千葉・幕張メッセにて9月25日～28日にかけて開催の「東京ゲームショウ2025」。会場で行われた「バイオハザード レクイエム」開発陣へのインタビューの模様をお届けする。
「バイオハザード レクイエム」は、第9作に相当するシリーズ最新作だ。息詰まる緊張感と震い慄く恐怖、そして死を打ち倒す爽快感――。“レクイエム”はプレイヤーの精神（こころ）を激しく揺り動かす。テクノロジーの進化、そしてクリエイターの重ねた経験は、登場人物に豊かな感情を与え、物語とプレイ体験にはかつてないほどの没入感をもたらす。
インタビューでは、「バイオハザード レクイエム」のディレクター・中西晃史氏、そしてプロデューサー・熊澤雅登氏から話を伺うことができた。
――三人称と一人称を切り替えできるようにした意図をお聞かせください。
中西氏：「バイオハザード」は1から6はTPS、7とヴィレッジでFPSなのはご存じだと思いますが、それぞれ意図があってやっています。その中でTPSのほうが好き、FPSだと酔ってしまうというユーザーもおり、であれば両方選択できるようにしたというのが一つの理由です。
「バイオハザード7」では怖さを追求したのでFPSにしましたが、その一方で「怖すぎるからプレイできない」というフィードバックを一定数いただきました。TPSだと怖さが緩和されることもあるので、その選択肢を用意しようという結論に至りました。
――TGSで初めてデモ版をプレイさせていただきましたが、過去のシリーズと比べても怖さ、難しさともに勝っていると感じました。
中西氏：怖さについては「バイオハザード7」より怖くないようにマイルドにしたつもりでしたが…全然でしたね（笑）。怖さを和らげる三人称視点ですが、一人称視点では見られない動き、アニメーションを入れています。逃げ回るシーンなどでは入れないと不自然になってしまうので用意したのですが、それを見てプレイヤーの方もパニックになり、怖さも増してしまったかなと。そういった点は製品版に向けて、デモ版のフィードバックを取り入れながら考えていきたいと思います。
難易度についてですが、デモ版はクリアしてもらうことよりもひどい目に合うことを重視しています（笑）。製品版ではカジュアルやノーマルといった難易度を選択できるのでご安心ください。
熊澤氏：過去作同様、複数の難易度を用意しています。今回のデモには入っていませんが、銃を打つ時にレティクルが敵の方に向くというような初心者向けの要素も用意しているので、プレイしたことがない人はカジュアルで遊んで、楽しんでいただければと思います。
――デモ版では巨大クリーチャーが出てきましたが、直近で公開されたものだと人型のものも確認できました。本作のメインとなるクリーチャーはどういったタイプになるのでしょうか？
中西氏：クリーチャーについては、今回は感染系です。ウイルス感染の平たく言えばゾンビ系統ですが、その中でもデモの巨大クリーチャーも登場します。2ndトレーラーでも少し確認できるので、映像をチェックして想像を膨らませてもらえればと思います。
――今回デモでプレイした場所はラクーンシティなのか、それとも別の場所になるのでしょうか？
中西氏：今回デモでプレイしていただいた場所はラクーンシティとは別の場所となり、療養所が舞台となっています。「ラクーンシティなのに壊れていない」という意見も目にしましたが、今回のプレイの範囲は違う場所なので、改めて認識していただければと思います。
――主人公のグレースについて、過去のシリーズも踏まえて一番頼りない、か弱い主人公と印象を受けました。こういった設定のほうが、より怖さが増すという狙いがあったのでしょうか？
中西氏：そうですね。彼女自身、バイオハザード体験が初めてなので、ゾンビやクリーチャーと出会った驚きをしっかりと表現してくれます。
一つ重要なのが、「バイオハザード」はそのまま逃げ惑うだけで終わる作品ではありません。最終的には怖い対象を乗り越えて、大きな達成感を得られるのがポイントだと思います。グレースが経験を積んで成長していき、それとともにプレイヤーも一緒に成長するのが、醍醐味になっています。
――グレースはFBIの分析官ですが、アクション以外にもそういった頭の良さを活かした要素も出てくるのでしょうか？
中西氏：洞察力が高いというのはありますが、そういった分析能力はゾンビには通用しないので、そこまでは出てきません。ゲームなので、頭を使うところはプレイヤーにゆだねられています。この場面をどう乗り切るかというのは、あくまでプレイヤーが考えてもらえればと思います。
――「バイオハザード」シリーズは、アクション寄りとホラー寄り、様々な作品が発売されていますが、今作はどちら寄りの作品なのでしょうか？
中西氏：分かりやすく言うと「バイオハザード RE:2」系統です。「バイオハザード4」「バイオハザード ヴィレッジ」のようなガンシューティングがメインではなく、「バイオハザード7」「バイオハザード RE:2」路線の「バイオハザード」と思っていただければと思います。
――「バイオハザード レクイエム」を前に、プレイしておいた方が良いタイトルはありますか？
中西氏：絶対にプレイしておかなきゃいけないという作品はありません。「バイオハザード レクイエム」で初めて「バイオハザード」シリーズに触れるという人でもストーリーを100％楽しめるような設計にはしています。もちろん、ラクーンシティやグレースの母親についてなどは、知っておけばより感情移入できるものになっています。
熊澤氏：今作はラクーンシティが舞台なので、しいて言えば「バイオハザード RE:2」「バイオハザード RE:3」辺りを遊んでいただければ、「バイオハザード レクイエム」でより良い体験が得られると思います。
――直近で発表されたSwitch 2版についても詳細を伺えればと思います。
中西氏：Switch 2に対応したことによって、ゲーム内容がSwitch 2でも遊べるように合わせているのでは？という点を気にされている方を見かけましたが、機種に合わせて変えるということはなく、全てにおいてゲームの要素は同じ体験ができるという点は認識いただければと思います。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
中西氏：TGSでも皆さんすごい怖がってくれて嬉しい限りです。「バイオハザード」もシリーズを重ねてきましたが、その中でも今回は1番盛り上がっているというのを肌で感じています。その期待に応えるべく、残りの期間でより良いものに仕上げるので、楽しみにしてもらえればと思います。
熊澤氏：私たちが話している裏でも開発が一生懸命に最終調整を行っています。我々としても、かなり自信のあるコンテンツに仕上がってきているので、発売まで楽しみにしていただければと思います。
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