MAGES.が2013年夏に発売するOVA「コープスパーティー Tortured Souls ―暴虐された魂の呪叫―」。今回、本作のアフレコ現場にて、出演キャスト陣のインタビューを行うことができたので、その模様をお届けする。

目次
  1. OVA「コープスパーティー Tortured Souls ―暴虐された魂の呪叫―」概要
  2. OVA1話「多重的別離」あらすじ
  3. キャラクター紹介
  4. スタッフ

「コープスパーティー」シリーズといえば、これまでPSPをはじめ、PC、iOSでも発売されてきた、廃校監禁ホラーアドベンチャーゲーム。

そして、新たな展開として発表されたOVA「コープスパーティー Tortured Souls ―暴虐された魂の呪叫―」は、シリーズの1作目である「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」をベースに、全4話からなる新たなストーリーが紡がれる。

2012年8月2日に発売されたPSP用ソフト「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯❤Hysteric Birthday 2U(以下「コープスパーティー 2U」)」は、愛あり、涙あり、笑いありのドタバタ劇となっていたが、OVAは再び閉鎖空間で起こる惨劇が描かれている。

今回、収録現場にお邪魔し、アフレコを終えたばかりの下野紘さん、新井里美さん、今井麻美さん、大谷育江さん、佐藤利奈さんの5名に、本作の感想などを伺ってきたので、その内容をお伝えしよう。

(写真左から)新井里美さん、佐藤利奈さん、下野紘さん、今井麻美さん、大谷育江さん

――「コープスパーティー」がOVA化されると聞いたとき、どんな印象を受けましたか?

新井さん:「まさか」「そんなはずは」「どうしよう」…。映像化して大丈夫かなと思いました(笑)。

佐藤さん:まずは「正気か!?」と思いました(笑)。「コープスパーティー」はゲーム以外にもドラマCDなど、いろいろな広がりをみせていますが、キャラクターが動いたことは少なかったんです。ですが今回ついに動き出すということで、戦々恐々としながらこの日を迎えました。

下野さん:でも、「コープスパーティー 2U」の限定版にもアニメが付いていましたし、本格的な映像化もいつかはやるんじゃないかと思っていました。ですから「ああ、やっぱりか」という印象もあります。ただ、1話だけで終わらず全4話もあるとは、さすがに予想できませんでしたね。

今井さん:本当に怖い作品なので、アニメの台本をいただいても極力持ち歩かず、事務所に置いたままにしておいたんですよ。本当は台本を読んで演技について考えなければいけなかったんですけど、それも怖かったので、できるだけギリギリまで粘りました(笑)。

スッと持ってきてスッと収録してスッと帰れたらいいなあ…と臨んでいたのですが、案の定前日の夜はまったく眠れず、遠い世界へ行ってしまった世以子ちゃんのような目をして収録に入りました。

大谷さん:皆さんと同じですが「映像化!?嘘でしょ!?」とまずは思いました。ゲームの1作目のときは、私は自分のパートだけが書かれた台本を受け取ったんです。だから、ハッピーエンドがひとつもないけど、ほかのキャラクターにはあるだろう…とずっと思っていたんですね。でも収録の当日にスタッフから「ハッピーエンドはない」ときっぱり言われてしまいました(笑)。

いつサチコは成仏できるんだろう…と思いながらシリーズに参加し続けていて「コープスパーティー 2U」では少しだけ幸せな気分になれたのですが、また続くことになりました(笑)。ただ、今回は1話で終わらず、4話もあるんですよね。その中にはハッピーエンドもあるかなと期待しているんですけど…。

祁答院慎氏(「コープスパーティー」シリーズの原作者):本当にごめんなさい!

大谷さん:えー!?

新井さん:やっぱりないんだ(笑)。

今井さん:もう「コープスパーティー 2U」を映像化してくださいよ!

大谷さん:今回こそ救いがあるんじゃないかと思って収録に臨んでいたのですが、ないそうです。うまいことハッピーエンドに終わらせてほしいものです(笑)。

――台本を読んだときの感想をお願います。

新井さん:最初に読んだときは「あー…やられたー」と思いました。そして実際に動く絵を見たときには「やっぱりこうなるよね」と、現実を突きつけられた気分になりました。

でも、やる以上はしっかり演じようとも思いましたね。「世以子の死に様を見せつけてやる」といった具合に(笑)。

佐藤さん:いつも通りの展開が待っていて「私この物語知ってる!」と思いました。

下野さん:何回も同じようなことやってるからね(笑)。

佐藤さん:そうなんですよ(笑)。でも、気が重くても映像に声を乗せなければいけないし、感情を込めて演じなければいけませんし。ゲームのときは自由に演じていましたが、アニメは動きに合わせて演技をしなければいけないので、台本を読んで、リハーサルのVTRを見る作業を深夜にずっとしていましたね。

1話の収録は今日で終わりましたが、やりきったという思いはすごくあります。2話以降は他のみなさんに頑張っていただきたいと思っています。

下野さん:僕が演じた部分に関しては、比較的平和な部類に入るかな、と思いましたね。ただ、これから話が進むうえでいろいろなことが起きることはもう分かりきっているんですけど(笑)。なので、早いうちに自分のところへ悲惨なシーンが来てほしいという思いもあります。今まさに、順番待ちの状態というところでしょうか。

今井さん:私は幼少のころからトイレがトラウマと言っていいくらい苦手で、できることなら一生行かないで過ごしたいくらいなんです。ですが、今回の台本を読んだら、私のトイレに対するトラウマを色濃く表現しているシーンがあって…。それを読んだ瞬間台本をスッと置きました(笑)。この作品のせいで、私は今後和式トイレに入れないと思います。

大谷さん:1話の台本では、サチコが酷いことをする前の話なので、まだ清らかな気持ちでいます。今回はサチコだけではなく、サチコのお母さんも演じることができて、とても楽しかったですよ。「コープスパーティー」ファンの方には、サチコ以外の声もチェックしてほしいですね。

私たち全員でキャラクターに魂を吹き込んでいますので、ぜひ怖がりながらも見てもらえたらと思います。

――セリフの中で印象に残っているものはありますか?

新井さん:セリフというわけではないですけど、直美の泣き崩れる場面が本当に痛々しくて印象に残っています。収録中、佐藤さんが本当に泣いてるんですよ。その隣で私は(新井さんが演じている世以子が)死んでごめんね…と思いながらずっと立っていました(笑)。

大谷さん:それだけ演技がすごかったということですからね。見所のひとつですよ。演技が下手だったら笑えたんですけど、上手いから大ダメージを受けました(笑)。

下野さん:満場一致で、あの演技は本当にすごかったです。外で聞いているだけでも、なんだか辛くなってきましたから。

佐藤さん:私は、アニメの中でちょいちょい出てくる「友達だよね」というワードです。

下野さん:セリフだとなんだろう…基本的に「うわあああ」という叫び声しか言っていないので(笑)。哲志の怯えっぷりは、間違いなく聞きどころのひとつだと思います。

女性陣も迫真の演技で叫んでいましたけど、「自分も負けちゃいけない」という思いで収録に臨みました。本番では「俺はへたれだ、俺はビビりだ」と自分に言い聞かせていましたね。

今井さん:自分のパート以外では、やっぱり直美と世以子のシーンの会話ですね。私が演じたあゆみのセリフの中では、「幸せのサチコさん」というフレーズが印象的です。収録でこのセリフを言うたびに、「ふざけるなよ」と内心鼻で笑っています(笑)。

大谷さん:私も同じで、「幸せのサチコさん」という言葉はずっと頭に残っていますね。このセリフ自体が完全に間違った情報になっているんですけど、果たしてどれだけの人に迷惑をかけたのだろうといつも考えています(笑)。

「幸せのサチコさん」というセリフが出てくるのはストーリーの導入部分で、この場面の展開次第ではストーリーがハッピーエンドになるかもしれないんですよね。事件が何も起きず、うろたえるサチコもいつか演じてみたいと思っています。

下野さん:次のゲームを作るときはそういうエンディングも1個くらい入れてほしいですね(笑)。

今井さん:たまには明るい曲で終わる、救われるエンディングがあっても良いですね。

大谷さん:救われる「コープスパーティー」もいいですよね。まあ、ないんですけど(笑)。

新井さん:サチコさんが成仏できる、「みんなの明るいコープスパーティー!」といったノリの作品があってもいいよね。

大谷さん:成仏できれば幸せですよね。それで、死んでしまったキャラクターと一緒に天国で楽しく遊ぶ、「フランダースの犬」みたいな作品がいつかでてきてくれたらな、と思っています。

――ホラーシーンが満載の作品になっていますが、プライベートでホラー系のゲームや映画を楽しむことはありますか?

一同:まったくないです!

新井さん:でも仕事で見なければいけないこともたまにありますね…。

佐藤さん:私は洋画なら見ますが、邦画のホラー作品は苦手ですね。どちらかというと、人が死んでいく謎を解決するミステリーが好きで、事件に巻き込まれるタイプはあまり見ないです。

下野さん:僕も洋画ならいけますね。でも邦画のほうが好きな作品が多かったりします。

佐藤さん:えー、好きなんだ!?

新井さん:じゃあなんで「コープスパーティー」は音を消して遊んでるの?(笑)。

下野さん:怖いからだよ! 邦画のホラーは好きだけど、「コープスパーティー」までいくと話は別なんだよ(笑)。僕は「来るの? 来ないの? …来なかったー」という緊張感を体験したいのであって、「コープスパーティー」は普通に来るから心臓が耐えられないんですよ。

今井さん:こんなことを言っている下野さんですけど、ゲームはちゃんとクリアしています。

一同:おー!

――ユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。

新井さん:もう一言ですね。買ってください!

佐藤さん:今回のOVAはいつも通りのノリですけど、いつかはハッピーエンドが訪れるかもしれないので、みなさん期待してください(笑)。なので、OVAも希望を持って見てください。

下野さん:刺激的なシーンがたくさんありますけど、興味を持たれた人は一度見てみるのもありなんじゃないかと思います。

今井さん:私はホラー系が苦手なんですけど、作品としてはスタッフのみなさんが力を入れて作っているので、興味を持った方はちょっと遠いところからで構わないので見てもらえたら嬉しいです。出演している方々の演技も本当に素晴らしいので、そういった意味でも大注目です。ただ、見る前にお祓いに行ったほうがいいと思います。

大谷さん:これだけ私たちが怖がるということは、作品のクオリティが高いということです。映像もさることながら、今井さんが歌っているオープニングテーマもすごく癒される、良い曲になっているので注目してください。イントロだけ聞くと怖い雰囲気なんですけど、歌詞もメロディーもきれいにまとまっていて、この作品の清涼剤になっています。もちろん作品自体も、いいものに仕上がるはずなので、応援よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

OVA「コープスパーティー Tortured Souls ―暴虐された魂の呪叫―」概要

価格

【DVD】上巻(1話、2話収録) 未定、下巻(3話、4話収録) 未定
【Blu-ray BOX】(全話収録、特典あり)未定

発売日

2013年夏発売予定

発売元

MAGES.

OVA1話「多重的別離」あらすじ

薄暗い廃校の中で目が覚めた直美と世以子。一体ここはどこなのか? 先程まで一緒にいた仲間たちはどこへ行ったのか?

何も分からないまま出口を求め歩き出す二人だったが、ふとした衝突で離れ離れになってしまい……

呪われた天神小学校での絶望が幕を開ける――

キャラクター紹介

持田 哲志(もちだ さとし)CV:下野 紘

高等部2年。臆病で小心者だが、妹思いの優しい兄。温厚な性格も手助けし、クラス内では自然とリーダーシップを取っていることが多い。

中嶋 直美(なかしま なおみ)CV:佐藤 利奈

哲志とは中等部からの縁で、お互い相手のことが気になっている。勝ち気で男勝りにも見えるが、実はピアノが得意だったり、料理が上手だったりと女性的な面もある。

篠原 世以子(しのはら せいこ)CV:新井 里美

直美とは家が近く、一緒に登校する仲。明るく奔放な性格から友達も多く、時折周囲が驚くような発言をしても、割と許される位置にいる。

篠崎 あゆみ(しのざき あゆみ)CV:今井 麻美

クラス委員長。人を怖がらせるのが大好きだが、実は恐ろしい目に遭うと足がすくんで動けなくなる極度の臆病性の一面を持っている。

岸沼 良樹(きしぬま よしき)CV:中村 悠一

少々ひねくれた性格だが、その実中身は自分に素直な正直者。哲志とは仲がいい。以前、あゆみに退学になりそうになったのを助けてもらったことがある。

鈴本 繭(すずもと まゆ)CV:南里 侑香

演劇部所属で小柄な体だが活発で明るく、学年内でも1、2を争う人気者。同じ演劇部の森繁を「シゲ兄ぃ」と呼んで慕っている

森繁 朔太郎(もりしげ さくたろう)CV:柿原 徹也

繭と同じ演劇部員で、学校内では大抵一緒にいる。冷静というよりも数段冷めた目線で世の中を見てしまう性質があり、あまり繭以外のクラスメイトとは接触を持とうとしない。

持田 由香(もちだ ゆか)CV:喜多村 英梨

如月学園中等部2年で哲志の妹。兄の哲志に傘を届けに来たために、天神小の事件に一緒に巻き込まれることになってしまった。ブラコンで甘えん坊気質が抜けていない。

宍戸 結衣(ししど ゆい)CV:沢城 みゆき

哲志のクラスの副担任。自他共に認める教え下手な面もあるが、一生懸命に生徒と共に「授業」を作ろうと模索する毎日を送っている。

刻命 裕也(きざみ ゆうや)CV:杉田 智和

高等部2年。クラスの仲間とおまじないを行い、天神小学校に閉じ込められる。同じ学校の仲間である黒崎健介を刺し殺すといった凶暴性がある。

篠崎 サチコ(しのざき さちこ)CV:大谷 育江

天神小の呪いの元凶。しかし元を辿れば彼女も事件の犠牲者の一人である。子ども故、その呪いは残虐極まりない。

スタッフ

監督

岩永 彰

キャラクターデザイン・総作画監督

田中誠輝

脚本

佐藤勝一

制作

アスリード

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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