ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、2014年夏に発売予定のPS Vita用ソフト「俺の屍を越えてゆけ 2」について、あらすじや登場人物、ゲームシステムなどの新情報を公開した。
拘束された謎の女性“夜鳥子”
「俺の屍を越えてゆけ2」初報のアートは、拘束された謎の女性“夜鳥子”(ヌエコ)。拘束され、周りを骸骨が飛び回る様は、少し狂気じみた異様な印象を与える。“夜鳥子”が本作でどのような役割をもって登場するのか、続報での情報公開を待て。
あらすじ
一族惨殺。宿命を背負い、一族は蘇る。
時は平安中期。
突如発生した大地震を皮切りに、都を天変地異が襲い次々と荒れ果てていった。
そんな中、天変地異を神の祟りと恐れた者たちの手により、帝に使える武家一族が人身御供の名の元に、一族郎党、女子供まで無実の罪で惨殺される。
無残にも川原に並べられた、一族のされこうべ。そこへ“黄川人”(きつと)と名乗る天界の使いが現れ、一族のされこうべに問いかける。
「こんな目にあわせてくれたヤツに復讐したいよな?」
“黄川人”はさらに、一族に二つの呪いが掛けられていることを告げる。ひとつは、常人の何倍もの速さで成長し、わずか二年ほどしか生きることが叶わない「短命(たんめい)の呪い」、もうひとつは、人との間に子を成すことができない「種絶(しゅぜつ)の呪い」。
一族は惨殺を図った者への復讐をするべく、一族に掛けられた二つの呪いを覚悟した上で“黄川人”に蘇ることを望む。
復活を遂げた一族のされこうべは、それぞれに復讐への力を蓄えるべく、全国へと散っていった。いつの日か京へと攻め上ることを胸に誓って…。
わずかな希望は「種絶の呪い」のため人間と子孫を残せない代わりに、神々と交わることで血を残せること。二年ほどの命を神々の力を借り親から子へと繋ぎながら、一族を手に掛けた者たちへの復讐と二つの呪いからの解放という宿命に一族は立ち向かう。
一族を繋いでいく
いくつもの死の先に、一族は強くなる。いくつもの命を繋ぎ、宿命を断つ。
わずか二年ほどしか生きられない「短命の呪い」と、人との間に子を成せない「種絶の呪い」 。この二つの呪いに抗いながら、主人公の一族は力をつけ宿命に立ち向かわなければならない。
本作ではPS Vitaのカメラを使って、プレイヤー自身の顔を取り込み、生き写しとなる一族の初代当主を作成できる。作成した初代当主から、実際にプレイヤーの遺伝子をもったかのような姿・体型で生まれてくる、子や孫たち。わずか二年ほどで死にゆく子らの姿に見る度に、リアルな感情に直面することだろう。
また「種絶の呪い」 によって人との間に子を成せない為、子孫を残す為には神との「交神の儀」(こうしんのぎ)という儀式を行う必要がある。相手となった神の素質が子に影響する為、相手選びも重要な要素となる。こうして個々の能力強化と、神との「交神の儀」を繰り返し、いつの日か宿命を断つため一族を育てていくのだ。
一族を発展させる
当主作成
一族の初代当主を作成する際には、PS Vitaのカメラを使って、プレイヤーの顔を取り込み初代当主に反映させることができる。子どもや孫へもその特徴は遺伝していく為、プレイヤーの思い入れも必然的に強くなる。もちろん、他の誰かの顔を撮影して取り込んだり、プレイヤーの顔を取り込まず、自由にエディットして初代当主を作成することも可能だ。
初代当主作成時には一族のテーマカラーとなる衣装の色も決められる。もちろん、初代当主を女性で作成することもできる。
「短命の呪い」によって、わずか二年ほどで死んでいく一族の者たち。想いとともに、強化した能力を子の代へと繋いでいけ。
交神の儀(こうしんのぎ)
「種絶の呪い」により、一族は人との間に子どもを成すことができない為、神との間で「交神の儀」を執り行うことで、子孫を残していくことになる。「交神の儀」によって、交神を行う一族と神様の素質が交わり、生まれてくる子どもへと受け継がれていく。
また生まれてくる子どもの見た目も、相手となる両親の容姿に影響を受ける。「交神の儀」の相手となる神様にも性別が存在。一族の性別が女性であれば、相手は男性の神様の中から選ぶこととなる。
一族の強化
職業選択
当主や子が選べる職業は基本8種類。それぞれに異なる特徴を持つため、一族の能力やバランスを考えながら職業を選んで欲しい。今回は基本8種の中から、前線を支える「剣士」と遠距離攻撃が得意な「弓使い」を紹介。
剣士
強固な防具に身を包み、前線で敵で敵を切り捨てる、攻守の要。武士と名乗るなら「一家にひとり」が美学。
弓使い
敵がどこにいようと関係なく、敵一体を射る。遠距離=攻撃力弱めのイメージがあるが、その攻撃力は剣士に次ぐ。ある程度強固な防具を装備できる為、多少の攻撃にも耐えられる。
一族の運命に絡み合う者たち。「登場人物の紹介」
コーちん(声:福圓美里)
「この仕事、命がけで務めるから。よろしく おねがいしゃーす!!」
“黄川人”を命の恩人と慕う、お子様イタチな女の子。人間のことはわからないけど、一生懸命お手伝い。
蘇った主人公一族の元に、“黄川人”が連れてきた女の子。人間のように見えるが、“黄川人”が言うにはイタチらしい。プレイヤーがゲームを進めるにあたり、各種アドバイスをくれたりと、様々な形でサポートしてくれる主要人物。
台詞の通り、一生懸命サポートしてくれるが、言葉使いはかなり雑。常に一族の側にいるということは、常に一族の死の側にいることになる。二年ほどで訪れる一族の死を見守り続ける唯一の存在。
ゲーム進行の中でもさまざまな形でプレイヤーを助けくれる“コーちん”。イタチなので季節が変わると「夏毛」「冬毛」に生え変わり、衣装もチェンジする。
黄川人(きつと)(声:高山みなみ)
「あ~~~あ。一族そろってバカばかり、あのさぁ、神の怒りを鎮めるための尊い犠牲とでも説明された?」
悪態に隠れた、一族へのサディスティックな愛情。ゲームの案内役は、少し歪んだ美少年。
惨殺された主人公一族の前に現れ復活へと導く。一族のお手伝い役の“コーちん”を連れてきたのも彼。一族のサポート役は“コーちん”に任せっぱなしだが、事あるごとに一族の前に現れ、案内をしてくれる先導役。前作に引き続いて登場する“黄川人”だが、主人公一族を蘇らせた理由など、本作における行動目的は謎のまま。
ゲームの進行
短い命を如何に生きるか。一族の強さは生き方で変わる。
基本的なゲームサイクル
限られた時間の中、一族を育て、能力を後生に継ぎ、物語を進行させていくのがゲームの基本となる。屋敷・街で準備を整え、鬼の巣食う迷宮へと討伐に繰り出し戦闘を重ねて 一族を強化し、前述の「交神の儀」を行い子孫を残し命を繋いでいく。
わずか二年の寿命を、いかに生きるか。プレイヤー次第で十人十色の一族が育っていく。戦闘と成長を繰り返しつつ、自分の一族が強くなっていく喜びを楽しんで欲しい。
準備
討伐
交神
屋敷、街
主人公の一族の拠点となる屋敷と街。屋敷では“コーちん”のアドバイスを聞きつつ、鬼の待つ迷宮へ挑む一族の装備などを整えたり、「交神の儀」によって子孫を増やしたりと様々なことが行える。
また、今まで育てた一族の家系図を眺めたり、歴代の勇士を確認するなどといった、プレイヤーの一族を愛でることも可能だ。武器屋や雑貨屋で買い揃え、討伐への準備を整える。プレイヤー次第で街の発展の仕方で、街の表情も変化していく。
街では、武器屋、雑貨屋といった商店で一族の強化や迷宮の探索で必要となるアイテムを買い揃えることができるほか、神社や娯楽施設など、一見、育成や討伐と関係無いような施設も存在する。街の各種施設にも成長要素が取り入れられているなど、一族の宿命を断つ為には、街をどのように育てて行くかも重要な要素となる。一族だけでなく、プレイヤー次第で街の表情も変わっていくことだろう。
迷宮・戦闘
屋敷と街で準備を整えたら、いよいよ鬼の巣食う迷宮へと出陣だ。木版画のように描かれた迷宮の種類は様々。森や川辺といった自然の中から、お祭りでもしているかのような神社まで。様々な迷宮がプレイヤーを待つ。迷宮に巣食う鬼たちと戦闘を繰り返すことで一族は成長。成長の過程で技を習得すれば、ド派手なアクションで敵をなぎ倒せるようにもなる。屋敷・街と迷宮を行き来しながら、個々の成長、一族全体の強化を楽しもう。
全国の一族との繋がり
全国の一族との繋がりが生み出す、「俺屍」の新しい楽しみ。
宿命を背負った一族はあなただけではない。復活を遂げるも全国へ散っていった一族たちは、それぞれの地方で国を発展させていて、同じ呪いと闘いながら宿命を断つために力を蓄えている。
物語を進めていく中で、他の一族が活動している地方へ訪れることができる。自国とは全く異なる形で発展している様を多く見ることができるだろう。
他国の各施設では、自国にはない武具や道具を買うことができ、他国の迷宮では、まだ見ぬ鬼に遭遇し、知らない宝を手に入れることができる。他の一族と協力することが、自分の一族を強化する近道になるのだ。
そう、「俺の屍を越えてゆけ2」では、同じ呪いを受けている一族たちが交流することで、別の楽しみが生まれるのだ。
さらにこれらは、一人でもリアルなプレイヤー同士でも楽しめるようになっている。プレイヤー同士が「親戚付き合い」をするような感覚で、お互いのプレイ状況を確認して違いを楽しむことができるのだ。
他国遠征による一族強化の楽しみ
プレイヤーは他国へ遠征することができる。他国では、街の発展の仕方や表情もがらりと変わり、購入できる武器などにも特色が出る。また、拠点を取り巻く環境にも違いが現れる。出現している迷宮の違い、自国だけでは手に入りにくい宝が入手できるなど、千差万別の違いを楽しみつつ、一族のさらなる繁栄を図ることができる。
左画面が自国の街並み、右の画面が他国へ遠征したときの街並みだ。街の発展の仕方の違いによって、施設に並ぶ商品も異なっている。
同じ呪いを受けたもの同士の魂が交わる時、新たな生命を宿す「結魂(けっこん)」
呪われた一族同士の魂を交わせ、新たな生命を誕生させる「結魂(けっこん)」 。お互いの一族の血脈が交わることで、相手の一族の素質や容姿を受け継ぐ。「結魂」はリアルなプレイヤー同士でも行うことができる。同じ宿命に立ち向かう一族同士の間に生まれた子供は、思い入れが実感としてより強くなるだろう。
「確かに生きていた」という一族の証を残し、様々な形で派生していく「俺屍2」
ゲーム内では、わずか二年ほどで死期を向かえる一族の生きていた証をゲーム外へ残す仕掛けが施されている。
かっこいい・かわいい子供が生まれた時、鬼を倒した決定的瞬間などの場面は自動で写真に残せ(自動で撮影する場面のカスタマイズも可能)、シームレスにSNSに投稿し披露しよう。一族の歴史をオンライン上に残すことで、他のプレイヤーとのコミュニケーションにもつながるだろう。
また、一族キャラクターや特殊武具のデータをQRコードに残し、あらゆるメディアに貼ることでそのデータはずっと残っていき、PS Vitaのカメラで読み込むことで他のプレイヤーにデータが継承される。プレイヤーが辿った一族の轍は、リアルタイムでプレイしているユーザーへ、はたまた時を越えて未来でプレイするユーザーまでも届けることができるのだ。
制作スタッフ
ゲームデザイン/シナリオ: 桝田省治(ますだ しょうじ)
本作のゲームデザイン/シナリオを務める。過去にPS「リンダキューブ アゲイン」、PCエンジン「天外魔境II 卍MARU」、 PS/PSP「俺の屍を越えてゆけ」などのゲームデザインを手がける。ほかに「ログ・ホライズン」の書籍、アニメの監修なども担当している。
シナリオ: 生田美和(しょうだ みわ)
本作では桝田省治の元でシナリオを支える。過去にPS「サガ フロンティア」(アセルス編)、PS「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」(宝石泥棒編)などを世界観から手がけ好評を博し、PS2「FINAL FANTASY XII」ではシナリオを共著。「サガ」シリーズ、「聖剣伝説」シリーズ、「FINAL FANTASY」シリーズのメイン担当実績を持つ稀有なシナリオライター。
ゲーム制作: 株式会社アルファ・システム
本作のゲーム制作を務める。過去にPS/PSP「俺の屍を越えてゆけ」、PSP「ファンタシースターポータブル」などのゲーム制作を手がける。
キャラクターデザイン: 佐嶋真実(さじま まこと)
PS/PSP「俺の屍を越えてゆけ」に続き、本作のキャラクターデザインを務める。
音楽: 木原孝之介(きはら こうのすけ)
本作の音楽制作を務める。PS/PSP「俺の屍を越えてゆけ」の音楽を手がけた樹原涼子氏の子息。
アニメ制作: 旭プロダクション
本作のアニメ制作を務める。テレビシリーズ「スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター」などのアニメ制作を手がけ、撮影においては40年の実績を持つ(代表作品:機動戦士ガンダムシリーズ、銀魂シリーズ、進撃の巨人、ジョジョの奇妙な冒険)
題字: 金澤翔子(かなざわ しょうこ)
本作の題字を務める。2012年にNHK大河ドラマ「平清盛」の題字を担当したことでも知られ、寺社仏閣や個展をはじめ全国で精力的に揮毫を行う注目の若手書家。テレビなどへも多数出演。