コーエーテクモゲームスより2026年3月12日に発売される、PS5/Nintendo Switch 2/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「零 ~紅い蝶~ REMAKE」の序盤プレビューをお届けする。
本作は和風ホラーアドベンチャーゲーム「零」シリーズの2作目として2003年に発売された「零 ~紅い蝶~」(以下、オリジナル版と表記)のリメイク作品。このたびのリメイク版は、開発をアクションゲームに長けたTeam NINJAが手掛けているとあって、怨霊との戦闘システムが大きく刷新されているのも特徴だ。


この記事では、序盤を4時間とちょっとプレイして味わえた体験の一端を、ネタバレなしでご紹介していく。オリジナル版をプレイ済みの人には変わった点を、本作で「~紅い蝶~」に初めて触れるという人にはゲーム全体の特徴が伝わるように意識したので、最後まで読んでもらえたらうれしい。
皆神村の探索は広さも密度も向上。サイドストーリーの追加もうれしい
双子の姉妹、天倉澪(あまくら みお)と天倉繭(あまくら まゆ)が、怨霊たちが徘徊する“皆神村”へと迷い込む「零 ~紅い蝶~」。本作では皆神村が現代的なグラフィックで蘇っており、当時オリジナル版をプレイした者としては感慨深い。
仄暗く不気味な雰囲気から醸し出される怖さはもちろんのこと、ちょっとした光源がもたらす美しさも「~紅い蝶~」の魅力だ。澪たちを導く“紅い蝶”や、セーブポイントの提灯などの暖色系の光には安らぎを感じられる。


プレイヤーは澪を操作することになるのだが、昨今のホラーアドベンチャーゲームらしく新たに“肩越し視点”が採用されている。オリジナル版は固定カメラによる画角を使った演出も印象深かったが、この点は現代に合った没入感と操作性の向上を優先した形だ。操作の自由度が増したことにともなって、追加された新エリアのみならず、既存のエリアも全体的にマップが少し広くなっている印象を受けた。
本作では、まるで導かれるように先に行ってしまう繭を追いかけていくことでメインストーリーが進行するが、これとは別に“割れた霊石”を入手すると開放されるサイドストーリーを進めることもできる。
サイドストーリーでは、澪たちよりも先に皆神村を訪れたサブキャラクターたちがオリジナル版以上に掘り下げられる。ひとつのサイドストーリーをクリアすることが、新たなサイドストーリーを発生させるトリガーになっている場合もあり、作品世界を深く掘り下げたい人は夢中になれそうだ。


メインストーリー、サイドストーリーともに探索中はサブキャラクターたちの手記をいくつも入手することになり、ここから世界設定や、近いうちに出会う怨霊の特徴などが読み解ける。とくに後者はストーリー性を担保しつつ、幽霊の出現に向けた“心の準備”をさせてくれるため、ジャンプスケア感を和らげる効果も果たしていると思った。
オリジナル版の時点で、実は「~紅い蝶~」は“怖すぎない”ホラーゲームだったのだ。それは前作「零~zero~」が“怖すぎた”ことを踏まえたバランスだったのだが、このバランスを維持するための調整も、本作はかなり注意深く行われていると言えそうだ。


道中ではおなじみの敵意のない“浮遊霊”の撮影に加えて、少し離れた場所に一体ずつ配置されている場合もある“双子人形”を二体ともフレームに入れて撮影する遊びなども用意されていて、撮影で得たポイントはセーブポイントでアイテムと交換できる。サイドストーリーの件とあわせて、探索における遊びはバリエーション・密度ともに増している。
怨霊が手強くなったうえに“羽化”でパワーアップまでしてくる。撮影システムは一新されて奥深く
「零」シリーズのアイデンティティと言えば、撮影することで怨霊にダメージを与えられるカメラ“射影機”を使った戦闘。本作のオリジナル版との最大の変更点と言える怨霊との新たな戦闘デザインによってもたらされた第一印象は、とにかく「敵が硬い!」ということだ。
「零」シリーズでは怨霊と戦うとき、怨霊がこちらに攻撃してくる直前などに撮影することで発動する“フェイタルフレーム”を狙うのが強力だが、本作ではかなりの至近距離でかつ十分にピントが合っていなければ、大きなダメージは与えづらい。距離が近ければ近いほど攻撃モーションによって怨霊がフレームアウトするリスクは増すこともあり、大ダメージを与えるのがかなり難しくなっているようなのだ。


また、連続でフェイタルフレームが発動する“フェイタルタイム”は、過去作と違い戦闘の特定のタイミングにのみ発生する“シャッターチャンス”のあいだにフェイタルフレームを成功させるのが発動条件となっているのも大きな変更点。
射影機を十分に強化できていない序盤では、一度シャッターを切るとフィルムの装填には時間が掛かり、フェイタルフレームやシャッターチャンスを撮影できず逃してしまうことも多かった。この点も一度の戦闘に時間が掛かりやすい要因となっている。
さらに本作では、戦闘が長引くと怨霊が赤い光を放ち凶暴化する“羽化”という要素も新たに導入されており、羽化した怨霊は体力が回復するうえに耐久力も増す。これもあって一体一体の怨霊に苦戦を強いられることが増えた。敵の攻撃を咄嗟に回避することなどが可能になったが、これには“霊力”を消費するなど、意識すべきことも増えている。


幸い、いくつかの要素についてはゲームを進めることで対抗手段は増えていく。本作では射影機の強化項目が多岐にわたっており、フィルムの装填時間や装填枚数を強化することで、決定的瞬間を逃さずに撮影しやすくなっていった。フィルターを切り替えることで、羽化した怨霊に対して威力を発揮する撮影も可能になる。“お守り”を装備することでさらなる能力強化も見込める。
筆者はまだ十分に使いこなせていないが、霊力の消費と引き換えに「怨霊の動きを遅くする」、「視界を奪う」などの効果を持つ“特殊撮影”を上手く使うことで、さらに戦いかたの幅は広がりそうだ。とにかく戦闘に関しては“ゲームを進めるほどに奥の深さが垣間見える”ものに変わっており、オリジナル版のシンプルさはいったん忘れたほうがいいレベルだと感じた。

ちなみに、怨霊たちへのダメージの通りづらさは、難易度を“NORMAL”から“STORY”に下げることでだいぶ緩和されたので、オリジナル版に近いプレイフィールで遊びたい人には、個人的にはこちらの難易度を推奨したい。難易度はゲーム開始後でも、いつでも変更が可能だ。より歯ごたえのある難易度“BATTLE”も用意されている。
まとめ:繭と離ればなれになったときの心細さも際立つものに
まとめると、「零 ~紅い蝶~ REMAKE」は序盤をプレイした範囲での印象としては、“怖すぎない”オリジナル版の雰囲気とストーリー性を大事にしつつ、サイドストーリーの追加などで探索はより高密度になり、怨霊との戦闘は大幅な高度化が図られている。

もうひとつ特筆すべきこととしては、繭の存在感が挙げられる。本作ではいっしょにいるとき繭と“手を繋ぐ”ことができ、手を繋いでいるあいだは澪の体力と霊力がじわじわと回復するのだ。これにより繭がいるときの安心感は増し、相対的に離ればなれになったときの心細さも際立つものになっている。
これらの調整方針が期待に沿うものであれば、発売日である3月12日、あるいは製品版にデータの引き継ぎが可能な体験版の配信日である3月5日を楽しみに待っていてほしい。もちろん、オリジナル版をプレイしていない人、「零」シリーズ未経験の人も、本作からプレイをはじめてOKだ。
(C)コーエーテクモゲームス
※画面は開発中のものです。
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