千葉・幕張メッセにて9月25日~28日にかけて開催の「東京ゲームショウ2025」。イザナギゲームズの新作「AKIBA LOST」のインタビューをお届けする。
イザナギゲームズと日本テレビ、AX-ONが共同制作する長編本格実写ゲーム「AKIBA LOST」。主人公のゲームクリエイター・新城大輝と、6人の女性キャラクターを切り替えながらストーリーの真相に迫る本格実写群像劇マルチアングルサスペンスゲームだ。ここでは本作のプロデューサーのひとりで、「デスカムトゥルー」で実写ゲームの制作経験もあるイザナギゲームズの梅田慎介氏へのインタビューをお届けする。

長編の実写アドベンチャーゲームを作ってみたかった
――「AKIBA LOST」は、イザナギゲームズさん、日本テレビさん、AX-ONさんによる共同制作の長編本格実写ゲームですが、どのような成り立ちで生まれた作品なのでしょうか?
梅田:イザナギゲームズでは過去に「デスカムトゥルー」という実写ゲームを小高和剛さんと制作しましたが、この作品は映画のようなゲームを意識していて2時間ぐらいのプレイ時間にしました。ただ、自分はサウンドノベルの「街」にも影響を受けているので、今度はザッピングシステムを入れて、異なるキャラクターの視点が複雑に絡み合ってひとつの物語になっていく、プレイ時間も20時間ぐらいはあるようなゲームを作りたいと思ったのがきっかけです。日本テレビさんやAX-ONさんと組もうと思ったのは映像や静止画のクオリティ、キャスティングの質を高めたいと思ったこと、普段ゲームを遊ばない人にも届けたいと思ったからですね。あくまで最初はゲームの企画でしたが、そのゲームを最大化させるためにドラマも動き出しました。
――しっかりボリュームのあるものを作ってみたかったと。
梅田:「デスカムトゥルー」もいい作品になったと思っていますが、今回は違うコンセプトで制作しました。「AKIBA LOST」は北山さんのファンや松村さんのファンなど、それぞれのタレントのファンが興味を持ってくれるということが多いと思いますが、そういった層の方がボリュームのあるゲームをしっかり遊べることも大事かなと思い、20時間ぐらいのプレイ内容にしています。

――構想から5年かかっているとのことですが、ゲーム制作のどの部分にいちばん時間がかかったのでしょうか?
梅田:座組ですね。日テレさんとAX-ONさんとどういう風に組めば「AKIBA LOST」をいちばんいい形に世に出せるのか考える時間が長かったです。
――舞台を秋葉原に選んだ理由と言うのは?
梅田:秋葉原にしたことはとてもこだわりと意味があります。ドラマだとどうしても地上波放送の関係でドメスティックなものになりますが、ゲームはグローバルに広げることができると思っています。日本のサブカルチャーの聖地である秋葉原を舞台にすることで世界の人々にも届けようと考えました。本作に登場する6人の女性キャラクターはアイドルだったりコスプレイヤーだったり、巫女であったりと秋葉原に即したキャラクターにしています。これは秋葉原というサブカルチャーを世界に知ってもらうという意味もあります。
――公式Xでひとりずつキャラクターが発表されていきましたが、主演である北山宏光さん以降は全員が女性で驚きました。これはゲーム内にギャルゲー的な展開もあるということでしょうか?
梅田:いや、ないですね(笑)。本作はサスペンスゲームになります。秋葉原が舞台であることはストーリー的にも意味があり、本作ではアキバの神隠しという少女が失踪した事件が物語の発端になります。そのアキバの神隠しの被害者である兄が北山さんの演じる主人公です。少女がさらわれるアキバの神隠しがストーリーの重要な要素になるので、6人のキャラクターが女性陣になっています。

――北山さんを主演として抜擢した理由をお聞かせください。
梅田:北山さんに華があり、演技力も高いからですね。また、本作の企画を事務所のTOBEさんに持って行ったとき、ものすごく理解もあり、快諾していただきました。北山さん自身も次のフェーズとして海外を視野に活動を広げていくという考えがあるらしく、私たちのゲームというフィルターを通して世界に挑戦していくというビジョンに共感していただきました。

――各キャラクターのキャッチコピーに“人生を変える”というワードが散りばめられていますが、これは本作の重要なワードになるのでしょうか?
梅田:そうです。ドラマというのは基本的に人の人生を観るものです。作られたものを観て、それを受け止めるというのがドラマで、それはそれで素晴らしいと思うのですが、ゲームはその人生を変えることができる。つまりインタラクションによって。そのキャラクターたちの人生を変えることができるというのが、まずひとつの側面です。もう1つの側面が、このゲームに出演して関わったことにより、その方のキャストの人生も変わるということも意味しており、そのふたつのダブルミーニングになっています。

――北山さんが演じる主人公の新城大輝以外のキャラクターの活躍も期待できそうですね。
梅田:すごくいいところをついてきますね! おっしゃる通り、本作は新城大輝以外の6人全員の視点とルートがあります。とてもボリュームがありますし、それぞれにバディキャラと呼ばれるキャラクターが存在し、そのキャラクターとの掛け合いもおもしろいので楽しみにしていて欲しいです。
――バディキャラは今後明かされていくと思いますが、サブキャラクターならではの個性的な人物が多いのでしょうか?
梅田:はい。ブースの写真にあるコスプレイヤーの遊佐若菜と一緒にいるぽっちゃりしたキャラクターもバディキャラのひとりです。ゲーム自体はサスペンス系ですが、バディキャラは味があったりおもしろみがあったりするキャラクターが多いですね。

――とくに注目して欲しいキャラクターはいますか?
梅田:北山さんが演じる新城は自分と同じゲームクリエイターなのですごく感情移入しましたが、やはりすべてのキャラクターに愛着があります。どのキャラクターたちもしっかり深掘りされるので、ゲームをプレイすればみなさん好きになると思います。また、メインキャラクター以外のバディキャラクターも物語に彩りを添えてくれるおもしろいキャラクターばかりなので、こちらもぜひ注目して欲しいです。
――予約受付中のスペシャルコレクションボックスの魅力を教えてください。
梅田:スペシャルコレクションボックスは中身にめちゃくちゃこだわったので完全受注生産になります。このゲームを作るために10万枚ぐらいのスチルを撮ったのですが、ゲームで使わなかったものをユーザーさんに届ける方法はないかと思い、200ページのスペシャルフォトアートブックというものを作りました。また、メイキング映像のDVDなども入っており、ここでしか手に入らないので、早めにご予約いただけるといいかなと思います。
――9月25日のステージでテレビドラマ版も発表されて驚いた人も多いと思うのですが、このドラマ版はどういう仕掛けになるのでしょうか?
梅田:シンプルなメディアミックスにはしたくなくて、ゲームの「AKIBA LOST」を最大化するものとして、キャラクターをきちんと深掘りし、より世界観を重厚にするためのものとして日テレさんがドラマとして制作してくれました。ドラマからでもゲームからでもどちらからでも楽しめるように制作しているので楽しみにしていてください。
――最後にひとことお願いします。
梅田:まず、「AKIBA LOST」というコンテンツに興味を持っていただいたこと、そしてこの記事に興味をもっていただき、ありがとうございます。これはキャストの方々や日テレさん、AX-ONさんとも話しているのですが、この作品は我々にとっての挑戦です。秋葉原を舞台にした新たな実写ゲームを世界に届けたいので、ぜひ皆さん、手に取っていただけるとありがたいです。
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