2013年1月13日、スクウェア・エニックスはアーケードで人気のガンアクションゲーム「ガンスリンガー ストラトス」の第1回公式大会「GUNSLINGER’S BATTLE ARENA -Birth-」を、東京ビッグサイトにて開催した。

目次
  1. 決勝進出をかけて白熱のバトルが展開
  2. 決勝戦は展開が二転三転する大激戦に

本イベントは「ガンスリンガー ストラトス」の賞金制公式大会だ。第1回となる今回の東京大会と夏開催予定の大阪大会の賞金総額は1000万円で、これは国内アーケードゲーム大会の史上最高額となる。この高額賞金が話題を呼んだこともあって、大会当日は全国から1000名を越えるプレイヤーがエントリー。初代チャンピオンの座を目指して激戦を繰り広げた。

プレイヤーは4人1組のチームで参加。まず、A~Hの8ブロックに分かれての予選トーナメントを戦い、各ブロックで優勝した8チームが決勝トーナメント進出となるルールだ。予選の1回戦から準決勝までは1回勝利すると勝ち抜けとなる1戦勝負で、ブロック決勝は先に2勝したほうが勝利となる。

会場にはブロックごとにそれぞれ8台ずつ、計64台もの筐体が設置された。

予選の1回戦~準決勝は一発勝負のためか、守備重視の慎重な戦い方をするチームが目立った。特に、準決勝までは引き分けの場合にチームの勢力ゲージの残量で勝負が決まることから、残り時間が少なくなるとリードしている側が逃げに回り、負けている側がムリな攻めを仕掛けるといったギリギリの攻防で勝敗が決する僅差の勝負が続出していた。

まずは計36チームによる予選トーナメントを勝ち抜かなければならない。

各ブロックの決勝も土壇場での逆転劇あり、引き分けを挟んで4戦目まで決着がもつれる互角の展開ありと実力伯仲の熱戦が展開された。

個人的ベストバウトは「お嬢様フォーシーズンズ」と「黒猫ちゃんフォース」が激突したDブロック決勝。1戦目は「お嬢様フォーシーズンズ」があっさりと取ったものの2、3戦目は逆転につぐ逆転の連続。最終的に「お嬢様フォーシーズンズ」が2勝1敗で勝利したのだが、最後までどちらが勝つか分からない大熱戦でギャラリーを大いに沸かせた。

勝利して喜ぶ者、悔し涙をこらえて敗者をたたえる者など、予選からさまざまなドラマが見られた。

決勝進出をかけて白熱のバトルが展開

決勝トーナメントはすべて2戦先取したチームが勝利となる3回戦制で、1戦目と2戦目はそれぞれのチームが指定するホームステージでバトル。3戦目に突入した場合、ステージは「渋谷」となる。3戦終了時点で勝敗が決まらなかった場合はエクストラバトルを実施。エクストラバトルが引き分けのときは終了時点での勢力ゲージで勝敗を決する。

決勝大会の解説は声優の阿部敦さん(風澄徹役)と植田佳奈さん(竜胆しづね役)が務めた。
司会進行を務めたブンブン丸さん(右)とMC鈴木さん。 ナレーションを務めた声優の西田雅一さん(片桐鏡麿役)。

さすがに激戦を勝ち抜いてきただけあって、どのチームもテクニックはもちろんだが、バトルの進め方も非常に巧みで、残り体力が少ない状態でひたすら逃げて敵をかく乱したり、地形を利用して敵の裏をかいたりといった、攻めどきや引きどきを心得た戦略的な立ち回りで会場を唸らせていた。

勝敗を分ける一番のポイントになったのは、終盤でチーム全員の体力をフルに近い状態でそろえられるか。実際、勢力ゲージが残りわずかながらも体力面で優位に立ち、一気に攻めて連続でキルをとって逆転するという展開が多く、勝敗がもつれるきわどい試合の連続となった。

ちなみに、1回戦の組み合わせと対戦結果は以下のとおりで、「わからせに来たぽんぽ♂」、「お嬢様フォーシーズンズ」、「不良サラリーマン」、「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」の4チームが準決勝進出を果たした。

決勝トーナメント1回戦の結果(○のついているチームが勝利)

天撃YU士隊(Fブロック代表)VSわからせに来たぽんぽ♂(Aブロック代表)○
JOKER様と愉快な勘違い勢(Gブロック代表)VSお嬢様フォーシーズンズ(Dブロック代表)○
○不良サラリーマン(Bブロック代表)VSそうなんだ、すごいね(Eブロック代表)
○全吉祥寺1マークスマンを見守る会(Cブロック代表)VSなんや貴様一軍(Hブロック)

第1試合は「わからせに来たぽんぽ♂」と「お嬢様フォーシーズンズ」が対戦。1戦目は勢力ゲージで圧倒的優位に立った「お嬢様フォーシーズンズ」がそのまま押し切って「圧勝」で先取したが、2戦目は一進一退で勢力ゲージが残り100対100となる。互いの体力もほぼ五分だったが、最後は「お嬢様フォーシーズンズ」が競り勝って2連勝で決勝に進出した。

第2試合は「不良サラリーマン」と「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」が対戦した。1戦目は終盤に全員の体力をほぼフルでそろえることに成功した「不良サラリーマン」が先勝。
2戦目は羅漢堂の活躍もあって「不良サラリーマン」が有利と思われたが、「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」が逆転で取って1勝1敗となった。

3戦目は渋谷ステージの広場で大乱戦となった。ここで優位に立ったのが「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」で、勢力ゲージ2400対300と大きくリードを奪うことに成功する。「不良サラリーマン」も粘って100点差まで詰め寄るが、逆転にはいたらず。「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」がこのステージを取り、決勝で「お嬢様フォーシーズンズ」と戦うことになった。

決勝の前に「不良サラリーマン」と「わからせに来たぽんぽ♂」の3位決定戦も行われた。3位以上のチームが賞金を獲得できることから、実況陣は「3位と4位は天と地ほどの差があります!」と言って会場をあおりまくっていたのだが、その効果があったのか、試合のほうは今大会で一番の大接戦となった。

1戦目は戦力ゲージ、体力とも不利になった「不良サラリーマン」がドローを狙って逃げ切りをはかり、それを「わからせに来たぽんぽ♂」が追うという展開になった。残り10秒となって逃げが成功したかと思われたが、ギリギリで「わからせに来たぽんぽ♂」が「不良サラリーマン」のメンバーを撃破。かろうじて1勝目をあげた。

2戦目は残り1キルで敗北となる「わからせに来たぽんぽ♂」が、体力の少なくなったメンバーを守りながらドローを狙って逃げ回るという1戦目とまったく逆の展開になった。

今度も制限時間が残りわずかとなるが、「不良サラリーマン」が強引な攻めで「わからせに来たぽんぽ♂」を駐車場に追いつめることに成功。なんと残り8秒でゲージを削り切り、1勝1敗のタイとなった。3戦目は「わからせに来たぽんぽ♂」が優位に立つが決定力を欠き、「不良サラリーマン」の逃げ切りを許して引き分け。勝負の行方は4戦目へと持ち込まれた。

4戦目は「不良サラリーマン」がリードを取るが「わからせに来たぽんぽ♂」も食らいついていく。そして、残りタイムがわずかになったところで、ついに逆転に成功。勢力ゲージを1600対300とした。

「不良サラリーマン」は逆転すべくイチかバチかの攻撃を試みるが、このまま終了すれば勝利となる「わからせに来たぽんぽ♂」はムリをせず、そのままタイムオーバー。逃げ切りを決めた「わからせに来たぽんぽ♂」が僅差の勝負を制し、見事に3位となった。

3位決定戦は3、4試合目が連続でドローという僅差の勝負となった。

決勝戦は展開が二転三転する大激戦に

決勝戦は「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」と「お嬢様フォーシーズンズ」が対戦。初代チャンピオンの名誉と高額賞金がかかっているだけに、こちらも互いに譲らぬ大激戦となった。

1戦目のステージは「お嬢様フォーシーズンズ」指定の「さいたま」。広場で互いのプレイヤーが入り乱れる激しい乱戦となるが、グレネードコンボを3発決めるなどして「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」がリードを取る。

「お嬢様フォーシーズンズ」も体力の少ないメンバーを狙って逆転をはかるが、そのまま押し切られ「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」が1勝目をあげた。

2戦目は後のなくなった「お嬢様フォーシーズンズ」が怒涛のラッシュをかけ、勢力ゲージ6500対200と圧倒的リードを奪う。「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」は引き分けを狙って逃げ回るが、相手の羅漢堂を落とした「お嬢様フォーシーズンズ」が2戦目を取り、勝負の行方は3戦目に持ち込まれた。

3戦目は状況が二転三転するシーソーゲームとなった。まず、「お嬢様フォーシーズンズ」が勢力ゲージ8000対2100と大きなリードを取るも、「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」が逆襲。「お嬢様フォーシーズンズ」のゲージを残り100まで追い詰め、優勝まであと1歩と迫った。

しかし、「お嬢様フォーシーズンズ」もここから粘りに粘って連続でキルを奪い、勢力ゲージはなんと100対100に! どちらが勝つかまったく分からない大激戦となった。最後は「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」が残り体力の少ない敵を攻め切ることに成功。激戦に終止符を打ち、チャンピオンの座に輝いたのだった。

優勝した「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」には賞金300万円と優勝トロフィーが贈呈。さらに、副賞としてゲーム中で表示される特別称号「唯一なる始原の覇者」と「CHAMPION」のエキストラアイコンが贈られた。このアイコンはチャンピオンベルトのようなもので、次回の大阪大会まで付けることができるとのことだ。

表彰式には大会コミッショナーであるスクウェア・エニックス 代表取締役社長の和田洋一氏(左)と
プロデューサーの門井信樹氏がプレゼンターとして登場した。

準優勝チームの「お嬢様フォーシーズンズ」には賞金150万円、3位の「わからせに来たぽんぽ♂」には賞金50万円がそれぞれ贈呈。また、決勝トーナメントに進出した優勝チーム以外のプレイヤー全員に特別称号「勇名はせし時空の強者」がプレゼントされた。

3位の「わからせに来たぽんぽ♂」。メンバーの平成たぬき合戦ぽんぽさんは本作がゲームセンターで
初めてプレイしたゲームとのことだ。
準優勝の「お嬢様フォーシーズンズ」。3位以内のチームで唯一の鏡華使いであるペリーヌさんは
「ここまでこれたのは鏡華ちゃんへの愛の力です!」と語った。
優勝した「全吉祥寺1マークスマンを見守る会」。メンバーたちは終始、自分たちの主戦場である
ゲームセンターの店長にお礼を述べていた。

表彰式のあと和田洋一社長が大会を総括。「皆さんお疲れ様でした。最後の最後まで大接戦で、本当にこの大会をやって良かったと思いました。賞金はそこそこの大金でございますので、ぜひ思い出に残るように、ありえないぐらいにバカバカしい使い方をして欲しいと思います。絶対に貯金なんかしないでパーっとね(笑)。また次の戦いに向けて頑張っていきますので、皆さんも盛り上がっていきましょう。ありがとうございました」とジョークを交えて語り、会場を盛り上げた。

なお、大会に続いて、プロデューサーの門井信樹氏が今後のバージョンアップの発表も行われた。詳細はこちらに掲載してあるので、あわせてチェックしておいてほしい。

最後にゲスト陣がひとことずつコメント。「会場を少しでも盛り上げられるようにと思って全力でやりました」(西田さん)、「昨日からいろいろやらせてもらったんですけど、皆さんの“ガンスト”への愛がすごく伝わってきました。これからもマッチングよろしくお願いします!」(阿部さん)、「ものすごい熱い試合が見れて、もう夏が待ちきれないというか、明日から練習に入りたい思いでいっぱいです」(植田さん)と、感想を述べた。

そして、締めくくりとして門井プロデューサーが挨拶。「皆さん、長い時間お疲れ様でした。我々はこの経験を活かして大阪に向けてこれから頑張っていきます。また、大阪までに多数のバージョンアップもあると思いますので、それも楽しみにしていただければと思います。次の福岡、そして夏の大阪でお会いしましょう!」と語り、大会の幕を閉じた。

イベント終了後、「ガンスリンガー ストラトス」のさまざまなグッズの販売も行われ、
多くの参加者が詰めかけていた。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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