBLUE CENTRALFICTION Braver's Revel 2018」の開催が発表された。大会レギュレーションが2on2から3on3に拡大されることも明らかとなり、会場は大きな歓声に包まれた。続報は11月頃に発表されるようなので、今後の動向に今から注目しておこう。