「BitSummit PUNCH」出展の注目作から光と影がおりなす幻想的パズルゲーム「THANKS,LIGHT.」と痛快ハイスピード電車レース「電車アタック」をレビュー

発表会・イベント取材
0コメント 仁志睦

2026年5月22日から24日まで京都・みやこめっせにて開催された国内最大級のインディーゲームイベント「BitSummit PUNCH」。Game Source Entertainmentブースにて出展された「THANKS,LIGHT.」と「電車アタック」のレビューをお届けする。

「THANKS,LIGHT.」

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「THANKS,LIGHT.」は、韓国のインディーゲームスタジオ・Lightersgamesが手掛ける一人称視点のアクションパズルゲームだ。操作キャラクターは右手に特殊な懐中電灯を持っており、これでステージ内にある影のような平面の物体に光を当てると立体的なオブジェクトに変わり、光を吸収すると再び平面の影へと戻る。この懐中電灯を駆使して、さまざまなパズルを解きながら謎の空間を進んでいくのだ。

今回の試遊では、本作のアートディレクターであるGo JeongTae氏の説明を受けながらプレイすることができた。いろいろ興味深い話を聞けたのでゲームの内容とともに紹介していこう。

LightersgamesのGo JeongTae(コ・ジョンテ)氏
LightersgamesのGo JeongTae(コ・ジョンテ)氏

ゲームを始めると女性と思われるキャラクターが椅子に座っており、眼前には無機質な謎の空間が広がっている。このキャラクターが何者で、ここがどこなのかはまったくわからないまま懐中電灯を持って空間の奥へと進んでいくことになる。往年の名作パズルアクション「Portal」や映画にもなった大人気作「8番出口」などに似た雰囲気の作品になっており、Go氏もこれらの作品の影響を認めていた。

とはいえ、本作は単なる亜流ではない。ほかにはない独自性を持つ斬新なタイトルになっているのだ。

空間内に存在する平面状の黒い物体は、懐中電灯で照らすと白色の3Dの立体物へと変化するのだが、平面のときには同じ丸でも立体化すると球体だったり円柱だったりする。本作に登場するパズルは、この2Dと3Dの視覚的な特徴を利用したものになっている。

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この光と影を使ったアイディアだが、Go氏が3Dプログラミングの勉強をしていた際、「物体は光を当てないと黒い平面に見えて、本当の形が分からない」という体験をしたことがきっかけだったとのこと。そうしたゲームを作ってみたいと当時から思っていたそうだ。2Dの物体が黒(影)、3Dの物体が白(光)で表現されているのもそのためで、この光と影のコントラストが幻想的な雰囲気を生み出している。

空間内には図形の形をした鍵穴のようなスロットがあり、周囲にある平面の物体を立体にして、その中からスロットの形状に合うものを探し出す。そして、その物体を移動させたり回転させたりしてスロットに差し込むことで次に進む道が開くというのが最初のチャプターの基本的な流れになっていた。

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さらに空間を進んでいくと光り輝く謎の浮遊物体を発見。この物体は空間内のあちこちに潜んでいて、見つけ出して接触すると謎の音声メッセージが流れ出す。Go氏の説明によると、いわゆる隠し要素のようなもので全て探し出す必要はないが、この空間の秘密に関わる存在であるとのことだ。

また、途中で人型のゴーストのようなものが現れて、こちらに向かって走ってくるといったドキっとするようなシーンも見られた。ホラーゲームのような恐怖をあおるものではないが、どこか不気味で不穏さを感じることだろう。この人影の秘密もゲームを進めていくことで明らかになっていくとのことだ。

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最初のチャプターは7つのステージで構成されており、すべて突破すると「逃亡者」という名の影の大群が出現。「どうせいなくなるくせに」と言う謎のメッセージを残して姿を消し、このチャプターは終了となった。

最初のチャプターだけあって比較的簡単だったが、次のチャプターでは立体を平面に戻すことが可能になり、この操作を駆使して進んでいく。動く床にジャンプして飛び乗るといったアクションを要求される箇所もあり、謎解きが複雑さを増していた。さらに、鏡を利用して物体を複製したり、拡大・縮小したりする要素もあるとのこと。チャプターごとにパズルを解くためのギミックが異なるので、より高度かつ多彩なパズルにチャレンジできそうだ。

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懐中電灯を使ったパズルはシンプルながら斬新。ビジュアルも幻想的で思わず引き込まれる魅力を持つ作品に仕上がっていた。すでにSteamにて体験版が配信中で、現在の評価は「非常に好評」と2026年9月の発売を前に期待が高まっている。

この点についてGo氏に聞いたところ、「開発に3年かかっているのでプレッシャーは大きいですが、いろんな人に届けて楽しんでもらいたいです」と謙虚に答えていた。ちなみに、プレイ時間は8時間くらいを想定しているとのことだ。

やりがいのあるパズルの数々と視覚的な面白さ。そして、ときおり差し込まれる緊張感を覚えるようなシーンなど非常に見どころが多く、どういったストーリーやパズルが展開されていくのか。発売を期待して待ちたい。

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「電車アタック」

本作は大災害によってディストピアと化した近未来の日本を電車で疾走するユニークなレースゲームだ。プレイヤーは「電車アタッカー」となり、カーブをドリフトでかっ飛んでいったりド派手なトリックを決めたりしながら日本各地を爆走していく。

この破天荒なゲームを開発したのはスペインのUndercoders。試遊の際に同社のリードデザイナーであるDavid Jaumandreu氏に少しお話を聞けたので、あわせてチェックしておいてほしい。

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本作の特筆すべきところは電車とは思えない強烈なまでの疾走感だ。スタートでダッシュを決めて一気に加速し、コーナーではドリフトでさらにスピードアップ。大きくジャンプして多彩なトリックを決めていく。ときにはレールのないところを突っ走り、さらには巨大な観覧車を転がして突き進んでいったりと、すべてが爽快感抜群でクレイジーなレースを心ゆくまで満喫できる。

ただ、見た目のバカバカしさとは裏腹にレースゲームとしてはかなり本格的。障害物にぶつからないようにコース取りしていく必要があるし、線路が途切れているところではジャンプで飛び越えるなど、瞬時の判断を求められるシチュエーションが次々に出現するので息つくひまがない。わずかな判断の遅れが命取りになるエキサイティングなレースが展開されるのだ。

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うれしいのはコースアウトしても、その少し手前からリスタートできること。タイムオーバーなどもなく、何度でも再挑戦できるので誰でも気軽に楽しめる。やりこみ要素も充実していてタイムを縮めたり、いろいろなトリックを決めたり、コース内に設定されているサブ目標をクリアしたりすることでスコアが上がっていく。コース中の分岐も多く、どのように走っていくか、いろいろ試してみたくなることだろう。

原色を多用したアニメ調のポップでカラフルな映像も特徴のひとつ。色鮮やかな近未来の日本は見ていて楽しく、登場するキャラクターたちも個性的かつファッショナブルで視覚面でも大いに楽しませてくれる。

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意外としっかり再現されている日本の風景も見どころ。今回、筆者がプレイしたコースは九州地方の宮崎県と鹿児島県だったのだが、宮崎県では日南市のモアイ像、鹿児島県では観覧車アミュランといった実在の施設が再現されていた。こうした日本各地の名所が見られるので日本人は興味津々だろう。

ストリートカルチャーと日本の電車という、およそかけ離れた存在を融合させた本作。圧倒的なまでのスピード感は「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、トゥーン調の映像とスケボーを思わせるトリックは「ジェットセットラジオ」を彷彿とさせ、往年のセガの影響を感じる部分もゲームファンの心をくすぐるのではないだろうか。

今回の「BitSummit PUNCHアワード」でも最優秀賞にあたる朱色賞にノミネートされた期待の一作だけに6月の発売が楽しみだ。

David Jaumandreu氏へのショートインタビュー

Undercoders のDavid Jaumandreu氏
Undercoders のDavid Jaumandreu氏

――トリックをきめていくXスポーツ的な要素と日本の電車を組み合わせるというアイディアはどこからきたものなのでしょうか。

Jaumandreu氏:私は日本のファンで日本の鉄道が大好きなんです。若いころはスケートボードもよくやっていて、それで電車の模型で遊んでいるときにスケートボードのトリックを日本の電車でできたらクールだろうなというアイディアが浮かびまして、これは面白いんじゃないかと思ったんです。

――日本のさまざまな地方が舞台になっていますが、その理由を聞かせてください。

Jaumandreu氏:私は日本のローカルな鉄道に乗るのが好きなんですが、地方は人口が少なくなっていて乗客が1人か2人しか乗っていない路線もあるんです。それで将来的に地方からは人がいなくなり、鉄道も廃線になっていくのではないかと考え、これはゲームの設定に活かせるのではないかと思ったんです。

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――トリックは何種類くらい使えるのですか。また、登場するコースの数はどのくらいあるのでしょうか。

Jaumandreu氏:物語を進めていけば各地で新しいトリックを入手できます。トリック同士を組み合わせることも可能なので全部で200種類の以上のトリックを使用できます。コースは60以上ですね。どの都道府県にも1つか2つのコースがあって、すべての都道府県を回りますから。コースが3つ登場する都道府県もありますよ。

――鹿児島のコースで観覧車を転がして進むシーンがありましたが、あれは実在する施設ですよね。

Jaumandreu氏:はい、各都道府県を実際に調査して面白いもの、特徴的なものをいろいろ探したんです。それらをどうやって使えばクレイジーなシチュエーション、面白いシチュエーションを作れるか想像して、ゲームに組み込んでいきました。

――発売を目前に控えてワクワクしていますか、それともプレッシャーがありますか?

Jaumandreu氏:どちらもあります。このゲームを皆さんにフルでプレイしてもらえることを本当にうれしく思いますし、期待もしていますが、同時に緊張もしていますね。

――ありがとうございました。

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※画面は開発中のものです。

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