2017年12月14日に、角川ゲームスより発売されたPS4/PS Vita用ソフト「デモンゲイズ2 グローバルエディション」。ここでは、本編のクリア後にプレイできる「柳生斬魔録」のプレイインプレッションをお届けする。

個性的な「デモン」達を仲間に加えながら、アステリアの開放を目指して戦う

角川ゲームスと「ジェネレーションエクス」シリーズや「円卓の生徒」シリーズなど、骨太なダンジョンRPGで知られるエクスペリエンスが手がける「デモンゲイズシリーズ」最新作の「デモンゲイズ2」。「デモンゲイズ2 グローバルエディション」は、対応ハードにPS4を加え、英語音声と文字表示、通常版ではDLCとして配信されていたハードコアコンテンツ「柳生斬魔録」を予め収録したバージョンとして発売されたタイトルだ。

既にPS Vitaで「デモンゲイズ2」をプレイした方はご存知だと思うが、まずは基本的な要素から紹介していこう。

「デモンゲイズ2」の舞台となるのは、前作「デモンゲイズ」の世界観から数年後の、四方を海に囲まれた都市国家である「アステリア」。しかしアステリアは、人々を魅了するスターゲイズの力をもつマグナスターによって支配されており、主人公らが属するアステリア革命団は、その支配から人々を開放するべく立ち向かうことになる。

マグナスターは半機械生命体である「デモン」も支配しており、様々なダンジョンのボスとしてアステリア革命団の前に立ちふさがってくるのだが、とあることからデモンを使役する存在である「デモンゲイザー」となった主人公は、そのデモンを仲間にすることができる。仲間となったデモンはパーティに編成して共に戦うことができるようになる。

前作「デモンゲイズ」では、プレイヤーがキャラクターメイキングで作成したキャラクターでパーティを組むスタイルとなっていたが、本作では一般的なRPGと同じような形で、様々な個性付けがされたキャラクター達がストーリーの進行にあわせて加入していくようになった。

こうして仲間になったデモンと共にダンジョンに潜り、強力な装備品やレベルを上げて、さらにパーティを強化していくという、俗に「ハック&スラッシュ」とも言われる、ダンジョンRPGではお馴染みのジャンルの楽しみ方もできるようになっている。

「デモンゲイズ2」では、様々な個性的な戦闘システムが用意されており、デモン達を一時的に変体させてパワーアップさせる「トランスデモン」もその1つ。トランスデモン中は、デモンの能力が上昇することに加えて、「デモンスキル」と呼ばれる強力なスキルも使用可能となる。ただし、トランスデモン中の時間経過やデモンスキルを使用すると、戦闘中蓄積される「スターゲージ」を消費し、このゲージが0となるとトランスデモンが終了してしまう。

またトランスデモン中は、主人公と任意のデモンが合体する「デモンクロス」も使用可能に。デモンクロス中の主人公はデモンの力を有し、圧倒的な手数で一気に攻撃を仕掛けられるのだが、莫大なスターゲージを消費してしまう。

ゲージが無くなってしまうと合体が解除され、その後は合体相手のデモンが衰弱してしまうというデメリットも存在する。最後のトドメとして畳み掛けるなど、ここぞという場面の見極めが重要となってくるシステムだ。

この他にも、メンテクリスタルを消費してデモンとコミュニケーションを取り、その親密度を高めてデートイベントを楽しんだり、拠点となるステラ座でデモンの部屋割りを決め、家具を配置することでその性能をさらに強化するなど、様々な要素が存在する。

「デモンゲイズ2」をまだプレイしたことがないという方は、過去のインプレッション記事も参照してみて欲しい。

PS Vitaでの軽快なゲームテンポが、そのままPS4に!

そして本題となる「デモンゲイズ2 グローバル エディション」だが、今回はPS4版をプレイ。真っ先に感じたのは、いい意味でPS Vita版から変わっていないことだ。

既にプレイした方は分かってもらえると思うのだが、「デモンゲイズ2」はUIの軽快さ、ロード面の速さなど、近年のゲームを見ても、これ以上のものを探すのが難しいのではないかと思えるほど、快適なゲームプレイを実現させているタイトルだ。PS4版でも、PS Vita版でのサクサク感は変わらず、ストレスなくゲームプレイに没頭することができる。

ただ、タッチ操作がなくなったことで、デモンとコミュニケーションを取る際や、ジェムをセットする場面など一部の操作に変更が加えられているものもある。このあたりはやはり元々想定されたUIであるPS Vita版の方がしっくりとくるように感じたが、やはりそれ以上に大画面の魅力というのは大きい。

「デモンゲイズ2」は、登場するかわいらしいデモン達も大きな魅力の1つなので、そのビジュアルをじっくりと堪能できるのは嬉しい。筆者はダンジョンRRPGに関しては、PSVitaで遊ぶことが多かったため、大画面で遊ぶのはやや新鮮な感覚だった。

「グローバルエディション」ならではの新要素として、新たに追加された英語音声と言語については、オプションを開けばいつでも切り替えが可能。音声と文字は別々に設定できるので、日本語表示のまま音声だけを英語にする、字幕映画のような感覚でプレイすることも。同じシーンでも、英語音声で聞くと異なった印象を受けるので、一度エンディングを迎えたというプレイヤーは、音声を切り替えてプレイしてみるのも良いだろう。

前作「デモンゲイズ」に登場したミスリッドが再び冒険の舞台に!

「柳生斬魔録」の物語は、アステリア革命団が革命を成し遂げたあとの後日談が描かれ、カッスルと主人公が、メンテナンス室で見つけたラジオを見つけたところから始まる。

ラジオは、助けを求める声を拾っており、カッスルはその声の持ち主が、竜姫亭の副管理人・ピーネのものであることに気づく。主人公達は、レゼルムがこっそりとしかけていた転移鏡を用いて、竜姫亭のあるミスリッドへと向かうことになる(ミスリッドと竜姫亭は前作「デモンゲイズ」の舞台でもある)。

そんな主人公たちの目に飛び込んできたのは、巨大なキノコが生い茂った竜姫亭の姿。その異変を解決するべく、カッスルの案内の元、異変の要因となったグリムダール城へと向かうことになる。

しかし、中はカッスルが知る城とは様子がことなっており、本来上層にあるはずの「エデン」と呼ばれる危険な区画がいきなり出現。さらに「デモンゲイズ」で一度仲間になったはずのデモン達の影が何者かによって操られ、主人公達に襲い掛かってくる。

ミスリッドでの冒険では、再び竜姫亭が拠点となる……のだが、序盤はキノコが
覆い茂っており中に入ることができない。ピーネが寝泊まりしているキャンプから、
すぐにステラ座に戻ることもできるので安心だ。

ここからいよいよダンジョンの探索がスタートすることになるのだが、グリムダール城内部に出現するデモン達はとにかく手強い。というのも、グリムダール城には、難易度設定が「あつい」以上でないと侵入できないという制限が課せられている。

これまで筆者は一般的なゲームのノーマルの難易度に相当する「あったかい」で本編をプレイしていたため、急激に手強くなったエネミーのギャップにはかなり驚かされた。

ボスは当然のことながら、道中の雑魚も油断ができない相手となっており、高速戦闘でスキップしているとパーティが壊滅しかかっていた……ということもしばしば。

ただし、パワーアップするのは敵だけではなく、「柳生斬魔録」では、キャラクターのレベル上限が99へと引き上げられているのに加えて、店で購入可能なアイテムも追加されている。揃えを十分にしてから挑むことをオススメしたい。

序盤に出現する敵では、ナべリウスが非常に厄介。
見かけたらトランスデモンや攻撃を集中させ、早めに倒しておきたい。

行く手を阻む強力なデモンたちと豊富なダンジョンギミックで、やりごたえは十分!

プレイヤーは、「デモンゲイズ」の時とは逆に、最上層であるエデンから、グリモダール城の下層を目指すことになるが、先に進むためには、それぞれの階層にいるボスデモンを倒す必要がある。

その最初の相手となるのが、前作では最後に加入するデモンでもあった「M・エリス」。とにかくエリスは耐久力が尋常ではないほどに高く、同時に出現してエリスへの攻撃を阻んでくるシールドシードの存在も相まって、かなりの長期戦を強いられる。火力をそれほど重視していないメンバーだったのもあり、最初は「これは特殊な条件を満たさないと倒せないのでは?」と勘違いしてしまったほどだ。

その分、攻撃力はそれほど高くないのだが、「沈黙の言霊」で全体魔法の使用を封じてくるなど、高い頻度でこちらの攻撃を妨害してくることもあり、思うような連携を取ることができない。それでも特殊能力を主軸にダメージを重ね、なんとか倒すことはできたものの、初戦からかなりの苦戦を強いられてしまった。

無事幻影のデモンを倒すと、闇天使の欠片を入手。
ステラ座に持ち帰ると、スターゲージの最大値を更に高めてくれる。

なお、ここで戦うことになるデモン達はあくまで幻影のような存在であるため、倒しても仲間にはならない。しかしエリスの次に戦うことになるボスであるキャンサーは、アステリア生まれのデモンであるため、ステラ座に魂を持ち帰ることで、パーティキャラクターとして加入してくれる。

キャンサーは、一定確率でスターゲージを上昇させる 「キャンサースタリカ」と、ターン終了時にスターゲージを上昇させる「スターリジェネ」という、スターゲージに関係したスキルを習得するのが特徴。キャンサーがパーティにいるだけで、スターゲージの維持やゲージ溜めが劇的に楽になり、切り札でもあるデモンスキルやデモンクロスを積極的に使用していけるようになる。育成には骨が折れるものの、パーティに編成する価値は十分にあるデモンだ。

左右にカニのような動きで往復し、カニの心意気を示すことで扉が開いたり、ダンスの動きとして、指定された方向と歩数に正しく移動するなど、ダンジョンのギミックも本編と同様に様々なバリエーションが用意されている。特に後者は、移動ルート上に配置された滑る床のトラップの影響で方向を見失いやすく、一筋縄ではいかない内容となっていた。

ダンジョン内にある「魔石」に触れることで迷宮が力を取り戻し、
竜姫亭から魔石の存在する地点にショートカットできるようにもなる。

そうしてグリモダール城の中を進んでいくと、前作「デモンゲイズ」で死んだはずの邪眼使い「ランスローナ」にうりふたつの人物の姿が。彼女はカッスルやピーネのことは覚えていないらしく、主人公達に警告をして去っていく。そんな亡き女性にうりふたつの人物についての謎を解き明かすため、主人公たちは城のさらに奥深くを目指して探索していくことになる。

プレイを通して感じたのは、ハードコアなDLCと銘打たれているだけあり、とにかくやりごたえ十分な内容だということだ。今回紹介した範囲は、まだDLC全体の内の序盤といったところで、この「柳生斬魔録」だけでも1本のゲームとして十分成立するほどのボリュームとなっている。

特に筆者のように「あったかい」でゲームを進めていたプレイヤーは、厳しい戦いを強いられることなるかと思うが、本編以上にバフ・デバフを駆使しつつスキルの組み合わせを工夫し、自分なりの攻略法を生み出していくのはやはり楽しい。

また「デモンゲイズ2」全体に言えることだが、MPを消費せずに使える特殊技能の存在や、すぐ拠点に戻ることができる「リターンドア」の魔法を最初から主人公が習得しているなど、ユーザーフレンドリーなシステムが多く、ゲームテンポが非常にスムーズなので、ストレスのたまりにくい作りとなっている。そのため、ダンジョンRPGに敷居の高さを感じているプレイヤーにも、是非一度体験してもらいたいタイトルだ(ただ、「柳生斬魔録」に関しては、心して挑んでもらう必要があるが)。

エデンから下層へと降りていくという点だけではなく、ボスとなるデモン達の出現する順番など、前作をプレイしていると思わず「ニヤリ」としてしまうような要素も満載。ダンジョンRPGファン、特に「1」をプレイしたことのあるユーザーは、この「グローバルエディション」発売の機に、再度ミスリッドへと旅立ってみることをオススメしたい。

なお、現在PS Storeで前作の「デモンゲイズ Global Edition」がワンコイン(500円)で購入できるセールが実施中だ。ミスリッド地方のことを知りたい人は、こちらも併せてチェックしてみてはいかがだろうか。

セール期間:2017年12月14日から2018年1月8日まで
URL:https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0117-PCSG00284_00-DEMONGAZEPSV2014

デモンゲイズ2 グローバルエディション

角川ゲームス

PS4ダウンロード

  • 発売日:2017年12月14日
  • 15歳以上対象

デモンゲイズ2 グローバルエディション

角川ゲームス

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2017年12月14日
  • 15歳以上対象

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(C)2017 KADOKAWA GAMES/EXPERIENCE

※画面は開発中のものです。

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この記事のゲーム情報

デモンゲイズ2

ファンタジー・ダンジョンRPG
機種
PS4PSVita
プラットフォーム
パッケージ
OS
会社
角川ゲームスエクスペリエンス
シリーズ
デモンゲイズ
ジャンル
RPG
クリエイター
安田善巳千頭元河野順太郎安宅元也
公式サイト
公式サイト公式サイト
  • セール情報
  • プリコネR特集
  • 「黎の軌跡(くろのきせき)」特設サイト

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