本日1月21日、東京・テアトル新宿にて、3Dアニメーション映画「ドットハック セカイの向こうに」の初日舞台挨拶が行われた。本作に出演した桜庭ななみさん、松坂桃李さん、田中圭さん、そして監督を務めた松山洋氏が登壇した当日の模様をお届けする。

本作は、ゲーム、アニメ、漫画などさまざまなメディアミックスを見せてきた「.hack」シリーズの最新作にして、初のオリジナル劇場版。アニメーション制作は、サイバーコネクトの映像制作チーム「sai」が担当、同社の代表取締役社長でもある松山氏が監督を務めた。

さらに、公開前に特別番組を放送したり、1月14日にはメインキャラクターが舞台となった福岡県柳川市の特別住民票を授与するなど、公開に向けてさまざまなプロモーションやニュースが飛び交っていた。

そして、いよいよ公開本番を迎えた本日、出演者および監督が映画を観終わったばかりの観客たちにその心境を語った。

役を演じた感想について聞かれた桜庭さんは、2回目のアニメ作品への声の出演ということだったが、「アニメのアフレコは何回やっても難しい」と正直な感想を述べた上で、本作ではキャラクターの動きが細かく、特に口の動きがリアルであったことから声のタイミングを合わせるのが難しかったとアフレコ時の心境を語った。

また、今回がアニメ作品への初出演となる松坂さん、田中さんは、「テンションが低く、ボソボソとしゃべる役で難しかった」(松坂さん)、「心情の変化がリアルでやりやすかった」とそれぞれ対照的な感想を述べた。

桜庭ななみさん 田中圭さん

それについて松山氏は、田中さんが演じた岡野智彦は同氏の考えるイメージ通りだったらしく、収録時にもほとんどリテイクなく進んだという。一方、松坂さんが演じた田中翔はテンションが低い役ということで、こちらはもっとトーンを落とすように指示しながら収録をしていったとのことだ。

そして、主人公である有城そら、そしてゲーム内でのカイトを演じた桜庭さんについては、役どころとして喜怒哀楽の激しいキャラクターであったことから日数もリテイクも一番多かったという。しかしながら、松山氏曰く「ガッツで頑張った」という言葉通り、無事に収録を終えることができ、公開当日を迎えた。

続いて、主人公たちの年齢が14歳ということで、自分が14歳の頃何をしていたかというトークに。ここでは、桜庭さんがテニス部、松坂さん・田中さん・松山氏がバスケ部とみな運動部に入っていたというエピソードが明かされ、加えて松坂さんは当時漫画家になりたくて、実際に絵を描いていたという暴露話も飛び出した。

松坂桃李さん 松山洋氏

また、本作について松山氏は、「.hack」シリーズは、“曖昧な境界線”をテーマに作品を作っており、今回のキャラクターたちも少しずつ歪さを持った役どころになっていて、そんなキャラクターたちを掘り下げることにこだわったという。今後本作を観るという方は、その点について注目してみてはいかがだろうか。

最後に、各登壇者からのメッセージをもって舞台挨拶は終了となった。

桜庭さん:観ていただいて本当にありがとうございます。この作品を観て何か感じてもらえたらと思います。

松坂さん:(松坂さんの演じた)田中翔が映画の中でしゃべる「僕たちは、思ってる以上につながってるのかもしれない」が好きで、確かにそうだなと思うこともところもたくさんあるので、みなさんもこの映画をいろんな人につなげていただければ嬉しいです。

田中さん:震災で収録が延期になったのですが、こうして今日という日を迎えられて、みなさんに来ていただいて、こうした思いが桃李くんも言っていた「僕たちは、思ってる以上につながってるのかもしれない」という形でつながっていけたらいいと思いました。

松山氏:劇場版「ドットハック セカイの向こうに」は、脚本からスタートして完成まで丸4年の月日をかけて、ここに出ている我々だけではなく、本当に大勢の関係者が一丸となってやってきた作品になります。

私個人としても、「.hack」プロジェクト10年の夢が本日叶ったと思っています。10年以上にわたってやってきた「.hack」がこうして全国の映画館でみなさんに楽しんでもらえて、それを夢としてやってきたので、これを次に活かしてまた新しい作品づくりに励んでいきたいと思っています。当面はゲーム製作を行いますが、また映像作品を作っていきたいと思っています。

ドットハック セカイの向こうに

キャスト

桜庭ななみ、松坂桃李、田中圭、福井裕佳梨、井上麻里奈、緒方賢一、藤田咲、勝生真砂子、増谷康紀、檜山修之

監督

松山洋

脚本

伊藤和典

キャラクター原案

貞本義行

主題歌

「光をあつめて」KOKIA(フライングドッグス)

企画・製作

.hack Conglomerate

アニメーション制作

サイバーコネクトツー sai

配給

アスミック・エース  

2012/日本/カラー/デジタル3D/シネマスコ-プ/DTS 5.1ch

公開情報

2012年1月21日テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国3Dロードショー

公式サイト

http://www.dothack.com/

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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