スクウェア・エニックスより発売中のPS4/Nintendo Switch/Steam/iOS/Android用ソフト用ソフト「サガ フロンティア リマスター」をプレイしたライターによる座談会の模様をお届け!

「サガ フロンティア リマスター」はリマスターされた美麗なグラフィックや、新たな主人公・ヒューズや未実装だった幻のイベントの追加、倍速などの新機能が実装され、新しく生まれ変わった作品。

この座談会では当時からのファンと、本作ではじめて「サガフロ」に触れたライターのふたつの視点から作品の魅力に迫っていく。

※この記事には「サガ フロンティア リマスター」のネタバレが、少なからず含まれます。ご了承ください。

座談会参加メンバー

カワチ

この座談会をするために生まれてきたフリーライター。キレると手がつけられないことからクレイジーカワチと呼ばれている。アセルス編が大好きでリマスター版もアセルス編からプレイしたが、難しすぎてクリアできなかったので簡単なエミリア編からやり直した。

マスクド・イマイチ

カワチと同年代のゲーム系編集ライター。ここ数年ソシャゲどっぷりで据え置きやってなかったのを反省しながら「サガフロ」をプレイした。好きなサガシリーズのダンジョンは「カイの体内」。何かに目覚めかねない。「ロマサガRS」のガチャで一喜一憂する毎日。

テラシマ

スマートフォンを中心にゲームを紹介するゲームライター。「サガフロ」は遊びたくても遊べなかった幻のサガだったので大喜びでプレイ。イチオシのサガは「ミンサガ」、好きなキャラはミリアム(SFC)。

「サガ」シリーズとの出会い。そして魅力

カワチ:みなさん、お集まりいただきありがとうございます! もともと「サガ フロンティア リマスター」は趣味でプレイしていたのですが、「ちょっとこれはちゃんと推したいな」と思い、座談会を行うことにしました。

イマイチ:「サガフロ」好きということで、カワチくんに呼び出されたイマイチです。よろしくお願いします。

テラシマ:ゲームキャストというゲームブログをやっているテラシマと申します。よろしくお願いします。

カワチ:テラシマさんは、「サガ」シリーズのファンであるものの、「サガフロ」は今回がはじめてのプレイだとお聞きして参加してもいました。

テラシマ:そうですね。すべてのタイトルをプレイしているのですが、オリジナル版の「サガフロ」は未プレイでした。

カワチ:まずは「サガ」歴をふくめて自己紹介しましょうか。自分は今年40歳で、ゲームボーイで発売された「魔界塔士Sa・Ga」の世代でもあるのですが、ハマったのはスーパーファミコンの「ロマンシング サ・ガ」からです。「サガ」シリーズといえば、今ではニッチな印象がありますが、当時のスクウェアのRPGは王道中の王道で、メジャーな位置付けでした。そのため、「ロマサガ」も学校のクラスのみんながやっていたし、自分も当然やりました。その「ロマサガ」の流れで「サガフロ」もプレイしました。

イマイチ:今はソーシャルゲームがメインで育成要素のあるRPGを中心にプレイしています。そのため、「サガフロ」は久しぶりに据置機のゲームをプレイしたような気がします。ここまでガッツリとプレイするのは「Ghost of Tsushima」以来かな。オリジナル版の「サガフロ」は各キャラクターひとりずつクリアしていて、攻略本の解体真書も読みました。

カワチ:解体真書は自分の中ではソフトと同じぐらいマストアイテムです。あの本でしか読めない設定がたくさんある(笑)。

イマイチ:そうなんですよね。でも自分は最初の解体真書しか読んでなくて、次に発売された裏解体真は買うタイミングを逃しちゃった。このタイミングで買おう思ったら、ちょっとプレミアになってた(苦笑)。

カワチ:「サガ」歴に関してはどうですか?

イマイチ:じつはいちばん最初にプレイしたRPGがゲームボーイの「魔界塔士Sa・Ga」でした。RPGのスタンダードを知らなかったので、これが普通だと思ってプレイしていましたね。そのあと、ファミコンの「ファイナルファンタジーIII」をプレイして同じメーカーなんじゃないかなと気付きました。

カワチ:「魔界塔士Sa・Ga」はファイアやブリザド、スリプルなど魔法名が「ファイナルファンタジー」シリーズといっしょですもんね。

イマイチ:そうそう。その後、「魔界塔士Sa・Ga」をクリアしたあと、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のシリーズ作をプレイしていって、「あれ? もしかして「サガ」って普通のRPGじゃないのかな」と思うようになりました(笑)。

テラシマ:自分はゲームブロガーからライターになったぐらいのゲーム好きで、今はスマートフォンのゲームを中心に遊んでいます。「サガ」シリーズは「魔界塔士Sa・Ga」からハマって、「Sa・Ga2」、「Sa・Ga3」とプレイし、「ロマサガ」シリーズとリメイク版全作、「アンサガ」や「ミンサガ」もプレイしてます。シリーズは本当に好きで、遊んだ中で嫌いなタイトルはひとつもないです。

カワチ:なるほど。「アンサガ」はアクの強い「サガ」のなかでもとくに好き嫌いが分かれるタイトルですよね。自分も嫌いではないですが。

テラシマ:「アンサガ」は説明書が不十分なだけで、あとはロード時間に目をつぶれば面白いですよ。

カワチ:システムを理解すると面白いですよね。ちなみにそれだけ「サガ」シリーズに思い入れがあるのに「サガフロ」に触れなかったことの理由は?

テラシマ:PS本体が不調で動かなくなってしまったんです。ゲームアーカイブスでも配信はされているのですが、いつかやりたいと思いつつもタイミングを逃してしまっていて。今回ようやくプレイできた形です。

カワチ:ボクもディスクが読み込まなくなって、PSの本体を縦置きにしてプレイしていました。

イマイチ:わたしも。当時のあるあるですね。ちなみにわたしはアーカイブスで配信されたときに購入してプレイしたのですが、思っていたより動きがもっさりしすぎていて放置してしまいましたね。

カワチ:今回の3倍速を体験するとオリジナル版には戻れませんよね。「サガフロ」の魅力を語る前に、まず「サガ」シリーズ全体の魅力を話していきたいと思うのですが、みなさんはいかがでしょうか? 自分は改めて考えたときにイトケン(伊藤賢治)さんの音楽かなと思いました。「サガ」シリーズは難易度が高すぎて心が折れそうになることも多いけど、イトケンさんの格好いい音楽のおかげで頑張れる(笑)。

イマイチ:RPGは戦闘をしている時間が長いのでバトル曲は刷り込まれますよね。

テラシマ:戦闘の音楽は格好いいですよね。「ミンサガ」のボーカル入りの曲がすごく印象に残っています。

イマイチ:ミニオン戦の“熱情の律動”ですね! 自分は「サガ」はつねに新しいことに挑戦しているのが魅力だと思っています。ほかのRPGのシリーズはある程度フォーマットがあり、追加要素を加えていくと思うのですが、「サガ」はその作法を壊してでも新しいことをやろうとするんですよね。たとえば「サガフロ」はさまざまなキャラクターが主人公のオムニバスでしたが、「サガフロ2」はギュスターヴとウィル・ナイツのふたりの物語になっていたりして、評判のよかったところも改めて、見直しています。毎回なにがでてくるかわからないところがワクワクするし、たとえそれが最初は苦いものでも食べ続けることで旨味がでてきたりするところが魅力かなと思います。

カワチ:バトルデザインを担当している小泉今日治さんは自分でも楽しめるように作品を作っているそうです。そのため、閃きや連携といったプレイヤーにも予測できないシステムが次々に盛り込まれていくのでしょうね。絶対に勝てないと思いつつも、なにかしらワンチャンあるのでついつい挑戦してしまうのが「サガ」シリーズ。

イマイチ:レベルアップとは別軸に成長要素があるのがいいですよね。

テラシマ:「サガ」シリーズは何周もプレイして楽しめる作品だと思うのですが、遊んでいくうちにプレイヤーに経験が積もっていくんですよね。たとえば「ロマサガ」であれば、どんなに弱くてもイフリートはアクアマリンがあれば倒せるだとか。本来は行けないようなところにも行けるようになり、自分だけの旅ができるようになる。そうしていくうちに世界が自分のものになっていくような感覚になるんです。そのため、「サガ」シリーズは超ロングスパンのローグライクをプレイしているような楽しさがあると思っています。

イマイチ:そういう意味では、自分は今、リマスターの「サガフロ」を何周かプレイしましたが、最初にスクラップに行ってリュートとT260を仲間にするとか、ドゥヴァンにいって術のイベントを進めるとか、だいたいやるべきことが決まっていきましたね。久しぶりにプレイしたときは「なにをすればいいんだっけ」と迷ったし、全体の音波攻撃を食らって全滅しました(笑)。

カワチ:「サガフロ」はそこの導線が不親切すぎる気もします。ドゥヴァンでイベントを発生させるのはこのゲームの基本ですが、その説明はまったくないですからね。テラシマさんは、はじめて「サガフロ」をプレイしていかがでしたか?

テラシマ:最初の2時間ぐらいはなにをしていいのかわからなくて迷いました。移動できるリージョンも多くて、どこにいけばいいのかわからなかった。

カワチ:イベントがなにもないリージョンも多いですからね(苦笑)。

イマイチ:主人公は誰を選びました?

テラシマ:ブルーですね。

イマイチ:なるほど。ブルーは術の資質を集めるという目的がハッキリしているので、「サガフロ」のなかでは分かりやすいほうなんですけどね。

テラシマ:最初に陽術の試練に挑んだら鏡のなかからすごい強い敵が出てきて負けて、次に盾のカードに挑んだら黒竜が強すぎて負けて、何すればいいのかわからなくなって(笑)。

イマイチ:黒竜は無視して進むこともできますが、それでもボスの朱雀が強いので負けていたでしょうね(苦笑)。

カワチ:今回のリマスターは誰かひとりのシナリオをクリアすればニューゲーム+が選べるので、簡単なキャラクターを選ぶのがおすすめですね。バトルが簡単なのはエミリアかレッドかな。

イマイチ:そうですね。そのふたりはシナリオの道筋もわかりやすいと思います。

カワチ:シリーズでは「ロマサガ2」なども難度が高かったですが、その難しさとはまた違った難しさですよね。

イマイチ:「サガフロ」は自由に冒険できる楽しさが魅力ですが、そこが不親切に感じてしまうポイントでもあるのかなと思います。リマスター版はマップの行ける場所にアイコンが表示されるようになりましたが、それでもやっぱりわかりづらいかなと思います。

テラシマ:オリジナル版はアイコンが無かったんですか!? どうやってプレイしていたのか気になる……。

カワチ:攻略本の解体真書を片手にプレイしていたんですよ(笑)。

イマイチ:自分は決定ボタンをつねに連打しながらフィールドを探索していました(笑)。ダンジョンのスイッチも押せるものなのか、背景として置いてあるものなのかわからないんですよ(苦笑)。

テラシマ:わかります。なにもない場所かと思ったら、わかりにくい宝箱があったりとか。

イマイチ:当時の自分はよくクリアできたなと思います。

テラシマ:でも、今、自分はすごく楽しくプレイしていますよ。最近のガイドがしっかりしているゲームに慣れすぎているせいで最初は戸惑いましたが、この手探り感は、まさに「サガ」だなと思います。

カワチ:どのあたりから楽しくなってきましたか?

テラシマ:シンロウの遺跡でキャラクターを育成して成長を実感できてからですね。最初はなにをしても不正解のような気がしていて不安だったのですが、目的もわからずダンジョンに潜るのも「サガ」だよなと思うようになりました。「ロマサガ」でも意味もなく下水道に入ってキャラクターを強くしていたことを思い出しました。

カワチ:「サガフロ」はキャラクターを強くするとラスボスも強くなるから育成するのも危険ですけどね(苦笑)。

イマイチ:そうですね(笑)。でも、どこにいくのも自由で、どこに行っても正解じゃないんじゃないかという不安感があるというのはわたしも「サガ」の魅力だと思いますね。

カワチ:先程も言いましたが、ニューゲーム+を開放すれば、もしも詰まってもデータを引き継いでやり直せるので、まずはその開放を目指すのがオススメですね。

イマイチ:そうですね。2周目からはすごくラクになって、リュート編は30分かからずにクリアできました。

テラシマ:自分は無理に引き継ぎをする必要はないと思いますね。1周目でゲームのシステムや仲間のいる場所は覚えることができるので、パラメーターまで引き継がなくてもいいかなと。

イマイチ:引き継ぎをするとキャラクターを育てる楽しみは減ってしまいますね。

テラシマ:キャラクターと言えば、プレイしている人たちみんなにT260が強いので使ったほうがいいと言われたので、逆に使っていません。そんなに強いんですか?

カワチ:そもそもメカが装備を付けるだけでパラメーターが上がるので強いキャラクターを作りやすいです。そこは「サガ2」と同じですね。

イマイチ:強い武器を引き継いでいると一気に最強キャラを作れますね。

短い言葉に込められた深い意味

カワチ:続いてシナリオやキャラクターにについて話していきましょうか。自分は当時からアセルスがいちばん好きですね。これまでの「サガ」シリーズに登場しなかった“妖魔”、そして“半妖”という設定に惹かれました。もともとは“半妖エンディング”こそアセルス編だと思っていましたが、この年齢になってプレイすると“人間エンド”のほうが心に来ましたね。

テラシマ:わ~! まだアセルス編プレイしてないです!

カワチ:すいません、いきなりネタバレしました(笑)。では、おふたりはいかがですか?

イマイチ:もともとわたしはレッドが好きで「サガフロ」をプレイしました。彼はヒーローということでボスとのタイマン戦を強いられたりもするのですが、性能が高いのでそこまで苦戦はしなかったです。また、リマスターをプレイしてクーンのシナリオもいいなと思いました。「サガフロ」はセリフのぶっきらぼうさも魅力ですが、クーン編はその味がよく出ているなと思いました。タンザーでメイレンがフェイオンの髪をいじるのですが、当時ならではのいじりだなと思いました(苦笑)。

カワチ:セリフは全体に短いですよね。

イマイチ:レッドが最初に家を焼かれるシーンも「ウォーーー」という一言だけですしね。

カワチ:河津さんのTwitterによるとレッド編は桑田浩之さんがほとんどシナリオを手掛けているそうですね。だから、ちょっと異端なのかな。

イマイチ:そうなんですね。アセルス編も生田美和さんが手掛けているんですよね。当時は百合というジャンルを知らないからビックリした。

カワチ:解体真書で明かされましたが、アセルスは男性としゃべるときは女性的で、女性としゃべるときは男性的なんですよね。だからどちらのユーザーにも人気がある。百合というジャンルを早くからゲームに取り入れたことも評価できますが、百合を意識しなくても感情移入して楽しめる。

イマイチ;レッド編でレッドがアセルスと会ったとき、彼女が何年も姿が変わっていないことに驚きつつも、「誰にだって言えない秘密があるもんだよな」と言うシーンがすごくいいんですよね。

カワチ:あのシーンは深いですね。「サガフロ」はセリフ量は少ないんだけど、決して薄味というわけではないんですよ。

イマイチ:今の作品は冗長に語りすぎているのかなと感じましたね。改めて、ここまで感情を揺り動かすことができるのはすごいなと思いました。

テラシマ:自分はルージュが好きです。「サガ」シリーズの魅力はプレイヤーには計り知れない不完全な世界があり、何周もすることでその謎が解けたり、少ないセリフから想像できる余地があるところが楽しいと思っています。

カワチ:そういう意味では「サガフロ」のルージュもブルーを主人公にプレイしていないとなにをしている人なのかわからないですよね。

イマイチ:ヴァーミリオンサンズが使える便利で強い人(笑)。

テラシマ:ブルーでプレイしていたら途中からルージュが主人公になってビックリしました(笑)。今はブルー編をクリアして他のキャラクターをプレイしていますが、ルージュがどんなキャラクターなのか明かされるのが楽しみです。

イマイチ:「サガフロ」はいろいろなキャラクターをプレイすることでこの世界のことがわかってくるんですよね。でも、すべてをプレイしてもまだ余白があって、そこを楽しむのも魅力かなと思っています。今回のリマスターでヒューズ編が追加されましたが、それでも余白があるなと思いました。もしかしたら、その部分に関しては今のユーザーはちゃんとシナリオを描いてくれと思うかもしれません。

カワチ;ブルー編のエンディングとか斬新すぎてヤバいですよね。ラスボスを倒したら画面が止まって終わる。テラシマさんは初プレイということですが、ビックリしませんでしたか?

テラシマ:驚いたけど、ルージュとの決闘ですでに驚かされていましたから(笑)。

イマイチ:今回はヒューズ編でいろいろとシナリオが補完されているけど、とくにブルー編は不透明だった部分がしっかり描かれましたね。

カワチ:主人公以外で印象的だったサブイベントはありますか。自分は活力のルーンのタンザーですね。急に飲み込まれるからオリジナル版のときは驚きました。

イマイチ:タンザーは詰みポイントですね。烈風剣もヴァーミリオンサンズもなかったので久しぶりにやったリマスター版でもスライムで積んでしまった。

カワチ:タンザーで仲間になるフェイオンもスライム戦だとあまり役に立たないですからね。

イマイチ:自分はレッド編のメタルアルカイザーですかね。真アル・フェニックスを閃くイベントは演出を含めて印象に残っています。

テラシマ:自分も今はレッド編をプレイしていますが、熱くて盛り上がっています。

イマイチ:レッド編の後半はボスラッシュなので気持ち的に盛り上がりますね。あと、リマスター版をプレイしてリュート編の印象が変わりました。自由過ぎるという意見もありますが、世界を牛耳るトリニティに関する事実が明らかになるのは、この作品において重要なのではないかと思いました。

カワチ:確かに。

イマイチ;ゲンさんの故郷であるワカツもトリニティによって滅ぼされていますし、各シナリオで断片的に集めた情報がリュート編に繋がっていくのかなと。

テラシマ:自分はメサルティムが気になっています。「ロマサガ」でもミリアムやガラハドのようなサブキャラクターが好きだったのですが、「サガフロ」のメサルティムが今のところどういうキャラクターなのかまったくわからないので早く謎を解き明かしたいです。

カワチ:今回は仲間キャラクターを15人以上加えられるのがうれしいですね。オリジナル版は15人を越えると消えてしまいましたが、今回は控えにいるので人数を気にする必要がない。オリジナル版はスライムが勝手に仲間になってすごく怒りました(笑)。

テラシマ:オリジナル版の仕様について調べると「え? この機能が無かったの?」と驚くことが多々あります。とくにシナリオチャートが無かったことはビックリしました。

イマイチ:かなり便利ですよね。ほかのRPGなら町の人が「北の人が悪さをしているよ」とかヒントをくれるものですが、「サガ」はほとんどないですからね。

カワチ:ワカツの出身者がスクラップにいることを教えてくれるのも、クーロンのそこらへんにいるガイコツですからね。

イマイチ:ちゃんとシップ発着所の会話を聞いてからじゃないと続きの情報を教えてくれないからフラグがわかりづらいですよね。

テラシマ:そこはやっぱり「サガ」って感じですよね。リマスター版ではじめて本作をプレイする自分でも不親切なところが目立つゲームです。シナリオガイドが付いているとはいえ、途中で次にどこへ行けばいいのかわからなくなるところがありました。最初に「ロマサガ」をプレイしたときもこんな感じだったなーと思いつつ、はじめてプレイする人にこの作品を勧めていいかどうかは正直迷いますね。

カワチ:バトルは閃きや連携もあってめちゃくちゃおもしろいんですけど、不親切なところもある作品なので、誰にでも勧められるゲームではないですね(苦笑)。

イマイチ:バトルはおもしろいし、今回はこれまでの「サガ」シリーズに比べてかなりキャラクター性が強いので、ひとりでもキャラクターが気になったらプレイしてもらいたいなという気持ちはあります。

カワチ:「ロマンシング サガ リ・ユニバース」で「サガフロ」のキャラクターを知って好きになった人が本作をプレイするのはアリだなと思いますね。

テラシマ:自分が「サガフロ」をプレイして驚いたのは、キャラクターによってラスボスが異なるところですね。ここはすごくよかったです。

カワチ:それぞれのラスボスでBGMが異なるのもアツいポイントですよね。イトケンさんは大変すぎて、すべての曲が終わったあと、這ってトイレに向かったらしいですが……(苦笑)。今回のヒューズ編のラスボスも新曲になっていますが、メロディアスで印象的な曲でした。

テラシマ:「ロマサガ3」などはオープニングとエンディングが少し違うだけでしたが、「サガフロ」はすべてのシナリオが大きく違いますよね。同じイベントも多いですが出会いのセリフやリアクションが違かったりしていて、世界を多角的に見ることができます。そのため、世界を回るのが好きな「サガ」ファンは手を出していいのかなと思います。

カワチ:リージョンの雰囲気もそれぞれ異なるのでじっくり冒険してほしいですね。

テラシマ:オリジナル版のプレイ動画を見たましたが、かなり動きがもっさりしていますね。リマスターでプレイしてよかったと思います。

カワチ:移動の2倍速、戦闘の3倍速は本当に快適ですね、2倍速のまま、剣のカードのイベントを進めていて、ぜんぜんカードが揃わなくて焦りましたが(笑)。ちなみにバトルに関してはいかがでしたか? 自分は久しぶりにプレイしたら難しくてビックリしました。いちばん簡単と言われているエミリアのラスボスにも負けてしまいました(笑)。

イマイチ:確かにムズい。こちらのHPの最大が999なのに3桁ダメージの全体攻撃を連発されたりする。音波や地震の攻撃をしてくるボスは耐性を付けないとキツイ。

カワチ:時術のタイムリープで完封したりもできるので、システムがわかってくるとプレイヤー側も強いですけどね。今回はバトルを撤退できるようになったので、そこも簡単になったポイントだと思いますが。

イマイチ:このゲーム、大味なところは大味ですね。

カワチ:オリジナル版の裏技であった“無限ジャンクあさり”なども残っているので、それらを活用すれば詰まることは一気に減ります。

イマイチ:当時は“無限ジャンクあさり”を知らなかったので、カワチくんから内容を聞いてビックリしました。裏技というよりバグですよね。

カワチ:リマスターでそのまま残してくれたことにビックリしました(笑)。

テラシマ:自分は術を使っていると新しい術を覚える本作のシステムが好きですね。「サガ2」のエスパーを思い出しましたが、自分に合っています。「サガ」シリーズは術があまり強くないイメージが合ったので、本作は術を使うのが楽しいです。

カワチ:今回はバトルを3倍速にできるので術の長い演出も気にならないのがいいですね。強い技をストレスなく使える。

イマイチ:3倍速でプレイしたあと、普通のスピードに戻すとビックリしますね。よく当時はこのスピードでプレイしていたなと思います。当時は当時でまったく気にならなかったんですけどね。

カワチ:あとはグラフィックが美麗になったところもリマスターのポイントですよね。こまかくて潰れてしまっていたキャラクターの表情にしっかりわかるようになった。

イマイチ:「昔のほうがよかった」というような不満もないですね。ドットの良さをそのままに画面がキレイになっていますね。

まさかの追加!ヒューズ編の評価は……?

テラシマ:自分はリマスター版からプレイしているので、シナリオもシステムも補完されたものから遊んでいますが、両方を遊んだおふたりの感想はいかがですか?

カワチ:各キャラクターに追加されたヒューズ編は基本的にすべてハッピーエンドなので、ユーザーの心に残る余韻は減ってしまったのかなとは思います。

イマイチ:すごく今風のシナリオだなと思いました。

カワチ:今風でもありゼロ年代の美少女ゲームのようにも感じました。絶体絶命のヒロインを主人公のヒューズが奇跡を起こして助けてくれる(笑)。

イマイチ:エミリア編などは余韻を楽しんだり、ユーザーの想像で補完するところが多い終わり方だったので蛇足に感じてしまう人もいるかもしれませんね。

カワチ:ヒューズ編は、そのヒューズ編そのものが24年前のオリジナル版から「サガフロ」を愛し続けたファンへの恩返しと考えれば最高のものだなと思います。ベニー松山さんの作品とキャラへの愛が伝わってくる素敵なシナリオだなと。

イマイチ:ちょっとだけ気になったのはヒューズ編はそもそも仕様がわかりづらいですよね。説明を読んでもよくわからなかったのですが、それぞれのキャラクターに追加シナリオのヒューズ編があるということで納得しました。シナリオが補完されているというよりは、ヒューズが介入することによりパラレルを描いているものが多いなという印象です。ただ、エミリアの冒頭のように分からなかった部分が補完されることも、もちろんありますが。

カワチ:エミリアやレッドなど、もともとヒューズと絡みがあったキャラクターのシナリオは違和感がなく自然ですよね。

テラシマ:アセルス編の追加シナリオはいかがでしたか?

カワチ:ファンとしてはうれしいですが、あくまでおまけ程度のものだと感じました。やっぱりメインはヒューズ編かなと。

イマイチ:なにも意味がなかったダンジョンに意味が与えられたことが大きいかなと思います。

カワチ:「ロマサガ」や「サガ」のリマスターはオリジナル版の良さをそのまま伝えるような形でしたが、今回のリマスターはかなり手が加わっていますよね。最初は値段がちょっと高めかなと思いましたが、ゲームをプレイして納得しました。

テラシマ:自分はスマートフォンでプレイしていますが、タップでターゲットを選ぶのが不便なのでそこはマイナスかなと思います。「サガフロ」はもともとスマートフォンでプレイするために作られたゲームではないので、その点はつらいですね。もしもスマートフォン版でプレイするならコントローラーは用意したほうがいいです。

イマイチ:「サガフロ」は3Dなのでスマートフォンに落とし込みづらいのでしょうね。

テラシマ:TVモニターに写してコントローラーでプレイしたら快適でした。

カワチ:自分はNintendo Switch版でプレイしていますが、ラクな姿勢でプレイできるのはありがたいですね。

イマイチ:私もNintendo Switch版でプレイしていて、イベントはTVモニターで進めて、育成などのバトルは携帯モードでやっています。

「サガフロ リマスター」はノスタルジーだけではない名作

テラシマ:自分は「サガフロ」をプレイして、PS時代のゲームはおもしろかったなということを再確認しました。

イマイチ:そうですね。自分も「サガフロ」をプレイして今度発売される「聖剣伝説 レジェンド オブ マナ」のHDリマスター版も楽しみになりました。

カワチ:コンシューマのRPGはプレイ時間が長いのがネックだと思いますが、「サガフロ」は最初のプレイでも10時間ぐらいでクリアできるので、そこもオススメですね。閃きや連携の楽しさはプレイ動画だけでは味わえないと思うので、ぜひ自分でプレイしてみてもらいたいです。

テラシマ:強敵に対してどの技をどう組み合わせて倒すか考えるのは本当に楽しいです。

イマイチ:連携するとダメージが大きく上がるので、育成するよりも戦略を考えたほうがいいことがありますね。連携で5桁ダメージまでいったときは気持ちいい。

カワチ:だいぶ長い座談会になりましたが、最後にどんな人に「サガフロ」がオススメかそれぞれ語りましょうか。自分は「ロマサガRS」にハマっている人にプレイしてもらいたいですね。「ロマサガRS」も連携が重要ですが、そのオリジナルであった「サガフロ」の連携も体験してもらいたい。「サガフロ」の連携は画面が派手なので、それだけで一見の価値ありです。

イマイチ:自分は短編映画が好きな人にオススメしたいかな。ハリウッドの大作ではなく、小劇場で公開されるような、ひとりの監督が黙々と作っている映画や特撮が楽しめる人は合うと思います。とくにアセルスやレッドのシナリオは今プレイしても楽しめるかなと思いました。

テラシマ:自分はこれまで「サガフロ」をプレイしていなかった「サガ」ファンにプレイしてほしいなと思います。この「サガフロ」は「サガ」シリーズのいろいろなエッセンスが詰め込まれながら、新しい挑戦もたくさんしているタイトルだと感じました。もともとはPSのゲームですが、倍速でテンポもいいのでぜひプレイしてみてほしいです。

サガ フロンティア リマスター

スクウェア・エニックス

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  • 発売日:2021年4月15日
  • 15歳以上対象

サガ フロンティア リマスター

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  • 15歳以上対象
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サガ フロンティア リマスター

スクウェア・エニックス

iOSアプリiOS

  • 配信日:2021年4月15日
  • 価格:4,780円(税込)

    サガ フロンティア リマスター

    スクウェア・エニックス

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2021年4月15日
    • 価格:4,780円(税込)

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