より遊びやすく、新たな戦略性と共に生まれ変わった地球防衛軍――「デジボク地球防衛軍(略)」プレイインプレッション

プレイレビュー
0コメント 米澤崇史

ディースリー・パブリッシャーから、2020年12月24日に発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト「ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS」。発売前に本作をプレイする機会を得たので、そのインプレッションをお届けしていく。

4人のブラザーでチームを編成し、操作キャラクターを切り替えながら戦う

地球防衛軍の一員として、巨大な侵略者と戦う人気3Dアクションシューティング「地球防衛軍」(以下、EDF)シリーズの最新作となる本作。これまでのフォトリアルから「Minecraft」のようなボクセル調のグラフィックへと一新されたのが大きな変化と言えるが、ステージを選択し、出現する大量の巨大生物を次々と倒していく、基本的なゲームの流れは従来の「EDF」シリーズ作品と同様。ただ、ナンバリングタイトルとは異なるということもあり、システム面に大きな変更が加えられている。

その中でももっとも大きいのが、本作では1戦闘中、4人のキャラクターを切り替えながら戦うことができる「ブラザーチェンジ」システム。従来の「EDF」シリーズでは、レンジャーやウイングダイバーなど、EDF隊員の兵科によって装備できる武器や立ち回りが変化していたが、本作では兵科ではなく隊員は「ブラザー」と呼ばれ、それぞれが異なる独立したキャラクターとして描かれるようになった。また1回の戦闘では4人までのブラザーを同時出撃させることが可能で、プレイヤーは戦闘中に任意のタイミングで操作するブラザーを切り替えることができる。

ブラザーはかなりのバリエーションが存在し、陸戦兵、ペイルウイング、レンジャー、ウイングダイバー、フェンサー、エアレイダー、バトルアーマー、プロールライダーなど、これまでの「EDF」シリーズに登場したすべての兵科がブラザーとして登場する他、日本なら忍者、アメリカならカウボーイといったように、世界各国をモチーフとした本作オリジナルのご当地隊員達もプレイアブルキャラクターとして大勢登場する。

さらに本作ならではの要素として、クールタイムを一定時間挟むごとに使えるようになる「アビリティ」と、敵を攻撃したり撃破した際に溜まっていくゲージを最大までためることで発動できる「スペシャル」の2つのアクションが存在し、これによってブラザー達の性能の差別化が図られている。

例えばレンジャーや陸戦兵は、おなじみのローリングを行う「緊急回避」、ペイルウイングやウイングダイバーは「飛行」のアビリティを所持しており、ウイングダイバーで建物の上に飛行して移動してからレンジャーに切り替え、高所からスナイパーライフルやグレネードでの攻撃を仕掛けるといった、従来のシリーズ作品ではできなかった戦術が取れるようになり、戦い方の幅は劇的に広がっている。

また各シリーズの陸戦兵やレンジャーは、同じローリングによる緊急回避のアビリティをもっているが、「5」のレンジャーは範囲内の味方を回復、「IR」のトルーパーは自身の能力を一時的に強化するオーバードライブ、「3」の陸戦兵は周囲に回転しながらダメージを与えるといったように、切り札ともいえるスペシャルの性能が異なる。他にも「5」のレンジャーはダッシュ、「IR」のジェットリフターは空中でのダッシュが可能でペイルウイングやウイングダイバーよりも降下の速度が速かったり、歴代EDF隊員はオリジナル版のアクション性が細部まで再現されている。歴代の「EDF」シリーズをプレイしているファンであれば、ニヤリとできること間違いなしだ。

とくに使い勝手がいいと感じたのが「4」や「5」の兵科であるエアレイダー。ローリングでの回避が可能ながら、広範囲の敵を攻撃できるアビリティやスペシャルの性能はかなり強力でポイントゲッターとしての能力が非常に高い。飛行系のブラザーとの相性も良好で、弱点であるアビリティのクールタイムのフォローもやりやすく、本作のシステムとの相性が良い。

一方、本作オリジナルのご当地隊員たちは、城壁を設置して障害物を作ったり、一定範囲内の周囲の隊員を強化するなど、従来の「EDF」シリーズに存在しなかったアクションを所持していることが多いため、シリーズの経験者も新鮮な気持ちでプレイできる。

ただEDF隊員たちに比べると緊急回避や飛行が行える隊員が少なく、敵に囲まれた時の対処が難しかったり、短所と長所がはっきりしたピーキーな性能になっていることが多いと感じた。このあたりは、先程も紹介したブラザーを交代するシステムで、それぞれの短所を補えるようなチーム編成を事前に組んでおくことも重要になってくるだろう。

アーマーの回収がついに不要に! 武器の収集要素も大きく変化

ブラザーたちは、1ステージごとにある程度ランダムで3人が配置され、ブラザーの近くに移動して救出を行うことでチームに加えることができる。この時、ブラザーはあらかじめ武器を1種類装備しており、1度仲間にしたブラザーの武器は、出撃準備時に他のブラザーにも装備させることができる。つまりは、武器とブラザーが紐付いた形となっており、「各地のブラザーを集める=従来のシリーズ作品における武器の収集」に相当する要素となっている。

ただ、1人のブラザーが初期状態で装備できる武器のカテゴリーは1種類のみ。ステージにいる同じブラザーを救出してスキルレベルを上昇させることで使える武器のカテゴリーが追加されていくという仕様になっている。

ブラザーの数は膨大で、1人のブラザーごとにパラメーターが微妙に異なるバリエーションも存在するため、今回のゲーム序盤のプレイではなかなか重複が発生せず、スキルレベルの育成はそれほど進まなかったのだが、プレイを重ねていけば、従来のEDFシリーズに近い自由度で武器の変更ができるようになると思われる。お気に入りのブラザーの武器カテゴリーが使いにくい場合に、使い慣れた武器に変更したり、ウイングダイバーやペイルウイングにスナイパーライフルを持たせて、飛行で高台の上に移動して狙撃したりといった、デフォルトの装備とは異なる戦い方も可能になる。

ブラザーと武器が紐付いた関係になったことで、ステージ内で武器がドロップすることがなくなった。それに加えて本作では、武器だけではなくアーマーもステージにドロップしないようになり、ステージクリア時に決まった数値分アーマーが上昇する形式に変更になっている。

そのため、これまでのEDFシリーズでお馴染みとなっていた、ステージクリア前に敵を数体だけ残し、落ちているアーマーや武器をすべて回収してから残りの敵を倒してクリアする……という作業が一切不要になることに。これによりサクサクと次のステージに進めるようになったので、ゲームテンポが劇的に改善されている。敵が無限湧きするステージで延々とアーマーを稼ぎ続ける……といったプレイこそできなくなったものの、個人的にはこの変更はプラスに働いていると感じられた。

またこれまでのシリーズでは、持てる武器の数が少なかったこともあり、特定の状況や敵に対してのみ有効な武器は選択しにくく、汎用性の高いアサルトライフルやロケットランチャーの優先度が高くなり、1度も使わないまま終わる武器も少なくなかった。今回は実質4つの武器をブラザーを交代しながら使えるため、特定の状況下や射程で有効になる、局地戦向けの武器も選びやすくなっている。

剣や刀など、近接用の武器が充実している点のも特徴。汎用性では重火器にはやはり劣るが、攻撃力が高く、巨大な敵に対して相性が良いなど輝く場面もあり、意外と侮れない性能をもっている。ブラザー1人分の枠を割く価値は十分にあるかもしれない。

近接武器の中には、敵に向かって大きく踏み込んでくれるタイプもあり、それほど扱いは難しくない。
足元に潜り込んだ方が戦いやすくなるタイプの大型の敵に対してはかなり相性がいい。
アクセサリーを装備して、よりブラザーの性能を強化することも可能。
強力な効果をもつアクセサリーの中にはデメリットがあるものも。

より万人が遊びやすいアクションシューターに

本作ではグラフィックがボクセル調に変更されたことは冒頭でも述べたが、これによる影響は見た目の変化だけには留まらない。これまでのシリーズでは、建物などのオブジェクトは、一定ダメージを受けるとオブジェクト全体が全壊する仕様となっていたが、本作では攻撃が命中した地点のブロックだけがダメージを受けて破壊されるようになった。

これを利用して、建物の一部の壁だけを破壊して建物の中に入り、その隙間から侵入しようとする巨大生物を迎え撃って一網打尽にするといった、能動的に地形を利用した戦い方もできるようになる。また建物だけではなく、木の上などにも簡単に着地できるようになったため、足場として利用できる地形自体も大幅に増えている。

高難易度では、安全に戦えるポイントを見つけ出すのも重要になるが、
本作ではそれを自ら作り出すことができるように。

グラフィックの変更に伴い、侵略者たちの不気味さが薄れたのも特徴。これは好みが分かれる部分でもあるが、シリーズが進み、グラフィックがリアルになっていっていた関係上、侵略者の尖兵である巨大昆虫たちも現実に近い見た目にどんどん近づき、虫が苦手な人がプレイするのには少し厳しいシリーズにもなりつつあった。本作は蜘蛛やアリも巨大さはそのままながら、かなりポップな見た目になったので、虫への耐性がない人にもとっつきやすいはずだ。

その他のゲームプレイ部分の変化として、筆者の体感ではあるが、武器のリロードが従来のシリーズよりも全体的に長めの時間に設定されているように感じた。その分、操作を他のブラザーに切り替えても、その前に開始されたリロードやアビリティのクールタイム回復が継続する仕様になっているため、リロードやクールタイムに入ったら操作を一度切り替えることで、攻撃を途切れさせずに戦うことができる。

さらに本作の回復アイテムは、操作キャラクターのみを回復するものとチーム全体を回復するものの2種類があり、どのキャラクターを優先して回復するか考えたり、スペシャルの発動に必要なSPゲージは敵を撃破した時に大きくたまるため、トドメの前にSPゲージを溜めたいブラザーに操作を切り替えるなど、異なる戦略性も生まれるようにもなっている。

ストーリーも、従来のシリーズ作品とは大きく雰囲気が異なる。本作の地球は「ダークレジオン」と呼ばれる新たな侵略者に狙われており、いきなり地球がバラバラにされるという衝撃的な展開で物語の幕が上がることになるのだが、あまりキャラクター達に悲壮感はなく、ノリも明るい。「今回は強制負けイベント」のようなメタ発言が飛び出したと思ったら、侵略者と戦いながら味噌汁の具を集めるなどのカオスな展開もあり、全体的にギャグテイストも強めで、毛色の異なるストーリーが展開される。

ストーリーにシステム、グラフィック等の様々な変化を通して感じたのは、本作がよりカジュアルに、遊びやすさを重視して作られた「EDF」シリーズだということ。一部の武器にはオートエイム機能があるものもあり、画面分割やオンラインでの協力プレイ、ステージごとの難易度選択といった要素ももちろん健在なので、シリーズを一度もプレイしたことがない人や、低年齢層やファミリーでも安心して遊べるタイトルとして仕上がっている。

チームに設定できるエンブレムは、ゲーム内の条件を満たすことで解放されていく、やりこみ要素にも位置づけられる。

一方、歴代のシリーズの侵略者が敵として多数再登場するなどファンサービス要素も豊富で、シリーズファンなら「こんなやつと戦ったなぁ」と懐かしい気分に浸れること間違いなし。「4」のウイングダイバーが京都弁で高所恐怖症だったり、プレイヤーのアバターであったEDF隊員にキャラクター付けがされているのも新鮮だった。

シリーズ初心者、シリーズファンともに楽しめる、より万人向けのアクションシューターとして生まれ変わった「ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS」。年末年始は、是非ともEDFの隊員となり、侵略者との戦いに身を投じてみて欲しい。

※画面は開発中のものです。

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