「アーケードアーカイブス」制作過程を初公開!未来の開発者のため、資料保存&証言を残すことの有用性も訴えたセッションをレポート【CEDEC2025】配信番組「アーケードアーカイバー」にまつわるエピソードも紹介

CEDEC2025
0コメント 近藤智

7月22日~24日にかけて、パシフィコ横浜 ノースにて開催のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2025」。本稿では7月22日に実施されたセッション「アーケードアーカイバー/ゲーム開発者の証言と開発資料を配信動画として遺す意義」のレポートをお届けする。

「アーケードアーカイブス」制作過程を初公開!未来の開発者のため、資料保存&証言を残すことの有用性も訴えたセッションをレポート【CEDEC2025】の画像

講演者はタイトーの外山雄一氏、ハムスターの濱田倫氏、バンダイナムコエンターテインメントの宇出津和仁氏。ハムスターでは、1980~90年代を中心にゲームセンターで遊ばれていた業務用アーケードゲームの復刻プロジェクト「アーケードアーカイブス」を行っている。2014年から開始して11年が経過し、24社、計477タイトルを配信中だ。

左から宇出津和仁氏、濱田倫氏、外山雄一氏
左から宇出津和仁氏、濱田倫氏、外山雄一氏

ここで濱田氏は、アーケードアーカイブスの制作過程を初公開。まずは当時の基盤からデータを吸い出し、ハムスターの札幌開発室でゲームエンジン、東京本社でUIを開発し、当時の担当者やプレイヤーなどを交えて検証を行うことで実機に近い形での提供を目指している。

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また、毎週木曜日19時からYouTubeで配信している番組「アーケードアーカイバー」では、その週配信のタイトルを紹介。メーカーの担当者やゲーム開発者本人を招いて開発秘話を届ける第1部、実際にゲームをプレイする第2部で構成し、当時の貴重な証言や資料をはじめ原画などが公開されることもあるという。宇出津氏の参加まではゲームの紹介を中心としていたが、ゲストを招くような形に変化したところ視聴者からさらに高い満足度が得られるようになったそうだ。

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ここからは実際に宇出津氏、外山氏がどのような考えのもとで参加しているかを紹介。まず宇出津氏は「アーケードアーカイバー」に出演することで資料を整理でき、そこから資料集を発売する、イベントで展示するなど自社のさまざまな事業にも活用できているとコメント。開発者の考えそのものは資料として残らないケースも多いため、当時の記憶や制作時の思いを本人の言葉として残すことができ、OBとの人脈再生にも繋がるという。

アーケードゲームの開発当時は、プレイヤーが開発者の意図を知ることも、開発者もユーザーの生の反応を得ることも非常に限られていた。そのため両者にとっても貴重な機会となり、開発者の生の証言が誰でも閲覧できる状態にすることでゲーム開発者にとっても改めて研究する材料になると語る。

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外山氏は宇出津氏が紹介した内容に加え、自社だけでは復刻しきれないマイナータイトルもカバーできる点をプラス要因に挙げる。ワールドワイドで配信することで地域別での人気や知名度を観測することができ、「アーケードアーカイバー」で集まった関係者の証言から意外な開発のきっかけやヒントとなったタイトルが判明したり、連絡の取れなかったOBと新たな繋がりが生まれたりしたこともあったと振り返っていく。代表的な例として、タイトー技術顧問の三部幸治氏による特別講演の実現も紹介した。

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過去のCEDECでも講演があったように、開発資料の保存・整理は歴史の長いゲーム会社ほど急務となっている。拠点の移動や担当者の退職で紛失するケースが多い他、依存していたミドルウェアが使用できなくなりリカバリーに相当な時間を有したこともあったそうだ。そうした経験を踏まえ、外山氏は環境開発を含むデータ保存の重要性を強く訴える。

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この他、宇出津氏は「アーケードアーカイバー」の出演ゲストについて、元々の知人だけでなく人づてに頼んだり、SNSなどで探したりしていたが、出演してくれた開発者が自発的に周囲へコンタクトを取ってくれた事例もあったと紹介。併せて、濱田氏は「アーケードアーカイバー」を通じて「スパイナルブレイカーズ」のワッフルにまつわる謎が明かされたこと、「ドラゴンバスター」の開発者が初めてプレイヤーの反応を知ることができたというエピソードを紹介した。

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濱田氏らは講演中、たびたびアーケードゲームの権利者へ「アーケードアーカイブス」への参入を呼びかけつつ、アドバイスや相談にも乗るとアピール。大手であれば損益を考えた判断になるところ、ハムスターでは他の事業で得た利益を復刻に投資するので可能な限り対応していくそうだ。

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現在「アーケードアーカイブス」でカバーできている領域は、コンピューターゲーム業界全体でみればごく一部だ。今後、幅広い世代が開発資料や証言を集めて体系化することで全体が繋がり、未来の開発者へのバトンになると締めくくる。最後に、7月31日に「THE運動会」を配信すると発表して講演を終了した。

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なお、各講演は8月4日10時までタイムシフト配信での受講も可能だ。詳細は公式サイトで確認してほしい。

CEDEC2025公式サイト
https://cedec.cesa.or.jp/2025/

CEDEC2025特集

趣味のゲーム系をはじめ、IT/ビジネス系などWeb媒体を中心に活動。AAAタイトルから乙女ゲーム、インディーズまで何でも遊ぶ雑食ゲーマー。あらゆる次元のアイドルと映画も愛してます。 https://contacos.hatenadiary.jp/

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