千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2012。9月21日にメインステージで行われた「iLove iPhone in TOKYO GAME SHOW」の模様をレポートしよう。

目次
  1. iOSゲームアプリの歴史
  2. カプコン
  3. ゲームロフト
  4. appBank GAMES
  5. neurowear

今回で4回目を迎える本イベントは、今までのゲームアプリ市場を振り返りながら、最新のゲームアプリ、そして、未来のテクノロジーについて、各ゲームメーカー、アプリ開発メーカーなどの開発者が登壇し発表するというもの。スマートフォンコーディネーター 大野泰敬氏の司会ですすめられた。

iOSゲームアプリの歴史

大野泰敬氏
大野泰敬氏

まず、大野氏により、変化するiOSゲームアプリ市場について、各種ランキングを用いて解説された。

iOSが登場当初は、海外の個人が開発したアプリが中心となって市場が形成された。その後、大手ゲームメーカーが参入し市場が拡大、コンソール機からの移植系アプリが増加し価格の低下が起きる。

また、ゲーム内課金が登場し、2011年の売り上げベースでは、無料モデルのアプリがランキング上位を独占する。

2008年 有料アプリランキング 2011年 セールスアプリランキング

そして、2012年9月21日、iPhone5が発売される。会場では、iPhone5の実機を使って、大きくなった画面や速くなった処理速度を確認するデモが行われた。大野氏は、「iPhoneをゲーム機としてとらえた時に、非常に進化している」と語り、ゲーム機としても優れた端末であることを強調した。

続いて、2012年のランキング。有料アプリランキングでは、再び、海外アプリが増加。85円に値下げしたアプリが上位90%以上を占め、セールスランキングでは、無料モデルのアプリが独占する結果となった。

2012年 有料アプリランキング 2012年 セールスアプリランキング

カプコン

株式会社カプコン 手塚武氏により、同社が2012年9月19日より配信を開始した「ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE」を題材に発表が行われた。

本作は、Retina対応の新ゲームエンジンにより完全3Dで描画された格闘ゲーム。トップ有料ランキングで1位を獲得した本作だが、売上ランキングでは、18位という結果になっている。


手塚氏は、「昔は、高単価なアプリでトップセールス上位に入ることは難しくなかった。しかし、今は、トップセールスランキングは、ほぼ無料のアプリになってしまっている。」とダウンロード課金であるプレミアムからアイテム課金のフリーミアムに変化していると指摘した。

「デジタル流通の場合、ランキングのトレンドが多大な影響を与える。」とランキングの重要性を語り、より広い客層に気軽に遊んでもらい評価してもらう現在のトレンドを分析した。

グラフの面積が売上と比例し、フリーミアムの方が大きな売上を狙うことができる

しかし、開発コストをかけた本格的なゲームを提供しにくい点や一部の高課金者が支えるモデルなど、フリーミアムの課題についても指摘した。

そこで、フリーミアムとプレミアム、それぞれの問題点を取り除き、良い点を活かしたペイミアムを提唱。ペイミアムは、圧倒的なクオリティのゲームを誰でも気軽に買える価格で提供し、追加課金も得ることで、長期的な露出・売上増大を見込むビジネスモデルで、「ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE」で採用している。

最後に、2012年秋配信予定のロックマンシリーズ25周年を記念した「ロックマン クロスオーバー」の紹介ムービーを上映、ペイミアムだけではなく、フリーミアムにも挑戦していくと述べ発表を締めくくった。

ゲームロフト

ゲームロフト株式会社 ビジネス部 PRマネージャー 稲葉芳恵氏より、MODERN COMBATシリーズ最新作「MODERN COMBAT 4」の紹介が行われた。

2009年の1作目から3年が経過し、累計630万ダウンロード、「MODERN COMBAT 3」の月間ユニークユーザー数は150万人に達している。

appBank GAMES

続いて、APPBANK GAMES株式会社 代表取締役 宮川義之氏が登壇し、新作アプリ「Dungeons&Golf」を紹介した。

本作は、ファンタジーな世界観をもった一風変わったゴルフゲームで、世界中のプレイヤーと簡単に対戦可能。会場では、デモプレイのほか、発売されたばかりのiPhone5での実演が行われた。

neurowear

昨年、脳波で動かすガジェット「necomimi」で話題になったneurowearの加賀谷友典氏より、新たな作品・サービスの発表が行われた。

「necomimi」の発表以降、「しっぽをつくって欲しい」との声を受け、キモチにあわせて揺れるしっぽ型ガジェット「shippo」を開発、披露された。現在、商品化を検討しているという。

昨年発表された「necomimi」
最初のコンセプトスケッチを確認した所、ネコミミのほか、しっぽもあったそうだ

キモチと位置情報を記録するアプリ「neuro tagging map」が2013年にリリースされることが発表された。「shippo」との連携はもちろん、アプリ単体での使用も可能とのことだ。

今回発表された「shippo」、リラックスするとゆっくり揺れ、感情が高まるとはやく揺れる

さらに、コンセプトモデルとして、脳波で動くターンテーブル「Neuro Turntable」を発表、「音楽の新しい領域に挑戦していきたい」と意気込みを語っていた。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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