バンダイナムコゲームスは本日12月12日、「テイルズ オブ」シリーズ20周年記念タイトル発表会を開催し、シリーズ最新作となるPS3用ソフト「テイルズ オブ ゼスティリア」に関する発表を行った。
発表会の冒頭では、バンダイナムコゲームス代表取締役社長の大下聡氏が登壇し、開始の挨拶を行った。「テイルズ オブ」シリーズは全世界で1600万本の出荷を達成しており、グッズやファンイベント、各種コラボなども幅広く展開できるIPに成長しているが、「これはひとえに皆様のご支援あってのことです」と感謝を述べた。
また、ファンの中には1作目からプレイしている人や、最近になって作品に触れた人など、幅広い層が存在するが「世代を超えて愛されるコンテンツに育てていきたい」と、今後の抱負も語った。
この後は、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデントの河野弘氏からのビデオメッセージも公開された。河野氏はプレイステーションと「テイルズ オブ」シリーズが数々のタイトルで一緒に歩んできたことや、先日のPlayStation Award 2013で「テイルズ オブ エクシリア2」がゴールドプライズを受賞したことなどに触れつつ、「本日発表される20周年記念タイトルにも期待しています」とと応援のメッセージを寄せていた。
河野弘氏 |
その20周年記念タイトルは、「テイルズ オブ エクシリア2」でもプロデューサーを務めた馬場英雄氏から発表が行われた。会場とニコニコ生放送限定となっていた初公開のPVと合わせ、シリーズ最新作は「テイルズ オブ ゼスティリア」というタイトルであることが明かされた。
馬場氏からはゲームの各ポイントについても紹介された。まずタイトルには、ゼスト(Zest)という言葉が意味する情熱・熱意を物語の中で届けていきたいという想いが込められているとのこと。「何かを成し遂げるために大切な強い意志や熱意、それをキャラクターを通じて皆さんにお届けしたいと思っています」と馬場氏。
さらに20周年記念タイトルということで、「エクシリア」の時にも掲げられた原点回帰を本作でも意識しているという。今回はシリーズの物語、今まで描かれてきた豊かな物語や道徳性、プレイヤーに何かを問いかけることなど、そうした想いを込め、スタッフひとりひとりが一生懸命開発している最中だという。
続いてキャラクターデザインについても触れられた。「エクシリア」ではシリーズでもお馴染みの二人、いのまたむつみ氏と藤島康介氏のコラボによるダブル主人公で、さらに続編の「エクシリア2」では奥村大悟氏が主人公を描いていたが、今回はその三氏に加え、「レディアントマイソロジー」シリーズを担当した岩本稔氏を加えた4人態勢となっている。
会場ではメインキャラクターの2人が公開され、主人公のスレイを藤島氏が、ヒロインのアリーシャを奥村氏が手掛けていることも明かされた。
キャラクターの設定については、スレイは清らかな心を持っており、場面場面で自分が今いる状況、何をすべきか、何をしたいかなど思考力を働かせるキャラクターだという。アリーシャは騎士の役目を担っているのだが、なぜ彼女が騎士になったのか、彼女が情熱を持って取り組むことは何か、そしてスレイと出会い冒険をする中でどんな展開が待ち受け、どう成長していくかに注目してほしいと話していた。
本作の世界は、ハイランド王国とローランス帝国という2つの勢力が存在する「グリンウッド」と呼ばれる大陸が舞台。ハイランド王国は王国制が敷かれており、そこで信仰されている事柄などを受け継ぎつつ現代にいたる。一方のローランス帝国は軍事力で成り立っている国家であり、皇帝という形で支配下に置かれていたが、現在は協会が国をまとめているのだとか。
世界観全体でポイントとなる“天族”という存在もいる。天族は人間には見ることも、触ることもできないが、この世界において自然現象などに影響を与える存在だと言われている。そうした伝承が古くから存在し、単に口伝によるものだけではなく、世界中に古代遺跡なども存在するようだ。スレイたちの冒険が天族とどのような関わりがあるのかが見どころだという。
世界観の発表に合わせてイメージイラストなども公開されたが、本作でのフィールドはこれまでのシリーズにはなかった表現を取り入れ、冒険心を刺激するような広大で起伏あるものになっているとのこと。
アクション性の高さが特徴であり、ユーザーから支持されているポイントのひとつでもある戦闘も気合を入れて作っており、今作で進化を遂げているという。シリーズの代名詞でもあるリニアモーションバトルシステム(LMBS)がどんな名称になるかについては、今後発表のようだ。
会場と放送限定だったPVにはドラゴンの姿が大々的に描かれていたのだが、それについての話題もあった。ファンタジーでは重要な存在のドラゴンだが、シリーズではこれまでドラゴンに焦点を当てた作品がなかったため、今作ではそこに焦点を当て、ロゴにドラゴンの姿をあしらう程に重要な存在になっているという。一概にドラゴンといっても、災いをもたらす存在なのか、それとも仲間になるのかといった方向性もあるが、これについてはネタバレになってしまうので言えないようだ。
アニメーションもキーとなっており、「エクシリア」の2作に続いて今回もufotableが担当する。アニメーションでキャラクターを描く際には、等身や表情などのサンプルを細かく作るようで、その資料の一部が公開となった。
また、会場にはユーフォーテーブル代表取締役 プロデューサーの近藤光氏も訪れており、制作の意気込みなどについてコメント。20周年という大きなタイトルで再びアニメーションを担当することになり、ドキドキしつつも社内の雰囲気が引き締まり「クオリティも内容も、以前のものを超える勢いでやるぞ、という気持ちで頑張っています」と現状を語った。
さらなるゲストとして、スレイ役の木村良平さんと、アリーシャ役の茅野愛衣さんも登場。主人公役に抜擢されたことの感想を求められると、「声優になったからにはこの役!というよりも、あれも楽しい、これも楽しいというタイプですが、『テイルズ オブ』は10代の頃から友達と遊んでいたので嬉しかったです。だいぶはしゃぎました」とまずは木村さんが回答。続く茅野さんも「20年続く作品のファミリーに入ることができて光栄です」と述べた。
(左から)木村良平さん、茅野愛衣さん |
大きなタイトルの、しかも主人公という役は重荷に感じたかという質問に対しては「自分がプレイしていた世界に入れるので嬉しかったですね(木村さん)」「シリーズの一部になれると思うと嬉しい気持ちですし、楽しみにしていました。ゲームで(ほかのキャストの)皆さんと一緒に収録できるのも貴重でした(茅野さん)」とコメント。
キャストが揃って収録することは、 掛け合いにおいて感情や相手との距離感を表現するため大事にしていると馬場氏。 |
最後には、木村さんと茅野さん、そして馬場氏からユーザーへのメッセージが送られた。
木村さん:僕はもうストーリーを知っていますが、ゲームとしてどうなるかはまだPVを見ただけですが、期待を超えるものになっていると感じられて、いちファンとしてすごく嬉しいです。ストーリーは役者が魂を込めて作り上げたので、面白いものになっていると思います。
茅野さん:まだ言えないことだらけですが、今日の発表を見ていただいて、すごく楽しみにされている方がたくさんいらっしゃると思います。20周年という素敵な「テイルズ オブ」の作品をお届けできればと思っていますので、キャラクターともども愛していただけるよう、私たちも頑張っていきます。
馬場氏:ようやく発表できて嬉しく思います。スタッフひとりひとりが思いを込め、最高のゲーム作りをしようと頑張っています。皆さんの期待に応えられるような、そして新しい体験ができるような、さらには次のシリーズの一歩を踏まえて「ゼスティリア」をお届けしたいなと思っております。ぜひこれからの展開に期待していただきつつ、今後ともシリーズをよろしくお願いいたします。