【TGS 2012】命を奪うか助けるか―マルチプレイの見どころが語られた「SOUL SACRIFICE（ソウルサクリファイス）」メディアセッション

鳥山晃之氏

本セッションでは、東京ゲームショウの展示ホールとは別会場で、本作のアソシエイトプロデューサー・鳥山晃之氏がゲームシステムなどを紹介してくれた。ゲームショウの会場で試遊できた方もいると思うが、戦闘でポイントとなる要素が開設されたほか、セッションの最後には質疑応答の時間も設けられていたので、その内容をお伝えする。

セッションではまず、公式サイトでも公開されているPVが上映された。この映像は戦闘シーンが中心に構成されており、さまざまな魔法を使っている様子が確認でき、倒れた味方を生贄にして強大な魔法を唱える場面も収録されている。

映像上映後は鳥山氏が、戦闘の中でもマルチプレイのコンセプトになっている“共闘”に焦点を当ててゲームシステムの解説が行われた。PVでは仲間を犠牲にして魔法を唱えていたが、仲間が敵を攻撃する際、自分が敵の足止めをしたり、仲間を盾で守ってあげたりと、ときには信じることも大切だという。そういったやり取りによって感じる心の動きや、共に戦う敵を倒したときの気持ちを描きたかったという狙いもあるようだ。

今回の東京ゲームショウに出展されていた試遊台では、戦闘の基本となる供物によって魔法を使う部分を体験できたが、魔法には使用できる回数制限が設けられていた。回数制限があるともったいなくて使えない人がいると思うが、本作ではそういった心配がいらないよう、フィールドに隠された魔法の源を利用することで供物を回復したり、供物を消費せずに魔法を発動する「地形供物」という要素が搭載されているとのこと。

また、その地形供物の場所を見つけたり、敵の弱点や味方の状態を判別できる「心眼」システムも存在する。これを利用することで、マルチプレイ時に敵の弱点を見つけたら仲間に伝えるなど、共闘感が一層盛り上がるのではないかと話していた。

仮に共闘中に倒れてしまってもそこで終わりではなく、倒れたプレイヤーは人魂になるという。人魂状態では、敵や味方の状態を見渡せるようになるのに加え、仲間を発ちすれば強化したり、敵をタッチすれば弱体化できたりと、自分が死んでも仲間と協力できるようになっている。誰かが死んでしまった後でも、「もう少しで倒せそうだ！」とか「仲間のHPが少ないからサポートしてあげて」といった指示出しで連携することも可能だろう。

重要となる生贄と救済のシステムについても触れられた。プレイヤーである魔法使いは、もともと動物や人間だった魔物を駆除する使命を持っており、倒した魔物を生贄にするか救済するか選択できるのだ。生贄にする行為を繰り返すと、攻撃魔法の威力に影響する魔力が上昇し、救済を繰り返せば防御力や回復魔法の威力に影響する生命力が上昇し、キャラクターが成長していく。

本作では、いくら使命といっても人間だったものを犠牲にしてまで力を求めるべきなのか、命を奪うことも助けることもできる魔法使いの行為が本当に善なのか、悪なのかといった、苦渋の選択をシステムとして直感してほしいという。

この後は、質疑応答のコーナーで判明した内容を紹介していこう。

――普通のRPGのようなキャラクターの作成やカスタマイズ要素はあるのでしょうか？

鳥山氏：体験版にも収録されていましたが、キャラクターのコスチュームチェンジやメイキングは可能です。

――生贄と救済以外でキャラクターが成長する要素はあるのでしょうか？

鳥山氏：基本的には生贄と救済で魔力や生命力を挙げ、キャラクターを成長する形になっています。ただ、どちらを選択するかなど、キャラクターがどう成長するかはプレイヤー自身によるので、さまざまな成長を遂げるようにしています。

――生贄にすることに抵抗を感じる人もいると思いますが、生贄にするデメリットはあるのでしょうか？

鳥山氏：詳細については今後の情報をお待ちいただきたいのですが、最終的にプレイヤー自身の結果が見えるようなシステムを搭載しようと思っています。

――PVではボス・ケルベロスの部位破壊がありましたが、これにはどんなメリットがあるのでしょうか？

鳥山氏：心眼モードで敵を見ると弱点が光るようになっていて、そこを魔法で狙って破壊するとクリア後のリザルト画面でよりよいアイテムが手に入るようになっています。

――マルチプレイモードとストーリーモードは独立しているのでしょうか？

鳥山氏：基本的にはシングルプレイとマルチプレイは両立しています。シングルプレイで倒せない敵がいたらマルチプレイで倒してみる、といった形になっています。

――使う魔法によって戦士のように戦うこともできるようですが、装備の概念はあるのでしょうか？

鳥山氏：装備そのものも魔法で使うようになっています。例えば剣を使いたければ剣を生み出す魔法を、鎧を生み出したい場合は鎧を生み出す魔法を、といったように魔法で装備をまかなうシステムになっています。