セガは、2011年8月31日秋葉原UDX「UDXシアター」にて、龍が如くシリーズ総合監督「名越 稔洋」氏率いる制作チームによる「龍が如くスタジオ」発足記者発表会を開催、新作タイトルの概要や、シリーズ最新作となる「龍が如く5」の制作も決定した。
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2005年12月8日、記念すべきシリーズ第1作PS2「龍が如く」を発売してから、今年6月9日に発売したシリーズ第7作PS3「龍が如く OF THE END」に至るまで、発売される作品ごとに様々なチャレンジを続け、累計出荷本数が500万本を超える人気シリーズに成長した「龍が如く」シリーズ。
長きに渡り「本格的な人間ドラマ」が楽しめる作品を制作してきたことにより磨き上げられたその表現力を、今後より多くの作品を通し広く世の中に提供していくため、本日「龍が如くスタジオ」を発足した。
「龍が如くスタジオ」とは「本格的な人間ドラマ」が味わえる作品を創造し続けるクリエイター集団であり、今回新たに「龍が如くスタジオ」のロゴを作成し、「龍が如くスタジオ」が制作する作品のパッケージ、販促物などに使用していく予定となっている。
登壇者
株式会社セガ 上席クリエイティブオフィサー兼第三研究開発本部長「名越 稔洋」氏
株式会社セガ 第三研究開発本部第一CS研究開発部部長「菊池 正義」氏
株式会社セガ 第三研究開発本部第一CS研究開発部副部長兼第一デザインセクションセクションマネージャー「佐藤 大輔」氏
株式会社セガ 第三研究開発本部第一CS研究開発部第一企画セクションセクションマネージャー「小川 陽二郎」氏
株式会社セガ 第三研究開発本部第一CS研究開発部第二企画セクションセクションマネージャー「横山 昌義」氏
MC「ケイ・グラント」さん
名越 稔洋氏より
「龍が如くスタジオ」発足について、名越氏は「龍が如く」作品自体がクリエイターとしての分岐点となったことを明かし、シリーズを繰り返しながらファンが遊んでくれたことに感謝するとともに、作り手・スタッフとして「龍が如く」で培ったノウハウを使い、さらに新しい作品を作っていくと語った。また、今後もスタジオのスタッフたちとクリエイターとしてユーザーの前に出て活動していくとのことだ。
PSP「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」について
完成したばかりのティザームービーのあとに、本作のプロデューサーの「小川 陽二郎」氏により簡単なゲーム概要の説明がなされた。本作の物語は東京・神室町と大阪・蒼天堀を舞台として、主人公は前作に引き続き「右京龍也」となり、かつての自分より若い少年たちとの出会いにより、悩み、失いかけたもの、もっと大事にしていかなければならないものに気づいていくというドラマ性の強い作品となるようだ。
また、本作ではリアルな東京・大阪の街を実装しており、見た目だけでなく雰囲気も再現している。喧嘩バトルシステムでは、スタイルや技が増加する通常の進化だけでなく、ヤジウマがバトルに参加したり、周囲のオブジェクトを利用して戦うこともできるらしい。もちろん、プレイスポット、ナイトスポットも充実進化。大阪での新しい街遊びもたっぷり楽しめるように開発されている。発売日は2012年の春を予定しており、東京ゲームショウ2011の会場でも何らかの発表がある予定とのこと。
PS3/Xbox 360「バイナリー ドメイン」について
コンセプトは「命」
すでに多くの情報が公開されているPS3/Xbox 360「バイナリー ドメイン」について、今までのロゴにカタカナ名での表記を加えた正式なロゴが発表された。本作のこだわった部分はやはり展開される「命をテーマとした熱いドラマ」と今までのジャンルに縛られない新技術がポイントとなる。
また、本作のディレクターの佐藤氏は、名越氏とは10年来の付き合いがあり、お互いにかなり良くわかっており、名越氏は佐藤氏を「龍が如く」シリーズの開発から正直外したくはなかったとのことだが、あえて佐藤氏に完全新作を任せることを選択したという。
「バイナリー ドメイン」の舞台は2080年の東京となり、人類は世界の温暖化を止めることができず、海面の上昇を食い止めるために巨大な堤防を建設した。さらにそれでは安心できないので高層の建物を作り、その労働力としてロボットを開発。人類は安全な高層に移住することができた。が、放置された下層都市はスラム化し、治安が歩くなる。そこで政府はロボットを武装化し、制圧に当たらせる。
世界を巻き込んだその加速するロボット産業の競争について、これを取り締まる国際的な組織「IRTA」を発足し、世界条約として「ロボットを道具」として認識し、自我を持ったロボットの開発を禁止している。「ホロウチルドレン」や「ラストクルー」など近未来を舞台としてさまざまなキャラクターがドラマを生み出し、「命」をテーマとしたただのシューティングではない生命の根源に触れるような、重厚な作品に仕上がっているとのことだ。
仲間との絆が戦況を大きく変える
システムとしては、プレイヤーが「ラストクルー」として同行する仲間を自由に選択して進行していくチームアクションを軸としている。仲間には「信頼度」が設定されており、プレイヤーの選択や行動などでリアルタイムに変わっていく。信頼度の変化によって仲間のAIも常に変化、マイナスだとプレイヤーに対する態度が冷たくなったり、命令を受け入れないようになる。戦況も致命的に悪くなる可能性も。逆にプラスに変化すると、危機を救ってくれたり、作戦提案を受け入れてくれる。このさまざまな信頼度の変化で変わるシナリオやイベントシーンも豊富に用意されているとのこと。
さらに、状況によって決まりきったイベントだけではなく、仲間のAIなどによってリアルタイムに戦況が変わっていく。敵に包囲されたときに信頼度の高い仲間が囮を引き受けたりしてくれるらしい。作戦提供もしっかりと選択して行かないと窮地に陥ることも。非戦闘時でも仲間との会話は発生し、それによって仲間の思考性や人間性、バックボーンまでも知ることができる。
音声認識にも対応しており、マイクデバイスで入力が可能だ。また仲間の音声はすべてフルボイスとなっており、より自然な会話を楽しむことができる。また、敵のAIにもこだわっており、自律型のAIを使用、状況によって多彩なモーションを繰り出し、破壊された部位によって、同士撃ちを始めたり移動速度が遅くなったりと、考えながら敵を狙い撃つのも楽しみの一つとなっている。
豪華キャストも発表
近未来のドラマティックアクションを彩るキャスト勢も発表された。
内務省警察局刑事・黒澤「北村 一輝」さん
IRTA作戦本部司令官・フィリップス少佐「遠藤 憲一」さん
地下スラム街の少女・ユキ「武井 咲」さん
疑惑の天才科学者・天田洋二「竹中 直人」さん
地下スラム街の黒幕・三船「松方 弘樹」さん
「龍が如く5」制作決定!
最後に発表されたのはやはり、シリーズ最新作となる「龍が如く5」の制作について。だが現時点ではプラットフォームやジャンル、発売日など詳細は不明となっている。名越氏は、PS3「龍が如く OF THE END」にて今までのシリーズ設計は終わりにし、次の作品は新たな設計のもと、開発すると語り、技術的にも新しい遊び方のスタイルを提案しているとのことだ。ぜひ続報を楽しみに待っていてほしい。
「龍が如くスタジオ」作品ラインナップ
第1弾作品
商品名:バイナリー ドメイン
対応機種:PlayStation3、Xbox 360
発売日:2012年2月
第2弾作品
商品名:クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編
対応機種:PSP「プレイステーション・ポータブル」
発売日:2012年春
第3弾作品
商品名:龍が如く5(仮称)
対応機種:未定
発売日:未定