「ワンダーフリック」はPS4やXbox Oneの次世代機まで計7機種に対応―「レイトン教授」シリーズの流れを汲む「レイトン7」も発表された「LEVEL5 VISION 2013 『渦』」レポート

“UNIPLAY”はゲームハードの垣根を超えたタイトルを展開！第1弾タイトルは「ワンダーフリック」

冒頭で登場したのは、レベルファイブ 代表取締役／CEOの日野晃博氏。今回タイトルにつけられた「渦」の由来について、「ゲーム業界に大きな渦を巻き起こし、その渦の中心でいたい」と話し、今年で15周年を迎える同社がパブリッシャービジネスの開始を発表した地でもあるステラボールでの発表会を迎えるにあたり、新たなチャレンジとしてスマートフォン向けのタイトルに注力していく意気込みを明かし、まず最初に先日発表された「ワンダーフリック」を紹介した。

ワンダーフリック

「ワンダーフリック」は、日野氏がプロデューサー兼ディレクターとして開発に携わる、スマートフォンのプレイスタイルに合わせた3分で遊べるお手軽さをコンセプトとしつつも、本格的な3DファンタジーRPGを目指しているタイトル。

音楽は、「ファンタジーライフ」にも参加した植松伸夫氏が手がけており、当日上映されたビデオメッセージによると、少し大人っぽい楽曲を意識しているという。当日上映されたPVでも、本作の楽曲を一部を聴くことができた。

会場では、日野氏自らが実演プレイ。キャラクターの装備の仕方や、いろんな種類のメダルを相手に飛ばすことで多様な攻撃を繰り出す本作ならではの戦闘システムなどを紹介。本作ではローディングにも力を入れていることで軽快なプレイが楽しめ、さらにメダルの組み合わせによってさまざまなコマンドが楽しめる。

3Dグラフィックについても据え置き機で発売されているRPGとも引けをとらないと自負した上で、今作では通常内部にある確率の乱数を、ミニゲームなどでなるべく表に出して、その乱数が決まる様をそのまま見せていると説明。これはスマートフォンのプレイスタイルに合わせて、短い周期でハラハラ、ドキドキがやってくるようにしているのだという。

ここでもう一本PVを上映し、ハードの垣根を超えた新しいゲームの楽しみ方「UNIPLAY」の第1弾である本タイトルはiOS/Android版を先行でリリースし、その後、PS4/PS3/PS Vita/Wii U/Xbox Oneを加えた計7機種で展開することが明らかになった。

各ハードはそれぞれ独立しているのではなく、各ハード間でサーバーを介したセーブデータの共有が可能となっており、例えば外出中はiPhoneでプレイし、家に帰ったらその続きをWii Uでテレビの大画面でプレイ、寝る前には自分の部屋でPS Vitaで楽しむ、といった時間と場所を選ばないプレイサイクルが実現する。

本発表に併せて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデント 河野弘氏、日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏からのビデオメッセージも到着。どちらもクラウドゲーム化を目指しているとあって、両者ともに好意的な様子が伺えた。

そのほか、本作では当初ひとつしか存在しないワールドを、ゲームの広がりに応じて徐々に拡張していく予定だという。さらに、海賊のマークでおなじみ、集英社の少年誌3誌（週刊少年ジャンプ、Vジャンプ、最強ジャンプ）との取り組みとして、何かしらの展開を予定していることが明かされ、集英社からVジャンブ編集部 編集長 兼 最強ジャンプ編集部 編集長の伊能昭夫氏が挨拶を行った。

なお本作のサービス時期だが、iOS/Androidでは2013年11月より基本プレイ無料、アイテム課金制で、PS3/PS4/PS Vita/Wii U/Xbox Oneに関しては、2014年より順次開始していくとのことだ。

地球壊滅的B級カノジョZ 宇宙大戦

先月大幅なアップデートが行われ、Android版のサービス開始とともにタイトルが変更となった「地球壊滅的B級カノジョZ 宇宙大戦」は、サービス開始から30万ダウンロードを突破。舞台を宇宙に移した今後もさまざまなイベント、キャンペーンを予定しているという。

また日野氏は、新たに追加された結婚システムでは、現在コラボレーション中の「キューティーハニー」とも結婚することが可能であることをアピールしていた。

魔神STATION

「魔神STATION」については、本作のディレクターを務めるレベルファイブ 第4制作統括部 ゼネラルマネージャー イシイジロウ氏が紹介。

まず本作の特徴として、日本全国47都道府県に実在する9,000以上の駅が登場し、各駅からゲームがスタートするRPGになっていると説明。また、歴史上の人物・英雄が“魔神”と呼ばれる存在となり、プレイヤーの攻撃手段になるという。

ちなみに、ここで紹介されている魔神は宮本武蔵。魔神はそれぞれにゆかりのある駅が存在しており、宮本武蔵の場合は巌流島がある下関駅になるのだそう。魔神を連れて日本全国を魔列車で移動するというのが、本作の基本的な要素になりそうだ。

加えて、キャラクターデザインのコザキユースケ氏、魔神＆コンセプトデザインの緒賀岳志氏のデザインもここで公開された。

本作は、イシイ氏自身がコンシューマゲームのノウハウだけではスマートフォンゲーム市場では勝てないと判断し、ラゼストと共同開発を行っているという。加えて、今回は単独のディレクションではなく、ラゼスト 代表取締役社長／ゲームクリエイターの木村仁氏と共同でディレクターを担当していることを明かすとともに、木村氏を紹介した。

さらに、本作では、イシイジロウ氏にとっても念願だったという、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を手がけたスタジオカラーによる短編フルCGアニメを制作。会場で初めて披露された。

妖怪ウォッチ

7月11日の発売以来、順調に生産本数を伸ばし、現在では20万本を突破。また、漫画連載を行う月刊コロコロコミックでは好きな漫画1位、同じく発売がまてないゲームベスト10、発売中で欲しいゲームベスト10で1位を獲得するなど、小学生男子を中心に人気を獲得しているという。

そして、同社のクロスメディア作品第3弾として、2014年1月からはTVアニメが放送されるとともに、ゲームに関する新しい展開も予定していると日野氏は話した。

イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン／スーパーノヴァ

本作では、現在放送中のアニメよりも先の展開として、宇宙を舞台に地球代表のアースイレブンとして地球の危機に立ち向かうこととなる。

当日公開された新PVでは、さまざまな惑星を冒険できることや、野生の力を開放する新システム「ソウル」の存在が明かされた。

イナズマイレブン オンライン

「イナズマイレブン オンライン」は、NHN PlayArtとの共同開発によって展開する、基本プレイ無料のオンラインサッカーシミュレーションゲーム。NHN PlayArtの運営するハンゲームにて、2013年冬サービス予定だ（詳しくはこちら）。

T-Pistonz＋KMCが「イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン／スーパーノヴァ」のテーマ曲を初披露！

最後の発表の前には、「イナズマイレブン」シリーズの楽曲を歌うT-Pistonz＋KMCが登場。「イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン／スーパーノヴァ」のテーマ曲である「BIGBANG！」と「スパノバ！」を初披露するとともに、事前に応募した「イナズマイレブンGO」のリクエストで選ばれた「ライメイ！ブルートレイン」を熱唱した。

「レイトン教授」シリーズの流れを汲むロールプレイパズルゲーム「レイトン7」が発表！

海外展開

ライブの終了後、再び登場した日野氏より、海外展開に関する情報が語られた。

それによると、任天堂より発売された「レイトン教授」シリーズが世界累計出荷本数1500万本、「イナズマイレブン」シリーズが同650万本、バンダイナムコゲームスより発売された「二ノ国」シリーズが同140万本を記録していることなど、好調に推移しているという。

そして今後も欧州もしくは北米で「レイトン教授と超文明Aの遺産」「イナズマイレブン3 世界への挑戦！！ スパーク／ボンバー」、「レイトン教授VS逆転裁判」の発売が控えているとのことだ。

また、ダウンロード版を展開する「GUILD」シリーズについても世界累計販売本数が約40万ダウンロードとなっており、これは「GUILD」シリーズ全体の半数が海外販売になっているという。

レイトン7

そうした前置きを経て、日野氏が「レイトン教授」シリーズの正統続編として、第1作に匹敵するレベルの発明を目指していると紹介したのが「レイトン7」だ。

本作は、誰かの役割を演じる新世代のパズルゲーム「ロールプレイパズル」。プレイヤーは登場キャラクターのうち誰か1人を演じることとなり、それぞれに与えられた役割を果たすことでポイントを競い合う。

日野氏によると、「レイトン7」の“7（セブン）”が指すのは単にレイトンの名を冠した7作目だからというだけではない、さまざまな意味がこめられているという。「（ユーザーが）想像しているよりもさらに上を行くゲーム体験を与えてくれる」という自信を覗かせつつ、次のビッグタイトルにしていきたいと抱負を述べていた。

今作も「UNIPLAY」の対応タイトルとして、iOS/Android/ニンテンドー3DSで展開が予定されている。

日野氏は発表会の締めとして、これらの発表内容をゲーム業界全体に影響をあたえるような取り組みにし、ゲームやエンターテイメントの世界に新風を吹かせたいと述べた。